ジャイ子、広子、ひなこ

●クリスチーネ剛田

●これは漫画「ドラえもん」に登場するキャラクター、ジャイ子のペンネームです。彼女は少女漫画で成功することを夢見ており、漫画を書く時はこの名前で作品を書きます。もちろんここには「クスチーネの前に、兄貴のアダ名が“ジャイアン”というだけで、妹の本名が“ジャイ子”ってどうなのよ？」という通称“ジャイ子問題”が横たわっているわけですが、それはまぁ、置いておきます。今日の本題は“クリスチーネ”です。

●名前というものはそれ自体が一種の「仮の記号」でしかなく、命名された時点で何らかのスティグマ（烙印）になると同時に、あっさりと変更・追加可能なものであると言えます。おそらく我々に馴染みのある仮名は、芸名です。林家ぺー・・・芸名ですよ。本名は佐藤義彦さんと言います。ま、ぺーは少し極端ですが、例えば最近テレビなどで活躍されている相武紗季さん。この方も芸名です。本名は公表されていないそうですので、気になる方は各自調べてみてください。ちなみにこの方は公表されてらっしゃいますので申し上げますが、タレントの優香さんの本名は岡部広子さんとおっしゃるそうです。うーむ・・・・今や完全にあのルックスと名前が一体となっているため、急に「実は広子」と言われても対応するのに時間がかかりますが。

●もちろん、仮名を使っているのはテレビや雑誌に出ている方だけではありません。非常に身近なところでは、いくつかの飲食店勤務者、簡単に言うとホストやキャバクラでお勤めの方も仮名を使ってらっしゃいます。前に筆者に知人が某飲食店で働いていた時は本名は「よしこ」でしたが、その店では「ひなこ」でした。ま、実はこれも本人のプライバシーのために本名と仮名、どちらも変えてあります。筆者がよく散歩する新宿歌舞伎町などはもしかしたら本名の人と、仮名の人の割合が半々ぐらいの街かもしれません。

●さらにはインターネット上における仮の名前も身近な仮名として挙げられます。前のブログの時に「****visionsさん、どうもです」とコメントがあった時は確かにそうとしか言いようがないのですが、少し恥ずかしい気持ちになってしまいました。こういうものは一種の慣れなので、使い続ければ定着すると思うのですが。

●日常生活の中でも身分証明書の提示を求められない場面で仮名を使っている方はいるでしょう。状況によりますが、仮名を使って支障をきたさないのであれば問題ないと思います。本名を使わないもとでリスクが軽くなる場合もあるでしょうし、少し違った気分が味わえるかもしれません。この際、注意しなければならないのは、うっかり自分の名前を言ってしまわないことです。たまに女性の方の中に自分のことを名前で呼ぶ方がいて「でさ、そん時に理央は帰ったわけ」なんて言う方がいます。あれは注意です。また他人の発言を引用しながら「そしたら後輩が“滝川さんこの後どうしますか？”って言うんで、俺は帰るって言ったんですよ」なんて言う時も要注意。バレてます。

●自分の戸籍上の名前ではない名前を使って生活したり、会話したり、メールのやり取りをすると少し奇妙な感じがして「名前とは何ぞや？」という気持ちになるから不思議なものです。試しに大事に至らない場面であることを見極めて、仮名を使ってみてください。結構、多くの発見があると思います。ちなみに筆者も本名以外の名前を２つほど使用しております。また、明日。