鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

五能~五行説の要諦~

2015-06-29 07:59:34 | 日記
五能こそが、五行説の要諦であると思える。

五能とは「生長化収蔵」であるが、ヘーゲル弁証法との対比で、五行説の有効性とは何か。いかにすれば有効性を持ちうるのか。と検討して見ると五能こそが五行説の要諦ではと思える。

五能については「新・東洋医学概論」の教科書でも、五行の性質を現すとして重要性を強調されてはいるが、肝心な事は、世界のあらゆる事物を五能=「生長化収蔵」として捉え返して行くと直接に自身の頭脳活動も五能=「生長化収蔵」となってくような量質転化化の過程を持つことであると思える。

その様な過程を持ち続けて行けば、自身の頭脳の働きそのものが五能=「生長化収蔵」へと量質転化して行って、あらゆる事物を五能=「生長化収蔵」と捉える事となり、例えば、「腰痛」の患者を見るのにも、この患者の「腰痛」は「生」なのか、「長」なのか、「化」なのか、「収」なのか、「蔵」なのかと、「腰痛」の過程に着目することとなり、同時に患者自体は「生」なのか、「長」なのか、「化」なのか、「収」なのか、「蔵」なのかと「患者」の過程にも着目し等々と捉えて行くこととなる筈。

これは、南郷先生の説(解)かれる弁証法の学びそのものの、大変な努力が必要な過程であろう。

しかしながら、そうあってこそ五行説は鍼灸の診断・治療に役に立つのであり、「肝」に対応するのは「酸」だから、酸っぱいものが良いとかの知識の当てはめ、クイズレベルのことを百年やっても、五行説が役に立つことはありえないと思える。





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