TRIVIAL JUNK Blog

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意志の勝利

2009-09-27 23:36:51 | 映画
1934年のナチ党全国党大会の記録映画。
再現映画ではなく、当時プロパガンダとして作られたモノホンです。
(監督自身はプロパガンダとして使われるのを拒んだそうですが)

作られた時代が時代だけに、音声やカメラワーク、編集などには多少のアレはあるものの、全体通して構成の見事さが強烈です
初っ端の空撮から街あげての歓迎パレード、軍キャンプの和気藹々とした朝の風景、やたら力強い演説、熱狂的な眼差しを送る一般市民、遠景でのライトアップ、全てがあまりにもパワフル。国全体がナチに入れ込んでると錯覚させるには充分過ぎます。
(引きのシーンをよーく見ると全然盛り上がってない人もちゃんと混ざってるんですが、そんなこと全く気付かせない)

当時のドイツは、閉塞の時代からようやく抜け出す兆しが見えてきた…というタイミングで、そんな状況でこんなん見せられたらそりゃ熱狂するわ、という。
演説内容自体はたいして中身もなく、それどころか最後の方は「ヒトラーは独裁するよ!」ってハッキリ言っちゃってるんですが、もはやそんなん関係なしに押し切る映像のパワー。恐ろしい。

我々はその後のナチの行為を知ってるからこそ、これを冷静に「プロパガンダ」だと受け止めることが出来ますが、知らずに見たらどうなるか…
「見た目よく出来たもの」の力は実に強力。マスメディアにしろネットにしろ、その見た目だけに踊らされないよう、送り手も受け手も気をつけねばならない。そんなことを改めて思い知らされる一本ですね。


…知った風に書いてますが、中盤からパレード→演説→パレード→演説→パレード→パレード→パレード…って感じで、さすがに飽きてちょっと寝ちゃったのはここだけの秘密。



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