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能登半島地震で何が求められていたか 46 液状化現象

2007年04月28日 | ◆Weblog
  能登半島地震で何が求められていたか 46 


能登地震 倒壊なぜ集中 防災と復興 1・17から未来へ 暮らし 社会 関西発 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

七尾港で液状化現象
 
 能登半島地震で、地盤の砂が液状になって地表に吹き出す「液状化現象」が、七尾市の七尾港大田地区で複数にわたって発生していたことが、国交省北陸地方整備局の現地調査でわかった。 液状化現象は、地盤が大きく揺すられて水分を含んだ土砂が、地表に押し出される現象で、第1バース(岸壁)の水際から約25メートルの地点で幅約30メートル、長さ120~130メートルの亀裂が生じ、最大で約50センチの地盤沈下が起きたという。第1バースは土砂で埋め立てし、1977年に完成した。

能登半島地震 復旧支援活動本格化 情報交差点-いしかわ 経済・情報 北陸発 YOMIURI ONLINE(読売新聞) ~より~

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平成19年能登半島地震(200703250942)調査速報

Ver1.4

(株)土質リサーチ O

4月4日に暫定をとりました。

今後も状況を見ながら内容を追加していくつもりです。

平成19年3月25 日13 時30 分 気象庁暫定値による震源位置

平成19年能登半島地震

2007年3月25日09時41分 マグニチュード 6.9 深 さ 11km

緯 度 北緯 37度13.2分 経 度 東経136度41.1分

調査工程

3月26日 23:00 東京を車で出発、関越道、妙高PAで車中泊仮眠を経て

北陸道経由、能登半島入り

3月27日  8:27 調査開始 七尾、和倉温泉、志賀、門前町、能登空港を調査後、和倉温泉にて1泊

3月28日     災害査定の手伝いで調査後、金沢1泊

3月29日     金沢~門前町~中野屋~輪島、輪島1泊

3月30日    輪島~曽々木海岸(トンネル落石のため通過できず)~広江~宇出津~甲~比良~穴水~和倉温泉~氷見~高岡を抜け北陸道、関越道経由で東京帰省

調査全工程 1670km

調査ルート図(能登半島内)



調査結果のポイント

今回の被害の特徴に関するキーワードは、「地盤災害」ということになりそうです。
各地点の被害の特徴は次のとおりです。

 ①能登半島東海岸七尾周辺の「護岸背後の液状化」と「側方流動」
  ②門前町周辺に見られる家屋被害箇所の「液状化」
  ③丘陵や台地斜面で確認される崩壊
  ④盛土の沈下

 液状化については、自然地盤で発生している箇所はほとんどありません。埋立もしくは盛土地盤が液状化しています。
 これらの盛土材・埋立材は、能登半島の丘陵等を構成する砂(黄白色乃至黄色の細砂~粗砂)が使用されており海岸部では吹き上げ砂の使用も見られます。(青黒い微細砂)門前町では、砂丘の砂も使用されているようです。
 門前町の液状化は、ちょっと見ただけでは確認しにくいのですが町の中を流れる河川内に噴砂が多く流出しています。噴砂列は、門前町の水管理センター敷地内の芝生及び駐車場隣接の芝生で確認できます。

不思議なのは、能登島大橋袂付近の液状化です。いずれの箇所も台地上に位置しているので盛土に砂を使っていて地下水等がたまった場所が液状化したとも考えられるのですが良くわかりません。インターロッキングの敷き砂が液状化したと考えられる箇所も数箇所確認しています。

能登半島の特徴か、埋立や盛土には下末吉期の堆積物である奥原層等の砂を使用している例が多いようです。七尾~志賀に抜けるルートにも多くの砂取り場がありました。

今後家屋等の復旧(改良復旧)として、液状化による建物被災を低減するためには盛土の液状化対策が必要になると考えます。
 速度スペクトルでパワーが大きかった穴水町周辺の家屋を調査しましたが、瓦の落下すらない状況が確認されます。


平成19年能登半島地震200703250942調査速報 ~より~

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平成19年能登半島地震 †
信州大学自然災害科学研究会

調査の結果 †
 信州大学自然災害科学研究会は,今回の能登半島地震の災害調査を,日本地質学会地質災害委員会と連絡をとりながら,3月26-28日の間行いました.調査には,信州大学全学教育機構の大塚 勉助教授(3月26-27日)と,理学部小坂共栄教授および三宅康幸教授(3月27-28日)および信州大学の学生3名が参加しました.

 今回の地震の被害には液状化が大きな影響を与えていました.液状化は震源から30km以上離れた七尾市の海岸沿いにも多く見られました (土質リサーチ(株)の大里さんのページを参照).このような液状化は地下の地質と密接に関連しています.震源に近く,被害の激しかった輪島市門前の集落においても,基盤の地質が液状化をひきおこして道路や家屋の被害に大きな影響を与えていたと考えられる事例がいくつかありましたので,周囲の地質状況と関連させて報告します.

地質の状況:この地域には,中新世(約千数百万年前)の地層が分布していて,覚皇院(図1参照)のある低い台地の基盤となる北側の道沿いや,総持寺の北などには,その地層に属する砂岩の露頭が見られます(図1の黄色に塗色した部分).覚皇院の基盤の露頭では,砂岩の上位をさらに礫層が覆っています.一方門前高等学校の校舎南のグラウンドを取り巻く丘陵には礫層が露出していますが,この礫層からなる丘陵は上からみると北北東に開いたU字型の谷に削られたようになっていて,その凹地に門前高等学校のグラウンドがあります.おそらくこのU字型の凹地の地盤がある時期に崩壊して走出の方に押し出したものと推定されます.まとめますと,この地域は,全体として,標高20mよりも高い砂岩や礫層からなっている地域と,標高20mよりも低い地域とに2大別でき,さらに標高20mよりも低い地域は八ヶ川の河川が運んできた軟らかい堆積物や崩落土・埋積土からなる地域と,門前高等学校の南側の丘陵が崩れて押し出した崩落土からなる地域とに分けられそうです.
地震の影響:上に述べた地域ごとに地震の影響を調査しました.20mよりも低い地域では,道路のアスファルトに亀裂が入り,家屋の一部は倒壊してしまっています(写真①~⑦).一方,20mよりも高い部分を見てみると,確かに覚皇院の墓地は大きな被害をうけ(写真⑨),総持寺の建物(写真⑪)の一部も損害を被りましたが,道路のアスファルトや家屋の損壊は,20mよりも低い地域に比べれば少ないようです(写真⑩).このように地質と被害状況には関連があることが予想されました.以上は限られた調査で定性的な予想に過ぎませんが,今後こうした地質との関連での詳しい定量的な調査が必要であると言えるでしょう.

信州大学理学部地質科学科WEBページ - 平成19年能登半島地震 ~より~

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