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絶対的幸福と相対的幸福(あんしん&安全) 全ての人間は尊厳を持っており、敬意と尊敬に値いします。

安全とはリスクが受容できるレベルより低いこと。
安心とは、リスクの存在を忘れることができている心理状態。

「わすれない」と「備える」こと-共に生きる社会へ踏み出す- 映画「星に語りて」の藤井克徳氏に聞く

2019年04月06日 10時20分03秒 | 震災・減災・BCP

「わすれない」と「備える」こと-共に生きる社会へ踏み出す
映画「星に語りて」の企画を担当した藤井克徳氏に聞く

尾崎 洋二のコメント
1-要支援者にっとって避難場所は、そこに居続けることが困難な場所である、場合によっては避難生活が第2の被災なる、という共通認識が一般の方々や、行政の職員の方々に必要と感じました。

2-個人情報の保護が優先され、支援が届かないという本末転倒の現状という指摘は重要です。

3-災害被害のなかに人災的な部分があるとすれば、その部分は防げるはずなので、今後人災部分を乗り越える課題として全国的にその都度発信していく必要があると思いました。
------------以下 聖教新聞4月4日2019年 要点抜粋箇条書き -----------------

Q1-映画の製作に当たっては、どんな思いがあたのでしょうか?また実話に基づいたドラマとされたのはなぜですか?


A1-被災地で障害者の死亡率が全住民の死亡率の2倍に上った現実があります。この事実を忘れず、備えること、それが主題となっています。

A2-映画としては実写に基づくドキュメンタリーという方法も考えられましたが、被災した障害者の心情を察すれば、難しいと思いました。ただ、ドラマ化しても、特別な主役は置かず、全出演者が主役になる群集劇を目指しました。

Q2-前半には避難所から”障害者が消えた”という驚きの事実が描かれます。
A1-この事実は、障害者にとって避難所は、そこに居続けることが困難な場所であることを表しています。中略 

 加えて、環境の変化に弱い障害者はパニックを起こすことも少なくありません。障害者にとって、避難所生活が”第2の被災”になっているのです。

 その結果、壊れかけた自宅に戻ったり、車の中で寝泊まりする状況が生まれました。こうした状況は熊本でも繰り返されています。

Q3-障害者団体が連携し、被災地での支援が実現していくなか、行政も動かす様子が映しだされてます。

A1-実際、障害者団体で対策本部を立ち上げ、岩手、宮城、福島の各県に現地対策本部を設け、延べ1万人余の人員を派遣しました。中略 この活動の結果、南相馬市、陸前高田市では障害者の情報開示を特例として認めることになりました。

 法律によって個人情報は保護されていますが、最も優先すべきは命を守ることです。

 情報の保護が優先され、支援が届かないのであれば、本末転倒です。
 命を守るという目的があれば、情報は開示されるべきではないでしょうか。
 

Q4-震災後、障害者自身がまちづくりに取り組む姿が印象的です。

A1-実際に、陸前高田市では、震災後、障害当時者を中心に委員会が設けられ、障害者政策を作り直す作業が始まりました。中略 市長が目指す「ノーマライゼーション」という言葉が必要のないまちづくりが始まっています。 

 2006年に国連で採択された「障害者権利条約」は、制定の過程で「私たち抜きに私たちのことを決めないで(Nothing about us without us)ということが繰り返し訴えられました。

Q5-災害時の犠牲者を減らす取り組みとして、今後必要なことは何でしょうか。

A1-災害が多発する日本で、地震や津波による犠牲者を避けることはできません。

 しかし、それが2倍になるというのは天災だけではなく人災が重なる結果です。であれば、それは減らせるはずです。

A2-東日本大震災の調査データーからは、震災直後、障害者ら要支援者のもとに救援に駆け付けた多くは近隣住民だったことが分かっています。
 これは、住民と障害者ら要支援者が日常的につながることで犠牲者は減らせることを意味しています。

A3-「分ける」発想とは別に、避難所の中に要支援者コーナーを設けることも必要なことかもしれません。中略 

 こうした「分けない」視点と障害者支援の拡充が今後大切になります。このことは災害の問題を考えながら、「共に生きる」という、あるべき地域づくりにもつながるのではないでしょうか。
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上映会についての問い合わせは、きょうされん TEL 03-5385-2223 
 


大川小学校の悲劇に何を学ぶか-東日本大震災8年 宮城県議会超党派主催フォーラム

2019年03月27日 11時26分52秒 | 震災・減災・BCP

大川小学校の悲劇に何を学ぶか-東日本大震災8年
宮城県議会超党派主催フォーラム(2019年3月23日)
「いかなる場合も子どもの命は大人が守る。
この悲劇を二度と繰り返さないことが、亡くなった74人の子どもたちがこの世に厳然と存在していたんだという証になる」(遺族-今野ひとみさん)

-このフォーラムに参加した尾崎のコメント:この教訓を真剣に活かして対策をとらないと、近々予想されている南海トラフ大地震(34万人の死亡者が予想されている)による子どもたち等災害弱者たちへの犠牲の予防ができないことになるのではないか?
抜本的な対策・訓練もしないまま死亡者が出た場合は「死ぬべきして死んだ犠牲者」となるので、それだけは避けるべきだ、と痛感しました。

公明新聞3月27日2019年 要点抜粋箇条書き

A-その日何があったのか

2011年3月11日14:46巨大地震発生。
大川小の子どもたちはは担任教師の指示で校庭に集合。
約50分の間その場に留め置かれ、移動を開始したのは15:35頃。
その直後に北上川を逆流してきた津波が押し寄せ、一瞬のうちに児童74人、教師10人が犠牲となった。

B-あの日から8年、明らかになったこと。

1-校庭待機中、防災無線が大津波警報を発令し、高台避難を呼びかけていた。
2-高学年の児童が裏山への避難を泣きながら訴えていたが、教員が許さなかった。
3-そして命運を左右した津波襲来の直前、教頭らは裏山ではなく、北上川右岸の堤、つまりは津波の来る方向へ誘導した。
4-校長は当日、私用で不在。三角地帯は防災無線が「絶対に近づかないように」と放送し続けた場所だった。
5-あの日は三陸沿岸部の小中学校は軒並み、津波に襲われた。だが、釜石市の釜石中や鵜野住居小、宮城県三陸町の戸倉小など大半の学校は素早く子どもたちを高台に避難させ、命を守っている。なぜ大川小だけが~。

C-遺族に対する市の説明

1-「津波や予想できなかった」に終始。
2-「第三者検証委員会の調査(2013年2月発足した)の調査も「校庭待機50分の謎」や、「三角地帯誘導のなぜ」に迫り切れなかった。
3-やがて保護者説明会は一方的に打ち切られ、その間。亀山紘市長からは「(児童の死は)自然災害における宿命。私ならそう考える」との不謹慎発言も飛び出した。
4-生き残った児童らの証言メモを市政委が廃棄するという”事件”もあった。

D-追い込まれた遺族はその後

1-「このままでは子どもの死が学校防災の礎にならない」と訴訟を決断。
2-地裁での審判を経て2018年4月、仙台高裁は市政委は学校の「事前防災の不備」と「組織的過失」を認め、74人の児童の命は「救えた命」と断定する控訴審判を下した。

E-パネラーの方の意見

1-平時から本番を想定し、実践的な防災活動を行うのは管理職の仕事。この追加さねが全生徒の命を救った。:村上洋子さん(釜石東中の当時の副校長)
2-釜石東中の事例は「奇跡」などでなく、助かるべくして助かったことが改めて分った。学校防災の本質は考えのど真ん中に子どもの命があるかどうか、この一点に尽きる。この事故を辛い、悲しいだけで終わらせず、教訓を未来に生かしてほしい。:佐藤敏郎さん(当時6年生だった娘を大川小で亡くし、現在は「大川伝承の会」共同代表の元中学校教員)

F-遺族の方の言葉

1-願わくば大川小問題を通し、この国の教育行政そものが変わってほしい。いじめによる自殺や虐待が表面化するたび、学校管理者や教育委員会が言い訳する構図は、大川小問題のそれと全く同じだから。:佐藤和隆さん

 


大災害から病院をどう守る-経済性と非常時の備えは別。小林 建一氏

2019年02月20日 10時51分27秒 | 震災・減災・BCP

大災害から病院をどう守る-経済性と非常時の備えは別。入院患者の安全を最優先に
小林 建一氏 国立保健医療科学院上席主任研究官
公明新聞2月20日2019年 より要点抜粋箇条書

Q1-災害対策で病院が直面している課題は何か?
 まずは電源の確保。
 近年は診療業務だけでなく、病院内のあらゆる業務で電力への依存度が高まっている。医療機器に加え、物質調達に代表される管理業務も紙からパソコン処理に変わった。昨今の大規模災害では、停電によって業務に多大な支障を来す事態が頻発した。早急な対応が求められる。

 もう一つは物流の効率化。
 多くの病院は必要な物資や薬について、その都度調達する方式を採用し、在庫を抱えない事例が増えている。無駄な物資を減らせるので病院経営にとってはプラスだが、災害時には弱点と化す。経済性と非常時の備えは分けて考えたい。

Q2-災害時の医療では何を重視すべきか?
 災害発生時の病院は負傷した被災者の対応い追われがちになる。しかし、優先すべきは入院患者の安全をいかに確保し、適切な治療を継続していくかだ。

 日常業務に優先順位をつけながら、災害時に求められる事前対策・事後対策を想定しおくべきである。

 近年多くの病院では自力身を守ることが難しい高齢者が増えており、慢性疾患や介護でベッドから転落しない工夫や、転落してもケガを防ぐ細やかな備えが必要だ。

Q3-病院の立地場所も考慮すべきではないか?
 2018年の西日本豪雨で非常用電源や医療機器が水没した病院は、行政が作成したハザードマップ(災害予測地図)の浸水想定地域の中に位置していた。

 2011年、全国約8600病院を対象に行った調査では、回答した約6100病院のうち、3割程度の病院がハザードマップで洪水や地震、土砂災害の被害が予測される地域に立地していた。

 さらに、予測災害を想定した防災マニュアルの有無について、全ての災害を想定したマニュアルを策定している病院は2割前後にとどまった。

 多くの患者は迅速な避難が難しいだけに、病院の安全確保は不可欠非常用電源や検査機器など医療行為に欠かせない器具の設置場所にも細心の注意を払うべき。


東北の力-全ては一人の変革から。今、世界が東北を注視している-東根(あずまね)千万億(ちまお)氏

2019年02月10日 10時38分22秒 | 震災・減災・BCP

東北の力-全ては一人の変革から。今、世界が東北を注視している。
東根(あずまね)千万億(ちまお)氏-岩手日報社・社長
 聖教新聞2月9日2019年 要点抜粋箇条書き

 2011年3月11日-惨状に心震わせるながら、「千年に一度の災害なら次に起こるのは31世紀。31世紀に記録を残す気概でやろう」こう説きました。
 この思いは今も変わりません。

 震災直後から記者たちは避難所を回り、延べ5万人の避難者名簿を掲載。その後も被災地の方々の姿を報道し続けました。

 犠牲者を追悼する企画も立ち上げました。遺族から生前の顔写真をお借りし、紹介状を添えて掲載。生きた証(あかし)を記録することで尊厳を守ろうと考えたのです。

 さらに私の後任の編集局長のもとで、後世への教訓のための企画「犠牲者の行動記録」も連載しました。犠牲になった方々が、地震発生から津波までどう行動したかを、遺族に取材して再現したのです。

 インターネットとも連動させ、一人一人の避難の軌跡を線で表現して動画として見れるようにしました。

 私は生きていく上で「想像力」と「創造力」が大事だと考えます。人の痛みを知り、人の有り難みを知ると、人を想う想像力が深まります。それが価値を生む創造力を培う糧になると思います。

 その意味では、「価値創造」という言葉に名称の由来がある創価学会の哲学に、共感を覚えます。

 かって、池田先生が東北に寄せられた長編詩「みちのくの幸の光彩」(1988年)に私は感銘しました。そこには、こうつづられています。

「幾千万の無告の民の
 慟哭の声を飲みこんできた
 虐げられし東北の民衆史
 なればこそ
 民衆の時代という輝かしい世紀への
 未聞の架橋作業にあって
 みちのくの君たち
 あなたたちこそ
 主役でなければならない
 王座に遇されて当然なのだ」

 岩手、東北は古来、天災と人災による度重なる苦しみを乗り越えてきました。支配をもくろむ野望の徒に踏みにじられ、苛政の重圧にも耐えてきました。

 池田先生は東北の歴史や悲しみを深く理解し、東北人の人間性をたたえ、励ましを送り続けてくださっています。

 今、世界が東北を注視しています。まさに、(この)長編詩につづられた通りの時代になりました。

 


防災は命を巡る問題であり、そこに及んで議論して初めて実効性を伴う

2018年10月14日 09時16分16秒 | 震災・減災・BCP

片田 敏孝 氏(東京大学大学院特任教授)
:「人が死なない防災」集英社新書¥760著者
-防災は命を巡る問題であり、そこに及んで議論して初めて実効性を伴う:社会の防災意識向上を!

1-気象災害は温暖化の影響で1回の降雨量が膨大になり、ゲリラ豪雨も「局所」ではなく、「超広域」に、「長時間」から「長期間」にわたり降り続くなど災害が激甚化している。

2-西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町のハザードマップは、今回の浸水被害とほぼ重なっており、精度が上がっている。それにもかかわらず、十分に生かされなかった。だからこそ、これらを活用できるだけの対応力を個人、社会がどう付けていくかが最大の課題だ。

3-注目すべき防災の型。アメリカ型の当時者感、キューバ型の地域連携の姿勢。両国の事例は日本が学ぶべき二つの側面を見せてくれている。

4-人間は大事なあの人のことを考える時、「あの人を助けなくては」との思いが行動のトリガー(引き金)となる。一人一人が自分の命に責任を持ち、大切な人の命を守るために最善の行動を取るという”思い合い”が大切だ。

5-防災は命を巡る問題であり、そこに及んで議論して初めて実効性を伴う。

6-地域で助け合うことの必要性は皆が気付き初めている。その一方で、地域コミュニティーが既に崩壊している状況もある。今こそ発送を転換して、防災によってコミュニティーを再生していくという意識が重要だ。

7-大人たちの防災意識は子どもたちにも伝わる。いざという時に子どもたちがきちんと逃げれれる”育(はぐく)みの環境”をつくっていくことも欠かせない。

公明新聞10月14日 日曜日 2018年 コラム潮流2018から要点抜粋箇条書き


危機管理の全権を担う日本版FEMA創設を!

2018年09月14日 06時33分33秒 | 震災・減災・BCP

危機管理の全権を担う日本版FEMA創設を!
小川和久氏-静岡県立大学特任教授(危機管理)
公明新聞9月12日2018年 要点抜粋箇条書き.

 日本には緊急事態に全ての権限を振るうことができる仕組みがない。

 台風21号における関西区空港の事例で露見。各組織は「権限がない」「法的根拠が明確でない」「責任を問われる」といった理由から行動をためらい、結果的に初動が遅れた。

 危機管理の要諦は「必要なことを適切なタイミングで実効する」点にあるが、そのための仕組みがない。

 参考にしたいのが、地震や洪水、ハリケーンなどの災害に際して、連邦機関や州政府、地元機関などを横断して全権を与えられる米国の連邦緊急事態管理局(FEMA)だ。

 小さなチームから初めてもよいから、FEMA創設の再検討を提案しておきたい。


巨大地震 減災への提言 -藤井聡 京都大学教授

2018年06月30日 16時25分20秒 | 震災・減災・BCP

巨大地震 減災への提言
藤井聡 京都大学教授
-公明新聞6月30日2018年より要点抜粋箇条書き

1- 阪神・淡路大震災の経済被害。
 「阪神」で被災した地域の国内総生産(GDP)の推移を見ると、震災直後に約40%が縮小し、その後、徐々に回復しながら完全回復にまで20年を要している。

2-土木学会が推計した震災後20年の経済損失は、
 南海トラフト-1410兆円
 首都直下-778兆円

3-公共対策(道路や港、堤防や建築物の耐震化などを進めること)による被害縮小額は、
 南海トラフト-509兆円
 首都直下-247兆円

4-対策を主導する人材育成と、
「防災庁」「危機管理庁(日本版FEMA)」の設置が必要。

5-減災には一極集中緩和を!
地方新幹線の整備を重視。
 例えば、羽後新幹線(新青森-新潟)や北陸新幹線(金沢-新大阪)など全国11区間を整備することで、関東地方の人口約18万人、経済規模で年間10兆円分が地方に分散化することが判明した。
 対策事業の税源は、建設国債がなじむだろう。

6-長期的視点に立った防災対策は人命を守るとともに、
「税収を守る=税収を増やす」