南原幹雄さんの「信長を撃いた男」を紹介します。
南原さんの小説は初めて読みました。主人公は織田信長を狙撃した鉄砲の名人・杉谷善住坊です。彼は甲賀忍者です。
<内容>
甲賀随一の名人で、鉄砲の名手・善住坊は、甲賀の頭領ともいえる六角承禎に呼ばれた。
そこで、織田信長暗殺を命じられる。
善住坊は3度、信長を狙撃するが失敗。
激怒した信長は、蒲生典膳に善住坊生け捕りを命じる…。
<感想>☆☆★
池波さんの「蝶の戦記」を読んで善住坊に興味を抱いていたので、ハードカバーの時から興味を持ってました。
個人的には文庫版まで待ってよかった…と思っております。
ちょっと話にメリハリがなく、漫然と進んでいく感じがしました。
あと、偶然も3回続くと、実力かな、なんて。
一番印象に残っているのは、エロですね。これはものすごい描写です。興味のある方は読んでください(笑)。
ま、おや~とか、あれ~とか思う場面は(けっこう)ありましたが、善住坊が主人公というのがいいですね。
<南原幹雄>
南原さんは独特な文体ですね。まずは会話が現代語というのが多かったです。あと、一文が長いですね。
それと、池波さんともまた違いますが、二人の会話で話が進んでいく場面が多いですね。
<ヒーロー>
仕事がら有名人に話を聞くことがあります。
この本を読んでて二人の人物のことが頭に浮かびました。
(1)某有名高の野球部監督
オレ「初戦はやっぱり緊張しますよね~」
監督「緊張? オレがするわけないだろ!」
オレ「すいません…」
(2)某競技の大物金メダリスト
オレ「決勝で怪我されてましたよね。負けること考えましたか」
メダリスト「負ける? 怪我はあったけど、負けること考えなかったね。だって、オレが一番世界で強いんだから」
※もう一つ。
イチローや野茂、中田英といった一流(だった)選手たちは共通しているところがありますね
3人とも黙して語らず、といったイメージがあります。
凡人のオレなんぞは逆ですね。大したことでもないのに、失敗談でも、成功したかのようにいろんな人にしゃべってしまいます。酔っ払うと、なおさらですね(苦笑)。
え~、何を言おうとしてるか興味を持たれた方は本書を読んでみてください。
なんのこっちゃ!