沖縄の自己決定権(10)
侘助 インターネット放送のIWJ(インデペンデント ウェブ ジャーナル)に登場していた春名幹男さんの話を聞いてビックリしたよ。
呑助 へぇー、そんな放送があるんですか。
侘助 日本にもいろいろなインターネット放送があるらしいよ。最近、iwjは財政的に厳しいのでカンパをお願いしたいと訴えている。
呑助 カンパで運営している放送なんですか。
侘助 いや、基本は視聴者の受信料で運営している。私は一般会員に登録しているんだ。
呑助 月々いくらなんですか。
侘助 一般会員は月、千円かな。一年分だと一万円かな。
呑助 ワビちゃんは一年分支払っているんですね。
侘助 そうなんだ。
呑助 春名幹男さんからどんな話を聞いたんですか。
侘助 春名さんは元共同通信記者だった方でね、定年後、早稲田大学で教鞭をとっておられる。1995年(平成7年)9月4日、沖縄県に駐留するアメリカ海兵隊員2名とアメリカ海軍軍人1名の計3名が、12歳の少女を拉致した上、集団強姦した事件が起きた。
呑助 もう20年も前になりますか。終戦直後のような出来事でしたね。
侘助、そうなんだ。沖縄では本土の終戦直後のような状態が70年間続いてきている。問題はこの事件の経過だった。米軍は、関与が明らかでも犯人の身柄を日本側に引き渡せないと主張した。日米地位協定を盾にとって、実行犯である3人の身柄を引き渡さなかった。このことが大きな問題になった。この決定に対し、沖縄県民の間に燻っていた反基地感情及び反米感情が一気に爆発し、同協定の見直しのみならず、アメリカ軍基地の縮小・撤廃要求運動にまで発展した。10万人の沖縄人が集まり、被疑者側および家族が人種差別的問題に絡めて発言を行った。
呑助 ひどい話ですね。
侘助 この事件のとき、アメリカ政府を代表したクリントン大統領は、日本問題を担当した元国務次官補、共和党員のアーミテージを呼び、対応を協議した。クリントンは民主党だったが、アーミテージの提案「普天間米軍基地の返還」をする。このような誠意を示さなければ沖縄のすべての米軍基地の返還要求を突き付けられる危険性があると判断した。当時の日本の首相、橋本竜太郎は日米会談に臨み、沖縄県知事大田昌秀氏から依頼されていた米軍基地、普天間の返還を要求した。クリントン大統領は了承した。
呑助 へぇー、普天間米軍基地の即時返還をアメリカ大統領クリントンは受け入れてくれたんですか。
侘助 そのようなんだ。橋本首相は太田沖縄県知事の要望をアメリカ大統領に訴え、了承してもらった。しかし、残念なことに普天間米軍基地を返還してもらうことに反対した日本人たちがいたんだ。
呑助 えぇー、そんな日本人がいたんですか。風上にも置けない日本人ですね。それは誰ですか。
侘助 外務省と防衛省の役人たちなんだ。日本の役人というのは、日本人のための行政をしていないのかもしれない。その結果じゃないかと思うんだけどね。元防衛大臣の小野寺五典氏は安保条約第6条には、「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」。この条約によって米軍基地提供の義務があるから普天間基地を閉鎖する以上、移設先として辺野古に米軍基地を建設するんだと日本人とは思えないような発言をする自民党員たちが出てきている。
呑助 自民党の政治家たちは本当に日本人なんでしようかね。
侘助、日本人の顔をしたアメリカ人なのが、高級官僚と呼ばれる役人たちとその役人たちに使われる政治家たちなのかもしれないなぁー。