絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

No.75 深刻なことでもユーモアーを見出せば重大でなくなる:事例集2

2008年10月24日 16時35分56秒 | Weblog
No.75 深刻なことでもユーモアーを見出せば重大でなくなる:事例集2

 前号(10月22日)の回答です。
「おおかたの学生がとてもそんな気になれないと答えたが、博士は
自分なら喜んでやるだろうし、君たちもたぶん同じだろうと言った。

 学生たちがきょとんとしていると、博士はその女性のものだとい
う1枚の写真をまわした。そこには6ヶ月になる彼の娘が写ってい
た。

 ユーモアーは新しい見方、違う目を貸し与えてくれる。昔流行っ
たあの『だまし絵』を思い出すといい。一方から見ると、悲しげな
男の顔。けれど絵をさかさまにすると、あご髭が髪に変わり、口髭
が眉になって、突然笑顔があらわれる。

 つまり同じ絵が、別の方向から見ることによってまったく違った
ものになる。すなわちユーモアーとは横から、斜めから、逆さまか
ら、あるいは裏側からものごとをながめることなのだ。

 だから困った問題が起きたときも、そこに何かしらユーモアーが
見出せれば、前ほど深刻にも重大にも思われなくなる。視野を小さ
く限っていた額縁をユーモアーがぐんと広げてくれて、問題がもっ
と大きな構図のなかでながめられるようになるからだ。

 中略

 一度も顔を上げずに草を食みつづけていれば、羊だって迷子にな
る。私たちもそれと同じで、一歩身を引いて全体をながめることを
忘れていると、自分や自分の問題しか目に入らず、迷子になってし
まうだろう。

 私たちの現実に一段高い視点ーーある作家の言葉を借りれば「神
の目」--を与えてくれるもの、それがユーモアー感覚なのだ」
(Te Healing Power of Humor」著者AllenKlein :アレン・クライン
から引用:以下「」内も同じです)

 「ユーモア精神のない人は、スプリングのない荷車のようなもの
だ。路上のどんな小さな石ころにもガタガタ揺れる:アメリカ人牧
師ヘンリーさん:」

 「最大の難病に陥ったノーマン・カズンズ氏(サタデーレビュー
誌の元編集長で、のちにUCLA医学部の准教授となった)は笑い
で人生が変わったという自身の体験を本に著した。

 著書の『笑いと治癒力』に報告されたように、笑うこととビタミ
ンCの大量摂取との組み合わせが重症の膠原病を好転させるのに一
役買ったのである。

 『うれしい発見だった』とカズンズは書いている。『ほんの十分
ほど腹をかかえて大笑いしたことによって麻酔効果が生じ、その後
すくなくとも2時間は痛みを忘れて眠ることができた』のだ。

 カズンズはストレスを放っておくことと病気とのつながりに気づ
いていた。そして否定的な感情が自分の病気の一因であるとしたら、
肯定的な明るい感情は回復を助けるかもしれないと考えた。

 『どっきりカメラ』のビデオやマルクス兄弟、『三バカ大将』な
どのドタバタ喜劇の映画を身辺に山ほど置いた。さらに入院してい
た病院を出てホテルに移った。病院の日課がじゃまになったし、騒
音がまわりに迷惑をかけるからだ。

 その結果こうなった。『病院の2倍笑って値段は半分』

 カズンズは笑うことを『体内のジョギング』と呼んでいる。腹を
かかえて大笑いすると、体内のあらゆる系や器官が運動することに
なるからだ」

「笑いと涙はどちらも挫折と疲労への反応である。
 ならば私は笑うほうがいい。
 あとで拭き取る手間がいらない。
                   カート・ボネガット」

「笑いのほうが涙より役者が一枚上。

 笑うことは苦しみを乗り越えるのを助けてくれるが、泣いてもそ
 うはいかないということだ。

 悲しみの涙は人を内向させる。泣けば自分がかわいそうになる。
 泣いている人間は、自分の世界、自分の苦しみしか見ていない。

 反対に笑いは私たちの目を外に向かわせる」

「笑っている人間は広い世界に心を開いている。
         ドイツの哲学者  ヘルムート・プレスナー」

「笑い声は泣き声より遠くまでとどく

         イーディシュ語のことわざ       」

「かといって、つまり喪失、病苦、失敗、絶望といったもろもろの
つらい体験のなかにユーモアを探すことを勧めてきたからといって、
私は決して泣くことの価値を軽く見ているのではない。

 苦しみのとき、喪失のときに泣くことは重要な役目をもっている。
泣くことは、圧力がかかったときに人体が緊張を緩和する第一番の
方法なのだ。人は自分に泣くことを許してやらなければならない。

 けれど苦しみや悲しみの日々にも、泣きつづけていることがもっ
とも健全な態度ではなくなるときがいつかかならずやって来る。

 そのときが来たら、泣いているわけを新しい目で見直さなければ
ならない。そして自分の人生をとりもどさなければならない。あな
たにそうさせるのは涙ではないユーモアだ」


 歓乃喜 師弟 No.75 (10/24 2008)

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No.74 ユーモアー事例集

2008年10月22日 19時47分43秒 | Weblog
No.74 ユーモアー事例集

 No.6810月6日号の「からだは嘘をつかない」ほほえみ科学の
結論、で私は以下のように記述しました。

「クラーク大学の心理学者ジェームズ・レアードの研究によると、
顔の表情をきっかけに楽しい記憶がよみがえり、気分が明るくなる
ことがある。

 実験台になった学生たちが笑顔をつくっているときは楽しいこと
を、反対にしかめっ面をしているときは嫌なことを思い出している
ことが多かった」

 これと同じ実験を昨日(10月21日)「NHKプロフェッショ
ナル仕事の流儀、100回記念」で放映していました。100人の
プロフェッショナルをこの番組で紹介した集大成という特別番組で、
脳科学者の茂木健一郎さんがNHKアナウンサーの三宅さんを実験
台にしました。

 茂木さん
「鉛筆を口に経(た)てにした状態(=笑えない状態)で笑えるコ
ント番組をみてください」

その次は「鉛筆を横にくわえた状態(=口角を挙げて笑った表情に
なる状態)で同じ笑えるコント番組をみてください」

 両方とも脳の状態が分析できる機械を三宅さんの頭につけて測定
しました。

 実験結果

心の底から笑わなくても、口角を挙げて笑った表情を作るだけで脳
が影響を受け、考え方がよりポジティブになると分った。


ポジティブになることで前頭葉が適切に働き、プレッシャーがかか
っていてもやるべきことに集中できると考えられる。

 常に大きな成果を求められるプロたちは、かかるプレッシャーも
人一倍大きい。その多くが実践していた方法とは、「苦しいときに
も、あえて笑う」

 私は毎週火曜日の「NHKプロフェッショナル仕事の流儀」とい
うこの番組は好きで毎回欠かさず見るようにしています。そういえ
ばこの番組に登場するプロフェッショナルの方々は、皆笑顔が素晴
らしいです。

 科学的にも証明されたんだから、まず皆さん「つくりほほえみ、
つくり笑顔」からスタートしましょう!

 さてユーモアー事例集の紹介です。

 「チャーリー・チャップリンもユーモアーに慰めを見出した一人で
ある。ロンドンの貧民街に育ち、父親をアルコール中毒で亡くした
のが5歳のとき。そのあと母親も気が狂う。

 チャップリンはそうした暗い記憶を映画にちりばめ、珠玉の喜劇に
仕立て上げた。夕食にするものが何もなくて革靴を煮て食べる、あの
『黄金狂時代』の一コマを忘れる者はいないだろう」

 「老化の心理学的側面についてポール・ラスキン博士は、あたりま
えのものごともユーモアーでちょっと捻ってみることによってまった
く違ったものに見えることを具体的な例をあげて説明している。

 『その女性は言葉を話すことも、理解することもできない。ときど
き何時間もわけのわからないことをブツブツしゃべりつづける。

  人、場所、時間の見当識はないが、自分の名前には反応をしめす。
私がその女性の観察をはじめてから6ヶ月になるが、いまだに自分の
身なりに無関心で、みずから身のまわりのことをしようという努力は
見られない。

  食事、入浴、着がえ、すべて人の手に頼っている。歯がなく、食
物は裏ごしして与えなければならない。絶えず流れ出るよだれのため
衣服はつねにべたべたになっている。

  歩くことができず、睡眠は不規則。真夜中に目覚め、泣き叫んで
他人を起こすこともしばしばである。たいていは機嫌よく愛想がいい
が、日に何度かはさしたる理由もなくいらだち、泣き叫ぶので、誰か
がなだめに行かなければならない』

 これを読み上げたあとラスキン博士は学生たちに、この人の世話を
してみる気はないかとたずねた」
(Te Healing Power of Humor」著者AllenKlein :アレン・クライン
から引用)

 学生の反応はどうだったでしょうか?
 皆さんはどうでしょうか?

 なぜ学生の反応のもとにユーモアー事例集なのだろうという回答は、
次回です。


 歓乃喜 師弟 No.74 (10/22 2008)

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No.73 毎日が特別な日だからユーモアー

2008年10月20日 19時39分02秒 | Weblog
No.73 毎日が特別な日だからユーモアー

「エレンはたくさんのことを教えてくれた。息抜きをさせてくれた
が、いちばん重要なことは、私たちは楽しむためにここに生きてい
るということだった。

 彼女にとって日々のあらゆる出来事が楽しむためのチャンスだっ
た。人生で出会うすべての人が遊び仲間だった。

 遊びは常に彼女の人間関係に欠かせない要素だった。私たちの結
婚式でのこと、ウエディングケーキにナイフを入れ、その一切れを
しきたちにのっとってお互いに食べさせ合うという段になり、私が
朝からコチコチになっていることを知っていた彼女は、ケーキのか
けらを私の口にもっていかずに私の頭のてっぺんに乗せた。その悪
ふざけのおかげで私はその日はじめて笑った」
(「笑いの治癒力」:The Healing Power of Humor」著者Allen
Klein :アレン・クライン :創元社 ¥2300:より引用)

 アレン・クラインさんは、ユーモアーが死や臨終にまつわる苦悩
や遺された者の悲しみさえやわらげるなら、それよりはるかに軽い
日常的に悩みや喪失、には絶対的に効果がある、ということをホス
ビスに通っていた年月で体得します。

 そしてユーモアーに秘められた頼もしい力、すなわち心の傷を癒
し、状況を新しい目で見せてくれて困難を乗り越えるのを助けてく
れるというすばらしい潜在力が、すべての人々にあることを、妻エ
レンの遺言を実行すべく、ユーモアの治癒力研究をし、1983年
にセントメリー大学から人間の発達の分野で修士号を得ます。

 私は会社を売ってまで、「ユーモアー:笑いの治癒力」研究と実
践にアレン・クラインさんが没頭できたのは、やはり亡き妻への愛
があったからだと思います。この愛があったからこそ妻のユーモア
ーの実践を遺言として受け止められと思います。

 「人生はどんなことがあっても楽しむためにあるんだよ!
  楽しむためにこの世界に生まれてきたんだよ!」

 「だから毎日、毎時間が特別な日だよ、特別な時間だよ!
  すべての出来事を楽しむためのチャンスにしようよ!」

 「だから愛をもって全てのものに接しようよ!」

 「だからといってそんなに構えなくていいんだよ。ユーモアー
さえあれば」

 というメッセージがアレン・クラインさんの著書からほとばしっ
ています。

 次回はアレン・クラインさんの著書からユーモアー実践事例の紹
介をしていきます。もう少しおつき合いください。



 歓乃喜 師弟 No.73 (10/20 2008)

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No.72 The Healing Power of Humor

2008年10月16日 17時53分24秒 | Weblog
No.72 The Healing Power of Humor

「ガンのセルフ・コントロール」の著者であるO.カール・サイモン
ト博士は「アレン・クラインは笑いやユーモアーや遊びの底知れな
い力を説くのにふさわしい背景をそなえた人です。

 こうしたことを語るには成熟した『大人』であることが必要です
し、人の気持ちがほんとうにわからなければなりません。他人の気
持ちがわかること、それは深い喜びとともに深い苦しみを経験した
人でなければできないことです。

 この本では、笑いと遊びの心理的・生理的効果が明らかにされて
いますが、これはすばらしい仕事です。また私たちの笑う力が、あ
れやこれやの文化的な『教え』によって邪魔されていることも説か
れています。

 著者が伝えたいことは、ユーモアーと遊びが私たちの体内の科学
を変えるということです。笑いは神経系、循環系、内分泌系、免疫
系をはじめとする人体の系や器官に深い作用をおよぼすのです。

 『笑いはまたとない良薬』という古い言葉が、先端科学の助けを
借りてあらためて理解されるときがわかっていただけると思います。

 中略

 アレン・クラインの語るユーモアーと遊びの精神は、死、臨終、
弔いなどを考える上で大変重要ですし、こうした重い体験に、はか
りしれない豊かさを加えてもくれるのです」と「Te Healing Power
of Humor」(著者Allen Klein )の序文に寄稿しています。

数年の歳月を費やし、何百人もの人びとに知恵と力を借り、よう
やくアレン・クライン氏がこの著書を出版できたのも、やはり亡
き最愛の妻エレンさんへの熱い想いだったと思います。

 死亡前の妻エレンさんの状況は、「当時のエレンの入院生活は楽
しいどころではなく、緊張の連続、涙の連続だった。けれど笑いは
あった。彼女はしょちゅう私を笑わせ、こう叱咤激励した。

 『ほらほら、そんな陰気な顔はもうやめて。あたしはまだここに
いるじゃないの。まだいっしょに笑えるよ』」とこの著書で記して
います。

 私はこの部分を読んだとき、下記のエッセイーを思い返しました。
「バスの最後部座席の窓側に和服を着た美しい女性が座っている。
同じ後部座席の親子連れの小さな男の子が『今日は特別な日?』と
女性に聞く。それに答えて女性は『特別じゃない日なんてないのよ』

 テレビのCMだ。その台詞に思わず引きつけられた。『みなさん
に明日が来ることは奇跡です』。乳ガンで亡くなった24歳の女性
が残した言葉(『余命1ヶ月の花嫁』TBS:イブニング・ファイ
ブ編、マガジンハウス)

 『特別じゃない日はない』
 『明日が来ることは奇跡』

 静かに胸のうちでそうつぶやいてみると『なるほどその通りだな』
と思う。エッセイストの岸本葉子さんが読売新聞(7・15付け)
でこう語っていた。

 『言葉の持つ力は思った以上に大きい。そのことに改めて気づい
たのは、ガンになった後、ある女友達からもらった励ましの手紙の
一文でした』。それで『ガンという事実は変えられないけど、命が
あるだけでも、と思えるようになりました』」(公明新聞10月1
5日2008年コラム北斗七星より引用)

 他人への配慮をたくさんもって、ユーモアーをもって、今の今が、
今日の今日が、私にとって奇跡な時であり特別な日なんだと、過ご
さねば、と思わざるをえないコラムでした。

歓乃喜 師弟 No.72 (10/16 2008)

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No.71妻からの遺産はユーモアー

2008年10月15日 17時36分11秒 | Weblog
No.71 妻からの遺産はユーモアー

「あなたはよく笑わせてくれる人だとエレンは私にたびたび言った
が、私に笑わせることを教えてくれたのは彼女だった。彼女が残し
てくれた遺産と教えに私はとても感謝している。

 彼女に死なれたくはなかったが、いま振り返れば彼女の死は私の
前に、それまで存在することすら知らなかった新しい道を開いてく
れたことがわかる。

 彼女の死がなかったら、毎年国じゅうの何千人もの人びとにユー
モアーの大切さについて話してまわることなどなかっただろうし、
この本を書くこともなかったにちがいない。

 妻の死はたとえようもない喪失だった。しかしひとたび痛みがお
さまると、私はそのことを受け入れはじめ、生活が変わっていった。
物質的なものがあまり意味をもたなくなり、自分の内面の成長のほ
うがもっと大切になった。

 自分と自分をとりまく世界がわかりはじめた。生活のためにして
いた仕事をつづけていく気はすでになかったが、その先進むべき方
向は見えていなかったので、経営していたシルクスクリーンの会社
株を売り、しばらく待機することにした」
(Te Healing Power of Humor」著者AllenKlein :アレン・クライ
ンから引用)

 アレン・クラインさんはこの本を亡き妻のエレンに捧げています。
「笑うことを最初に教えてくれた エレンとずっと教えつづけてく
れているサラとデーブに本書を捧げる」とこの著書の冒頭に記入し
てあります。

 しばらく待機していたアレン・クライン氏はある大学の「死と臨
終」のクラスに入学し、2年後その大学から「生から死への移行」
というプログラムを任されます。またサンフランシスコ・ホスピス
の初代ボランティアの一人にもなり、カリフォニア州の訪問介護士
の視覚もとります。

 この体験からアレン・クラインさんは、「終末期の患者やその家
族と接するうちに、また痛みをやわらげるのに、ときとしてユーモ
アがたいへん大きな役割をはたしていることがわかった」と痛感し
ます。

 「妻のエレンが病院で死の床についていたときのことだ。あると
きそばにあった『ブレイガール』の男性ヌードの折り込みのページ
を開くと、何を思ったのかだしぬけにその全裸写真を壁に張ってほ
しいと言い出した。

 『病院にはちょっとどうかな。そうとうきわどいよ』
 『平気、平気お遊びよ』と妻は答えた。
 『あそこにある植物の葉っぱを一枚取ってきて、ここを隠せばい
いいわ』 

 私は妻の言うとおりにした。その日は何事もなかった。つぎの日
も無事だった。ところが3日目、葉っぱがひからびはじめ、隠して
いた部分がだんだん見えてきてしまったのだ。

 その植物というか、ひからびた葉っぱに目をやるたびに私たちは
笑った。そのはしたない楽しみはほんの10秒か20秒しかつづか
なかったが、それでも私たちは気持ちがふれあうのを感じたし、元
気が出たし、暗い海の底からいっときふっと抜け出したような気が
したものだった」
(Te Healing Power of Humor」著者Allen Klein から引用)

妻エレンからのユーモアという遺産は妻からの遺言でもあったと
思います、その後アレン・クラインさんは「ユーモアー」普及の
ために全力を尽くしていきます。



 歓乃喜 師弟 No.71 (10/15 2008)

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No.70  ほほえみ=生命エネルギー

2008年10月10日 18時25分08秒 | Weblog
No.70 ほほえみ=生命エネルギー

「人はほほえむことによって、あるいはバージェスのように人のほ
ほえみをながめるだけでも、『生命エネルギー』を与えられるのだ
とジョン・ダイヤモンド博士は言う。

 『ほほえみがどれだけ美しく、多大な利益をもたらすものかは誰
でも知るところですが、いまやその治癒的効果を実際に証明するこ
とができるのです』と博士は述べ、著書の『からだは嘘をつかない』
で、ほほえみに胸腺を強くする働きのあることを説明している。

 胸腺は免疫系の働きに重要な役割を果たす器官であるが、大頬骨
筋(唇の両端をもち上げてほほえみをつくる筋肉)と胸腺には密接
なつながりがあるのだ」
(Te Healing Power of Humor」著者AllenKlein :アレン・クライ
ンから引用)

 ほほえみ=生命エネルギーであることをご理解できますでしょう
か?さらにアレン・クラインは同著で、「さて近年、心と体のつな
がりについて研究が進むにつれて、感情、思考、生きる姿勢といっ
たことが精神の健康に大きな役割を果たしているばかりでなく、体
の健康にも、また病気から回復する力にも深く関係していることが、
ますます明らかになってきた。

 いろいろな研究がそうした心身のつながりを確認している。たと
えば血友病の子どもは、身体的な傷だけでなく、気分の落ち込みに
よっても出血することがある。

 暗いひねくれた人間や怒りっぽい人は、明るい人生観の人より心
臓発作を起こしやすい。また窓からいい景色が見えるような病室に
いるほうが手術後の患者の回復がはやいといったことなどもわかっ
てきた。

 1960年代にホームズとレイが行った有名なストレス研究では、
否定的なものも肯定的なものもふくめて、人生の節目となるような
大きな生活の変化が等級づけされている(否定的な変化とは配偶者
の死や失業など、肯定的な変化とは、子どもの誕生や休暇旅行など)。

 当時はストレスを起こすのは主として大きな生活の変化や喪失体
験だといわれ、そうした出来事が健康の敵だと考えられたのだ。し
かしカリフォリニア大学バークレー校のリチャード・ラザルス博士
によると、最近ではむしろ、日常的なストレスに長期間さらされつ
づけることのほうが病気の元凶らしいといわれるようになった。

 こうした研究からわかることは、つまるところ、健康には明るい
前向きな態度がひじょうに大切だということだ。ストレスの多い環
境や生活の変化や喪失体験に前向きな態度で臨むこと、それはまさ
しく健全なユーモアー精神のもたらすところだが、そうした態度が
決め手となり、体の病気が生じるのを防いでくれるというわけだ」
と述べています。

 ほほえみ・ユーモアーはやはり『生命エネルギー』です。早朝の
日の出を仰ぎ見た瞬間に私たちは何かしらエネルギーを与えられて
いると感じます。最初はほのかな曙でも時間がたつにつれてお昼に
は強烈な太陽エネルーとして体感します。

 どんなことがあっても、何がっても習慣として、最初はささやか
な「ほほえみ・ユーモアのエネルギー」を出しましょう、そして続
けましょう、そうすると必ずやお昼の太陽のような強烈エネルギー
になっていくことを信じましょう。


 歓乃喜 師弟 No.70 (10/10 2008)

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No.69 ほほえみ医学ってあるんだ !

2008年10月09日 18時18分29秒 | Weblog
No.69 ほほえみ医学ってあるんだ !

 「赤ん坊は笑うようになる前に、まずほほえみを浮かべる。ほほ
えみは生後1週間からあらわれるが、笑いは3ヶ月か4ヶ月までは
っきりしない。

 そんなことからUCLA疼痛緩和研究所の前所長であるブレスラー
は、笑いの前駆的表情であるほほえみに着目し、まずほほえむことに
よって痛みから離れるように患者を指導している。

 1時間に2回は鏡をのぞいてにっこりしよう、という処方箋まで
書いている。

 またブレスラーは、『血中愉快濃度』を上げることによってほほ
えみを増やすという指導もしている。

 『慢性的な痛みのある人は、やれば楽しいこともやろうとしませ
ん。痛みがあるからできないと思っているのです。だが、それは反
対のことが多い。ほんとうは愉快なことをしないから痛みが長びく
です』

 詩人のジャレット・バージェスが、パリである講演会へ行った。
そのとき彼の人生が変わった。その日の講演者は開口一番、『みな
さんいっしょに笑いましょう』と言った。

 そのころバージェスはどん底状態にあり、しばらく笑ったことも
ほほえんだこともなかった。しかしその晩は笑わざるえなかった。
笑いましょうという単純な誘いと、みんなが笑っているという事実
がいっしょになり、自然とほほえみが浮かんだ。ふと気がつくと、
いつなく気分がよかった。

 つぎの日、彼は雑誌から笑っている顔の写真を切り抜き、壁に止
めた。その写真をながめるたびに、彼の顔にもほほえみが浮かんだ。

 それからというもの彼は笑っている顔、ほほえんでいる顔の写真
を集めるようになった。スクラップブックがすぐいっぱいになった。

 ある日それを看護婦に見せた。看護婦は病院じゅうに見せてまわ
った。患者たちは笑っている顔をながめるだけで気分がよくなった。

 バージェスはつぎつぎとスクラップブックをつくり、病院やふさ
ぎこんでいる友人に送った。いつも同じ返事がきた。どの人も元気
をとりもどしていた」
(「Te Healing Power of Humor」著者Allen Klein :アレン・ク
ラインから引用)

 詩人のジャレット・バージェスの素直な利他精神溢れる実践力に
は脱帽します。他人の喜ぶ顔がみたいという熱意があるからこそ、
彼は自然と、雑誌から笑っている顔の写真を切り抜き、壁に止めた
のではないでしょうか?

 これに類似した私の実践方法は、笑顔の写真を探したり、切り抜
いたりする時間がないほど多忙?なので、一番自然な笑顔の写真が
毎日のように溢れている「聖教新聞」の笑顔写真をほぼ毎日デジカ
メで写し、それをまとめてパソコンに取り込み、パソコンの画面で
スライドショーで眺めています。これがまたバージェスさんと同じ
効果を私に与えています。


 歓乃喜 師弟 No.69 (10/09 2008)

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No.68「からだは嘘をつかない」ほほえみ科学の結論

2008年10月08日 17時59分52秒 | Weblog
No.68「からだは嘘をつかない」ほほえみ科学の結論

「クラーク大学の心理学者ジェームズ・レアードの研究によると、
顔の表情をきっかけに楽しい記憶がよみがえり、気分が明るくなる
ことがある。

 実験台になった学生たちが笑顔をつくっているときは楽しいこと
を、反対にしかめっ面をしているときは嫌なことを思い出している
ことが多かった。

 それならば、何か気がかりなことがあるときは、まずニコニコし
てみよう。給料の値上げを頼むときも、仕事の電話をかけるときも、
うまいジョークを飛ばさなければならないときも、万事に快調いっ
たとこのことを思い出すのにきっと役に立つだろうから」
(「笑いの治癒力:The Healing Power of Humor」著者AllenKlein
:アレン・クラインから引用)

 初代宮城大学の学長であった野田一夫氏(http://www.nodakazuo.
com/profile/index.html)の講演会を聞いたことがありますが、一
番印象に残ったのは、「小さい頃から父から『不機嫌な顔はするな、
それはお前のわがままだ、自分勝手に周りに迷惑をかけるな』とい
われ、少しでも違反すれば、厠に閉じ込められ、大泣きした後、晴
れ晴れとした顔になったのを確認して、厠から出た」という言葉で
す。

 野田氏は私が知る限り、講演会でも懇親会でもいつも笑顔で明る
い表情は一貫していました。厳愛に徹した父あればこそ野田氏があ
るもんだ、と私は感心しました。

 「旧西ドイツの社会心理学者フリッツ・シュトラークも『顔の表
情が感情を左右する重要な要素であることは明らかだ』と述べてい
る。シュトラークはレアードと似た研究を行い、エンピツをくわえ
て強制的に笑顔をつくった被験者が、漫画により強く反応すること
を発見した。

 両方の研究者が認めていることは、ほほえみがほんものであるか、
ただのまねであるかは問題でないということだ。つくり笑いでも自
然の笑顔と同じように楽しい気分のきっかけになる。

 『だからほんとうにユーモアーの価値を知りたかったら、ほほえ
みを浮かべてみるのがいい。ちょっとまねをするだけでもいい』と
シュトラークは述べている。

 笑いの研究がさかんになったおかげで医学会も大頬骨筋の運動(
通常は、ほほえみと呼ばれる)の効果に注目しはじめている。

 デービッド・ブレスラー博士によると、私たちはほほえむことに
よって身体的・心理的苦痛から最初の半歩を踏み出すことができる。

 全体的から見れば小さな効果かもしれないが、痛みのあるときに
もほほえむことができたら、暗い面から明るい面へ視線が移りはじ
めるというのだ」(Te Healing Power of Humor」著者AllenKlein
:アレン・クラインから引用)

 この理論、「論より証拠」で、まず自分自身で試してみてくださ
い。私の場合やはり試してみたところ効果はありました。

 次回も医学的視点から続きます。


 歓乃喜 師弟 No.68 (10/08 2008)

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No.67「アニー」おしゃれは「ほほえみ」がなければ仕上がらない。

2008年10月06日 19時38分49秒 | Weblog
No.67「アニー」おしゃれは「ほほえみ」がなければ仕上がらない。

 ブロードウェイのミュージカル「アニー」のなかで歌われる「ほ
ほえみがなければ、おしゃれは仕上がらない」という米国では、有
名な歌があります。

 歌詞のポイントは、「大切なのは頭からつま先までのあいだにま
とっているもの(服装)ではなくて、耳から耳までのあいだのもの
(ほほえみ)」というところです。

 ほほえみに関して、歌詞以外の文句では、
「ほほえみは元手いらずでよく稼ぐ。もらってうれしく、あげても
減らず、ほんの一時で事足りて、生涯心に残ることもある」

 さらに、
「何一つうまくいかないときに笑顔でいられる人とは、日曜日にふ
だんの3倍働く水道屋のようなもの」
 このようなものまであります。

 今年7月2日のこのブログで「相手の方の笑顔を誘い出せば出す
ほど、その数が多くなればなるほど、そしてこれが習慣になれば、
多分確かな・継続的な幸福が近づいてくると思います。これはきっ
と幸福への近道?」と私は述べました。

 さらに同月3日のブログで、「説得効果が一番高い顔という”笑
顔”の雰囲気で接すれば誰とでも良いコミュニケーションがとれそ
うですね」とも書きました。

 久しぶりに私の蔵書の中を眺めていたら、「ほほえみ・笑顔」に
関連した「笑いの治癒力:The Healing Power of Humor」著者Allen
Klein :アレン・クライン (創元社 ¥2300)を見つけました。

 アレン・クラインさんがこの著書でいいたいことは、ずばり、「
ほほえみは、たとえつくり笑いでも、落ちこんでいるあなたを元気
にする。あなたのエネルギーをかきたて、あなたと誰かの心を結び
つける」ということです。

 つまり、どんなときでも、いつでも、まずは「つくりほほえみ→
つくり笑い」をしてください、ということです。

 なぜつくりほほえみまでしなければ?という回答をこの著書は体
験談と長年の研究に基づいて以下のように説明しています。

 「ほほえみ(smile)は英語のなかで、いちばん長くて、いちばん短
くて、いちばん手っとり早い単語です。

 なぜいちばん長いかは、最初の S から最後の S  までに1マ
イルもある。なのにいちばん短い言葉なのはなぜか?それはほほえ
みがあなたの気持ちをほんの一瞬で相手に伝えてくれるから。そし
ていちばん手っとり早いというのは、ふさぎの虫をつまみ出すのに
これほど手軽な方法はないからだ」 

 しばらく「ほほえみ(smile)」をテーマにまず、「つくりほほえみ、
つくり笑いの医学的・心理学的効用」から始めて、連載していきま
す。


 歓乃喜 師弟 No.67 (10/06 2008)

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No.66 ジャズと一期一会2:前向きに我慢できる理由が見つかる

2008年10月02日 17時30分36秒 | Weblog
No.66 ジャズと一期一会2:前向きに我慢できる理由が見つかる

 凡人で迷いの多い私にとって、前向きに我慢できる理由の一つが
「一期一会」のキーワードです。数人が集まる小宴会において、昔
は自分自身から最近のことがらを喋ることが多かったのが、最近は
努めて他人の話を少しづつですが、積極的に聞く姿勢になれました。

 多少聞く相手の言葉が暴言だったり、うぬぼれだったりしても、
暖かく迎えて、やわらかい言葉で相手を認めつつ、「その気持ちも
分りますが、・・・ではないでしょうか?」と多少いえるようにも
なりました。

 もちろんこれらの過程で多少イライラすることはありますが、こ
の気分を前向きに、明るく消してくれるのが、「一期一会」のキー
ワードです。

 前回同様「人生の終章ーー自分らし奏でる」9月29日・200
8年の日経新聞コラムから中島梓さんの言葉を引用します。

 「朝、家族と大げんかしてその後会えなくなったら、最後に残る
はけんかの記憶。それは嫌ですよね。たとえ一回しか会わない人で
も、やはり嫌な記憶よりは楽しい記憶を残したい。そう考えるとお
ろそかにできない。一回一回真剣にぶつかっていかなければ。

 一方で体力の衰えもじわじわと実感している。抗がん剤にはだる
さや食欲の低下といった副作用がつきまとう。退院後からこまごま
と作り始めるほど好きな料理も『悪いけど今晩は外食して』と家族
に声をかけることが増えた。食事の後しばらく休まないと動けない。
体力が続かず、夜8時半には寝てします。

 身体的な苦しさや痛みに気がふさぐことはある。だが、ガンにな
ったこと自体に落ち込んだり絶望したりすることはない。一時は、
『負けないぞ、たたきつぶすぞ』と思った、ガン。今はそっと話か
ける。『おとなしくしていればそのままにしておいてあげるよ。だ
から暴れないでそこにいなさい』

 医療の進歩で平均寿命が延び、8割の人が病院で死を迎える。生
活の中で死を意識することの薄くなった時代だからこそ、むしろ
『ガンになったのもなかなか悪くない』。

 明日がないかもしれないと意識したことで、たくさんのことを学
んだ。ガンにならなければ遠回りしてやっとたどりつくような心境
にストレートにたどり着けることができたから」

 「一期一会」「ガンにも感謝?そっと話しかける。ガンになった
のもなかなか悪くない」「明日がないかもしれないと意識したこと
で、たくさんのことを学んだ」これら中島梓さんのキーワードは、
人生体験上、何かあって初めて気づくのでなく、健康であろうとな
かろうと、事件や事故がおころと起こるまいと、私自身がこのキー
ワードを今から即、身をもって行動で示したいと、突き動かすもの
でした。


 歓乃喜 師弟 No.66 (10/02 2008)

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