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Johnnyダイアリー

大好きなジョニー・デップのことや、映画の感想、日常の出来事を書きつづっています。

手紙

2006年11月05日 | 映画鑑賞





塀の向こうからの絆



手紙
2006年日本公開
監督:生野慈朗

【武島直貴】山田孝之
【武島剛志】玉山鉄二
【白石由美子】沢尻エリカ
【中条朝美】吹石一恵

あらすじ
両親を早くに亡くし、貧しいながらも2人だけで助け合ってきた兄弟。兄は、勉強が出来る弟を大学に行かせたくて、ある日、資産家の家に盗みに入る。ところが家人に見つかってしまい誤って殺してしまう。兄は強盗殺人の罪で塀の中へ。その時から兄弟の絆は手紙になる。しかし、世間は冷たかった。兄のことが知れるたびに弟は仕事をクビになり、住むところを追われ、夢や恋人さえも奪われてしまう。そして、あることをきっかけに兄との絆をすてる決心をし、最後の手紙を送るのだが―。

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映画館で予告を見た時から気になっていた『手紙』。
東野圭吾のベストセラー小説の映画の作品です。
原作は読んでいないのですが、
なかなか高評価らしいという話を聞き、観て来ました!!

いや~。テーマがテーマなだけに、重い、重い映画でした。
けどそれだけに、ものすごく見応えのある作品でした。
本当は心優しい兄が、強盗を決意するというのが少し納得できなかったけど
原作を読めば、強盗にいたるまでの経緯が書いてあるのだろうか―??

弟のためとはいえ、罪を犯してしまった兄。
そんな兄から送られてくる塀の向こうからの『手紙』。
「ナオ、元気ですか?なんでもいい。手紙を下さい。」
自業自得とはいえ、悲痛な叫びのような兄からの手紙には胸が締め付けられる。

「元気です。僕は今・・・」と一見平静を装い、返事を書き続ける弟だけど、
「殺人者の家族への差別」という不当な扱いに耐え続けていたのだ。
兄のことがバレるたび仕事はクビになり、兄の責で「将来の夢」まで奪われた。

そしてあることをきかっけに、ついに弟は兄を捨てる決心をする。
「兄さん、ごめん。もうこれっきり手紙を書きません。」
兄弟の唯一の『絆』となっていた、『手紙』を絶つ決心をさせてしまうのだ。

罪を犯した兄を支えたいと思いながら
一方で「兄さえ、バカなことをしなければ」と何度も思ったであろう弟。
そんな弟の苦悩を、山田孝之が好演しています。
演技力のある若い俳優がどんどん育っていることをとても頼もしく思いました。

 

「殺人者への差別」は「殺人者の家族への差別」の始まりでもあるのだ。
不当な差別だけど、世の中はそうしたもの。

大罪を犯したら、塀の向こうで孤独に耐え忍ぶだけでは済まない。
身内を殺されてしまった遺族を悲しみのどん底へ突き落とすことはもちろん
自分家族さえも苦しみの渦中へ巻き込んでしまうのだ。

こういう現実もあるのだということに、胸がさらに締めつけられた。

家族が、親しい人が、あるいは知人が大罪を犯して塀の向こうに行ってしまった時、
『手紙』を書いて支え続けてあげることが出来るだろうか。
塀の中は、どんなに孤独で寂しいだろう。
どんなにか『手紙』を待ち焦がれているだろう。
不当な差別を受けつつも、さらにささえ続けてあげることが出来るだろうか。

『手紙』は、差出人の優しさや思いやりが濃縮されたようなものだと思っていた。
けれど、人を勇気づけることもできれば、絶望のどん底に突き落とすことも出来るのだ。

弟が『絆』を絶つための『手紙』を送った後のストーリーに、
胸がとても熱くなりました。

私は、理解力が無いので一度観ただけでは
作者からのたくさんのメッセージ、そして監督のいいたかったことを
全部吸収し受け止めることなど出来ていないような気がします。

良かったとか、感動したとか、とてもそんな言葉で片付けられなくて・・・・
ただただ、胸がいっぱいでした。

DVDのレンタルが始まったら、もう一度じっくり観てみたい作品です。


 

 


地下鉄(メトロ)に乗って

2006年10月30日 | 映画鑑賞





真実を知るためのタイムスリップ



地下鉄(メトロ)に乗って
2006年日本公開
監督:篠原哲雄

【長谷部真次】堤真一
【小沼佐吉】大沢たかお
【軽部みち子】岡本綾
【お時】常盤貴子

あらすじ
衣料品の営業マンの長谷部(堤真一)は地下鉄の駅で父(大沢たかお)が倒れたという伝言を聞く。彼は地下道を歩きながら、暴君の父と口論して家を飛び出し、帰らぬ人となった兄のことを思い出していた。そのとき、彼の前を亡き兄に似た人影がよぎる。必死で追いかけて行くとそこはオリンピック景気に沸く昭和39年の東京だった。(シネマトゥデイ引用)


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地下鉄の真っ暗なトンネルの奥から「ゴォー」という音が聞こえ、その音がどんどん大きくなる。やがてトンネルの向こうから明かりが見えて電車が駅のホームに到着する。
こんな地下鉄の風景を見ていると、この電車がどこか異世界からやって来た
乗り物のように感じるときがある。
タイムマシンだといわれてもなんとなく納得してしまうような・・・。

そんな地下鉄が、主人公を過去に連れて行ってしまう映画だと知り、
無性に観たくなってしまいました。

主人公真次は、43歳になった今でも父親をひどく毛嫌いしている。
子供の頃からの、母親や自分達兄弟への冷酷さをどうしても許せなかった。
ところがそんな真次が過去へタイムスリップし、若き日の父に会うことになる。

人は自分が見たものだけが真実だと思いがち。
言葉もそう。その人の心の奥底にある思いなど知らずに
聞いた言葉だけがその人の心の声だと思ってしまう。
真実やその人の本当の思いを知らずに溝が出来てしまったとしたら・・・
それはとても悲しいこと。
そんなことがテーマとなっている映画。

真次は、タイムスリップして過去と現在を行ったり来たりする。
タイムスリップする時、毎回地下鉄を利用するわけではないのがチョット残念。
いきなり過去に行ってしまう時があるので、少しとまどうことも無きにしも非ず。
分かりづらい訳ではないけど、タイトルにある「地下鉄」を
もっと使って欲しかったなあと思ってしまった。

けれど、タイムスリップして色んな年代の父親に会うたび
少しづつ変化していく真次の父親に対する思いは、
そのまま観ている側の変化となっているのは見事だなぁとおもう。

真次の父親役の大沢たかお。この俳優さんががそれぞれの年代に合わせて
若くなっていくのがとても興味深かったです。
演じる上で大変だったのは主人公よりも、真次の父親役だと思う。
大沢たかおというと、私の中では、「解夏」や爽やかな青年役の印象が
強かったのだけど、戦後すさんでしまった姿や、若き日の凛とした
青年役も無理なく完璧にこなしていたのに驚いた。
こんなに演技力のある役者さんだったんですね~。

そして、衝撃的なラスト。
全ての真実を知った時に起こる事件。
私てきには、ここまでの展開にしなくても・・・・と思ってしまったのだけど・・・・。

父や母の昔を見たい?と聞かれたら私ならどうするだろう?
知らなくていいこともあるだろう。

けど、もしかしたら知っていたほうがいい事実もあるのかもしれない。



 


フラガール

2006年10月28日 | 映画鑑賞




炭鉱娘、フラガールになる!


フラガール
2006年日本公開
監督:李相日

【平山まどか】松雪泰子
【谷川洋二朗】豊川悦司
【谷川紀美子】蒼井優
【熊野小百合】山崎静代

あらすじ
昭和40年。福島の常磐炭鉱は、石油などの普及により閉山の危機を向かえていた。この危機を救うため炭鉱会社はレジャー施設の構想を練っていた。それが、常磐ハワイアンセンター(後のスパリゾートハワイアンズ)である。このレジャー施設の目玉としてフラダンスのショーを計画し地元の炭鉱娘達にダンサーの募集をした。東京からフラダンスの先生も呼び寄せたのだが素人の炭鉱娘ダンサー達と先生は衝突ばかり。やがて少しづつ心を通い合わせるのだが、村のほとんどが炭鉱閉山反対を訴えており、フラダンサー達への風当たりは強い。そんな中、「日本のハワイ」オープンの日は迫っていた。

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昭和40年頃、炭鉱の需要は石油などの普及により徐々に下降していて、
炭鉱の町村は危機を向かえていた。
そんな危機を脱しようとレジャー施設を炭鉱会社は計画するが
炭鉱で生きていた人達にとって、到底すぐに納得出来るものではなかった。
汗水流し、時に仲間を失いながらも励ましあって生きてきた人々にとって
炭鉱は生活することの全てだったからだ。

一方で、「常磐ハワイアンセンター」の目玉となるべく、フラダンスの習得に
励む元炭鉱娘のフラダンサー達も、村を救いたいという気持ちは一緒なのだ。

自分が生まれ育った町が存亡の危機を向かえた時、今の時代の私達が
ここまで必死に立ち向かうことが出来るだろうか・・・?
そんなことを痛烈に感じました。
時に、リゾート建設反対派とぶつかりながら、それでも
フラガールたちが頑張ってこれたのは、何かをやり遂げたいという気持ちと
仲間との友情、そして何よりも村と家族を守りたいという強い思いからだろう。

しかし、フラガールたちも最初から懸命になれたわけではなく
フラの先生の厳しくも優しい励ましがあったから。
先生とフラガール達の友情と師弟愛の中間の様な、なんとも
素敵な関係を築き上げていく過程が、とてもよく表現されていたと思う。
チョット気の強い先生役の松雪泰子はとてもはまっているし、
まどか先生のフラダンスのシーンはとても見ごたえアリでした。
フラガールの一人、南海キャンディーズのしずちゃんも頑張ってましたね~。
しずちゃんが登場するたびクスッと笑わせてくれて、緊張感をほぐしてくれます。

う~ん、それにしてもフラダンスってあんなに素敵なダンスだったんですね~♪
フラというと、腰の動きに目がいきがちだけど、
手の動きのなんともしなやかで色っぽいこと!
フラの手の動きには全部意味があるとは知っていたけど、
あんなに思いのこもった艶やかなものだったとは。
先生役の松雪泰子の手の動きは特に美しいと思いました。

クライマックスのダンスシーンは、一緒に手拍子をとりたくなるほど
素晴らしくて大興奮♪
観にいこうか迷っていたけど、スクリーンで観て本当に良かったと感じました。

フラガール達の最高の笑顔に心から拍手を送りたい!
そんな気持ちにさせてくれました。


 


耳に残るは君の歌声

2006年10月15日 | 映画鑑賞




やさしい歌声、悲しき思い出


耳に残るは君の歌声
2000年アメリカ/イギリス公開
原題:THE MAN WHO CRIED
監督:サリー・ポッター

【フィゲレ/スージー】クリスティーナ・リッチ
【チェイザー】ジョニー・デップ
【ローラ】ケイト・ブランシェット
【ダンテ】ジョン・タトゥーロ
【フィリックス】ハリー・ディーン・スタントン

あらすじ
1927年ロシア。ユダヤ人の少女フィゲレは自身の村を暴漢に追われた為、出稼ぎでアメリカに行った父を探して旅立つ。父との思い出は美しい歌声の、子守唄。しかし、いきついた場所はイギリス。名前もスーザン(スージー)と変えられてしまう。やがて美しい娘に成長したスージーはパリへ行き、ジプシーの青年チェイザーと出会う。やがて2人は愛し合うようになるのだがユダヤ人迫害の闇が迫っていた・・・。

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日比谷のシャンテシネの「シャンテシネ20thスペシャルウィーク」で
上映された「耳に残るは君の歌声」を観てきましたよ♪

せっかくジョニーの出演映画を観に行ったのに、鑑賞マナーの悪い人がいて・・・。
前の座席に足を乗せて観てる人が隣の隣にいたんです。
私の隣は空席。だからその人の言動が丸分かりなんです。
まったく、行儀が悪いったら・・・!! 
そんなこんなで、チョット集中出来ませんでしたが、気を取り直して記事を・・・!

 

<ネタバレです!>

この映画は、今から6年程前の作品になりますね。
ジョニーの過去の作品をスクリーンで観れるのは本当に幸せなこと。

主役はジョニーではなく、あくまでも、クリスティーナ・リッチです。
ジョニーとクリスティーナはスリーピー・ホロウでも共演済み。

スリーピー・ホロウの頃は少女っぽさが残っていたクリスティーナですが
今作ではぐっと大人の女性へと成長し、
過酷な運命に翻弄されながらも、けなげに生きる女性を演じています。

しかし、何と言ってもジョニーがカッコいい!
ジョニーはジプシーのチェイザー役を演じていて、後半より登場。

あのジョニーが白馬に乗って登場するのだからファンはたまらないですよね。

けれどこれは、第二次世界大戦直前のお話。
戦争の悲惨さや、ユダヤ人の迫害の悲劇などをテーマにしています。

迫害の悲劇は、ヒロインの父との別れ、生れ故郷との別れ、
そしてついには愛する男性との別れにまで発展していきます・・・
戦争や迫害がいかに孤独と悲しみを生み出していくものかを訴えかけてきます。
とても素晴らしい作品だけど、話の流れがなんとなく単調でメリハリが無いような気がして
もう一つ、心に響くものが無いような気がしました。

しかし、その中でもスージーとチェイザーの出会いから
別れまでの物語はとても心に残ります。

スージーはユダヤ人であることと、フィゲレという本名を隠し、
父の優しい子守唄を思い出してはいつか会えることを夢みている。

チェイザーはジプシーだけど、そのことを決して恥じておらず
むしろそれを誇りにし、仲間を「家族」とよび、「家族」のために生きている男。
頬にキズがあり、いつも節目がちでどこか影がある。
無口だけど、その分ハートは熱い男だと私は思う。
このジョニーの「陰」の魅力がたまりません。

どこか心に寂しさを抱える二人は、会った時から何か感じるものがあったのだろう。
口数の少ないチェイザーは、ジプシー仲間の以外の人間とはあまり心を開かないようだ。
しかし、スージーがジプシーの仲間と共に歌をうたうと
彼女の人柄に触れたかのようにニッコリと微笑むのだ。

ココから2人の関係は急速に発展していく。

つかの間の幸せ。
しかし戦争の影と迫害は、2人を離ればなれにしてしまう。

ジョニーの「陰」の魅力は、別れの涙のシーンで最大に発揮されるのです。
「・・・to my Suzzie・・・」その一言に思いのたけを込め
愛するスージーを抱き・・・無口な男が声を殺して泣く。
普段、感情を表に出さない男の最大の感情表現。
もう、スクリーンに引き込まれずにはいられません。

幼い頃、出稼ぎのためアメリカに旅立った父と別れたスージー。
その心に残る父親の思い出は、美しい声で歌う子守唄だった。

そして今また、チェイザーの心に残るのはスージーの歌う歌なのかもしれない。
彼女の歌を思い出し、無口は男は時折、声を殺し泣くのかもしれない・・・。
そう思うとたまらなくなるのだ。

父との涙の対面を果たしたラストシーンよりも、
スージーとチェイザーの別れのシーンの方が、より印象的に心に残る。
そんな作品だと思う。





イルマーレ

2006年10月06日 | 映画鑑賞





不思議なポストが導く、時を超えた恋


イルマーレ
2006年日本公開
原題:THE LAKE HOUSE
監督:アレハンドロ・アグレスティ

【アレックス】キアヌ・リーヴス
【ケイト】サンドラ・ブロック

あらすじ
アメリカ、シカゴ。湖のほとりにある、個性的なデザインのガラス張りの家。2006年、女医のケイトはこの家から引っ越すことなり、次の住人のために宛てたメッセージを、ポストに残す。ところがこの手紙を受け取ったのは、2004年にこの家に住むことになった、建築家のアレックスだった。2年の歳月を超え、不思議なポストを通じて2人は手紙のやり取りをしていくうちに、互いにひかれあっていくが・・・。

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キアヌ・リーヴスとサンドラブロックの話題作、「イルマーレ」。
大人のムードたっぷりの、ラブストーリーが観れるのを楽しみにしていました。

惹かれあう男女の間には、なんと!2年の歳月が・・・。
こんな不思議で面白い設定の話しって、好きなのですね~私は。

けれどですね・・・あるシーンで、
「ああ、このシーンはきっと最後にかかわる重要なシーンだな。」
と解ってしまったのです。
そのためか、どこかどっぷりとストーリーに酔えることなく最後のシーンを
迎えてしまった・・・という感があります。

話しの設定はとても面白いと思うし、主役2人の演技もとても素敵。
それだけに、もうひとひねり欲しかったかな~と思っちゃいました。

けど、この映画がつまらないわけではないし、
会いたいのに、2人の間には2年の歳月があって・・・どうしても会えない。
この切なさは、痛いほど伝わってきます。
「どうしても、ケイトに会いたい。」
キアヌ演じる、アレックスの表情と演技はとてもいい。
どちらかというと私は、ケイトよりアレックスに感情移入しながら観ていたような気がします。

2人のラブシーンともいえるダンスシーン。
このシーンは、スゴクよかったなあ。
アレックスの切ない気持ちが痛いほど伝わってくるシーンです。
このシーンは、観る価値あるかも~!

そして、準主役ともいえるのが犬のジャック。
この犬が、人間っぽくて笑わせてくれるのです。
シリアスなこの映画の唯一、ユーモアをあたえてくれるのが、この、メス犬なのに
ジャックと名づけられた犬だと思う。
どのヘンが人間っぽいのかは見てのお楽しみ♪

この映画は、2人のラブストーリーだけに重点を置かれているわけでなく
アレックスとアレックスの父親との確執も描かれている。
2人の間に生じてしまった溝。このサイドストーリーも重要な意味を持つことになる。

ところで。この映画のタイトルを、なぜ、「イルマーレ」にしちゃったんでしょうね。
原題の「THE LAKE HOUSE」の方が個人的にはいいと思うのですが・・・。

最後にかかわる重要なシーンが、読めてしまったことはチョット残念だけど
秋にふさわしい切ないラブストーリ・・・なかなかよかったですよ。

けど、何より残念だったのは、キアヌがラストをしゃべってしまったことかな。


 


マッチポイント

2006年09月25日 | 映画鑑賞





危ういマッチポイント、勝敗の行方


マッチポイント
2006年日本公開
原題:MATCH POINT
監督:ウッディ・アレン

【クリス・ウィルトン】ジョナサン・リース・メイヤーズ
【ノラ・ライス】スカーレット・ヨハンソン
【トム・ヒューイット】マシュウ・グード
【クロエ・ヒューイット】エミリー・モーティマー

あらすじ
元テニスプレイヤーのクリスは、ある日資産家の息子トムと出会う。野心家のクリスはトムの妹クロエと出会うと、彼女と親しくなり結婚することで成り上がろうと計画する。ところがトムの婚約者ノラの怪しくも美しい魅力の虜となってしまう。やがてクロエと結婚し、今までの暮らしがリッチなものへと様変わりするが、一方でトムとの婚約を解消していたノラと再会し彼女との密会も重ねていくようになる。クリスは裕福な暮らしと愛する美しい女性、
どちらも手に入れようとするが・・・・。

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<ネタバレ気味なので、未見の方は気をつけてください>

いや~、面白かったですワ、この映画。
なんなんでしょ。この映画の魔力なのでしょうか。
いえいえ、ウッディ・アレン監督の手腕なんでしょうね。
観るほどに、ぐんぐん引き込まれます。
ラストのどんでん返しには、ものの見事にしてやられました~!

ウッディ・アレン監督の作品はいつもこんなに素晴らしいのでしょうか。
だとしたら、彼の過去の作品も観てみたいものです。



オペラの音楽にのせて、物語は、静かに怪しく進んでいく。

映画の前半は、ただのテニスコーチだったクリスが成り上がるまでを描いている。
クロエと結婚することで大企業に勤めることに成功したが、
美しい愛人とも危険な逢い引き。
愛人のノラが本当に魅力的で、女でもあの色気に見入ってしまう。
クリスがノラにどうしようもなく惹かれてしまうのも、
ノラの魅力と、ジョナサンの見事な演技で無理なく理解できる。

織り込まれている2人のラブシーンがとてもエロチックだけど
2人がそれほど愛し合っているということなんだろうなあ。

野心家のクリスは、2人の女性との二重生活を上手くこなせると思っていたのだろう。
しかし、不倫は不倫。いつまでもこんな状況が続くはずもなく・・・。
妻からは「子供が欲しい」と強くせがまれ
愛人からは「妻と別れて」と迫られるようになる。

そして、映画は後半へ・・・。

2人の女に嘘に嘘を重ねて、クリスは追い詰められ
もはやごまかしも利かなくなり、クリスはある決断をする。

このクリスの焦りや緊迫した感じをジョナサンは実に上手く演じていて
こちらまで手に汗をかいてしまうほど。
う~ん、ジョナサン・リース・メイヤーズ・・・この先も楽しみな俳優さんです。
野心家らしく自信たっぷりな前半と
追い詰められて余裕をなくし、実は小心な部分も現われた後半。
クリスの変化をジョナサンは実に見事に表現しています。
そして、ミステリアスな瞳もなんとも言えません。



のるかそるか、人生のマッチポイント・・・。
2人の女性に追い詰められ、
クリスはあまりに危険すぎる賭けに出る。

テニスボールが、ネットではじけてこちら側に落ちれば自分の負け。
向こう側に落ちれば自分の勝ち。運がいい方が勝てる。
クリスは勝てるとふんだのだろうか。

ネットではじけたボールがどちら側に落ちるのかで大きな違いがある。
人生もこんな風に時には大きな運に左右されることがあるんだろうか?

そして本当の幸せって何なのだろう。
―裕福であること?
―子供に恵まれること?
―愛する人がそばにいること?
―大企業で働くこと?
それは自分次第なのだろうけど。
クリスが本当に願っていた幸せって、何だったのだろう。

クロエが最後に言ったセリフに私はゾクッとした。
そしてたぶん、そう感じたのはクリスも同じだと思う。
このときクリスは、自ら仕掛けたマッチポイントの勝敗の行方を
本当の意味で気付いたのかもしれない。





ユナイテッド93

2006年09月14日 | 映画鑑賞


ユナイテッド93 あの日の悲劇


ユナイテッド93
2006年日本公開
原題:UNITED 93
監督:ポール・グリーングラス

あらすじ
2001年9月11日、朝。アメリカのニューアーク空港からサンフランシスコに向けて、
ユナイテッド93便は予定より30分遅れて飛び立った。一見いつもと変わらぬ朝。
しかし93便にはこの日、ハイジャック犯が乗っていた・・・。

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2001年9月11日・・・この日アメリカで何が起きたか知らない人はいないだろう。

私はこの日の夜、ベッドの横に置かれている小さな14型のテレビから流れる
ニュースに釘付けになっていた。
ツインタワーからものすごい量の黒煙が上がるのを見ていると
隣のビルにも飛行機が―。
すると旦那が言った。
「これはテロだ・・・。」
あのときのショックをどう言葉に表せばいいのか・・・。

9.11のテロ事件は4機がハイジャックされ、2機はツインタワーへ激突。
1機はペンタゴン(国防総省)へ激突。
そして残る1機、ユナイテッド93便だけは唯一ハイジャック犯の目的を
果たすことなく、ペンシルベニア州シャンクスヴィルに墜落した・・・。

この4機の乗員乗客の生存者はいない。
なので飛行機の中で実際にどんな事が起こっていたか、
詳しいことはわかっていない。

とくに、墜落してしまった93便に関しては分からないことが多いとされているが
関係者の証言をもとにこの映画は作られている。
ほとんど無名の俳優などが多数出演し、かなりのアドリブの演技もあるらしい。
けど全然そんなこと感じさせない。
映画なのだけど、あの時の実際の映像、そのものを観ているとしか思えなかった。

この映画を観るのは辛すぎると思っていた・・・。
けど「9.11」というとツインタワーに飛行機が激突したことが主に
ピックアップされ、93便のことはほとんど取り上げられない。
だから、知るべきだと思った。だから辛いだろうけど見ようと思った。

映画は、93便をハイジャックすることになる犯人達が
神様に最後のお祈りをささげているところから始まる。
熱心な信者が神様にささげる祈り・・・・のはずだけど
この後に起こる事を思うと、恐ろしい言葉をつぶやいている恐いシーンに見えてしまった。

クルクルと切り替わるカメラワークが緊迫感をあおる。
けど、何かおかしい。
そうだ。この映画は人々が心の中で思っている感情のセリフが一切ないのだ。
なので、よけいにあの日の光景そのものを観ているとしか思えなかった。

ハイジャックされてしまった機内。
やがて、乗客にもツインタワーに2機の飛行機が激突したことが知れ渡る・・・。
「まさか、この飛行機も!?」
「何とかしなければ!」
愛する家族に最後の電話をし、
乗客たちが一丸となって犯人達の制圧と、操縦席奪還に立ち向かう!

犯人達に立ち向かう乗客たち・・・ものスゴイ勇気だ。

このシーンで泣いてしまった。
ふだんほんとんど泣くことのない映画館で、泣いた。
なぜ、人間同士がこんなに戦わなくてはならないのか。
それが悲しかった。

全然関係のない善良な人々が巻き込まれる凶悪なテロ。
二度とこんな事件、起きて欲しくない。
けど、現実には日本もテロに狙われる可能性がないともいえない。
私はあの日、たまたま、あの飛行機に乗っていなかっただけなのかも。
そう思い、「9.11」を決して忘れてはならない。

映画館のシートに座りながら、あの93便のシートに座っているような気分だった。

 


スーパーマン リターンズ

2006年08月24日 | 映画鑑賞


新生スーパーマン、大活躍!


スーパーマン リターンズ

2006年日本公開
原題:SUPERMAN RETURNS
監督:ブライアン・シンガー

【カル=エル/クラーク・ケント/スーパーマン】ブランドン・ラウス
【ロイス・レイン】ケイト・ボスワース
【レックス・ルーサー】ケビン・スペイシー

あらすじ
スーパーマンが姿を消してから、5年。彼は自分の故郷探しの長い旅を終えて再び地球に帰って来た!しかし、愛するロイス・レインにはフィアンセがいて彼女には子供がいた。愕然とするスーパーマン扮するクラーク・ケント。そのころ、宿敵であるレックス・ルーサーはスーパーマンの弱点をついての陰謀をもくろみ、着実に計画を進めていたのだった・・・。

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あのテーマ曲が流れると、ワクワクする!

それは、彼、スーパーマンが颯爽と登場する合図だから。

必ず悪をやっつけてくれる、普遍的なストーリーがそこにあるから。



                 知らず知らずのウチにインプットされていた、

                      正義のヒーロー = スーパーマン



コレほど世界的に有名な本格派ヒーローって他にいないですよね。

普段は新聞記者クラーク・ケントとして生活し、誰かがピンチの時は

赤いマントをひるがえし、飛行機よりも早くやってきてくれるスーパーマン。

地球人には計り知れないパワーで、窮地を救ってくれる姿に惚れ惚れする。

彼はその名の通り、SUPER(素晴らしい)MAN(男)なのだ。

 

そんな心優しきスーパーマン役として人気の高かった故クリストファー・リーヴの

イメージを壊すことなく、新しくブランドン・ラウスが演じている。

彼は長身でスーパーマンの青いコスチュームがとてもよく似合っていて、

あの姿はブランドンのプロポーションそのままだというのだからスゴイ。

変身すると瞳が青くなって、前髪がクルンとカールしているのもいいデスね(爆)

今回一番好きなシーンは、スーパーマンとロイスとの空中遊泳。コレはかなり素敵。

ヒーローはたくさんいるけど、こんなロマンチックな空のデートが出来るのは

スーパーマンだけかもね。ロイスがかなりうらやましかったな。



スーパーマンの活躍が際立つのも、悪役がいてこそ。

レックス・ルーサー役のケビン・スペイシーもかなりはまっています。

頭を丸坊主に剃って、悪役を怪演しています。

レックスは自分の頭にコンプレックスがあるのか、カツラコレクションがあるのが笑える。



そんなレックスの罠にまんまとはまり窮地に追い込まれても、

戦い続けるスーパーマンはやっぱりとことん正義の味方。

鋼鉄の男にも、弱点はあり、愛する人もいる。

それでもわが身をいとわず、怯まずに戦い続ける姿に心を打たれる・・・。



正体を隠し、日々悪と戦い続けるスーパーマンがこんなにも愛されるのは

彼はいつでも地球人の味方で、決して裏切ることがないから。

人間の良心の象徴みたいな人だから。

こんなスペシャルな男のその後の戦いと愛の行方の続きを見たいけど、

どうも、すんなりと行かないみたい。(こちら

どうかまた、スーパーマンをスクリーンで観れますように。


 


デッドマン

2006年07月31日 | 映画鑑賞





生と死のハザマでの旅路

デッドマン
1995年アメリカ
原題:DEAD MAN
監督:ジム・ジャームッシュ

【ウィリアム・ブレイク】ジョニー・デップ
【ノーボディ】ゲーリー・ファーマー
【セル・ラッセル】ミリ・アヴィタル
【チャーリー・ディッキンソン】ガブリエル・バーン
【ディッキンソン社長】ロバート・ミッチャム

あらすじ
ウイリアム・ブレイクは、会計士として雇ってもらうため長い汽車の旅の果てにマシーンの町にたどり着く。そこはすさんだ町で人々の顔からは笑顔が無かった。嫌な予感を感じつつ仕事先へ行ったがすでに会計士は決まっており、ブレイクは追い返されてしまう。途方にくれていると花売り娘セルに出会い、彼女の部屋へ行くことに。そこへセルの元恋人のチャーリーが現れ、怒ったチャーリーはブレイクに向かって発砲し、ブレイクをかばったセルが死んでしまう。とっさにブレイクも発砲し、チャーリーは死ぬ。しかし、チャーリーが撃った弾丸はセルを貫通し、ブレイクの心臓の横に食い込む。激しく痛む胸を押さえつつ、ブレイクはその場を逃げ出して馬を盗み、森へと逃げ込む。実は殺したチャーリーは、ブレイクが働くはずだった会社社長の息子で、怒った社長は殺し屋を雇い、ブレイクを殺すように命じる。一方、森に逃げ込んだブレイクは、ノーボディ<誰でもない>と名乗る不思議なインディアンと出会い、彼と旅に出ることになる。

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日比谷シャンテシネにて行われている「BOW30 映画際」で上映の
「デッドマン」を観てきました!!

スクリーンで初めて観た「デッドマン」・・・。
この映画の美しさをスクリーンで堪能できる幸せに酔ってきました。

六本木ヒルズのジャパンプレミアではジョニーに会えなかったけど(しつこいぞ!!)
11年前のジョニー演じる、ウイリアム・ブレイクにスクリーンで
会えた喜びはなんとも形容しがたいです。
感動です・・・・・・・。

ゆっくりとした、独特のテンポで進むこの映画。
一番最初にこの映画を観た時は、ストーリー展開が早く知りたくて
ウズウズしながら観ていたような気がします。
ブレイクは最後、助かるのか死んじゃうのか。
謎のインディアン、ノーボディーは本当はいったい何者なのか・・・
そればかりを気にして。

しかし、一度最後まで観てストーリーが分かると、少し余裕が出るからなのか
この映画は味わって観るものだということに気がつきます。
全編、モノクロで撮影されているこの映画の美しさを。

―白樺の林を馬に乗って旅をするシーン。
―ノーボディに力なくニッコリと微笑むブレイクの笑顔。
―銃を構えたままボートに乗るブレイクの姿。
どこを切り取っても美しいのだ。

銃弾が入ったままの胸に手を当て、苦痛に耐える姿さえ美しい。

この映画でジョニーが演じるブレイクは、個性的な役ではない。
臆病で気の弱いタイプの男で、どちらかといえばどこにでもいそうな男だ。
だが、心臓の横に弾丸を抱えたまま旅をするブレイクは
生と死のハザマで、だんだんと凄味をましていく。

殺人者として追われる身になったブレイクは、林の中で自分の手配書を
見つけたあたりから、徐々に野生的になって行く。
体はだんだんと弱っていくのに、目だけは眼光するどくなっていくのだ。
ノーボディしか味方のいない旅の中で、生きる事への執着を見せ始めていたのだ。
追ってくるものを次々と殺していく、もはや立派な殺し屋だった。

しかし、森の中で残酷なまでに銃で撃ち殺された小鹿を見つけた時
自分の行く末を、予見したのかもしれない。
小鹿にそっと優しくよりそうブレイク・・・、これはそう遠くない自分の姿なのか・・・。

自分の末路を察したブレイクに頼れるものは、ノーボディの言葉
『水の鏡へお前を連れて行く。』だけだった。

悲しげなギターの音色をBGMにノーボディとの『水の鏡』へ向かう不思議な旅路。

「デッドマン」はそんな、独特の世界観を堪能する美しい作品なのだ。

 


「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

2006年07月27日 | 映画鑑賞





深海の悪霊との血の契約


パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
2006年日本公開
原題:PIRATES of the CARIBBEAN/DEAD MAN'S CHEST
監督:ゴア・ヴァービンスキー

【ジャック・スパロウ】ジョニー・デップ
【ウィル・ターナー】オーランド・ブルーム
【エリザベス・スワン】キーラ・ナイトレイ
【デイヴィ・ジョーンズ】ビル・ナイ
【ジェームズ・ノリントン】ジャック・ダヴェンポート
【ティア・ダルマ】ナオミ・ハリス

あらすじ
 前作より3年。ウィルとエリザベスの結婚式当日、突如として東インド会社のベケット卿にて、2人はジャック・スパロウを逃がした罪により逮捕されてしまう。一方、海賊暮らしを満喫しているはずのジャック・スパロウは、13年前ある人物との血の契約の期限が迫っており、恐れおののいていた・・・。



水曜日は、レディースデーなので映画の日!ということで昨日は
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」
2回目の鑑賞に行ってきました♪

2回目も、とっても面白かった~!
強烈な個性の役を演じる、ジョニーデップは大好き♪
ずる賢くて、つかみどころのないキャプテンジャックは健在!
前作のジャックの登場シーンが大好きという人も多いはず。
今回の登場シーン、「ジャックをどう登場させるか」きっと製作者側は悩んだと思うなあ。
なかなかのインパクトで、ジャックらしい登場でした(笑)
前回同様、カッコいいのにどこか笑ってしまう。

前回は、ジョニーの新作映画を観ている喜びで一杯だったので、2回目ともなれば
少しは冷静に観れるんじゃないかと思っていましたが・・・。
いやー参りましたね。ますます、謎が深まってしまった(笑)

以下、ネタバレなのでご注意!!




海賊映画は当たらないとのジンクスを見事覆した「パイレーツ Part2」。
今回の見所は、空中牢獄、水車での対決、
そして観ている時はCGであることを忘れているクラーケンとの戦いだろう。
スクリーンで観ると、圧巻です。



今回、主要人物のそれぞれの思惑が交錯しているので、
お互いに騙しあい、騙され、罠にかけ、かけられ・・・。
なので、言動が謎めいていたり、明かされないままだったりしている。
もちろん、全ての言動の謎は「3」で解明されるのだろうけど。

ウィリアム・ターナー
そんな中でも、一番言動が分かりやすいのは、やっぱりウィルですよね。
父のビル・ターナーを救い出し、エリザベスと結婚したい。
全ての行動が、それに通じている。
オーリーも前作から3年経ち、29歳。すっかり大人の男になった魅力と
俳優としても磨きがかかった姿を見せてくれました。


ジャック・スパロウ
ジョニー・デップの演技は今回も最高でした。
ジャックは今回もとってもカッコいい~!
登場シーン、火薬ダルに銃をぶっ放すシーン、最後にクラーケンに挑むシーン!
どれもいい!!ケド前作に比べるとカッコいいシーンは少なめなのかな?
「3」でのカッコよさを際立たせるためだと思いたい!
コメディシーンの方が目立っていたかも。笑わせてもらいました♪

そして一番奇怪な言動をするのがジャック。
ジャックが唯一心から愛してやまない海賊船「ブラックパール号」。
その船を「たかが船だ」と言ったのも、緊急事態とはいえジャックらしくないセリフだ。
(このセリフ、直訳でもこう言っているのかな?)
が、ジャックはブラックパールを復元する方法を知っているのではないかと思った。

ティアが最後にこう言った。
「ジャックとブラックパールを取り戻すため、世界の果てまで行く気はある?」
あえて、ブラックパールを付け加えているところにヒントがある??
もともとは海の底に沈んでいた船だし・・・色々イワクがありそうな気が?
今回のジャックは謎の言動がいっぱいだけど、きっと「3」への伏線なのだろう。
でもまあ、飄々としていてつかみどころがないのが、ジャックの魅力だしね。

「3」で、どのようにジャックが復活を果たすのか、期待したい。


エリザベス・スワン
エリザベスにいたっては、ジャックを誘惑して罠にはめてしまう。
あのキスシーンは、ジャックを囮にしてこれ以上の犠牲者を食い止めるため。
そして何より、ウィルを守るため。そう信じたい。
本当にジャックが好きだったら、囮になんて出来ないだろうしね。
(しかし、この2人のキスシーンはなんか複雑・・・)

なのでエリザベス自身、仕方がないことと思いながら、後から後悔の念にかられ
ティア・ダルマの家で罪の意識におののき震えた・・・。
そう見えたのだけど・・・実際はどうなんだろう。
だとしたら、コンパスがジャックを指すのはなぜだ??
考えるほど、謎は深まる・・・(悩)


他にも、謎はいっぱいありますよね。
・ジャックがコンパスを持つと、どうして何処も指さなくなってしまったのか?
・ティアが持っていたペンダントと同じ物をジョーンズも持っていたような?
・ティアのところからジャックがくすねてきた指輪は、何の意味がある?
・バルボッサは、敵?味方?
・一度はボートで逃げたジャック、コンパスをみてパールに引き返しましたよね?
 あの時になって、コンパスは何を指していた?
などなど。


いずれにしても今作は
「3」への興味と
「2」の謎への探求心を駆り立てる作りであることは間違いない。

そして、どのように謎が解明されるかが「3」の成功の鍵と言えるのだろう。