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税制メールマガジン 第62号

2009年05月21日 | 税制メルマガ
税制メールマガジン 第62号              2009/5/21

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◆ 目次

1 巻頭言
2 税制をめぐる最近の動き
3 主税局職員コラム ~税制改正法案の国会審議について~
4 諸外国における税制について ~韓国の電子政府に向けた取組~
5 編集後記

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1 巻頭言
 
 租税特別措置法の一部を改正する法律案が4月27日に国会に提出されて現在審議中です。これは最近の社会経済情勢を踏まえ、需要不足に対処する観点から、政府が4月10日に決定した総額57兆円規模の経済危機対策の一環として実施するものであり、法案においては、具体的には次の3つの措置を講ずることとしています。

注)平成21年度税制改正法は3月27日に成立し、4月1日に施行されました。

1.住宅取得等のための時限的な贈与税の軽減
 平成21年初から平成22年末までの間に、20歳以上の者がその直系尊属から居住用家屋の取得等に充てるために金銭の贈与を受けた場合には、当該期間を通じて500万円まで贈与税を課さない。この特例は、暦年課税又は相続時精算課税の従来の非課税枠にあわせて適用可能とする。

2.中小企業の交際費課税の軽減
 資本金1億円以下の法人に係る定額控除限度額を、平成21年4月1日以後に終了する事業年度から、400万円から600万円に引き上げる。

3.研究開発税制の拡充
 試験研究費の総額に係る税額控除制度等について、
(1)平成21、22年度において税額控除ができる限度額を、当期の
 法人税額の20%から30%に引き上げるとともに、
(2)平成21、22年度に生じる税額控除限度超過額について、平成
 23、24年度において税額控除の対象とすることを可能とする。

 政府としては、平成21年度補正予算及び上記を含む関連法案の早期成立を図り、民需の自律的回復を促すことを通じて、早期の景気回復へとつなげていく方針です。

経済危機対策:http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/0410honbun.pdf
 
                  主税局総務課企画官 宇波 弘貴

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2 税制をめぐる最近の動き
 
(1)4月27日、租税特別措置法の一部を改正する法律案が国会に提出されまし  た。
 ・法案の内容は、下記URLにてご覧いただけます。
  http://www.mof.go.jp/houan/171/houan.htm

(2)下記のとおり、税制調査会が開催されました。
 【4月28日(火)】
  第29回企画会合
   ○報告事項(最近の状況について)
   ○自由討議
 【5月12日(火)】
  第1回スタディ・グループ
   ○関係省庁等ヒアリング(納税者番号制度等)
 
 ・税制調査会の資料等は、下記URLにてご覧いただけます。
  http://www.cao.go.jp/zeicho/index.html

(3)カタール国政府との間で国際運輸業の所得に対する課税の相互免除
 に関する書簡が交換されました。
 ・概要は、下記URLにてご覧いただけます。
  http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/sy210521qa.htm

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3 主税局職員コラム ~税制改正法案の国会審議について~

 現在、21年度補正予算案や「租税特別措置法の一部を改正する法律案」
等の経済危機対策関連法案が、国会において審議されています。今回は、
税制改正法案(国税)を例に国会審議の大まかな流れとそれに伴う事務方
の業務について簡単にご紹介したいと思います。

 「代表なければ課税なし」とあるように、税制は、国民負担に直結する
問題であるため、国民を代表する国会が制定する法律に基づく必要があり
ます。

 通常、税制改正案については、年末に、当初予算案とともにその骨格が
固められ、これをもとに作成した税制改正法案が、明くる年の1~2月頃
に国会に提出されます。国会に提出された税制改正法案は、先に提出され
た議院(通常は衆議院)において、財務金融委員会(参議院の場合は、財
政金融委員会)の審査を経て、本会議に付されます。可決された場合、も
う一方の議院(通常は参議院)に送付され、そこでも同様のプロセスを経
て可決された場合、税制改正法案が成立し、公布・施行されることとなり
ます。
(現在、国会において「租税特別措置法の一部を改正する法律案」が審議
されておりますが、これは、異例ではありますが、「経済危機対策」の一
環として、「政策の総動員」をもって現下の厳しい経済情勢を克服するた
めに4月27日に提出されたものです。)

 国会審議は、国会議員からの質疑に対し、政府(主に大臣)が答弁する
という形で進められます。我々事務方は、大臣が答弁するにあたり参考と
なる資料を作成するなどのサポート業務を行っています。前日の夕方を過
ぎてから翌日の質疑内容が明らかにされることもあり、答弁参考資料の作
成業務は時に深夜に及ぶこともあります。

 皆さんがTV等のニュースで国会審議をご覧になるときのご参考になれ
ば、幸いです。

                     主税局総務課 篠田 和哉 

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4 諸外国における税制について ~韓国の電子政府に向けた取組~

 韓国ではITが進んでいる、といった話を聞いたことがある方も多いの
ではないでしょうか。例えば、韓国での携帯電話普及率は80%超(日
本は70%超)、インターネット普及率は75%弱(日本は70%弱)と
なっています。

 では、政府が提供する行政サービスについてはどうでしょうか。以下に
見るように、こちらも様々な分野でオンライン化が進んでいます。国連の
電子政府に関するランキングでは、韓国はアメリカに次いで2位となって
います。(なお、我が国は11位でした。)

 現在、韓国で電子化されている行政サービスには、以下のようなものが
あるようです。
・戸籍謄抄本等、各種証明書の交付(電子政府ポータルサイトで申請、自
 宅プリンタで印刷)
・引越しワンストップ・サービス(引越し先の住民自治センターに転入申
 告書を提出するだけで、住所変更に伴う諸手続が完了)
・各種申請書、届出の提出(電子政府ポータルサイト上で提出が完了)
・ウェブサイト上で各種申請の処理進行状況を確認

 1990年代以降、これらの電子化された効率的な行政サービスの実現
に向けて、韓国政府は様々な取組を行ってきましたが、その中でも国民の
利便性の向上、行政の効率化に一役買ったのが「住民登録番号」です。

 この番号は、全国民に与えられている番号で、住所、氏名、年齢といっ
た情報が蓄積されており、引越しや結婚によって番号が変わることもあり
ません。この番号の導入は古く1962年にまで遡り、現在では、クレジ
ットカードを作る際や金融機関での口座開設の際にも必要とされています。
住民登録番号はカードの形で交付されますが、最近では、プライバシーに
配慮し、住民登録番号等の情報が記録されたICチップ入りのカードにな
っています。

 国民は、この住民登録番号を利用して、上に挙げた引越しワンストップ・
サービスや証明書の交付だけでなく、税務手続き、年金受給手続なども行
うことができます。

 我が国の税務行政においても、利便性の向上に向けた取組として、納税
手続のオンライン化による添付書類の省略や、インターネットバンキング、
ATMでの納税などを進めているところです。今後も、韓国の電子政府の
実現に向けた取組も含めて、諸外国の状況もよく研究しながら、広く議論
をしていく必要があると思います。

(参考)韓国電子政府ポータルサイト
https://www.egov.go.kr/default.html

                      主税局調査課 篠原 健

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5 編集後記

 日本国内でも新型インフルエンザの感染の拡大が報道されています。や
はり、日々の備えが一番大事ですので、手洗い、うがい、マスクの着用な
ど、自分でも出来る対策に努めたいと思います。
 前号でも書きましたが、4月より主税局も新人を迎えています。今回は
少しだけ二人に登場してもらおうと思います。

ではまず新人のK君から。
○はじめまして。主税局調査課でドイツを担当することになりました。今
年3月に大学を卒業し、4月1日に配属されました。現在私は、ドイツ税
制をドイツ語と格闘しながら日々学んでいるところです。今は先輩の補助
業務が主ですが、いずれ独り立ちできるように頑張りたいと思います。ド
イツ税制を仕事で専門に扱う方はあまり多くないと思いますので、正確に、
迅速に情報を提供できる人間にならなければならないと、身が引き締まる
思いでいます。少しでも早く、「ドイツ税制のことなら彼に聞け。」と周
囲に思ってもらえるよう、精一杯努力したいと思っています。よろしくお
願いします。(K)

次にOさんです。
○はじめまして。私は新社会人として今年の4月から主税局で働いていま
す。最初の数日は学生気分が抜けず、毎日決まった時間に出勤して一日中
職場にいることだけで疲れてしまっていましたが、入省して一ヶ月が経ち、
だいぶ慣れてきました。主税局は、少人数で非常に多岐に渡る業務をこな
している部署だと思います。そのため忙しい日々が続いていますが、人数
が少ないぶん、お互いの顔が見え、局内の連帯感も強いように思います。
まだまだ研修の日々ですが、私も主税局の一員として一生懸命働いていき
たいと思います。(O)

 いずれ、彼らにも諸外国の税制コーナーを執筆してもらいますので、是
非、成長を見守っていただければ幸いです。
 次回は6月上旬発行予定です。

                             (和田)

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政府税制調査会では、今後の審議の参考にさせていただくため、広く国民
の皆様から、ご意見を募集しております。

http://www.cao.go.jp/zeicho/iken/iken.html

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