仕込1号 本醸造の仲仕込1回目の様子です。
今年から高級酒以外の大きなタンクで造る酒の、1本当たりの製造量を増やして仕込みます。
ウチの仕込では主に1万リットル級のタンクを使っています。
が、タンク以外の製造設備(麹室の大きさ・洗米設備・甑容量などなど)は6000~7000リットル級タンク相当のモノばかりなのです。
酒の仕込には"適正容量"というモノがありまして、一般的に「タンク容量の3分の1のkg数の米」で仕込むのが基本です。
この量よりも多ければタンクから溢れる可能性があり、少ないと温度管理で苦労するコトになります。
昨年まではこの"適正容量"を守ることができず、製造設備相当の米の量で仕込んでいました。
そのため温度管理の面で苦労し続けていたのです。
コレではイカン!
・・・ということで2年前からいろいろと対策を考え、ひとつの案として「仕込をもう1段増やす」という方法が浮かび上がりました。
通常は「添」→「仲」→「留」と三段で仕込むところを、
「添」→「仲その1」→「仲その2」→「留」と4回仕込んで適正容量の米を投入してしまえば良いのでは!?と。
さらにこの方法で仕込むことで"日曜を休日にできる日程が組めるようになる!"との発見もありまして、何とかこの製造方法を確立しようと昨年の酒造りでタンク2本分の仕込を試験的に行いました。
試験の結果、改善の余地はありますがある程度満足のいく結果が得られたので、本年度の酒造りよりこの仕込方法をメインに置いて日程を組みました。
ただこの方法は本当に「苦肉の策」であり、イレギュラーな仕込方法です。
ウチの酒質がこの方法でも再現できるため採用したのであって、どの酒蔵でも通用するモノではありません。
・・・というおことわりを念頭におきまして、前置きが長くなりましたがそんなワケで仲仕込その1の様子です。
日中非常に暖かく、蔵内の温度が15℃を超えてしまうなど酒造りには最悪の環境です。。。
これはウチだけに限った話ではありませんけどね。
当然仕込の温度も高くなってしまいます。
何とか仕込の水を冷やして対応していくしかないです。
明日は仲仕込その2へと進みます。