北信濃寺社彫刻と宮彫師

―天賦の才でケヤキに命を吹き込んだ名人がいた―

■50p 熱田神社本殿 (長野県上伊那郡長谷村)

2018年02月26日 | 50 その他の彫工
 花輪の有力彫工であった関口文治郎が、彫工として関わった長野県の唯一の建造物で、重要文化財になっています。宝暦12年11月上棟。  「なぜ、花輪の彫工が南信地方で?」と疑問が生じます。これは、妻沼聖天山本殿の棟梁を務めた武州妻沼の宮大工(平内大隅流)の林家と、関口文治郎の関係からわかります。熱田神社本殿の大工棟梁であった池上善八は、長谷村出身の大工で、妻沼の林兵庫の門弟でした(文書に、「大工棟梁 . . . 本文を読む