【6月20日投稿分】 拙僧が長文法話を投稿する理由。
拙僧の法話読者の中には、次の様な問い掛けをされる方が、定期的に何人かおられます。「何故、ご住職さんは、長文の法話を投稿されるのですか。映画などを倍速で見たり、音楽のイントロの長いを嫌う為、作曲家は数秒にして世に出している、そんな何でもが短時間傾向にある昨今において」と。「早足で歩けば、そりゃ、目的地には早く到着出来るでしょうが、足元が疎かになって、躓いたり、転んだり、大事な物を見落としたりと。が、ゆっくり歩いたら、早足で歩くよりは、危険を避ける事が出来、大事な物の見落としも少なくて済むでしょ。 そういう事かな」と。
続けて、拙僧「SNS への法話は、10年以上毎日、投稿してきましたが、初めのうちは、ツイッターの140字だけを投稿。中には『これは、140字の俳句ですね。しっかり深読みしないと、理解するは難しい』と有難くも、拙僧が望んでいる読み方をされる読者も少なからずおられましたが、フォロワーが1万人を超えてくると、140字の言葉足らず表現が、読者の勘違い(読み違い)を招き、それが不平不満、文句、誹謗中傷となり、自己中心的な私見(悪口、陰口を含)を引き出す結果に。『これじゃ、あかん。これは、拙僧の罪』と、ある時期からある程度、理解しやすいよう、長文に」と。
更に、この法話読者に「長文にした理由には他にも。拙僧の法話読者には、小中高生が少なからずおられ、つまり『体の不自由な人が住みやすい家は、健全者だったら、もっと住みやすい』って事ですかね。これは、わが寺の宮大工棟梁(現在99歳)が、拙僧に放った言葉です。長文と言っても、この長さだと5分もあれば。が、読めば5分の、このSNS 投稿法話でも、直に語れば1時間は時間を要します。という事は、この5分で読める法話の中に、多くの含み言葉があるという事にて。この含み言葉を読み取って『この文章は、こういう事を言ってるんでしょ』と、メールを打ってくる小中高生が、偶におられます」と。
更に、この法話読者に「先日、読者の中学生が『SNS の中では頻繁に見ますが、投稿者の意見に対し、文句を言ってくる人が数多に。この文句言いの人達って、何なの。俺が同調出来るものを載せろ、って言ってるの。自分の考えだけが正しい、とでも思ってるの。こんな人達って、相手を目の前に置いても、同じ文句が言える人達なの。それとも陰口専門の人達なの』と拙僧に問い掛けを」と。
続けて、この法話読者に「この中学生に拙僧『以前、テレビで、生物学の池田清彦先生が、日本人は根に持つタイプが多い。セロトニンという心を平らにする物質が、日本人には少ない。多い、普通、少ない、で分けると、日本人の約62%が、少ないタイプ、だと言われてたよね。拙僧は、ツイッター、Facebook、Instagram、ブログに、同じ法話を投稿させてもらっているが、話が長い、と言ってくる人は、数万人の読者の中で、千人単位で2人か、3人。10年以上毎日、法話を投稿してきましたが、長い、と言ってこられたは、その間に数人ぐらいかな。その方々には大変申し訳ありませんが、長い法話がわかりやすい、と望まれている人もおらっしゃるんで、長い、と思われる人は、拙僧の法話を無視していただくしかないですね。こう言えば、長いと思っていても黙ってる人間もいるぞ、と言ってきそうだが。シーソーは、どちらかが上がれば、どちらかが下がるもの。万人が納得出来るものなど、この世には何もないもんね。人間は大なり小なり、自分にとって都合が良いか、悪いか、で是非の判断をするからね。わが心と折り合いを付けてもらうしか、ないかな。人がそう動くには、そう動くだけの理由があるよね』と、この中学生に話しましたが」と。
続けて「この時、この中学生からこんな質問もありました。『住職の法話ですが、バズった事はあるんですか』と。『1度だけあったよ。ツイッターに法話を書いていると、勝手にタブレットの画面が変わって、あなたの投稿は今バズっています。日本で25番目に多く見られています、の表示が。数字を見てみると、数時間で450万回に』『日本人の30人に1人は見てるって事じゃん』と、この中学生が。この時初めて、これをバズるというのか、と拙僧。まあ、これは余談ですけどね」と、この法話読者に。
更に、続けて法話読者に「拙僧が16歳の時、わが寺の法要に導師としてお越しになられた高僧が『法話は、子供でもわかる様に話さなきゃ、駄目なんだよ。子供でもわかる法話なら、大人だったらもっと深くわかるはず。その大人が子供並みの理解力では、困るがな。話の内容がわかっている人、その分野に知識ある人、そういう人達に話をするは、結構に楽なんだよ。語句の細かい説明や、この言葉はこういう意味を含んでいる、などの説明を省く事が出来るから、話す時間も短縮出来る』と、当時16歳の拙僧に。この高僧の言葉が、今でも拙僧の耳に残ってるんだよね」と。
次回の投稿法話は、6月25日です。