こんな数奇な人生を過ごした男がいたんですね…。しかも、新撰組に。
オレは、主人公・長坂小十郎という男に興味を覚え、本屋で一生懸命調べました…。
当時のオレ(20代前半)は、この「新撰組血風録」にフィクション話があるとは思っていません。だから「なぜ、長坂小十郎の名前がないんだ?」と愕然となった覚えがあります。
う~ん、若かったですね。
<内容>
内容はけっこう複雑です。
主人公は、甲州出身の長坂。彼は医者になるため京へ。
ところが、金がなくなり、仕方なく同郷の中倉主膳の口利きで新撰組に入ったわけです。
ところが、中倉は隊の鼻つまみもの。長坂もけっして仲がいいわけではないのに、周囲は勝手に仲がいいと勘違い。
そこで事件が発生。
中倉が自分の女・お小夜の間男・赤座智俊に斬られ負傷。赤座に逃げられた中倉は規則により切腹。
で、長坂に災難が降りかかる。
周囲は長坂が中倉の仇を討ちたいと思っていると勘違い。土方に命令された長坂は仕方なく下手人探しを始める…。
<感想>☆☆
この話の面白さは、本人の思惑とは違い、周囲が「あいつとあいつは親友だ」とか「あいつはあだ討ちをしたがっている」と勘違いすること。
そして、主人公もめんどくさいのか、ブツブツ言いながら、周りの期待に応えていく。しかも、最後はヤケになり、命を捨てて思い切った行動に。
そんな彼に待っていたのは…。
いや~スゴいっす。そりゃ、本当の話だと思うでしょう。
逆の逆は真なり…じゃないですけど。そんな感じです。
最後の土方がまたいい味だしてます。いい意味で。
<海仙寺党>
間男・赤座は水戸藩士で、彼らが海仙寺に常駐していたから海仙寺党というわけです。違うかな…。