「新撰組血風録」でも異色の作品です。
まず、誰も死なない。そして殺さない。
これは、もう一つの沖田の短編「菊一文字」もそうですね。
ただ、誰も殺されないのに、非常に悲しい話です。
<内容>
結核の疑いがある沖田は、近藤や土方に内緒で、名医・半井玄節のもとへ通い出す。
やがて、沖田は玄節の娘・お悠に惹かれていく。
一方、土方は沖田の行動に不審を抱き、尾行。沖田が医者に通い、その娘に惹かれていることを知る。
驚いた土方は近藤と相談。沖田の恋を成就させようとするが…。
<感想>☆☆
これはラブ・ストーリーです。
それも、切なく、悲しい。
土方と近藤は、他ならぬ沖田のために、力になろうと奔走します。
しかし、その結果は…。彼らが予期しなかった結末につながります。
二人の気持ちが痛いほど分かる沖田は、ポツリと独り言をこぼします。
「ただ、彼女を見ているだけで良かったのに…」。
それさえも…
<沖田ファン>
大河ドラマの影響もあり、沖田ファンは非常に多いようですね。新撰組のマンガのファンも多いようです。
そういう人たちに、ぜひ読んでもらいたい話です。