北信濃寺社彫刻と宮彫師

―天賦の才でケヤキに命を吹き込んだ名人がいた―

■06I 大久保組の祭り屋台(飯山市静間)

2016年09月21日 | 06 北村喜代松(正信)

明治22年。彫工:北村喜代松、平坂八十吉(芳文)、北村直次郎(四海)。

飯山市の祭屋台と云いますと秋津地区の5台の屋台があります。その内訳は、

 静間地区     3台:大久保組、中町組、北畑組・・・・静間神社

 蓮(はちす)地区  2台:上若連、北若連    ・・・・・信国豊濃神社

今回、静間の大久保組の屋台を紹介します。

前方の舞台天井部 『丸龍』。

 

長野市のなが祇園祭の主要な屋台と同じように 一層二輪形式です。前方部には、その年に話題になった大河ドラマ、アニメ、スポーツ選手などが張りぼてで作られて飾られます。

 

大久保組屋台の前方からみたもの。

 

向って左側面。後方の御簾周囲を飾る入額『竹に鳥』。上部の欄間は二十四孝の『郭巨』。(貧しい郭巨は、父母への食事を優先させ、妻と一緒に我が子を山へ捨てようとするが掘った穴から黄金の入った甕がでてくる場面)

 

向って右側面の入額。

 

前方から見上げた屋台。

 

屋台前方上部。 破風入は、二十四孝の『楊香』(虎に襲われそうになった父の身代わりになろうとする揚香)

下の欄間の題材は、『桃園の誓い-劉備、関羽、張飛』(三国志)でしょうか。


下部の欄間の拡大。右は劉備でしょうか。



同欄間の左隅に刻銘があり。市振村(新潟県)の彫物師3名の名がある。

 

前方部懸魚『鳳凰』。


後方の屋台部分。

上部の欄間 『祝鶏翁 (祝鶏公)』。喜代松が好んで使用した題材で鬼無里の祭り屋台にもあります。鶏を飼っていた仙人。

 

同部の拡大。

 

 

 


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