インテグラな日々

本、音楽、そしてスポーツ…!

鴨川銭取橋

2007-11-19 00:45:41 | 司馬遼太郎



またまた、久しぶりの更新です。

本日も「新撰組血風録」の作品です。

主人公は、武田観柳斎です。

<武田観柳斎>
実在の人物です。五番隊組長で、弁舌が巧みで甲州流軍学を隊で教えていたそうです。ただ、下には傲岸で、上には媚びへつらうような人物だったそうです。やがて、新撰組をやめることにし、近藤に認めさせますが、最後は粛清されてしまいます。

<物語>
観柳斎の部下が殺された。山崎蒸は土方の命で調査を進め、部下が中村半次郎(桐野利秋)といたことが分かる。やがて、観柳斎は自分が薩摩藩とかかわりがあることを疑われていることを知る。

そんななか、新撰組が甲州流軍学を廃止し、洋式調練に変更した。自分の存在がなくなってきたことを悟った観柳斎は除隊を決意。薩摩藩を頼ることにする。

近藤は観柳斎の意思を尊重し、別れの酒宴を催す。やがて、宴も終わり、観柳斎が帰ろうとする時、近藤は剣の達人・斉藤一に送るよう告げる。

そして、観柳斎は斉藤とともに鴨川銭取橋に差し掛かる…。

<感想>☆☆
ま、血風録の中では、一番地味な感じがしました。

新撰組の粛清ものです。

観柳斎は山南敬助、伊東甲子太郎とともに、粛清されたビッグ3といえる人物です。ま、血風録を読んで思うのは、3人がいずれも土方の政敵で、土方が嫌う人間として登場することでしょうか。

一方、近藤は3人の学識、見識を重宝する。だが、ひとたび裏切りの匂いがすれば、土方に粛清させる…。

ここに、なんとも言えぬ新撰組の凄みを伺うことができます。





<関係のない話>
先日、中日がアジアシリーズを制しました。韓国に負けるなど精彩を欠いた内容でした。いかにも中日らしいですね。

オレはシリーズ前から、中日の負けを予想し、みんなに事前に謝ってました。そういう、手を抜くというか、気持ちが切れちゃうというか、そんな体質が中日にはあります。だから日本一から53年も遠ざかっていたと思います。

実際、ウッズは出さないし、川上は投げさせない。さらに、日本シリーズでは早め早めの継投だったのに、アジアシリーズではシーズン中のように動かず、最終戦のあの結果になったわけですから。相手をなめて勝てるほど、韓国や台湾は弱くないです。

ま、でも優勝するとは思っていました。さすがに…ね。危なかったけど。

あらためて思うのは、落合監督の功績です。これは文句なしです。

落合さんには辞めるというまで監督を続けてほしいです。今年の中日がタレントぞろいの巨人に最終的に勝てたのは、なんといっても監督の力でしょう。

「何もしていない」とよく言ってました、それもすごいことです。選手がかってに判断して試合をする…。そういうチームを作ってきたわけですから。

何もしないで勝てるのは、中日以外では、タレントぞろいの巨人と、ひところの阪神、ヤクルト、ソフトバンクあたりでしょうか…。

ちょっと意味合いが違いますが…。


で、ちょっと気になったこと。

よせばいいのに、朝鮮日報のウェブを見たら、
「真の王者はSK」という2回にわたる記事がありました。

内容を読んでも、どこらへんでそうなるのか分かりませんでした。

オレは日本、韓国、台湾ともそれほど実力差はないと思っています。

しかし、WBCのときもそうでしたが、どうしてこういう記事が出てくるんでしょうか…。

池田屋異聞

2007-11-05 03:52:26 | 司馬遼太郎


え~、本日久々の更新で、血風録から「池田屋異聞」です。

<内容>
有名な池田屋事件には、もう一つのエピソードがあったという話です。主人公は、監察・山崎蒸(やまざき・すすむ)です。

山崎がまだ商人の又助だったころ。彼は、鏡心明智流の達人だったが、師匠の平井徳次郎から「品がない」と嫌われていた。

又助は目録になったため、苗字を名乗ることに。山崎の父は、先祖は高名な武士だったと告げ、山崎蒸と名乗るように言う。

徳次郎は山崎の本当の苗字が奥野であることを知っており、山崎に対して露骨に嫌な顔をする…。

そんなある日、山崎は酔った播州具足士・大高忠兵衛らとケンカになる。そんな大高は翌日、道場に賓客として丁重に扱われて登場し、自分のことを毛嫌いする徳次郎の娘・小春と談笑する…。

やがて山崎は新撰組に入隊。山崎は道場にあいさつに行くと、自分を捕縛しにきたと勘違いした大高に襲われる。山崎は小春に邪魔され、大高に逃げられてしまう。

そして、山崎はこの時、すべてを悟る。
自分の祖先が誰なのか。大高の祖先が誰なのか。なぜ、自分が嫌われ、大高が尊敬されていたのか。そべてはあの有名な事件が絡んでいたのか、と。

そして、新撰組は池田屋に討ち入りする。くしくも、大高も池田屋に不逞浪士の一人としていた…。

<感想>☆☆
この作品の面白さは、有名な事件の裏に一つの因縁があった。しかも、発端はあの有名な事件だった…ということ。

あの事件は表面的なことしか知らないので、この二人の先祖がいたかどうかは知りませんでした。また、池田屋事件は新撰組を有名にした事件ですが、この逸話も知りませんでした。それだけに引き込まれるものがありました。

山崎の「なぜ、おれは嫌われるのか…」という自問自答が切ないですね。

<フィクション?>
よく分からないですね~。本当の話だと思って、新撰組関連を読み漁りましたが、どこにも記述がないようですね。ただ、本書にはいかにも本当のように書かれています。

「なぜ、山崎蒸がそう考えたのか…。今となっては分からない」

の、ようなくだりもありました。

しかも、山崎蒸もけっこう有名な新撰組隊士ですし。

<山崎蒸>
山崎蒸は数少ない大阪出身(商人)で、近藤らにかわいがられ、新撰組の中でもサブキャラ扱いされている人物です。しかも監察という役目柄、司馬さんの新撰組ものでもよく登場します。

彼が司馬作品で主要キャラとして扱われているのは、本作のほか短編「法駕籠のご寮人さん」です。これは血風録の作品ではありません。血風録では「虎徹」「鴨川銭取橋」「前髪の総三郎」「四斤三砲」などでも登場します。

彼は鳥羽伏見の戦いで負傷し、江戸に戻る船で死亡。水葬されたといわれています。諸説あり。

<池田屋事件>
新撰組が有名になった事件。吉田稔麿、宮部鼎蔵ら池田屋に潜伏しているのを突き止め、近藤勇らが襲撃。山崎蒸が池田屋に客として泊り込み、吉田らの刀を隠したともいわれ、沖田が途中病で戦えなくなったともいわれています。また、桂小五郎がなぜか姿を消したことでも有名です。

ま、山崎が客として泊り込んでいたというのはフィクションでしょうね。それだったら、土方らは違う旅籠に行く必要がなく、新撰組すべてで池田屋を襲えば良かったわけですからね。

祝!中日・日本一!!

2007-11-02 02:44:22 | Weblog
祝!

中日日本一おめでとう!!

この日が来るとは…。本日、メガデスのコンサートに行っていたので、生でテレビを見れなくて残念です。

山井のパーフェクトピッチングを見たかったけど、仕方なしというところですね。

オレ的にうれしかったのは、落合監督が、今度は完全優勝、そして連覇を狙いますと言ったこと。落合さんには半永久的に監督を務めてほしいですね。

来年以降、ポスト谷繁、ポストウッズ、ポスト福留、ポスト荒木&井端、ポスト川上、ポスト岩瀬と問題山積ですが、落合さんならうまく切り抜けてくれるでしょう!

個人的に、中日のMVPは森野です。彼の守備力、勝負強さ、ユーティリティーはすばらしいの一言。彼がいなかったら、日本一もなかったと思います。

そんななか、心配なのはアジアシリーズ。意外と、手を抜いて負けそうな気がします。そのへんが中日っぽい感じがします。

早く、明日のトーチューが読みたいですね。けっこう売り切れが多いので、そこが心配。

いやー、メガデスのコンサートに、中日優勝。言うことなしです。