333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

すべての道はドンキに通じる

2008-06-20 01:43:30 | SP(Standard Program)
●少し前にある雑誌に「街頭の写真の広告をすべて消してみる」という実験が載っていました。東京・渋谷のハチ公口のスクランブル交差点の写真が見開きで掲載されていて、コンピュータで広告という広告が全て白く塗りつぶされている写真でした。立ち読みで見たものなので、ここに掲載できないのが残念なのですが、この光景が何ともマヌケで素晴らしいものだったのですよ。

●以前より、この欄では街頭広告について書いてきましたし、その種の本も紹介した記憶がありますが、最近思うことは「とりあえず東京の街頭広告について知りたければ歌舞伎町と秋葉原に行け」ということです。筆者は週末の夜中に歌舞伎町をぐるりと散歩することが多いのですが、あの街の看板は本当に独特です。あの街は気色の悪い“浄化作戦”とやらが進行中らしいのですが、それでも街にはいたるところにホストクラブの看板が並んでいます。店の顔となるお兄さんの写真がカタログ式に並べられた看板が山のように展示(?)されているのですが、これは一度見ておいた方がいいです。というのも最近、雑誌やWEBサイトなどを見ていると「これは歌舞伎町の看板だ」と思うことが増えたからです。その種のものを作っている人がホストの常連さんなのか、偶然にそうなったのか、何らかの集合意識が働いているのか知りませんが、今、日本の雑誌は圧倒的な速度で「歌舞伎町の看板」になりつつあります。

●一方で秋葉原は・・・絵です。イラストと女性アイドルさんの写真だらけです。これもギッシリと展示されています。筆者の秋葉原の行動範囲は駅から駅前の輸入DVD屋という極めて限られたエリアですが、時々、上野のあたりまで歩いて行こうと街を眺めてみると、建物のいたる場所にイラストか写真が掲示されています。そしてこれは言うまでもなく「歌舞伎町」と相似形を成しているのです。

●では銀座はどうか、青山や渋谷はどうかと申しますと・・・・・・基本的に同じです。歌舞伎町と秋葉原の原液を何倍かで薄めたものだと思ってください。街によっては2倍、ある街では5倍に薄めた感じになっています。カルピスと同じです。それぞれの好みで水を足しているに過ぎません。今日は眠く、これからDVDを観る予定なので間の説明を全部飛ばして次を言いますと、実は秋葉原と歌舞伎町を混ぜ合わせると・・・・・・ドンキホーテの店内になります。東京の表参道や銀座のあたりは外国のブランドショップがズラリと並んでいることで有名ですが、これも少し引いた位置から見るとドンキに見えます。本当です。関東圏にお住まいの方は是非、行ってみてください。ひとつひとつのビルは御洒落なのですが、引いて見るとドンキになります。

●何でこんなことを書いたかと言うと「個々の好みについて嗜好を凝らしてみても、トータルで見たら歌舞伎町の看板だった」とか「おしゃれなものを精査して買いそろえても並べてみたらドンキホーテだった」というようなことについて日本人は結構、無頓着なんじゃないかと思うことが増えてきたからです。ひとりひとりは純粋に顔のいい男だった。しかし、その人たちでグループを組むと何故か歌舞伎町の看板に見える。カルチャー方面にコダワリある人が好きなモノを揃えた。ひとつひとつにウンチクのある品ばかりが並んだ。なのにドンキホーテの店頭に見える。

●具体的な例をここで出すとモノが飛んできそうなので止めますが、いくつかのモノを並べた結果、予想もしなかった光景(そしてそれは驚くほど凡庸)が見えることって最近多い気がします。この話は突き詰めていくと「好き/嫌いと美学は別物」「センスとスタイルは別物」という話になるわけですが・・・・・・DVD観るので続きはまた今度。

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