Johnnyダイアリー

大好きなジョニー・デップのことや、映画の感想、日常の出来事を書きつづっています。

手紙

2006年11月05日 | 映画鑑賞





塀の向こうからの絆



手紙
2006年日本公開
監督:生野慈朗

【武島直貴】山田孝之
【武島剛志】玉山鉄二
【白石由美子】沢尻エリカ
【中条朝美】吹石一恵

あらすじ
両親を早くに亡くし、貧しいながらも2人だけで助け合ってきた兄弟。兄は、勉強が出来る弟を大学に行かせたくて、ある日、資産家の家に盗みに入る。ところが家人に見つかってしまい誤って殺してしまう。兄は強盗殺人の罪で塀の中へ。その時から兄弟の絆は手紙になる。しかし、世間は冷たかった。兄のことが知れるたびに弟は仕事をクビになり、住むところを追われ、夢や恋人さえも奪われてしまう。そして、あることをきっかけに兄との絆をすてる決心をし、最後の手紙を送るのだが―。

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映画館で予告を見た時から気になっていた『手紙』。
東野圭吾のベストセラー小説の映画の作品です。
原作は読んでいないのですが、
なかなか高評価らしいという話を聞き、観て来ました!!

いや~。テーマがテーマなだけに、重い、重い映画でした。
けどそれだけに、ものすごく見応えのある作品でした。
本当は心優しい兄が、強盗を決意するというのが少し納得できなかったけど
原作を読めば、強盗にいたるまでの経緯が書いてあるのだろうか―??

弟のためとはいえ、罪を犯してしまった兄。
そんな兄から送られてくる塀の向こうからの『手紙』。
「ナオ、元気ですか?なんでもいい。手紙を下さい。」
自業自得とはいえ、悲痛な叫びのような兄からの手紙には胸が締め付けられる。

「元気です。僕は今・・・」と一見平静を装い、返事を書き続ける弟だけど、
「殺人者の家族への差別」という不当な扱いに耐え続けていたのだ。
兄のことがバレるたび仕事はクビになり、兄の責で「将来の夢」まで奪われた。

そしてあることをきかっけに、ついに弟は兄を捨てる決心をする。
「兄さん、ごめん。もうこれっきり手紙を書きません。」
兄弟の唯一の『絆』となっていた、『手紙』を絶つ決心をさせてしまうのだ。

罪を犯した兄を支えたいと思いながら
一方で「兄さえ、バカなことをしなければ」と何度も思ったであろう弟。
そんな弟の苦悩を、山田孝之が好演しています。
演技力のある若い俳優がどんどん育っていることをとても頼もしく思いました。

 

「殺人者への差別」は「殺人者の家族への差別」の始まりでもあるのだ。
不当な差別だけど、世の中はそうしたもの。

大罪を犯したら、塀の向こうで孤独に耐え忍ぶだけでは済まない。
身内を殺されてしまった遺族を悲しみのどん底へ突き落とすことはもちろん
自分家族さえも苦しみの渦中へ巻き込んでしまうのだ。

こういう現実もあるのだということに、胸がさらに締めつけられた。

家族が、親しい人が、あるいは知人が大罪を犯して塀の向こうに行ってしまった時、
『手紙』を書いて支え続けてあげることが出来るだろうか。
塀の中は、どんなに孤独で寂しいだろう。
どんなにか『手紙』を待ち焦がれているだろう。
不当な差別を受けつつも、さらにささえ続けてあげることが出来るだろうか。

『手紙』は、差出人の優しさや思いやりが濃縮されたようなものだと思っていた。
けれど、人を勇気づけることもできれば、絶望のどん底に突き落とすことも出来るのだ。

弟が『絆』を絶つための『手紙』を送った後のストーリーに、
胸がとても熱くなりました。

私は、理解力が無いので一度観ただけでは
作者からのたくさんのメッセージ、そして監督のいいたかったことを
全部吸収し受け止めることなど出来ていないような気がします。

良かったとか、感動したとか、とてもそんな言葉で片付けられなくて・・・・
ただただ、胸がいっぱいでした。

DVDのレンタルが始まったら、もう一度じっくり観てみたい作品です。


 

 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます(^^) (寝起きのパンダ)
2006-11-06 05:46:57
「手紙」は、今、原作を読んでいるところです。
まだ半分ぐらいですが、最初に、お兄さんが何故
強盗殺人を犯すかが書かれています。

 殺人者の弟と知りながら理解してくれる人が
現れると裏切られそうになり、これからどうなるのか
とても気になるストーリーです。

 映画の兄弟の配役がぴったりのような気がして、
私も、DVDになるかもしれませんが観てみたいと思います。
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寝起きのパンダ様 (Pamy)
2006-11-07 01:34:59
こんばんは、パンダさん♪
コメントありがとうございます!

この映画を観終えてからも、ずっと心に残っていて
今日、原作本を買ってきました。
文庫本があるといいなと思いながら本屋さんに行ったら
何と!あるではありませんか~!!
迷わず買いました。
一気に、もう半分近くまで読みました。

映画の配役、ぴったりでしたよ!
なんだか本当に兄弟のように見えました。

とってもとっても深い話で見応えがあったので
DVDが出たら私ももう一度観てみます。
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Unknown (にくきゅ~う★)
2006-11-08 16:15:43
Pamyさん、こんにちは~♪

原作を読み終えましたよ。
原作を読んでいても、それぞれの役柄の顔が浮かんできますね~。
映画では「なぜ?」と疑問に思うような所も、キチンと書かれてて、映画より解りやすいです。

ラストは、やはり涙・涙でしたので、人前で読むのはやめた方がいいかも。
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にくきゅ~う★様 (Pamy)
2006-11-09 21:28:31
こんばんは、にくきゅうさん♪
こちらにもコメントありがとうございます(^^)

私も原作読み終えました~!!
読むごとに、映画のシーンが頭によみがえって来て
一気に読んでしまいました~。

>映画では「なぜ?」と疑問に思うような所も、キチンと書かれてて、映画より解りやすいです

うん、うん!心情なども本を読むと書いてあるので
理解しやすかったですね!!
原作も読んで正解でしたね。

私も泣いてしまいました!!
本を読んで泣いたのって初めてで、自分でもビックリ。
確かに人前では読めないですね。
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おはようございます (とらねこ)
2006-11-10 10:15:31
おお、Pamyさん、これご覧になって、本まで読まれたのですね。
本を読んで泣いたのが、初めてだったんですか・・・
>確かに人前で読めないですね
って・・・うふふ
私よく、電車の中で本読んでて、泣いてしまいます。

なんだか、この作品、テーマが『ゆれる』にそっくりなんですね。
最後はどうなるんだろう?悲しそうなお話ですね。
予告を見てたら山田孝之の演技に、ちょっとなきそうになってしまいましたよ。・・・
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とらねこ様 (Pamy)
2006-11-11 09:25:36
こんにちは、とらねこさん♪
コメントありがとうございます!

原作本もすごくよかったですよぉ~!
最後の方を読みながら涙が、つつ~と流れてきました。
とらねこさんはよく本を読まれるんですね!
私も本を読むようにしなきゃなァ~。

お!?テーマが『ゆれる』に似ているんですね。
『ゆれる』もそのうち観てみようかな??

そうそう!予告からしてとっても気になる映画だったんです。
最後…とても胸が熱くなりました。
とらねこさんも時間が出来たら是非
観てくださいね♪
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こんばんわ。 (睦月)
2006-11-13 03:42:48
先日はお祝いのコメントをありがとうございました!

Pamyさんの記事を読んでから、先日観てまいりましたよ、この作品。
ゲロゲロに泣きました。ベロベロに鼻水出ました。
ちょっと久々にこんなに泣きました・・・。

何が良かったか?って、玉山くんの演技!!最後に見せるあの表情なんかはちょっと反則なくらいに心に迫りました。

かなり重いテーマでいろんなことを深く考えさせられる作品ではありましたが、たくさんの人にぜひ観てほしい・・そう思える映画でした。
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睦月様 (Pamy)
2006-11-13 23:15:18
こんばんは~睦月さん♪
コメント&トラバありがとうございました!

睦月さん、かなり泣いてしまったようですね~。
泣けますよね!この映画!!
ただ泣けるだけでなく、色々考えさせられる内容でした。

あのラストの玉山さんの演技はかなり凄かった!
玉山さん、ダイエットしてあの役に望んだようですね。
弟への感謝と謝罪、そして自分のしたことの後悔
全てが入り混じったようなあの表情は
見ごたえアリ!でした。

私も、なるべく沢山の方に観てほしい映画です。。。
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