絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

優生保護法が奪った人権―排除の危険は今もなお:藤野 豊 氏

2019年04月26日 11時39分25秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

尾崎洋二コメント 

私たち日本人の人権感覚は本当にまともなんだろうか?

思はず考えてしまう藤野氏のご意見です。

海外からの批判があって初めて優生保護法を改正した。しかし、このとき、国会では法改正に関する実質的な審議は一切なされず、優生保護法の何が問題なのかも議論されなかったという事実に私は愕然としました。

敗戦後に生まれた「平和憲法」の下でもこのようなことがまかり通ったという歴史事実は、

私たち大衆がしっかりと政治を監視していかなければ、「私たちの基本的人権さえ平和憲法の下でも侵されていく可能性がある」ということを教えてくれます。

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優生保護法が奪った人権―海外からの批判で法改正―排除の危険は今もなお

―国家賠償求め被害者が提訴:藤野 豊 氏 敬和学園大学教授:著書「いのちの近代史」「ハンセン病と戦後民主主義」など

聖教新聞4月25日2019年 要点抜粋箇条書き

 

2016年7月26日、知的障がい者施設の神奈川県立津久井やまゆり園で元職員が

19人の入所者を殺害し、26人に重軽傷を負わせるという事件が起きた。

 

 加害者が「知的障がい者は生きる価値がない」という趣旨の発言を行い、犯行を正当化したことは、この事件の背景には多くの障がい者を虐殺したナチスに通じる優生思想が存在していた事実を私たちに突き付けた。

 

 しかし、1996年まで、日本にも優生保護法が存在し、特定障がい者や病者に対し

子どもを産むか産まないかを自分で決める自由を奪っていたのである。

 

 2018年1月30日、優生保護法により強制不妊手術を受けた宮城県の女性が、国家賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。

 その後、各地で同様の訴訟が起こり、現在、七つの裁判所で20人の原告により裁判が進行している。

 

 優生保護法の下で特定の障がいや疾病を理由に不妊手術を受けた者は約2万5000人に及び、そのうち約1万5000人は強制であった。

 さらに、隔離されたハンセン病患者にも任意で不妊手術はなされ、これも事実上の強制であった。

 

 隔離された環境で、患者は手術を拒否する自由がなかったからである。

 従って、こうしたケースも含めると、本人の意思に反した不妊手術の被害者数はさらに増える。

 

 なぜ、日本国憲法の下で、優生保護法は成立し、50年近くも維持されてきたのか。

 

公益上必要と正当化

 優生保護法を生み出した原因は敗戦である。

 敗戦により、日本は人口を抑制しなければ、飢えてしまうという危機感が社会を覆った。

ここに、戦後復興の妨げになるとして、遺伝性とみなされた障がい者、病者に不妊手術を強制し、その一方で、人口抑制のために妊娠中絶を合法化する優生保護法が考案された。

 

優生保護法は1948年超党派の議員立法案として提出され、全会一致で成立した。

 

「著しい性欲異常」「常習性犯罪者」など、遺伝するかどうかも定かではない障がい、病者も対象にされ、感染症であるハンセン病の患者とその配偶者は任意手術の対象とされた。

 

 このように、優生保護法は医学的にも杜撰な法律であった。

 そうでありながら、障がい者、病者への不妊手術は「公益上必要」という理由で、その正当性が説明された。

 

 国は強制手術の対象者が手術を拒んだ場合は、だましたり、麻酔をかけたり、身体を拘束して手術を行ってもかまわないと指示した。

 

日本国憲法には基本的人権の尊重がうたわれたが、そこには「公共の福祉」に反しないという制約が付されており、特定の障がい者、病者が子どもをつくることはまさに「公共の福祉」に反すると考えられたのである。

 

過去の問題ではない

1995年に北京で開かれた女性世界会議で、優生保護法は障がい者への差別法であると厳しく批判され、こうした国際世論を受けて、1996年6月、優生保護法が母体保護法に改正され、強制不妊手術などの条項は削除された。

 

しかし、このとき、国会では法改正に関する実質的な審議は一切なされず、優生保護法の何が問題なのかも議論されなかった。

 

昨年、出産につながらないLGBTの人々は生産性がないという批判が国会議員からなされた。

この主張は子どもを将来の労働力という視点からのみ評価するもので、少子化の時代に労働力になれない子どもを産むなという論理である。

 

出生前診断の技術が進化している状況を考えると、特定障がい者、病者の出産が排除される事態は今後も起こり得る。

 

優生保護法による障がい者、病者への人権侵害は決して過去の問題ではない。

まさに、現在の問題である。

  

 

 

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「人が死なない防災」2-なぜ人は避難しないのか?-片田 敏孝 

2019年04月24日 12時59分45秒 | 人が死なない防災

「人が死なない防災」2-なぜ人は避難しないのか?-東日本大震災を踏まえて-片田 敏孝 著-集英社新書(¥760)

 尾崎コメント
 南海トラフ巨大地震に備えて、「津波避難困難地域」解消のため、和歌山県田辺市では津波避難タワーを総事業費は2億323万円で建設(2019年4月20日落成式)しました。

 このような動きは他の地域にもあることと思います。またもっとあって欲しいとも思います。
 
 しかしながら、本当に皆が全員避難してくれるのか?という素朴な疑問が私にはあります。

   いざ!という時本当に全員が避難して欲しいと願います。

 全員が避難するためにハード面だけではなくソフト面をどのような姿勢で充実されているか(避難訓練などの実例)をぜひ知りたいと思いました。
 
 片田 敏孝氏の「なぜ人は避難しないのか?3章」と「求められる内発的な自助・共助 4章」は全員避難=犠牲者ゼロに向けてとても重要です。

------3章 なぜ人は避難しないのか?--要点抜粋箇条書き--------

2003年の地震で、気仙沼市では震度5強を観測。P174

 地震発生から12分後に「潮位の変化はあるが津波被害のおそれなし」のみが発表された。

 その12分間は、津波が来るかどうか、避難すべきかどうか、それに関してまったく情報がなかった空白の時間でした。

 しかし、1993年の北海道南西沖地震では、地震発生からわずか5分で奥尻島にお津波が到達しています。

 このような事例をふあえると、情報がないにせよ、万一津波が襲来した場合に備えてすぐさま避難すべき状況であったと思います。

 住民に「あなたは逃げましたか」と聞くと、8.1%が「逃げた」と答えました。
 ところが、その半分は津波とはまったく関係ない避難行動です。

 津波の避難というのは、海を背にして高いところに向かって、一直線に逃げていくことですが、それを意識した人はこの8.1%のうちおよそ2割。
 したがって、津波からの避難率は約1.7%ということになるわけです。

 

人間は死を前提にものを考えない p176

 津波が来るという認識をもっていたにもかかわらず、「身に危険が及ぶと思った」が11%,
「危険が及ぶ可能性が高いと思った」が18%。

 合わせて3割の人しか自分の命の危険を感じていないのです。

 これは、よくいわれるところの「正常化の偏見」という心理特性で、人間を行動に移せない、非常に基本的な要因の一つです。


 人間は、死ぬということを前提にものを考えることはできないのです。

 例えば避難勧告が出た場合、「自分は死ぬかもしれないから逃げる」という発想に至る人はほぼいません。


「認知不協和」p184

 住民が逃げなかった理由は、もう一点、「認知不協和」ということがあります。
 簡単に言い換えると、「わかちゃいるけど・・・」ということです。

 避難率1.7%という数字をあらためて考えてみると、それは「逃げない」という意思決定をしていたわけではなくて、「逃げる」という意思決定ができずにいたのだ、と考えるべきだろうと思います。

 「逃げないぞ」と腹をくくっているわけでなくて、「逃げる」という決心ができなかった。
   そういう不安の中で情報収集に走る。

 逃げていない自分を正当化することもできる。
 そして結局「逃げない」ことが定常化してしまった。

 さらにいえば、「隣も逃げていないから、ウチも逃げない」という場合、隣とウチは相互監視状態にありますから、不安な心理の中で均衡状態のようなものができあがって、しかも悪い方に均衡してしまう。
 この状態は非常に危険です。


「率先避難者」の必要性 p186

 逃げた人、逃げなかった人を問わず、「どういう状態だったら逃げたか」という設問。

64.1%=近所の人たちが避難しているのを見たならば私も逃げました。

73.1%=町内会役員や近所の人が「逃げるぞ」と声をかけてくれたら私も逃 げました。

 つまり、「あなたが逃げないから私も逃げない」という不安の中で、誰か一人が率先して避難をしたら、もしくは「逃げるぞ、逃げるぞ」と声をかけて避難をしていったら、行動を起こすだろうということです。
 
 ほとんどの人は、そこまでしても逃げないというほど図太くない、ということでもあるだろうと思います。

 自主防災組織の方にお願いすることがあります。
 自主防災の機能に追加してほしいのは、被災した後に助け合うということのみならず、その地域の人たちが災害で死なないようにするための活動です。

 そのためには、この事例からもわかるように「率先避難者」という役割をつくってほしいのです。


備えない自分、逃げない自分を知ることが備えの第一歩 p198

 人というものは、基本的に避難できないのが素であって、避難という行為はきわめて高度な理性的行為といえるでしょう。

 災害に備えるためには、そして、災害に強い住民であるためには、まず災害に接した自分が逃げようとしないことを自分自身が理解していることが重要でり、そのうえで、それを押して行動に移る理性が必要なのです。

 従来の防災教育では、繰り返し、災害への備えの必要性を説き、いざというときに避難するように呼びかけてきました。
 しかし、単にこのような呼びかけを繰り返してもその効果は疑わしいといわざるを得ません。

 今必要なのは、それであっても災害に備えない人の心理を住民自身に理解してもらうこと、その理解がないまま現状の姿勢である続ける限り、自分や将来の世代のどこかで大きな被害にあってしまうことを理解してもらうことであろうと思います。
 


------4章 求められる内発的な自助・共助--水害避難を事例に------

避難勧告が出せない事例 p202

「これまでの安全は、これからの安全を保障することでもなんでもない」
まず、これを深く心に刻んでおかなくてはなりません。

 なぜなら、もうすでに気象が変わってきているからです。
 地球温暖化により気象災害の様相は激化しています。

 これまでの優しい雨の傾向と、これからの雨の降り方は全然違うということを念頭に置いたうえで、これからの防災のあり方を考えてみましょう。

 はっきり言うならば、日本の防災が立ち行かなくなっています。
 これまでの傾向の中でできていた防災の仕組みが、これだけの台風や気象の激化の中では、もう成り立たないのです。

 行政からの情報(避難勧告、赤色灯、看板等)に委ねて災害対応を行う体制そのものの問題点を、指摘している事例。
 都賀川の水難事故:2008年7月28日:全長1790メートル(どこにでもある小さな川)
 10分間に12ミリの雨(一時間雨量換算約120ミリ)が降った。
 平時の水位のところに鉄砲水が来て、その高さが1.3となった。
 ゲリラ豪雨。
 52人が避難したり救助されたが、子どもを含む5人が犠牲となった。


三種類の避難 p210

 1-緊急避難(エバキュエーション:evacuation)
  命からがらの避難。

 2-滞在避難(シェルタリング:sheltering)
  体育館などの避難所で一時生活すること。

 3-難民避難(レフュージ:refuge)
  避難をしたが、家に戻れないので仮設住宅で生活しているような状態。
  これは本来、難民生活というべきですが、日本では避難生活という語で済ませています。

 行政が対応できるのは滞在避難と難民避難です。
 これはしっかりやるべきです。
 
 しかし緊急避難、エバキュエーションについては、個人個人みんな条件が違いますから、その主体を国民に返していくべきではないかと私は考えているのです。 p211

 もっと大本から考えると、日本の防災は、個々の住民が自分の命を自分で守る意識と、災いを避けて通る知恵をもてるような方向へ進めていかなければならないということです。
 そういう思いを、私は強くもっています。 p217


人為的に高める安全は、人間の脆弱性を高める p220

 人口1億人のうち自然災害で数千人が亡くなることはシステムエラーです。
 しかし、1億人のうち100人なくなることはシステムエラーではなく事故です。

 (1959年の伊勢湾台風までは数千人の自然災害死亡災害が多発。災害対策基本法が1961年に施行され、堤防や砂防ダムなどの整備対策や情報伝達対策などが実施されたため、1962年以降は大震災を除けば、自然災害で数千人亡くなることはなくなりました。
その後自然災害では年間100人前後まで死者数を減らすことができました-尾崎コメント)

 年間100名の死亡事故という領域になったときに、行政ができることには限度があるのです。
 そこでさらに数を減らそうと思ったら、行政ではなく国民自身がやるべきことが出てくるわけです。

 日本の防災はそういう領域に来ていると思います。
 それにもかかわらず。これまでと同じように、災害対策基本法に基づく行政主導の枠組みの中で進めようとしているところに限界があるのです。p221

 災害対策法のもと、50年にわたって「行政が行う防災」が進められた結果、このような日本の防災文化が定着してしまっている。
 防災に対して過剰な行政依存、情報依存の状態にある。

 自分の命の安全を全部行政に委ねる。いわば、住民は「災害過保護」という状態にあるのです。
 これがわが国の防災における最大の問題なのです。


「内発的自助」とは p225

 自助には二つあると思います。
 一つは、仕方なく自助、受け身の自助です。
 本来ならば行政が行うべきなのに、できないから仕方なく自助。
 完全に受け身です。

 これに対して、主体的な自助というものがあるのです。
 親として家族を守りたい。
 地域の若者としてみんなで安全を守り抜きたい、そのような内なる沸々と湧いてくるような自助のことです。

 この違いは、非常に重要だと私は思っています。
 これはまったくの精神論ですが、これからの住民や地域の災害対応を根底から変えるものです。

 いま、あらためて自助のあり方を問いたいと思います。
 なんでも行政に情報をもらって逃げるという仕組みそのもの、姿勢そのものが間違っているのです。

 もちろん、住民の命を守るという公共の福祉に対してできる限りのサービスをすることは、行政のやるべきことでしょう。
 そして「逃げどきマップ」のような役立つ情報をどんどん流す。
 つまり主体的な気持ちをサポートするような情報を提供することも必要です。

 しかし、情報を出すからこれに従って逃げてください、ということではだめだと思います。
 それは情報の内容の問題ではありません。
 姿勢の問題であり、行政と住民の関係構造の問題です。p226


おわりに p237

 長年進められてきた行政主体の防災に国民は頼りきっており、自分の命でありながら、
それを守るのは行政の責任とまで言いきる国民が多いのが現状である。

 このままの姿勢で「その時」を迎えるなら、「役所のせいだ!」と言いながら命を落とす事態になりかねない。

 こうした姿勢の根底にあるのは、責任を他者に求める意識である。
 それを改めなければ、命を守る主体性は醸成されない。

 また人には危機を知らせる情報を正当に感じ取れない心理特性や、死をあえて意識しないからこそ幸せに暮らせるという側面がある。

 したがって、避難をはじめとした災害対応行動とは、きわめて理性的に自らを律する行為なのである。

 それだけに、一朝一夕に国民の災害対応行動を適正化することは難しいといえよう。
 だからこそ私は、学校における防災教育の重要性を主張するのである。

 柔軟な子どもたちの教育課程に防災教育を組み込むことがもたらす効果は、単に防災面にとどまらない。
 何事にも主体的に取り組む姿勢を醸成することによって、多方面に影響を与えることにもなろう。

 東日本大震災で、無念のなかで亡くなった人たちの死を無駄にしないためにも、日本の防災は大きく変わらなければならない。

 

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人が死なない防災-東日本大震災を踏まえて: 片田 敏孝氏

2019年04月23日 09時03分30秒 | 人が死なない防災

尾崎洋二コメント
 防災の第一目的は、「災害ごときで人が死なない」ことです、という片田氏の主張に大賛成です。

 東日本大震災のとき、「釜石市内の14の小中学校、約3000人の子どもたちが、あの大地震、大津波から生き抜いてくれた」ということを、ただ単に「奇跡」とするのは間違いと私は思います。

 奇跡でなく、普段の「脅しや知識ではない」本質的な片田敏孝氏の防災教育の結果だと思います。

 片田敏孝氏の防災教育に全面的に支援して、訓練してくれた先生方と、協力してくれた親たちと、子どもたちの努力の結果です。

 南海トラフ地震発生の可能性(32万人の死亡者が予想されています)が高いといわれいます。

 ぜひこの本を参考に南海トラフ地域の方々は、子どもたちや災害要援護者の命を守るため、「災害ごときで人を死なせない」真の防災に取り組んでいただければと願います。

 またこの著書を気に入られて方はぜひ、片田敏孝氏の「子どもたちに”生き抜く力”」を-釜石の事例に学ぶ津波防災教育:フレーベル館 2012年2月出版(¥1200)を読んでみてください。

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人が死なない防災-東日本大震災を踏まえて
片田 敏孝 著-集英社新書(¥760)

------上記--序章と1章--要点抜粋箇条書き--------

はじめに(序章)

 子供たちの懸命な避難を導いたのは、釜石の小中学校の先生方である。
 津波警報が出ても避難しないことが常態化した家庭や社会に育つ子どもたちが、
このまま「その時」を迎えたらどうなるのか、という私の問いかけに、先生方は
防災教育の必要性を感じ取ってくださった。

 子どもは、与えられた環境の下で自らの常識や行動規範を形成する。
 そして、避難しない環境の育った子どもたちを、いつの日か必ず襲う。
 先生方はその事実に気づかれたのである。

 東日本大震災を経て、今の日本の防災に求められることは、人が死なない防災
を推進することであり、それこそが、防災のファーストプライオリティだと考える。
 この考えに立つとき、完璧ではないにせよ、ひとつの成果を示した釜石の防災教育
は、日本の防災に重要な視座を与えてくれる。


第一章 人が死なない防災-東日本大震災を踏まえて

1-「安全な場所」はどこにもない

台風の巨大化 p26

 ゲリラ豪雨よりもはるかに心配なのが、台風に伴う広域的な大雨です。
これは、台風の巨大化によってもたらされます。
地球温暖化が進むと、ゲリラ豪雨が多くなると同時に、台風が巨大化するといわ
れています。

 かっては「台風銀座」といわれた九州~四国~紀伊半島のあたりは、もはや台風銀座
ではなくなりつつあります。
 これからの台風銀座は、紀伊半島から関東にかけてになってくるだろうと思われます。

 このように、台風の巨大化ひとつをとっても、いわゆる「安全神話」を一刻も早く捨
てて「想定外」に備えなくてはならないことが理解できます。

 災いは、絵空事ではなく、着実に近づいてきています。


2-釜石の子どもたちの主体的行動に学ぶ

津波は「海からの大洪水」 p30

東日本大震災における震源地は宮城県沖ですが、要は、三陸沖から茨城県沖にかけて、
南北約500キロ、幅約200キロにわたって震源域が形成されたわけです。
 
 揺れが非常に長く続いたのは、いっぺんにバーンと破壊したわけではなく、約500キロもの広い範囲が、徐々に破壊されていったからです。

 それに要した時間が、約200秒。
 ということは、3分以上です。
 つまり地震がそのくらい長く続いたということです。

 そして、こんなにも広い領域で海底地盤が持ち上がったために、その上にある海水も、すべて持ち上げられた。
 その水がそのまま陸地になだれ込んできたのが、今回の津波ということになります。

 実際に海水面が一気に10メートルぐらい上がるわけです。
 そして、水位が上がった状態のまま、陸地に流れ込んでくる。
 いわば、「海からの大洪水」というイメージです。


「その時」の釜石 p33

 地震が起きたとき、釜石小学校は、自宅に子どもたちを全部帰していました。
 つまり、ほとんどの生徒が濁流に呑み込まれた地域に帰っていたわけです。
 ある者は海に釣りに行っていたり、またある者は家にいたり、公園で遊んでいたり。
 そんな状況の中で釜石小学校の生徒は一人も亡くなっていません。
 ほかにも、釜石市内の14の小中学校、約3000人の子どもたちが、あの大地震、
大津波から生き抜いてくれたのです。

 
大津波は「想定外」ではなかった。 p35

 想定外という言葉の裏側には、「想定外だから仕方がない」というニュアンスが隠さ
れているように思えてなりません。
 果たして、想定外で片づけていいのだろうか。
 私はそうは思えません。

 一般にいう防災とは、ひと言でいえば、「防御の目標を置く」ということです。
 これくらいまでの規模の災害からは守ろうよ、という目標を置くわけです。

 津波防災の場合は、「確かな記録に残る最大級の津波」を指標にします。
 三陸地域では、明治三陸津波(津波の高さ15メートル)を想定して防災を推進して
きました。
 住民が全滅するような大津波を「想定」していたわけですから、それはすごい防災です。
 
 
「災害保護」状態の住民 p45

 昔は小さな水害があったおかげで、「あそこの一部は水によく浸かるところだ」とか、「あそこの川はあの辺りが危ないから、家は建てないほうがいい」といったような、災いに備える知恵を住民たちが共有していました。
 さらに、小規模の水害ですから、住民みんなで力を合わせて土嚢を積めば、なんとか
防ぐことができた。
 みんなで水防に出て、土嚢を積んで、みんなで地域を守るというような共同体意識や
連帯意識があったのです。

 やがて、100年確率の治水で、立派な堤防が完成します。
 そのおかげで、本当にありがたいことに水害のほとんどはなくなった。
 しかしその一方で、住民たちは災いに備える知恵を失い、そして地域の連帯意識を失
い、いつの間にか水害に対して無防備になってしまった。
 そこに襲いかかるのが、100年確率を超える規模の災害、つまり防災における「
想定外」の災害なのです。

 東日本大震災も、まさしく、そのような状況の中で起こったわけです。
 大きな防潮堤ができたことによって、田老では逃げなかった住民がいた。
 釜石でも、ここは安心できる地だと思った住民がいた。
 そして逃げなかった。
 そこに想定を超える津波が来たのです。

 田老や釜石など東日本大震災で被災した地域は、「想定外」だたったから被害を受け
たわけではありません。
 また、「想定が甘かった」わけでもありません。
 そうではなくて、「想定にとらわれすぎた」のです。

 東日本大震災によって顕在化したのは、防災というものがはらむ裏側の問題です。
 それは防災が進むことによって、社会と人間の脆弱性が増し、住民を「災害過保護」
ともいうべき状態にしてしまうという問題にほかなりません。

 3月11日に襲ってきた津波は、(釜石市)のハザードマップの「想定」をはるかに
超えるものでした。 
 その結果、亡くなってしまったのが浸水想定区域の外側にいた方々です。
 まさに「想定にとらわれすぎた」がゆえの悲劇だと思うのです。

 このような問題をどう解決していくのか。
 どう理解を正していくのか。
 これが防災教育を行っていくうえでいちばん重要なポイントであると、私は考えています。
 現在の日本の防災が陥っている、最も根深いジレンマがここにあるからです。


自らの命を守ることに主体的たれ p51

我々は災害にどう対応すべきなのか。それは、「大いなる自然の営みに畏敬の念をもち、行政に委ねることなく、自らの命を守ることに主体的たれ」ということに尽きると思います。

 自然は我々に大きな恵みを与えるとともに、時に大きな災いをもたらします。
 それは、行政が想定した規模を超え、人為的に造りだした防御施設をはるかにしのぐ大きさで襲いかかることも当然あり得ます。
 そこから自らの身を守るためには、災いから逃れること、すなわり避難することしかない。
 しかし現状は、行政主導で邁進してきた防災の中で、住民には「防災は行政がやるもの」との認識が根付いており、そのような認識のもとで、住民は災害に対する安全性を行政に過剰なまでに依存し、そして自らの命までも委ねてしまっている状態にあるのです。

 自然が時にその営みの中でもたらす大いなる災いから身を守るためには、自らがそうした自然の営みの中に生きる一構成員であることを自覚するとともに、人為的に与えられた想定にとらわれることなく、また自らの命を行政に委ねることなく、主体的にそのときの状況下で最善を尽くすこと以外にありません。

 
避難の三原則 p60

その1「想定にとらわれるな」

 ハザードマップではこうなっているけれど、だからといって「必ず安全」というわけではない。これは一つの例にすぎなくて、このとおりにならない可能性も考えておかなくてはならない。
 ハザードマップを配り、それを否定するという一連の流れを通して、「想定」にとらわれてる自分に気づく。
 さらに、「次の津波はここまで」という固定観念をもってしまっている自分に気づく。
 そういう自分に気づかせるためにも、この「想定を信じるな」という教えがあります。


 その2「いかなる状況においても最善を尽くせ」 p63

 「この次来る津波がどのようなものかはわからない。
 しかし、どのような状況下においても、君にできることは最善を尽くすこと以外にない。」

 
 「最善を尽くせ。
 しかし、それでも君は死ぬかもしれない。
 でも、それは仕方がない。
 なぜならば、最善というのは、それ以上の対応ができないということだ。
 それ以上のことができないから、最善というんだ。
 精いっぱいやることをやっても、その君の力をしのぐような大きな自然の力があれば、死んでしまう。
 それが自然の摂理なんだ。」


 正直、ここまで述べた上記二つの教え方は、学校の先生方には評判が良くありませんでした。でも、今は自信をもって「こう教えることが正しい。間違いない」と思っています。
 なぜなら、釜石の子どもたちの行動が、それを示してくれたからです。

 
 
 その3「率先避難者たれ」 p73

 
 「人を助けるためには、まず自分が生きていなければどういにもならない。だから躊躇なく、まず自分の命を守り抜くんだ。」

 子どもたちは、「先生、自分だけ逃げていいの?自分だけ助かっていいの?」と聞いてきます。
 やはり、子どもたちの倫理観にも影響するわけです。 

 それでも私は、「いいんだ。君が逃げることが、周りの多くの人たちを救うことになるんだから」と説得しました。


 「人間っていうのは元来逃げられないんだ。みんなが『大丈夫だよな』といいながらその場にとどまっていると全員が死んでしまう。

 だから最初に逃げるっていうのはすごく大事なこと。
 だけど、これが難しいんだ。

 考えてみよう。
 非常ベルが鳴って最初に飛び出すのって、カッコ悪いだろ。

 だいたいが誤報だからね。
 戻ってきたら、みんなに冷やかされる。

 そんなことを考えると、逃げたくなるよね。

 でも、本当に災害が起こったとき、みんなが同じことを考えて逃げないでいると、みんなが同じように死んでしまう。

 だから、君は率先避難者にならなくてはいけない。

 人間には『集団同調』という心理もあって、君が本気で逃げれば、まわりも同調して、同じように逃げはじめる。

 つまり君が逃げるということは、みんなを助けることにつながるんだ」

 

防災教育の本質 p78

「脅し」「知識」はダメ。大事なのは「姿勢」

 人間は、脅えながら生きていくことなんてできません。
 だから脅えはちゃんと忘れるようになっているんです。

 また、「ここに津波がくると、こんなに死者が出ますよ」という教え方をしていると、教えられた人は、その地域のことが嫌いになります。

 釜石の子どもたちは、釜石のことが嫌いになってしまう。
 
 こういう防災教育は何も残りません。
 いずれにしろ、外圧的に形成される危機意識は、長続きしないのです。


 もう一つの間違いは、「知識の防災教育」です。
 与えられる知識は、主体的な姿勢を醸成しないからです。

 また、知識を与えられることによって災害のイメージを固定化し、その災害イメージを最大値にしようとします。
 それが、「想定にとらわれる」ことにつながってしまう。

 
 こと防災に関する教育については、知識を与えることによって正しい行動をとらせようとしても、非常に難しいのです。

 なぜなら、人間というのは、都合の悪い話は積極的に考えようとしないからです。

 
 「脅しの防災教育」も「知識の防災教育」も間違いです。
  私が子どもたちに教えてきたのは、主に「姿勢の防災教育」です。

 

「危険をしっかり伝えれば、人間は逃げる」というのは嘘です。 p84

 津波というのはほとんどの場合海溝型の地震で発生しますから、周期性をもって襲来するわけです。
  
 つまり、「釜石に津波が来るか、来ないか」という議論はナンセンスです。
 津波は絶対に来る。
 それがいつなのか、という問題だけです。

 それなのに、住民はなかなか逃げようとしない。
 これも、私は人間らしいと思います。

 しかし、「人間とはそういうものである」ということを知ったうえで、せめて、「その日、その時」だけは合理的な行動をとりましょう。
 それがこの土地で生きるたえの作法です、説き聞かせることが、私なりの防災教育です。


「津波てんでんこ」 p93
 
 「津波のときには、てんでんばらばらで逃げろ」
 無理を承知のうえで、このような言葉を先人が語伝えたのは、そうしなくてはならない理由があるのです。

 それは、「家族の絆がかえって被害を大きくする」という、つらく悲しい歴史を繰り返してきたからです。
 子どもが親のもとまで行って、両方とも死んでしまう。
 お母さんが子どもを迎えに行って、両方とも死んでしまう。
 一家滅亡、地域滅亡という悲劇ばかりを繰り返してきた。

 そういう中でできた言い伝えが、「津波てんでんこ」なのです。
 ですから決して軽い言葉ではありません。

 私は、「津波てんでんこ」が求めて入ることについて、こう理解しています。
 一つは、老いも若きも一人ひとりが自分の命に責任を持つということ。

 そしてもう一つは、一人ひとりが自分の命に責任をもつということについて、
家族がお互い信頼し合おう、ということです。

 「お母さんはちゃんと逃げているだろう。だから、僕もちゃんと逃げる。
そうすれば、後で迎えに来てくれるはずだ」と思えるからこそ、子どもたちは、一人で一生懸命逃げようという気持ちになれるわけです。

 家族間の信頼があってこそ、「津波てんでんこ」が初めて可能になるわけです。
 つまり、「津波てんでんこ」の教えとは、一人ひとり逃げろ、ということだけではなくて、「津波てんでんこが可能な家族たれ」ということにほかなりません。

 

東日本大震災では、なぜこれだけ多くの犠牲者が出たのか? p106

1-想定に縛られていたため、十分な避難をしなかった。

2-身体的理由から避難することができなかった。
  高齢者をはじめとする災害要援護者の避難に関する課題の解決なくしては、
災害犠牲者ゼロの実現はあり得ないとっても過言ではない。

3-状況的に避難することができなかった。(警察官や消防署・消防団員、行政職員、鉄道事業者など) 
  高齢者を含む災害要援護者の避難支援の課題にあたっては、災害要援護者の避難を支援する者の命を守る方策を合わせて検討することが重要である。

 

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命を守る-災害・BCP等-避難関連情報:2019年3月21日~4月20日まで

2019年04月22日 15時03分35秒 | 命を守る-災害・BCP等-避難関連情報

命を守る-災害・BCP等-避難関連情報:2019年3月21日~4月20日まで

 ワン・クリックで検索する場合は下記 URLにアクセスしてクリックして下さい。

https://www.facebook.com/OzakiSGI/posts/443797983054276?__tn__=K-R

-------------------------------------------------------------------------

横浜・川崎駅1~5m浸水と想定 神奈川県が高潮シミュレーション:4/19
https://this.kiji.is/491904095219598433

【いのちを守る 検証 西日本豪雨】ネット調査から<上>民間の避難先 商業施設に高い関心:4/19
https://this.kiji.is/491723287036593249

災害時は卓上型ディスプレーや大型ビジョンで迅速協議 神戸市、関西初のシステム:4/19
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/movie/new/201904/0012254245.shtml

コミュニティーFM、災害時はNHKニュース放送へ 兵庫県内8局:4/19
https://www.kobe-np.co.jp/news/bousai/201904/0012254062.shtml

<宮城・市町村予算>柴田町/防災マップ全世帯へ:4/19
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190418_11038.html

豪雨情報 5段階の警戒レベルで発信 徳島県が「避難指針」改定へ:4/19
https://www.topics.or.jp/articles/-/190506

<平成の東北・30年の軌跡>(2)防災/命を守る情報 様変わり 度重なる災害 教訓生かす:4/18
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190419_73020.html

パンや飲み物、災害時に優先提供 山崎製パン神戸工場が兵庫県警と協定:4/18
https://www.kobe-np.co.jp/news/bousai/201904/0012254060.shtml

関空の災害対応へ新事業継続計画 関西エア、備蓄1万2千人分:4/18
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190417/bsd1904172027012-n1.htm

防災LTE網で商機発掘 仙台市、海外からの投資促進:4/18
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190417_12025.html

浸水被害大幅軽減を ダム新操作ルール公表:4/18
https://web.smartnews.com/articles/f9GGAv9EFCZ

避難対策充実を 豪雨被害検証委が愛媛県知事に報告:4/17
https://web.smartnews.com/articles/f98WxM13uBZ

酒田市職員の防災意識「相当低い」 市監査委が抜本改善求める:4/17
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190417_51014.html

宝塚住宅街で斜面崩壊の恐れ 神戸地裁 市側に是正を命じる:4/17
https://this.kiji.is/490903080219395169

洪水監視カメラを全国配備へ 2年以内、中小河川3700カ所:4/17
https://this.kiji.is/490795184185230433

平成回顧 テレビ(上)災害報道 「命を救う」防災へ意識をシフト:4/17
https://www.sankei.com/entertainments/news/190416/ent1904160007-n1.html

南海トラフ地震「半割れ」対応で県説明
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/04/17/JD0057989321

外国人観光客を守れ 人気のビール工場で避難訓練 4か国語表記で誘導 札幌市白石:4/16
https://uhb.jp/news/7996/

復興住宅、転居後も支援を 東北被災地調査「孤立進み、健康悪化」:4/16
https://this.kiji.is/490710577470391393

Twitter Japanに聞いた! 災害時の誤情報に惑わされない方法:4/16
https://weathernews.jp/s/topics/201904/150065/

土砂災害の仕組み学ぶ 田辺市龍神の高齢者グループ
https://this.kiji.is/490406402389967969

仮設期限3度目延長も 防災相「要請あれば全力で」:4/16
https://this.kiji.is/490348557740573793

夫はけがで休職、保育園も見つからず…仮設「強制退去」焦る被災者 熊本地震3年:4/15
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190415-00010012-nishinpc-soci

区集合住宅交流実態調査 近所と「関わりたい」8割 「防犯、防災」理由が最多:4/15
https://www.townnews.co.jp/0202/2019/04/12/477377.html

お天気キャスター森田正光さんが勧める「シニアの防災」心構え:4/15
https://kaigo.news-postseven.com/14637

毎年のように起こる自然災害 2019年、災害大国日本を考える:4/14
https://web.smartnews.com/articles/fNW6pP2QfRL


車中泊被災者の把握に課題…自治体の計画策定5割:4/13
https://web.smartnews.com/articles/fNQCajgdox1


伊藤園-大村市に災害対応自販機設置:4/13
https://www.nbc-nagasaki.co.jp/nbcnews/detail/2327/


経験者は4人に1人 震度6弱以上の地震の怖さ:4/13
https://weathernews.jp/s/topics/201904/090175/


ヘリ救助場所台帳に 大分県、災害時の孤立に備え:4/13
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/04/13/JD0057975850


「災害関連死」 政府が初めて定義付け:4/12
https://mainichi.jp/articles/20190411/k00/00m/040/154000c


国初動、被災者支援早めた 最前線へ幹部、現場で解決 熊本県職員、論文で分析 熊本地震3年:4/12
https://this.kiji.is/489267545055659105


西日本豪雨 避難促進に向け、広島県が5000人アンケート:4/12
https://www.sankei.com/west/news/190412/wst1904120013-n1.html


「今度は死ぬんだなと睡眠を優先した」 熊本地震「ひとり被災」を振り返る(前編):4/12
https://web.smartnews.com/articles/fNJdTmn5tjJ


あなたならどうする? 熊本地震で起きた「ジレンマ」、防災ゲームに:4/12
https://withnews.jp/article/f0190412001qq000000000000000W07t10601qq000019014A

事故が起きたら自動でドクターヘリ要請、D-Call Netの強みと弱点【岩貞るみこの人道車医】:4/12
https://this.kiji.is/488906873317131361


兵庫・三田市消防が防火設備の重大な不備公表 商業施設や病院など :4/12
https://this.kiji.is/488495728933045345


<ハザードマップ>東北の市町村作成のデザイン 色や表示内容まちまち、標準化急務:4/12
https://this.kiji.is/488828033026606177


南海トラフ地震に対する防災対応検討ガイドラインを公表 内閣府
http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/nankai_guideline_01.pdf

北海道運輸局がインバウンド向けのガイドラインを作成。災害時の支援に活用:4/10
https://web.smartnews.com/articles/fNorZ3qfkoF


首都の課題 荒川・江戸川流域避難、住民と行政の意識に差:4/10
https://www.sankei.com/politics/news/190409/plt1904090048-n1.html


災害に備え人工呼吸器の発電機購入補助 茨城:4/9
https://www.sankei.com/life/news/190409/lif1904090015-n1.html


災害対応、カードで素早く 伏見高:4/9
https://this.kiji.is/488039774221927521


セーリング 東京五輪会場 津波避難は困難 想定地震8分で浸水:4/9
https://mainichi.jp/articles/20190408/k00/00m/040/310000c


バレーボール大会の最中に突然心肺停止 看護師ら4人がAEDで救命リレー | 琉球新報:4/8
https://this.kiji.is/486725211108148321


企業と地域が助け合う地区防災計画制度 | 地域と企業のBCP:4/8
https://www.risktaisaku.com/articles/-/16487?page=2


広がる防災マップ作り 広島の豪雨被災地、住民一丸:4/6
https://this.kiji.is/487016020268581985


津波疑似体験 水深10cmでまったく前に進めなくなる:4/5
https://www.news-postseven.com/archives/20190405_1345830.html


ダム偏重政策が招いた「肱川大水害」。今こそダム建設継続より肱川の河道改修に全力を投じよ:4/5
https://hbol.jp/189521


武尊登山に発信機 遭難救助対策で全国初の義務化 川場スキー場:4/4
https://this.kiji.is/486279794770986081


まだテレビの地震対策をしていない方へ、ベルトとテープで固定する「テレビ用耐震ベルト」発売:4/4
https://www.mdn.co.jp/di/newstopics/64896/


洪水に襲われた特養「クレールエステート悠楽」奇跡の避難【前編】:4/4
https://kaigo.news-postseven.com/14359


土地勘なくても使える地図、防災・消防用に作製 熊本:4/3
https://www.asahi.com/articles/ASM2N5WGJM2NTLVB00D.html


【街みらい】災害対応に予算の壁 県の傾斜地整備 順番待ちに 北九州市の連携も鍵 [福岡県]:4/3
https://web.smartnews.com/articles/fLTsUDvGeiM


ゲリラ豪雨にIoTで挑む 地域を守る浸水監視技術/明電舎:4/2

https://ps.nikkei.co.jp/meidensha120/08.html


地図上で拠点のリスク情報を可視化 :4/2
https://www.risktaisaku.com/articles/-/16400

災害情報、より速くより広く 山形市、ツイッターで4月1日から:3/31
https://this.kiji.is/484974453173912673


「警戒レベル4で全員避難」西日本豪雨“混乱”の教訓:3/30
https://www.fnn.jp/posts/00415244CX


「防災協力マンション」自治連合会が認定 住民の活動促す
京都市中京区の明倫学区自治連合会:3/30
https://web.smartnews.com/articles/fL3uG45CSQZ


災害時にも役立つ豆知識|流砂や底なし沼から抜け出すコツ:3/30
https://www.lifehacker.jp/2019/03/how-to-survive-quicksand.html


【いのちを守る 検証 西日本豪雨】政府、取り組み5項目通知:3/30
https://this.kiji.is/484468010830218337


平成史 昭和と平成① 地震の比較:3/30
https://weathernews.jp/s/topics/201903/290075/


災害時に大切な人の“命”を守るため「地域ハッシュタグの活用を」:3/30
https://tfm-plus.gsj.mobi/news/xcAVz80iex.html?showContents=detail


南海トラフ、事前避難地域を選定へ 政府が対応指針:3/29
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43066550Z20C19A3MM0000/


【いのちを守る 検証 西日本豪雨】よみがえる団地
・第6部<下>梅雨を見据え 「早めの避難」地道に:3/28
https://this.kiji.is/484105614466139233


18年の土砂災害、最多 西日本豪雨や北海道地震で:3/28
https://this.kiji.is/483893632951125089


Twitter、LINE、Facebook…災害時にどう使い分ければいい? :3/28
https://this.kiji.is/483226244442702945

広域避難者は255万人=首都圏大規模水害で推計-政府・都検討会:3/27
https://web.smartnews.com/articles/fKvJkjao31f


避難促す防災マップを共同開発へ 広島県とヤフー、全国運用も:3/26
https://this.kiji.is/483186015562466401


津波警報、更新方法改善=高さの予測精度向上-気象庁:3/26
https://web.smartnews.com/articles/fKurgeXjfnP


【フリーWi-Fi再入門】災害時に使えるフリーWi-Fi「00000JAPAN」とは?
フリーWi-Fiにつなぐメリットとデメリット、安心・安全な使い方を紹介:3/26
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/freewifi/1176295.html


災害相互応援に一丸 東北地方整備局が6県・仙台市と協定:3/26
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201903/20190326_71033.html


世帯地図で防災力強化 富山市山田地域自治振興会 全戸配布し救助に活用:3/26
https://this.kiji.is/483041721099338849


都、河川情報のスマホ対応と多言語化 :3/26
https://www.risktaisaku.com/articles/-/16153


避難所環境、改善の動き=「関連死」4900人-災害頻発の「平成」:3/26
https://www.risktaisaku.com/articles/-/16166


<震災8年>「逃げろ」の思い届ける 災害情報「NERV」運営・石巻出身の石森さん:3/25
https://this.kiji.is/476869580083119201


第2回 福祉施設の防災力向上(2) | 福祉と防災 | リスク対策.com:3/25

https://www.risktaisaku.com/articles/-/16055?page=2


大震災が来る」のに、リアリティーが持てない心理:3/24
https://www.mansion-genkilabo.jp/news/column3_shinsai/?utm_source=smnews&utm_medium=cpc&utm_content=column3_001


ZOOM UP 「災害ケア」は地域ぐるみで 神奈川工科大学 地域連携災害ケア研究センター長 小川喜道さん:3/23
https://www.townnews.co.jp/0404/2019/03/22/474440.html


災害時に迅速にHPで情報提供 大阪・豊中市がヤフーと協定:3/22
https://www.sankei.com/west/news/190321/wst1903210006-n1.html


仙台オープン病院-「命を救う医療施設」の最新工法 大震災の教訓活かす:3/22
https://www.news-postseven.com/archives/20190321_1332387.html


岡山県災害対策本部に課長級新組織を 迅速対応へ有識者委が知事に提言:3/21
https://www.sanyonews.jp/article/882021/


福祉施設の被災、克明に 御船町の吉本施設長が出版 駐車場に「HELP」、職員のストレス増… 
当時の状況や心境記録 [熊本県]:3/21
https://web.smartnews.com/articles/fJrjgcPGfzv


<山形県>遊佐町、津波警戒区域に ハード、ソフト両面で津波避難体制強化へ:3/21
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201903/20190320_51025.html

 

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人の手で人を支える支援の本質は個人の尊重に。津久井 進氏

2019年04月13日 15時25分25秒 | 万人の尊厳・誰も置き去りにしない

人の手で人を支える支援の本質は個人の尊重に-
一刻も早く原発被災者に災害ケースマネジメントを適用する道を開かなければならない。
日弁連 災害復興支援委員会委員長 津久井 進氏:著書「大災害と法」「災害救助法徹底活用」(共著)など。 
尾崎 洋二 コメント-「憲法は、国家が国民の権利を奪う行為を禁止したもの」。すべてこの原則をもとに考えていくべきだと思います。したがってあらゆる災害に関する法律(法制度)は、被災者(国民)を救うという強い思いをもって解釈、運用、適用すべきである。そうすることが憲法に適合する、そうでない場合は「憲法違反では?」と皆が叫べる社会であって欲しいと思います。
---------------以下 聖教新聞4月11日2019年 要点抜粋箇条書き-----------
1-災害が起きると、人々は生命の危機に直面する。そこから立ち上がり日常を再建するプロセスを復興というならば、「復興」は「生活の紡ぎ直し」ということになる。

2-憲法は「健康で文化的な最低限の生活」を生存権として保障している。「文化」は「生存の条件」である。しかしながら被災地に目を向けると、復興からも文化からも取り残されて人々が数多く存在している。

3-「在宅被災者」と呼ばれている人々は、支援制度の隙間からこぼれ落ちて、厳しい困窮の中で息をひそめて暮らしている。
 また東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨などでは、せっかく災害発生時に命が助かったのに、その後の苦しい避難生活の中で落命した人がいる。
 「災害関連死」である。救える命を救えないという悲劇が、なぜ何度も繰り返されるのだろうか?

4-災害で一命を取り留めたが心身に重い障害を残すことになった「震災障がい者」は、人生の大きな修正を強いられたにもかかわらず、ほとんどの場合は何らの補償もない。

5-阪神・淡路大震災から20年が経って、突然、ついのすみかと信じていた住居から追い出される被災者たちが苦しんでいる。
 神戸市や西宮市の一部高齢者は裁判で被告とされたショックからか、心身の不調が著しく高進している惨状がある。
 この「借り上げ復興住宅問題」は、災害復興は時間が解決する問題ではないことを厳しく示した。

6-原発事故のために避難を余儀なくされた「原発避難者」たちは、次々に打ち切られる支援の中で必死にもがいている。

7-これらのケースに共通していることが二つある。一つは、すべて制度の枠線からはみ出していること。苦しみを生み出す原因は「法制度」の側にあるのではないか。
 もう一つは、抱えている課題が一人一人違うこと。一人一人異なる個々の困難を、法制度という画一的・類型的な救済措置ではカバーし切れないかれではないか。

8-このようにカバーし切れないところから、1度目は事故そのもので苦しめられ、2度目は避難生活で苦しめられ、3度目は冷酷な仕打ちで苦しめられている。
 なぜ、こうした不正義が許されるのか、私たちは「文化」の意味を問い直さなければならない。

9-救うためのには、一人一人の被災者に「人」が寄り添って「個別の支援」を行えばよい。私たちが災害ケースマネジメントを提唱する理由はそこにある。
 災害ケースマネジメントは、被災者一人一人の被災状況・生活状況を把握し、それに合わせて、さまざまな支援策を組み合わせた計画を立て、官民連携して支援を実施する仕組みである。 
 高齢者の介護保険制度の災害バージョンとイメージしていただいたらよい。

10-災害ケースマネジメントの取り組みは、既に被災地(仙台市、大船渡市、北上市、名取市、熊本市、益城町、南阿蘇村、岩泉町+鳥取県、兵庫県など)で数多く実践され、その有効性が力強く証明されている。
 いずれの実践例でも、被災者は自立の糸口を見いだし、行政は手応えを感じている。

11-災害ケースマネジメントは、一人一人の尊厳を大切にし、人の手で人を支えることに本質がある。いわば自己決定権の尊重だ。

12-対応が急がれるのは原発被災者である。
 2年前に区域外避難者の住宅供与支援が打ち切られ、今年3月には残りわずかな支援も打ち切られた。
 その際、避難者の一人一人の置かれた状況や困難に対して個別の配慮は行われなかった。
 事情を無視して一律に打ち切ることは個人の尊厳を軽視するものではないか。
 一刻も早く原発被災者に災害ケースマネジメントを適用する道を開かなければならない。  

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「わすれない」と「備える」こと-共に生きる社会へ踏み出す- 映画「星に語りて」の藤井克徳氏に聞く

2019年04月06日 10時20分03秒 | 震災・減災・BCP

「わすれない」と「備える」こと-共に生きる社会へ踏み出す
映画「星に語りて」の企画を担当した藤井克徳氏に聞く

尾崎 洋二のコメント
1-要支援者にっとって避難場所は、そこに居続けることが困難な場所である、場合によっては避難生活が第2の被災なる、という共通認識が一般の方々や、行政の職員の方々に必要と感じました。

2-個人情報の保護が優先され、支援が届かないという本末転倒の現状という指摘は重要です。

3-災害被害のなかに人災的な部分があるとすれば、その部分は防げるはずなので、今後人災部分を乗り越える課題として全国的にその都度発信していく必要があると思いました。
------------以下 聖教新聞4月4日2019年 要点抜粋箇条書き -----------------

Q1-映画の製作に当たっては、どんな思いがあたのでしょうか?また実話に基づいたドラマとされたのはなぜですか?


A1-被災地で障害者の死亡率が全住民の死亡率の2倍に上った現実があります。この事実を忘れず、備えること、それが主題となっています。

A2-映画としては実写に基づくドキュメンタリーという方法も考えられましたが、被災した障害者の心情を察すれば、難しいと思いました。ただ、ドラマ化しても、特別な主役は置かず、全出演者が主役になる群集劇を目指しました。

Q2-前半には避難所から”障害者が消えた”という驚きの事実が描かれます。
A1-この事実は、障害者にとって避難所は、そこに居続けることが困難な場所であることを表しています。中略 

 加えて、環境の変化に弱い障害者はパニックを起こすことも少なくありません。障害者にとって、避難所生活が”第2の被災”になっているのです。

 その結果、壊れかけた自宅に戻ったり、車の中で寝泊まりする状況が生まれました。こうした状況は熊本でも繰り返されています。

Q3-障害者団体が連携し、被災地での支援が実現していくなか、行政も動かす様子が映しだされてます。

A1-実際、障害者団体で対策本部を立ち上げ、岩手、宮城、福島の各県に現地対策本部を設け、延べ1万人余の人員を派遣しました。中略 この活動の結果、南相馬市、陸前高田市では障害者の情報開示を特例として認めることになりました。

 法律によって個人情報は保護されていますが、最も優先すべきは命を守ることです。

 情報の保護が優先され、支援が届かないのであれば、本末転倒です。
 命を守るという目的があれば、情報は開示されるべきではないでしょうか。
 

Q4-震災後、障害者自身がまちづくりに取り組む姿が印象的です。

A1-実際に、陸前高田市では、震災後、障害当時者を中心に委員会が設けられ、障害者政策を作り直す作業が始まりました。中略 市長が目指す「ノーマライゼーション」という言葉が必要のないまちづくりが始まっています。 

 2006年に国連で採択された「障害者権利条約」は、制定の過程で「私たち抜きに私たちのことを決めないで(Nothing about us without us)ということが繰り返し訴えられました。

Q5-災害時の犠牲者を減らす取り組みとして、今後必要なことは何でしょうか。

A1-災害が多発する日本で、地震や津波による犠牲者を避けることはできません。

 しかし、それが2倍になるというのは天災だけではなく人災が重なる結果です。であれば、それは減らせるはずです。

A2-東日本大震災の調査データーからは、震災直後、障害者ら要支援者のもとに救援に駆け付けた多くは近隣住民だったことが分かっています。
 これは、住民と障害者ら要支援者が日常的につながることで犠牲者は減らせることを意味しています。

A3-「分ける」発想とは別に、避難所の中に要支援者コーナーを設けることも必要なことかもしれません。中略 

 こうした「分けない」視点と障害者支援の拡充が今後大切になります。このことは災害の問題を考えながら、「共に生きる」という、あるべき地域づくりにもつながるのではないでしょうか。
----------------------
上映会についての問い合わせは、きょうされん TEL 03-5385-2223 
 

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