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1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

900人以上も葬儀をしてまいりますと、様々な形の葬儀がございます。一応はこうした葬式の形がよい、はありますが、臨機応変は大事。人は皆、事情を抱えています。事情の塊が、人間(家庭)ですもんね。

2021-11-15 15:31:59 | 法話
他宗若住職(20代)から「住職(拙僧)さん。昨日、朝7時に檀家さんから『弟が、朝、風呂場で倒れ、救急車が来た時にはもう既に、と。今、警察が。私も今、実家の方に。後で連絡します』で、その後に全く連絡が。この様な事、初めてですので、どうすれば」と。「連絡があるまで、貴方の方からはしない方が」と。

【追伸】
この若いご住職が「住職(拙僧)、これって、まさか」と。対し「恐らく、かな」「でも、ほったらかす訳には」「その家の込み入った事情があるかもよ。親戚関係者に知られたくないとか、近所の付き合いの事情とか、息子さんの会社関係の事情とか。この息子さんは、既婚者なの」「独身です。母親は他界し、父親と2人暮らし。お姉さんは嫁いでいて、女の子が2人」「なれば、父親が他界したら、この家は終わりだね。それまで息子さんの事は隠すかもよ。言わなきゃ、方々に知られる事は。父親より早く逝くとは考えないだろうから」「私のやれる事はなんですか」「先方の望み通りに動いてあげるだけ。住職が出来る事は、今は待つ事だけだよ。ズカズカと人の領域に入り込んだら駄目だよ。例え、檀家さんであっても。あなたにもお寺の仕事の事情(約束)があろうけど、檀家さん達は、お寺の事情を考えてくれる人は少ない。そんな連絡(他界した)が檀家さんから来れば、お寺側は、枕経、通夜、葬式の日程を組まにゃならん。3日間のスケジュールを変更しておかにゃならん。遠出の仕事も控えにゃならん。拙僧は1年365日、1日も休みがないから、葬式が入ったら、常に日程が変更になる。貴方にも事情が様々あろうが、工夫して、色々鑑みて、仕事の日程変更決めを」と。








【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2309話目】 檀家や知人が「住職は人の祈願ばかり受けて。自身の願いは」と。「家族が皆、最後まで元気に一生を終えれる事、かな」と。

2021-11-15 10:02:10 | 法話
昨年の暮れに、檀家で独身の息子さんが46歳で突然死を。その日、朝起きて、トイレへ。まさかそこで自分が、一生を終える事になろうとは。死亡診断は、高血圧性脳内出血。30代から40代の突然死、わが寺では6人目。全て過労が原因。本人達は仕事が好きで、全く過労の自覚は。が、身体は正直、自覚なき悲鳴を。

【追伸】
この様な悲しい出来事が起こる度に、檀家の若者達には「会社は歯車が壊れたら、別の歯車に入れ替えるだけ。自分の身は自分で守りなさいや」と。すると、若者達が「仕事をやっておれば、住職、そうはいかんのよ」と。「なら、自分の範疇で出来る制御をしなされ。暴飲暴食をやめるとか。煙草を控えるとか。遊びを控え、睡眠をよく取るとか。仕事でも体を酷使、プライベートでも体を酷使では、若いから自覚はないかもしれんが、恐らく体は悲鳴を上げてるよ」と。人は、必ず寿命。死ぬ時がきたら、たった今、元気であろうと、死ぬ時は、死ぬ。『もし、あの道を通ってなかったら』とか、『もし、家を出るが、1分早かったら、遅かったら』とか、『もし、あの電車に、あのバスに、あの飛行機に、乗ってなかったら』とか。拙僧、900人以上も見送ってまいりますと『人間は寿命』を切に感じる事が多い。なればこそ、人は『1日一生』の心で、人生、悔いの残らない生き方を。