角口酒造店 酒の履歴書

長野県飯山市の酒蔵の酒造りブログ

金紋錦の会

2009-09-30 | 未分類
飯山のJAで開かれた「金紋錦の会」に出席してきました。



「金紋錦の会」とは、長年にわたり「金紋錦」を長野県木島平村の農家との契約栽培で守り続けてきた、石川県の株式会社 福光屋さんを中心に「金紋錦」を使って酒造りを行っている7社の酒造メーカーとJA北信州みゆきさんにて構成される会です。



今日は収獲前の稲の状態の見学と、分析等による本年度の「金紋錦」の出来具合の報告をしていただきました。






収穫間近の「金紋錦」です。






こちらは試験的にJAS規格に沿う有機栽培方法で栽培した「金紋錦」です。
紙マルチを使用したため稲の間に溝ができているとの説明を受けました。






等級検査会場も視察させていただきました。













さて、今年の「金紋錦」の出来ですが・・・
例年になく”悪い”とのことでした。。。



6月中の雨の多さや、昨年の積雪量が少なかったが為に発生する害虫の出現など色々な要因があるようです。
こうして見るとホントに「自然を相手に」戦っているのだなぁとつくづく思います。
ある意味、酒造りよりもシビアな世界ですよね。



幸いワインと違って、日本酒は原料の品質がダイレクトに酒の質に反映されません。
それ以上に造り手の技術がモノをいいます。
技術さえあれば品質のあまり良くない米でも高品質の酒を造り出すことが可能です。
逆に最高の米を使っても駄酒にしかならなかった、なんてコトも起こりうるって意味でもありますが。。。



今後様子を見ながら刈り入れとなるようです。
「可能なものはある程度刈り入れ時期を後ろに引っ張って、なるべく良い状態で刈る」とのことでした。
ココらへんは酒造り、特に「麹作り」と「上槽」に通じるモノがあるなぁと感じました。



大事に育てていただいたお米、大事に使わせていただきます。

上槽2日目

2009-09-29 | 純米吟醸 秋しぼり
上槽2日目の様子です。






一晩でだいたいは搾り終わりました。
今日は袋を何回か積み替えながら、さらに圧をかけて完全に搾りきります。






2回の積み替え後、搾り終わった状態の酒袋です。
袋の中身が「酒粕」です。
搾り終わった袋から一枚ずつ酒粕をはがしていきます。






コチラは搾り終わった酒です。
深いタンクに入れてあるのでこんな写真しか撮れませんが、酒ができたゾ!という証拠として。(笑)






今週の終りに1回目のオリ引きをし、来週もう一度仕上げのオリ引きをしてようやく完成となります。
ココまでくればあとは待つだけ。
今夜からやっとゆっくり寝れそうですzzz

もろみ32日目・上槽

2009-09-28 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ32日目の様子です。










とうとう上槽まで漕ぎつけました!
最終的に品温は2℃以下まで落としました。





ここからは上槽の様子です。

仕込タンクから少しずつもろみを出していきます。






袋に入れたもろみを並べる槽です。
タンクから出したもろみを酒袋に入れ、この中に上手に並べて積み上げていきます。






実はこの量のもろみを1人で槽に入れていくのは初めてです。
槽の中で均一な高さになるようにする、袋の口からもろみが漏れ出さないように袋の口を折りたたんでいく、という2点が大きなポイントであり技術が要求されます。
この2点が上手くいかないと、最悪の場合槽の中で崩壊して袋の口からもろみが漏れ出し、もう一度搾りなおし!という事態になってしまいます。
まぁ今までそんな場面を見たことはありませんが。






高さはちょっとイマイチでしたが、袋の口はキレイに折りたためました。
崩壊することもなくすべてのもろみを入れ終える事ができました。
何とかなるもんだ!
けっこう山積みですが、毎回こんなカンジになっているのでOKでしょう。






槽の口から酒が垂れてきました。
産まれたての純米吟醸です!






酒にオリがからんでいるので真っ白です。
特に搾りの前半部分はオリが多いです。
このオリを取り除くために搾った酒を数日間静置してオリを沈殿させ、澄んだ上澄みをくみ取っていきます。
この作業を「オリ引き」(おりびき)といいます。
今回のこの酒はオリ引きを行ってから販売する予定でいますので、今日搾ったからといってすぐには販売にはならないんですね。。。






ある程度搾れたら、圧をかけてさらに搾っていきます。
明日まで丸一日以上かけて搾ります。





さてさて肝心の味のほうですが・・・

・初めて使った酵母
・初めてのやり方で造った酒母
・酒を造ったことのない場所&タンクでの製造

などなどを加味すれば、まずまず合格点・・・というコトにしてあげてください。。。





”これはこれで”なかなかの味に仕上がっているとは思います。
個人的にはもう少しバランスのイイ味わいを目指していたのですが。。。
とはいってもまだオリ引きもしていない状態ですので、この酒の”本当の味”は現時点でハッキリはわかりません。





今回の仕込で

1.1801号酵母の特性
2.比較的精米歩合の低い米(精米歩合59%)を使っての吟醸酒造りともろみの管理方法

上記2点が大きな収穫でしたね。
特に2番目は吟醸酒だけでなく、純米酒等にも応用できそうです。





明日まで酒を搾り、2度のオリ引きを経て製品となる予定です。
今しばらくお待ちください。

もろみ31日目

2009-09-27 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ31日目の様子です。











品温はグッと下がって3℃を切ってきました。
あとは搾るのを待つばかりです。


味は・・・まとまっているとは思うんですがねェ。。。
コレばっかりは搾ってみないとわかりません!
明日はいよいよ上槽です。

第56回長野県清酒品評会 県知事賞受賞!

2009-09-25 | お知らせ
この度第56回長野県清酒品評会にて、昨年度製造の弊社”大吟醸”が県知事賞を受賞いたしました。





・・・というワケで本日、長野県清酒品評会の授賞式に出席してきました。
長野県清酒品評会とは、いわば全国新酒鑑評会の長野県版といったトコロ、県知事賞といえば金賞に値するありがた~い賞です。






長野県清酒品評会は毎年この時期に開催され、審査結果の上位20社が県知事賞をいただくことができます。



実は先日、品評会担当の先生から
「上位20社に入ったので授賞式に出席してください。」
とのお電話をいただき浮かれ上がっていました。



順位は今日わかったのですが、県全体の出品醸造場64社中「第8位」という過去に例のない程の上位に入ることができました。
この県知事賞自体、ウチとしては実に5年ぶりの受賞です。






賞状が各社の杜氏さん一人ひとりに授与されます。
周りには県内の名立たる名杜氏さんばかりで、けっこうビビってました(↑)が無事賞状をいただいてきました。






”杜氏”村松裕也としての初めての賞状です。











この大吟醸は前杜氏との合作です。
酒の質、そして方向性が間違っていなかったコトが証明され、受賞の知らせを聞いたときは「うれしい!」というよりも、とにかく「ホッとした。。。」といったカンジでした。



決して自分一人のチカラでいただいた賞ではありません。
この受賞の背景には多くの方々の理解と協力があって生まれたものです。
何より普段ウチの酒を買ってくださる方々のおかげで大吟醸用の米や酵母が買え、大吟醸を”造ることのできる喜び”を与えていただいていると思います。
心より感謝いたします。

もろみ28日目

2009-09-24 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ28日目の様子です。











氷を使ったこともあり、品温が7℃を切ってきました。
あくまで”ゆっくり”冷やすことが大事だと思うので、温度変化を見ながらもう少し下げていきます。



来週の月曜日に上槽予定ですので、搾る準備を進めています。







仕込のサイズと場所・手間の関係から今回は機械を使って搾らずに、この酒袋を使って搾ります。
品評会へ出品する大吟醸など、高級酒専用の搾り方です。
ウチでは1番丁寧な搾り方ですが、搾るテクニックも必要になってきます。
上手くいくとイイのですが・・・。(イメージトレーニングはバッチリです!)






もろみを入れた酒袋を積み上げていく槽(ふね:酒槽とも)を洗って設置します。






冷蔵庫の入り口の大きさギリギリで入りました。
もしかしたら数ミリのところで引っかかってはいらないかも!と、ドキドキしていましたが上手く入ってくれてよかったです。



上槽まであと4日です。




もろみ27日目

2009-09-23 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ27日目の様子です。










かなり品温が下がりました。
もう自力で温度を保つことができそうにないので、この時点でもろみの終着点としたいと思います。



成分的にもひとまずOKのラインまできたので、昨日このブログに書いたように氷を使って冷やしていきます。
急激に冷やすという行為もやはりもろみには良くないようなので、温度を確認しながら少しずつ氷を増やしていきます。



今日の品温が7.5℃程度なので2~3日かけて5℃程度まで、最終的には2~3℃程度を目標に温度を落としていこうと思います。
上槽まであと5日です。

もろみ26日目

2009-09-22 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ26日目の様子です。










少しずつ品温が下がり続けています。
目標としている成分になるまでにはもう少し時間がかかりそうなので、成分ともろみの状態を見ながら氷を使って温度を下げていこうと思います。



もろみの後半は酵母も環境的にキツい状態なので、あまりムリをさせると酵母がヘバって出来上がった酒に悪い影響がでてしまいます。
悪い影響が出ないようにする為にはもろみを冷やすのが1番イイのですが、冷やす時期が早すぎると成分が出来上がらないまま搾ることになってしまい、コレもまた酒への悪影響につながります。



今回のもろみはまだもうちょっと頑張れそう・・・だと思うので冷やすのは明日以降ですね。
さて、この判断が吉と出るか凶と出るか。。。

もろみ25日目

2009-09-21 | 純米吟醸 秋しぼり
もろみ25日目の様子です。









ようやく味にキレが出てきました。
日本酒の場合、この”キレ”があることで高級感が生まれるようです。



個人的にもキレのイイ酒を目指してはいるのですが、いつも上手くいくワケではありません。。。
この味を保ったまま製品まで行ってくれると嬉しいんですがね。



上槽まであと1週間です。