【9月20日投稿分】
現在、日本には、約77000の寺院があり、その内の約20000寺院が既に、廃寺(住職不在)になっているとの事。そう遠くない将来には、その廃寺になる寺院が50000に達するとの事にて。廃寺になる理由は様々あれど、以下に記載もその1つにて。
他宗の20代、30代の後継者さんから拙僧、随分と相談を受けてまいりましたが、彼らが訴えるには「檀家さん達は、自分達の用事(葬式、相談など)がある時には『あれをしろ、これをしろ、どうにかしてくれ』と、困った時だけの神頼みの様に。が、例えば、納骨堂修理などで寄付をお願いすると『我れ関せず』と知らん顔して横を。自分達のご先祖さんが眠っておられるのに。納骨堂は、購入のマンションと同義でしょ。加入者さん達が協力して修理を施していくが筋なのに。私達はこんな自分勝手な人達(非協力的な檀家)を、相手にしなければいけないのですか」と、悔やんで拙僧に。
ある宗団では、年収ですよ、10万円以下の寺院が10%で、年収50万円以下の寺院が40%であると。住職の給料、生活費どころか、お寺の水道光熱費、修繕代などの維持費にもならん。『坊主丸儲け』といわれる寺院は、実際は、ほんの僅かの僅か、ですもんね。そこが目立ち過ぎてる事で、寺院全体がそんな印象(坊主丸儲け)に。拙僧の知っている他宗寺院(滋賀県)のご住職(80代)さんは「檀家さんが野菜やお米を持って来てくれた時だけ、人並みのご飯が食べられる。2日、3日、食べられない事も常にある」と言われておりました。こんな状況なら、潰れるお寺が出てきても当然ですよね。日本の寺院は今、大変な状況下にあります。後継者といわれる若者達は皆、生活が成り立たず、子供が育てられず、お寺を後継出来ずに、泣く泣く職種替えを。
話を戻しますが、その後継者さん達曰く「全国の廃寺(住職不在)になった寺院には当然、境内地の中にお墓や納骨堂があるところも。先祖に思いのない人達は、そのまま遺骨を放置し、納骨堂もお寺と共に朽ち果てていくも、また、よし、と。先祖に思いのある人達は、新たな寺院で納骨堂契約をするという事になりますが、初めから菩提寺に対し、協力的であったなら、新たな寺院で納骨堂を多額のお金を出して、契約する事もなかったろうに、と思うんですけどね。今、私のお寺の納骨堂に眠っておられる先祖さん達ですが、何の罪もない事は知っております。だけど、これ程までに檀家さん達が非協力的では、お寺の維持も生活も、成り立たないんです」と。
続けて、後継者さん達が「昨今は『寺院(その家の葬式、年忌法要を勤めてくれる菩提寺の事)など要らん。菩提寺が潰れようが、どうなろうが、知った事か。俺にとっては、なんの影響もないわい』という人達が増加を。ご住職(拙僧の事)の法話の中にある様に、病院に親の亡骸を貰い受けに行かない子供や、遺骨を火葬場に置き捨てて帰る子供、骨壷を野原や電車の中、生ゴミ置き場に捨てる子供など、私の周囲(地域)にもそんな事が起こっていると耳に入ってます。そこまではなくても、骨壷を押し入れの中に長年放置している家も。が、いつまでも、そのまま放置しておく訳にはいかないので、いずれはお墓か納骨堂に、となるのですが。まあ、でも、こんな人達は遺骨を海にでも持って行って、投げ捨てて来るんでしょうが。実際にそうする家も結構にあると聞きました。その様な家は、大半が家庭崩壊をしておるようですね。『ご先祖さんのバチが当たった』という事ではなく、『躾(しつけ)はするものではなく、躾は見せるもの』ですので、親のその様な言動を見て育った子供や孫が、親の様な感謝の出来ない人間に育ち上がり、いつしか家庭が感謝の心を持たない人達(自分勝手)の集合体に。よって、自ずと自然崩壊の方向へ。勿論、そんな家ばかりじゃないですよ。ちゃんとした檀家もわが寺には、少なからずあります」と。
更に続けて、後継者さん達が拙僧に「住職(拙僧の事)のお寺の檀家さん達は、どうですか」と。「そうだね。わが金剛寺でも一昨年、水害で納骨堂がやられ、修理の為にご寄付をお願いさせて頂いたが、大半の納骨堂契約者さん達は、協力をしてくれましたが、知らん顔をされた契約者さんも、何家かはあったかな」「そうですか。ところで、納骨堂の掃除なんかは、住職(拙僧)のお寺では、どうされておるんですか」と。「毎朝(1年中)5時から、拙僧と息子達で境内と納骨堂を2時間ほど、掃除をさせてもらっていますが、11月の最後の日曜日に行われている『すす払い』の時には、納骨堂の契約者さん達に『せめて年に1度くらいは、納骨堂の掃除に来て下さい。ご自分達の大事な先祖が永眠されている場所なんですから。お墓を持っている人達は、年の初めの1月、春の彼岸、お盆、秋の彼岸、年の納めの12月には、御礼報謝として掃除に行かれているでしょ。納骨堂は、お寺が掃除するからしなくていいや、じゃないですよ』と、その様に言っております。勿論、その日に用事がある人や、体調不良(病気など)の人、ご老人達には、無理は言いませんが。聞くところによると、お寺さんによっては『納骨堂は、加入者であるあなた達が掃除をするが、当然の事でしょ』と、お寺側が全く掃除をしない寺院もあるとの事。まあ、それはそれで、どうか、とは思いますけどね。何か、様々、歯車が噛み合ってない様な感じがします」と。
続けて拙僧、この他宗後継者さん達に「わが金剛寺では、大半の檀家さん達は、多分に協力をしてくれておりますので、今のところはまだ、お寺の存続に関しては大丈夫ですが、世相の流れに飲み込まれないとは、言い切れませんよね。先日、ある知人の中学生が、亡くなった祖父に対する両親の扱い方を見て『住職さん、人間は死んだらゴミ捨てか』と言い放った言葉は衝撃的でした。実際に金剛寺でも昨今、『年忌法要はしない。葬儀はしない』と言ってこられた檀家さんが、数家ありましてね。しかしながら、わが寺では納骨堂の契約書の中に『わが寺の納骨堂は、要らない物を捨てる場所に非ず。納骨堂を姥捨山状態にしたり、維持費未支払い、年忌法要拒否など、その様にされる檀家様は、退堂して頂きます』との条文が記されてありまして。契約者は皆、その契約書に署名捺印を」と。
続けて拙僧「大半の納骨堂契約者様は、ご先祖さんを大事にされておられますが、そうでない契約者様には、個別に対面させて頂き、次の様な話をその檀家さん達にさせてもらい、今後の身の振り方を決めて頂いております。『以前ですね、他寺の檀家さんが《私の家の菩提寺は、3月の納骨堂参りで牡丹餅をお供えして帰ったら、8月のお盆の時には、その牡丹餅がカビだらけで、そのままそこに放置状態。これ、どう思いますか、こんなお寺を》と拙僧に愚痴を言いに来られまして。対し、その人に《それは、お寺さんは、あかんよね。だが、あなたも、あなただよ。3月から8月まで、1度も納骨堂に足を運ばなかったんかい》と返すと、気まずそうにしておられましたよ。世の中にはですね、枕経にも通夜にも来ず、テープのお経を聞かせるお寺(住職)さんも。葬式の時には、儀式後に法話もせず、お経を相手にぶつけて終わり、さっさと帰る『ドッチボール住職』も、少なからずと。枕経、通夜、葬儀で、最も大事は枕経にて。ご臨終と言われて、約8時間は耳が聞こえているは、検証済み。この枕経は《あなたは人間を卒業したんだよ。彼の地に向かう心構えを》と故人にお知らせするが、枕経です。通夜、葬儀は、故人に向けての御礼報謝の勤めにて。この様な供養を重視してない、いい加減なお寺は世の中に結構ありますから、構いませんので、どうぞ、そういうお寺に移って下さい』と、年忌法要をしたくない、と申し入れてきたわが寺の檀家さん達には、その様に拙僧」「厳しいですね、住職は」と。
返して、その後継者さん達に「だけどね、その様ないい加減な檀家さんは、それほど問題ではないんですよ。本当に問題なのは、真面目な檀家さん側なんですよね。『なんだ、金剛寺は、年忌法要などしなくていいだろ、と申し入れたら、簡単にそれを了承する様な、そんないい加減なお寺だったんかい。将来、私達の子孫がそんな事(年忌法要などしたくない)を言ってきたら、それを簡単に了承して、私達はほったらかされるんかい。そんな住職のお寺に、大事な先祖を私達は預けているんかい』と、こうなるが最もまずい。寺院の存亡にまで影響してきますから。それに、やはりね、親や先祖を大事にしない家を見ておりますと、あなた達(他宗の後継者さん)の言われる通り、感謝という心がないもんで、家庭崩壊の方向にジワジワと、向かっておる様に見受けられます。そうさせない為に、厳しくしている面もあるといえば、あるのかな」と、他宗の後継者さん達と話を。
さて、今日は、秋のお彼岸に入って、2日目ですね。投稿の添付写真は、わが寺の今年度年忌法要の永代供養者(手を合わせてくれる家族なし)さん達の塔婆です。わが寺では7月の施餓鬼盆、8月の盂蘭盆、9月のお秋彼岸終了までの3ヶ月間、本堂の内陣でご供養をさせてもらっております。国内に数多き寺院がある中、わが寺を永眠の地に選んでくれたんですもんね。大事にしなきゃ、いけませんね。この時期はいつも「お寺は、あなた達(永代供養の精霊さん達)の事は、決して忘れてないからね」と、心の中で声を掛けながら、供養をさせて頂いております。
【付録】
拙僧はこれまでに法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話は。何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。
約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。
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拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」
金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?
【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、9月25日になります。