幕末剣豪伝を読んだので、ついでに本棚から本書を取り出して一気に読みました。
司馬さんの剣豪ものを読むうち、剣豪を勉強しようと思い、買った本です。
前読んだ時は、剣豪といえば宮本武蔵、柳生一族、新撰組、千葉周作しか知らず、かなり苦痛を感じました。
しかし、今回はかなり知識が増えていたのでスラスラ読めました。
<内容>☆☆
イラストとともに、日本の剣豪を2ページずつ紹介しています。なかには、徳川家康や豊臣秀吉など剣豪? と言いたくなる人も紹介されています。
個人的にはそんな有名人を載せるよりは、さまざまな剣豪を紹介してほしかった感じもします。
たとえば、司馬さんの短編で出てくる「上総の剣客」の主人公「おだやかさま」こと森要蔵なんかも紹介してほしかったですね。
<気になる剣豪>
本書で一番気になったのは、欄外で紹介されていた明治の剣豪・得能関四郎という人です。
彼は井上馨の警護をしていて、彼を殺そうと10人ぐらいの人間が真剣を持って鹿鳴館に乱入したことがあったそうです。
得能関四郎という人は、近くにあったステッキを使い、賊10人の小手をうち、刀をことごとく打ち落としたそうです。
すごい使い手ですね。欄外ではなく、きちんと紹介してほしかった気もします。
<武蔵と吉岡憲法>
宮本武蔵といえば、京の剣術の名家・吉岡憲法を破り、復讐しようとした彼の一族を破ったことで有名です。
司馬さんの短編「真説宮本武蔵」や長編「宮本武蔵」では、この有名なエピソードは武蔵の嘘で、吉岡憲法は江戸時代まで生きていたし、武蔵が殺したという吉岡一族の名前は実在していないというくだりがあります。
これは、吉岡憲法の短編「京の剣客」でも触れられていたと思います。
もちろん、オレにはどちらが正しいのか分かりませんが。
ただ、本書は武蔵も憲法も、司馬説ではなく、一般的な説が採られています。