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インテグラな日々

本、音楽、そしてスポーツ…!

陰謀将軍

2008-03-08 15:49:21 | 松本清張
松本清張さんの全集36「地方紙を買う女」シリーズ最後の「陰謀将軍」を紹介します。

<内容>
足利最後の将軍・義昭が主人公。彼の陰謀に満ちた波乱の半生が描かれていく。

<感想>☆☆★
タイトルが「陰謀将軍」で、足利義昭自身、本書でも「自分の特技は陰謀」と言っております。

ただ、自分の感想としては、その逆のことを考えてしまいましたね。

義昭がやったことは陰謀でもなんでもなく、当たり前のことだと思いました。

彼は将軍ですし、将軍ならば傀儡将軍の立場を覆し、自分が日本の王になろうとするのは至極当然のことだと思います。

それよりも、自分の出世のため、したり顔で義昭のために奔走する(しているふり?)の細川藤孝や織田信長の方が本書を読んでて陰謀家だと思いました。

ま、藤孝などは信長に仕官できると、さっさと義昭を捨てる人物として描かれています。

陰謀将軍というイメージは、信長から見た義昭観ですね。

<次回は>
新撰組に戻って、子母沢寛さんの「新撰組物語」を紹介します。

増上寺刃傷

2008-03-08 14:07:51 | 松本清張
松本清張さんの短編「増上寺刃傷」です。

これも全集36「地方紙を買う女」に収録されています。

いじめと、そのしっぺ返しの話です。

<内容>
3代将軍・徳川家光が死亡。多くの殉死者が続いた。

家光の恩をこうむりながら、二人の男が殉死をせず、後ろ指を指された。

一人が松平伊豆守信綱。もう一人が大名の永井信濃守尚政。

尚政は世間の自分に対する不評を気にして、隠居を願い出る。

孫の尚房が家督を継ぐが、遊里の吉原で不慮の死を遂げてしまう。

尚房は上屋敷で死んだことにし、弟の尚長が家督を継ぐ。

切れ者の尚長は大老・酒井雅楽頭忠清に認められ、出世していく。

しかし、尚長は祖父が殉死しなかったこと、兄の吉原での死をひそかに恥と思い、陰で後ろ指を指されていることを知っていた。

そんな自分を守るために、彼は傲岸で嫌な自分を演出し、他人から侮られず、他人をいじめる方の人間になっていく。

そんなある日、四代将軍・家綱が死去。

増上寺で法事が営まれることになり、尚長が名代となり、諸役人の支配を任される。

その尚長の下につくことになったのが、内藤和泉守忠勝だった。

忠勝は、大嫌いな尚長の下に付くことに嫌な予感を抱きつつも、とりあえずあいさつしにいく…。

<感想>☆☆★
この話もおもしろいですね。実際にあった話らしいです。ドキドキしながら読ませていただきました。

特に法事の最中の内藤忠勝の焦燥感と怒りが臨場感たっぷりに伝わってきました。

永井尚長のキャラも立ってますね。あまりにイヤなヤツで、上役でさえ、尚長の口には勝てないですからね。

<感想2>
いじめられる側は追い詰められると、最後は…となりますね。浅野内匠頭と同じです。

本書を読んで、いじめっ子は自分のコンプレックスの裏返しかもしれないな~と思いました。

切れ者の尚長も自分の最後は読めなかったようですね。

ひとりの武将

2008-03-02 23:58:38 | 松本清張
松本清張全集「地方紙を買う女」から「ひとりの武将」です。

これは人間の器というものを題材にした作品じゃないでしょうか。

<内容>
主人公は、織田信長の家来・佐々成政。

早くから織田家の中で頭角を現した成政には、ライバルがいた。それは同い年の前田利家。

成政は戦いでは常に武功を挙げるが、利家も武功を挙げる。

周りも常に2人を比べていた。

信長も二人を競わせていた。

母衣衆を作ると、成政を黒母衣衆の筆頭に、利家を赤母衣衆の筆頭にした。

領地も常に隣り合わせにした。

自然、成政にとって利家の存在は許せないものになっていた。

そんななか、信長が明智光秀に殺害される。

当時、成政と利家は柴田勝家の下で働いていた。

利家は光秀との対決を望む勝家に、隣接する上杉家の動向が分からない以上、少し様子を見てから光秀と対決した方がいいと提案する。

一方、成政は利家への対抗心をむき出しにし、対上杉は自分が請け負い、勝家は速やかに光秀を討つよう勧める。

やがて羽柴秀吉が光秀を討ち、信長の後継者争いに名乗りを上げる。

出遅れた勝家は成政を上杉家の抑えとして、利家らを連れ秀吉と対決する。

<感想>☆☆★
人間の器とは一体何でしょうか。

利家は心が広く、謙虚。器は大きい。

成政は傲岸。器は小さい。

二人の実力は拮抗している。

信長が生きていた時、成政は縦横無尽に腕を振るうことができた。なぜなら、信長は徹底した実力主義で、器の大小を気にしなかったから。

だから信長が死ねば、彼に待っていたのは没落でしかなかった。

利家への敵意は露骨になる。主君の秀吉はなりあがり者で認めることができない。しかも二人は仲がいい。

そんな彼が頼ったのは徳川家康。

しかし、時勢を見る目が聡い家康は秀吉と和睦。

成政は家康の和睦を翻意させようと、冬の日本アルプスを越えて家康のもとへ行く。

すさまじい執念ですね。

そんなすさまじい成政だが、家康が味方してくれないと知ると秀吉に下る。

彼はこれを2回やっています。

勝家のように自刃もせず、家康のように戦おうともしない。

ライバル前田家の家来たちから嘲笑を浴びるのも仕方ないわけです。

そのくせ、秀吉と利家には露骨にイヤな態度を見せる。

結局は秀吉に切腹を命じられる成政です。

<次は>

松本清張さんの「増上寺刃傷」です。

調略

2008-02-25 00:51:48 | 松本清張
本日も、松本清張さんの全集36「地方紙を買う女」に収録されている「調略」を紹介します。

これは、戦国大名・毛利元就の話です。

<内容>
元就の二つの調略を軸に書いた話です。

一つは、大内義隆を滅ぼした陶晴賢に対するもの。

二つ目は、山陰の尼子晴久に対するものです。

<感想>☆☆★
この作品はあわあわと進んでいきますが、よくよく考えると深いですね。

どちらの調略も有名な話ですが、あらためて読むと、元就の謀略というものは恐ろしいものです。

見事さで言えば、北条早雲や斉藤道三以上であり、悪辣さから言えば、竜造寺隆信や松永久秀、宇喜多直家、最上義光らより上かもしれませんね。

元就の智謀により、陶家と尼子は踊らされ、自家の第一の重臣(忠臣)を殺してしまい、やがて元就と戦う力をなくしていきます。

この辺の智謀はすごいです。

殺された重臣はお家のために奮闘してきて、突然あらぬ疑いをかけられ殺されるわけですから。

彼らは「この世に神も仏もいないのか…」と愕然となったことでしょう。

<余談1>
冒頭に元就の家訓があります。

そこには、

我らは思いのほか、人を殺している。この応報は必ずやってくるものと思っている…。

とあります。

この出だしに引き込まれましたね。

三本の矢などのエピソードから、英雄・元就や人格者・元就を考えてしまいますが、「そういえば元就はこういう人でもあったんだな~」と。

戦国時代はまさに弱肉強食。人をだましてでも生き残ることが求められた時代ですもんね。じゃないと、殺されちゃうわけですから。すごい時代だったんですね。

<余談2>
元就は尼子家を滅ぼすため、尼子の重臣(忠臣)・尼子国久に目をつけます。

そして、流言を流し、嘘をでっち上げ、だまされた尼子晴久は国久を謀殺します。

その後、尼子は毛利家に滅ぼされるのですが、面白いのはその後ですね。

尼子の頭領・晴久に殺された国久の一族が、山中鹿之介に擁立され、打倒・毛利、尼子家再興の運動をするわけですから。

歴史って面白いですね。

明治金沢事件

2008-02-20 03:03:09 | 松本清張
「松本清張全集36」の「地方紙を買う女」から短編「明治金沢事件」です。

これは最初に発表した時のタイトルは「明治忠臣蔵譚」だったそうです。

そういう話です。

<内容>
明治2年、金沢藩が舞台です。

金沢藩とは加賀前田100万石のお家のことで、明治となり、藩主は藩知事となっていた頃の話です。

藩の執政・本多政均はもともと加賀藩の家老で、前田家の近代化を進めていた人で
明治新政府からも評価されていた人だそうです。

ところが、彼は藩庁で二人の男に「奸賊」として刺され、絶命します。

実行犯は二人でしたが、仲間は8人いました。

一人は切腹し、9人がつかまります。

彼らの言い分は、国賊・本多はいたずらに藩の近代化を進め、前田家の家風を貶めた、ということでした。

衝撃的な事件にもかかわらず、9人には寛大な処置が取られます。

そんななか、黙っていない人たちもいました。

本多家の人間です。

彼らが騒ぎたてたため、実行犯二人は切腹。残りは謹慎になります。

しかし、それでも収まらない本多家の弥一らは夜な夜な会合を開き、あだ討ちを誓います…。

<感想>☆☆★
これは深い話ですね~。清張さんはこの話にメッセージらしきものを入れています。

それが考えさせられますね。

そもそも、先見の明がある藩執政・本多政均を、時代錯誤ともいえる認識で天誅を下した10人の武士からして考えさせられます。

先見の明がある政均にしても、自分が殺される危険性を感じていなかった…。

それよりも、あだ討ちをした本多弥一らの考え方ですね。

彼らは殿のあだ討ちを考え、実行に移します。

彼らの頭にあったのは、赤穂浪士のあだ討ち。彼らのように世論が評価してくれる義挙を目指したわけです。

清張さんは最後、こんな言葉で筆を置いています。

「彼は死ぬまで赤穂義士の意識が頭から離れなかった。

嗤うことはない。

人間は演技の模本がなければ、思い切ったことが出来ぬものである。」

つまり、彼らは殿のためにやったわけではない…ということですね。

<不平不満>
本文中に書いてありましたが、彼らにしても赤穂浪士にしても、果たして真のあだ討ちだったのか…のようなことが書かれています。

二つの事件に共通しているのは、社会からはみ出された人間の不平不満が原因だったとあります。

赤穂浪士は、お家断絶がなければあだ討ちはしなかったはずとあります。

金沢の事件も、明治となり、武士から平民となり、不遇の身の上の本多弥一らの不満が爆発し、事件になったのではないかとあります。

そういえば、明治は西南戦争など元武士による反乱(といえるか分かりませんが)が多いですね。

清張さんにしろ、司馬さんにしろ、ただの話に終わらず、社会の縮図や深い意味が込められているのが、面白いのかもしれませんね。

<次は…>
同じ本に収録されている「調略」です。

















<関係ない話>
本日は会社をずる休みし、AC/DCのフィルムコンサート行ってきました!

本日(昨日?)がボン・スコットの命日です。合掌。

で、伊藤政則氏の話は面白かったです。

知らない話をいっぱい聞けて、行って良かったな~。

AC/DCショップにも行ったし、明日(本日?)発売の再発CD第3弾もタワレコで買ったし。

しかし、同じアルバムを何枚も持ってるオレって、本当にAC/DCに命を捧げているな~と思います。

コンサート行きて~。

AC/DCサイコー。

しかし、日本人はいつになったら世界ナンバー1バンドの良さに気づくのでしょうか…。

やはりビジュアルが良くないとダメなんでしょうか~。超絶テクを見せないとダメなんでしょうか~。

伊藤氏言っておりました。「本当に日本じゃ売れてないよ」と。

アンガスよ、いっちょ早弾きを見せたれ! 小学生スタイルをやめて、DCブランドをまとえ!

ブライアンよ、帽子を取って髪を紫に染めろ~!

でも、そんなの見たくね~。

やはりAC/DCはAC/DCだからサイコーなんです!!

秀頼走路

2008-02-18 01:18:50 | 松本清張
「松本清張全集36」などに収録されている短編「秀吉走路」を紹介します。

<内容>
主人公は、豊臣秀頼ではなく、大坂の陣で、大坂方に組した武将・山上順助。

順助は関が原で取り潰しにあった家の男で、病の兄の命令でいやいや大坂城にこもった。

やる気のない順助だけに、大坂落城とともに逃亡する。

そんななか、大坂城から逃げ出したと思われる女性を見つける。

彼女は順助が徳川方だと思い、金の棒をやるから藤堂家へ案内してほしいという。

順助は徳川家の武将に成りすまし、金をもらい、案内するふりをしながら大阪城を離れていく。

やがて順助の素性が女にばれるが、順助は女を犯し、さらに彼女が持っていた秀頼から拝領したと思われる桐の紋のある服を奪い逃走する。

その後、順助は摂津の豪農家に匿われ、豪農の愛人とわりない仲に。まもなく豪農にばれ激怒されるが、豪農は何を勘違いしたのか、桐の紋の服を見て順助を秀頼と思う。

小悪党の順助は肯定も否定もせず、やがて秀頼らしき人物として薩摩を目指す…。

<秀頼の薩摩行>
今作は、秀頼が大阪城で死なず、薩摩へ落ち延びた伝説を基に書いているそうです。

しかし、落ち延びたのは秀頼ではなく、秀頼のふりをした男ということですが。

確かに、清張さんが参考にした資料によると、とても秀頼とは思えない無頼の徒のような男の逃避行という感じがします。

寺で酒をただで所望し、いつか褒美を与える…というような。

順助がそんな人物かどうか、はたまた実在した人物かは分かりませんが、当時は秀頼のふりをしていい目を見た詐欺師的な人物も何人かはいたかもしれないですね。

もちろん、秀頼本人が薩摩へ逃げたということも否定はできませんが。

ま~なかったでしょうが…。

<感想>☆☆★
歴史小説というより、ただの小悪党の話で新鮮でした。

えてしてこういう人物が詐欺師というか、とんでもないことをやるんでしょうね。

ただ、本人は酒が飲みたい、女を抱きたい、楽をしたい…それしか考えていない。

決してだまそうとか、悪いことをしようと思ってやっていない。

相手が勘違いしただけ…ということです。
何かの本で読みましたが、詐欺師というのは人をだますことを何とも思ってないそうです。

自分たちは頭がいい。だまされるのは頭が悪いということです。

なんか最近、こういう人たちが多くなってきましたね~。世の中…。

<次は>
続いて、松本清張さんの「明治金沢事件」です。

武将不振

2008-02-13 01:09:25 | 松本清張
松本清張さんの短編「武将不信」を紹介します。

「松本清張全集」の36巻などに収録されています。

<内容>
出羽の戦国大名・最上義光が、徳川家康の命をうけ、長男・義康を廃し、次男・家親を跡取りにする話です。

この作品では、義光は長男・義康を愛しているものの殺害し、あまり好きではない次男・家親を跡取りにする様子が描かれています。

<武将不信>
「武将不信」の武将は、義光のことです。

義光は秀吉時代から家康に接近し、数々の贈り物を届け、次男を預け、大地震が起きた時には秀吉のもとではなく、家康のもとに駆けつけるなど、常に家康の機嫌を伺っていた人です。

そして、家康のためにかわいい長男を殺し、次男をたてた。

臨終間際には、老体にムチ打って家康にいとまごいをして、後事をたくしています。

ところが、義光が死んだ数年後、最上家は取り潰しに遭います。

彼が生きていたら「世のすべてを不信とするだろう」ということです。

<感想>☆☆★
義光の心情の葛藤がいいですね。

「長男を殺したくないのに、殺さないといけない。次男は好きではないのに、次男を跡取りにしないといけない…」

ではどうするか。

仕方ないので長男をだんだん遠ざけて、長男に非があるような世論を作っていく。
長男は必死に義光に弁明しようとするが、(内心苦しいながらも)義光は会おうとしない…。

家を守るためには謀略をいとわない義光の生き方がいかにも戦国生き残りの武将という感じがしました。

<次回は>
やはり松本清張さんの短編「秀頼走路」です。

五十四万石の嘘

2007-12-23 22:48:36 | 松本清張


本作も「張込み」収録の短編です。

加藤清正が築いた肥後五十四万石がお家取り潰しになるまでの話です。

主人公は清正の孫・光正です。

<内容>
清正の孫・光正は江戸で人質として暮らし、日々退屈をもてあましていた。
武芸も学問も興味がなかった。

そんななか、光正はある楽しみを覚える。それは臆病な茶坊主・玄斎をいじめることだった…。


<感想>☆☆
加藤家取り潰しは有名で、清正の息子・忠広の時代です。司馬さんの短編にもあるように、忠広はかなりダメな人だったようで、冒頭は忠広の話です。

ところが一転、忠広の子・光正の話となります。この話が事実とするならば、お家取り潰しは光正のせいということになります。

そして、読んでて気になったのはタイトルの「嘘」。嘘って一体なんだろうと。
このへんは「さすが松本清張!」というところです。

<光正>
しかし、光正という人は、けっこうアレな人ですね。清正はお家存続のために、考えうる策をろうして五十四万石を守り通したのに、孫の光正は…というところですね。清正も浮かばれないすね。

腹中の敵

2007-12-19 02:39:58 | 松本清張


松本清張の短編集「張込み」から本作を紹介します。

これはオヤジから薦められて読みましたが、いや~面白かったです!

☆☆☆の満点ですね。これは織田信長の家臣で、秀吉の同僚・丹羽長秀の話です。

<内容>
天下統一を目指す信長には、有能な軍団長がいた。一人が重鎮・柴田勝家。そして、浪人上がりの明智光秀と滝川一益。さらに、台頭著しい羽柴秀吉。

最後の一人が本編の主人公・丹羽長秀だった。

彼らの関係は最悪だった。特に、一益は秀吉の悪口を何度となく長秀に漏らしていた。

一方、長秀は鷹揚な態度を崩さなかった。自分を慕う秀吉に対し、好意さえ感じていた。

そんな長秀だったが…。


<感想>
清張らしく、短編とはいえ伏線が張り巡らされています。まず「腹中の敵」というタイトル。

これは、一益や勝家にとっての秀吉をさしています。そして、長秀の腹中の敵ともなります。さらに…。ここから先は言えませんが、「そう来るか」というラストが来ます。

さらに長秀の心情の描写がスゴイ! オレはドキドキしながら、長秀の気持ちになって一気に読みました。

歴史小説ながら、清張らしいサスペンス的なアプローチはさすが、というところでしょうか。

<松本清張>
まあ「点と線」ぐらいは読んだことありましたが、そんなに読んでいません。

確か、司馬さんのなんかの本で「近代の日本語の文章を確立したのは松本清張だ」みたいな記述があったような気がします。違ったかな…。

司馬さんも清張さんも元新聞記者ですね。

歴史小説は短編「奥羽の二人」を読みました。これは大好きな伊達政宗の話です。

話は面白かったのですが、1カ所人物設定が史実とまったく違ってて(基礎中の基礎ともいえるところですが…)、やはり清張さんは推理小説の人なんだな…と勝手に思っていました。

ただ、清張さんは歴史ものをいっぱい書いていますし、本当は推理作家より、歴史作家(専門)になりたかったそうですしね。「奥羽の二人」も確信犯的に嘘を書いているのかもしれません。

<丹羽長秀>
歴史ファンはみんな知っていますが、じゃ彼が具体的に何をしたかというと、あまり知らないんじゃないでしょうか。

本書でも、彼の功績や活躍の記述はあまり述べられていませんが、やはり長秀が主人公というのは新鮮ですね。

この話を読んで、長秀を身近に考えることができるようになりました。