インテグラな日々

本、音楽、そしてスポーツ…!

京の剣客

2008-08-11 23:53:33 | 司馬遼太郎


続いて「真説宮本武蔵」に収録されている「京の剣客」です。

<内容>
これは、武蔵が倒したとされる吉岡憲法の話です。

まず出だしから引き込まれます。

剣の達人・憲法は、弟・又市郎に対してどこまでも酷薄です。

しかし、又市郎には一つの思いがあります。オレは兄を超えたのではないかと。

事実、憲法は道場に来なくなり、太りだします。そして、対外試合は全部自分に任せる…。

弟の鬱屈した思いがたまります。

そんな中、二つの事件が起こります。

一つは、兄・憲法が夜な夜な森に出没しては鳥が騒ぐといううわさ。

もう一つは、宮本武蔵の挑戦状。

当然、又市郎が戦うつもりでいたのに、今回ばかりは憲法が闘うという。

又市郎は怒る。アニキに勝てるのか?と。

アニキは言う。

負けるかもしれない。しかし、お前なら確実に負けるだろう。

弟は言う。

では、ここでどちらが強いか勝負しろ!と。

<感想>☆☆☆
これは面白いですね。

まず第一に弟の兄への鬱屈した思い。この二人のやりとりが面白い。

次に、憲法の深夜の謎の行動。憲法は深夜何をしているのか。なぜ、鳥が騒ぐのか。

さらに、憲法と武蔵の戦い。

審判は引き分けを宣告する。

しかし、武蔵は自分の勝ちを譲らない。なぜなら、憲法の白いハチマキは血ににじんでいるではないかと。

しかし、審判は言う。なら、おぬしの赤いハチマキを取ってみろと。武蔵は最後までハチマキを取らなかった…。

<最後のエピ>
これがまたいいんですよね。

それから数十年後。時は江戸時代。武蔵が熊本で暮らしていた時のこと。

当時、辻斬りが流行っていたとのこと。

そこへ、酔っ払った商人のオヤジがふらふらと通りかかった。

そこで、2人の辻斬りが斬りかかると、オヤジは扇子で軽くいなして歌を歌いながら去っていく。

驚く辻斬りが「あなたはだれだ?」と問うと「けんぽうさ」と答えたとか。

う~ん、いいね、これ。

武蔵は肥後の国で憲法を殺したと言いながら、当の憲法は京で伝説を作っていた。

思うに、すごい人は年を取ってもすごいということ。マサカリ村田がいまだに140キロ出すわけですからね。

真説宮本武蔵

2008-08-11 23:07:49 | 司馬遼太郎


短編「真説宮本武蔵」です。

これもけっこう読んだ話です。6回くらい読んだかな~。今、気づいたけど「宮本武蔵」とかぶってる箇所があります。気づくの遅い!

<内容>
130歳まで生きた渡辺幸庵の覚書を基に、武蔵の実像に迫っています。
130歳という時点で、なんか怪しい気はしますが…。

この人は徳川家光の弟の家老だった人で、武蔵に2度会ったことがあるそうです。

で、武蔵は柳生宗矩より強かったといっています。

<その実力は?>
今作は武蔵の実像に迫ろうとする短編です。

そこで書かれているのは、なぜ武蔵は二流、三流の剣客としか戦わなかったのか。なぜ、柳生宗矩や利巌、小野次郎左衛門といった有名な剣客と戦わなかったのか、とあります。

吉岡一門との戦いにおいても、武蔵は吉岡兄を廃人に、弟を殺したと言っているが、二人は天寿を全うしているとあります。

ま、どちらの言葉が正しいかは分かりません。お互い、自分の都合のいいことしか言わないわけですからね。

ただ、武蔵がかなりの剣の使い手だったものの、強い相手とは戦わなかったのは事実のようです。しかも、弱い相手でも尋常には勝負しない。少しでも負ける可能性があれば、戦わずに逃げたりしていたようです。

<感想>☆☆★
今作は武蔵の悲しい一面も描かれています。

武蔵は幕府や尾張藩などの大藩で3千石以上の知行をもらいたいと運動しますが、もちろんかないません。

そんななか、小藩の小笠原10万石から仕官の声がかかります。しかし、プライドの高い武蔵は断ります。たかが、10万石の家来にはなりたくないと。

代わりに養子の伊織を推挙します。伊織はのちに家老となり武蔵が要求していた以上の4千石!を賜ります。

侍大将になりたかった武蔵は死んでから念願がかないます。墓の中で侍大将の鎧を身につけたそうです。

ここに天才・武蔵の悲しみというか、滑稽さを感じてしまいました。

で、こんな感じに…

2008-08-11 15:05:58 | Weblog


なりました! う~ん、40歳目前の人間のやることではない!

といいつつ、2万円のアンガス・ヤング人形もいつか買わねばと思うのであった…。

ことしは8年ぶりにアルバム出すっていうし、楽しみっす。そして、いつかブログでAC/DCを書きたいと思いつつも、思いが強すぎて書けないオヤジであった…。



アンガス&ブライアン

2008-08-11 15:02:53 | Weblog


マルコム到着にうれしそうな?アンガスとブライアンです。

こちらは2体で5千円なので、けっこう前に買ってました。高い?

アンガスはマルコムの弟で、AC/DCの顔。リードギター担当です。

で、ブライアンはボーカル。今じゃ、アンガスは髪がうすくなり、ブライアンも髪が薄くなって、でっぷりと…。変わらないのはマルコムだけ!

マルコム・ヤング到着!

2008-08-11 14:59:54 | Weblog


いい年こいて何ですが、我が家にマルコム・ヤングの人形が到着!

あまりに高くて手が出なかったのですが、amazonで半額だったのでピコっと「買う」ボタンを押してしまいました…。

半額で1万円です…。

彼は、僕がここ数年熱狂的になっているオーストラリアが生んだ世界ナンバー1ロックバンド(ハードロック、ヘビーメタル)、AC/DCのリズムギターっす。

歴史街道9

2008-08-11 14:34:51 | そのほか



「伊達政宗と片倉小十郎」の文字に引かれて買っちゃいました。

普通に面白く、ふつふつと政宗熱がよみがえってきました。

本書はどちらかというと、政宗を政宗にしたのは小十郎だ的な話が多い感じがしました。

でも、面白かったす。

今月末の休みに、人取橋と摺上原、輝宗が命を落とした川に行きたい気持ちが…。う~ん、どうしよう

宮本武蔵

2008-08-11 13:39:43 | 司馬遼太郎

やっぱり、個人的にはこちらの武蔵の方があってますね。

この本を読むのは4回目くらいですけど、吉川さんの「宮本武蔵」を読んだ後だったので、今までよりすんなり頭に入ってきました。

<内容>
武蔵の生い立ちと吉岡一門との戦い。佐々木小次郎との戦い、そして吉川武蔵では語られなかった晩年が描かれています。

基本的には吉川武蔵と流れは一緒で、吉川武蔵の主要キャラクターのお通さん、お杉ばば、又八、城太郎、伊織も登場します。ほかに、沢庵和尚に夢想権之介、北条安房守らも。

この本を読むたびに権之介ってWHO?と思ってたので、吉川武蔵を読んで権之介がどういう人物か分かりました。

権之介は実在の棒術の使い手で、武蔵とは晩年も交流があったそうです。

<感想>☆☆★
司馬さんが冒頭と最後に書いた言葉が印象に残っています。

冒頭 「武蔵には、天才がおうおうにして持ついやらしさがある」
最後 「武蔵の晩年は、緩慢な悲劇であった」

この本を読んで思うのは、武蔵は剣豪というより、戦術家。だから、相手とは正々堂々と戦わない(笑)。相手をじらし、怒らせ、そのスキをつく。

また、勝てると思うまでとことん相手を研究し、自分は姿を隠して研究させない。

確かに、負けたら、それで終わりですしね~。

戦術家だからこそ、晩年は剣客として仕官するより、武将として高禄で召抱えられたいと思うようになったのでしょうか。これが司馬さんがいう緩慢な悲劇につながります。

<宮本武蔵・解説>
吉川さんの「宮本武蔵」の本文の後の解説に書かれたことが印象に残ってます。司馬武蔵は吉川武蔵より説得力があると。一方で「それは魅力につながるか」とあります。

解説を書かれた方は吉川武蔵の解説なのに、全体的に司馬武蔵の方がいいと書いているようで、「それは魅力につながるか」の個所だけ、吉川さんをフォローしている感じがします。

僕なんぞは「人間くささ」という意味でも、司馬武蔵に魅力を感じますが。

無名な男が有名になるには、才能はもちろんのこと、運も必要でしょう。時にははったりやずるさも必要でしょう。

吉川武蔵のように、クソまじめやバカ正直で頂点を極めることは難しいのではないでしょうか。また、それだけでは人間的魅力もないような気がします。

<本書>
僕が思うのは、本書や「真説宮本武蔵」というのは、吉川さんに対する挑戦状ではなかったのかと…

というのも、二人には直木賞受賞の時の因縁があるので。司馬さんは口で言わない分、本書で吉川さんを切ったのではないかと。 

本書で吉川武蔵に触れているところがあります。

小次郎の髪型を少年の髪型で描写しているのは、さすが天才・吉川さんといいながら、現実ではありえないと一刀両断する司馬さん。

よくよく考えてみると、本書は吉川武蔵とはまるっきり正反対の内容で「真説宮本武蔵」に至っては吉川武蔵のハイライトである武蔵が倒した(殺した)吉岡一門は誰も死んでいないと書いています。

短編「京の剣客」では、武蔵が殺したとされる吉岡憲法が主人公で、晩年のエピソードがつづられています。

歴史小説というのは、ほとんどフィクションだったりしますが、「歴史を勉強しろ」といわれた司馬さんが、「あなたもフィクションを書いているじゃないですか」というメッセージを本書や「真説宮本武蔵」に込めた気がします。

宮本武蔵

2008-08-08 01:47:47 | 吉川英治

ついに、国民文学といわれた吉川英治さんの代表作「宮本武蔵」全8巻を読み終わりました。

非常に読みやすいです。こんなに読みやすいのは、池波正太郎さん以来ですね。しかも、吉川さんは文章に定型がないので、めちゃくちゃ文章力があることが分かります。さすが、大家ですね。

で、わたしめの感想は…☆★★  星一つです…。

全国の吉川英治ファン、宮本武蔵ファン、バカボンドファンに謹んでお詫びいたします。

<はじめに…>
そもそも、斜に構えて読んでしまいました。

やれ、説教くさいだの、現実の武蔵とだいぶ違うだのという噂が本書にはありましたから。

しかも、1巻の出だしに前書きが二つあって、それが宗教チックなことが書かれていて不安も感じましたし。

ま、そういうところや主人公のくそまじめぶりが武士道に興味のある海外の人には受けるのでしょうが。

ただ、言い訳じゃありませんが、読み始めたら面白く、「おお!」と思ったのも事実です。さすが、戦前とはいえ、国民文学!!と。

ただね…、2巻、もしくは3巻ぐらいから完走を目的にがんばって読んだ感じになりましたね。

ぼくが戦前の人間だったり、もしくは中学生ぐらいの時に読んだら面白かったと思います。

歴史小説というより、舞台の台本を読んでいる感じです。もしくは「3匹が斬る」や「水戸黄門」といった時代劇といった感じです。しかも、そこに出てくる登場人物が、なんと言うか、よく言うと真面目すぎる人と性格が悪い人しか出てこないというね…。人間って、そんな簡単に割り切れないでしょう。悪い人でも良いことはするし、良い人でも悪いことはします。だからね…。

<ストーリー>
播州の乱暴者・宮本武蔵が沢庵和尚の薫陶を受け、戦国時代を代表する剣豪になるまでが描かれています。

前半のハイライトは吉岡一門との決闘であり、ラストは佐々木小次郎との巌流島での決闘です。

それに、武蔵を慕うお通、武蔵のことが好きな朱美、武蔵のことを嫌うかっての親友・又八、又八の母で武蔵を敵と狙うお杉ばば、武蔵の2人の弟子・城太郎と伊織、沢庵和尚、小次郎らが旅をしながら、まあ、どこに行っても偶然出会うというような流れです。このへんはまさに「3匹」と同じです。

<宮本武蔵>
この作品では求道者として描かれています。ただ、これは梅原猛さんも指摘されていますが、ちょっとリアリティーが感じられないです。ここまで女を排除し、お杉ばばに誹謗中傷されても常に寛容でいて、仕官ができなくなったら自分の目標のためにも良かったと言い、吉岡一門や小次郎らから悪人といわれたら自分の不徳の致すところと考える。

世の中にこんな人いるのでしょうか。

しかも、弟子たちには誠実でいろと言い、勝負事には真摯でいろといいながら、自分は巌流島の戦いに2時間も遅れていく。

さらに、個人的にはなぜ巌流島の戦いをやるようになったのか、理由がしっかりしていなかったところも気になりました。

<お通さん>
武蔵のことを慕い、離れ離れになりながらも武蔵のあとを追うヒロインです。武蔵も彼女のことを好きながら、剣の道のために彼女を近づけません。

ただ、お通さんもね~。何度もお杉ばあさんに殺されそうになって、それでも彼女の窮地を救おうとしてやっぱり殺されそうになる。

ここまでくると、誠実というより、ちょっとア×マが足りないのでは…とひねくれている自分は思ったりしました。

<解説>
一番興味深く読ませていただいのは、京大教授が書かれた解説ですね。吉川さんの武蔵と司馬さんの武蔵を比較しています。文章を読むと、司馬さんの武蔵には説得力があるが、吉川さんには…というような文章が続き、最後の5行で吉川さんのフォローを入れている感じがします。

<時代>
やはり、吉川さんの「宮本武蔵」は時代が書かせた小説のような気がします。吉川さんが戦後の作家だったら、このような現実離れしたヒーローとして書かなかっただろうし、司馬さんが戦前の作家だったら、やはり求道者として描いたと思います。


僕のようなひねくれた人間には素直に楽しめる作品ではありませんが、やはり小学生や中学生、高校生のようなまっすぐ成長してほしい若者たちには読んでもらいたい作品であることは間違いないと思います。

ま、批判もあると思いますが、僕が思ったということで勘弁してください。人それぞれということで。

というところで、次は司馬さんの「宮本武蔵」を読みたいと思います

敢国神社

2008-08-01 01:10:53 | Weblog


予定より時間が大幅に余ったので甲賀の史跡に行きたい気持ちがふつふつと…。

杉谷城に行きたい!!

この気持ちを抑えられず、カーナビで検索するもヒットせず。

手元にある「忍者と忍術」(学研)にも住所はなし…。

今回はあきらめ、伊賀の敢国神社へ。伊賀、甲賀とかかわりの深い神社ですが、とくに忍者に関連するものは見ることができず、そのまま帰りました。

いつか、もう一度伊賀と甲賀へ行くゾ!!



からくり屋敷

2008-08-01 01:02:25 | Weblog




そして20分の休憩ののち、からくり屋敷へ。

ここはほかの場所にあった藤林家の忍者屋敷を持ってきたそうです。ここもバイトかな? お兄ちゃんがいろいろと説明してくれます。

しかし、ここは予想に反して涼しくて助かりました。

規模は望月屋敷より小さいですが、釣り天井があったのは驚きでした。