甚六ぶらぶら日記

岩手の穀潰し主婦・甚六の覚書

愛宕山

2008-02-15 18:01:33 | 盛岡散歩


 盛岡グランドホテルには結婚式で何度か行ったことがありますが、その上に登って行こうなんて考えたこともありませんでした。大体、ここが公園だなんてことも知らなかったくらいです。
 道路は乾いてきたものの、びゅうびゅうと冷たい風のふく中、愛宕山に登ってきました。もちろん車でですが。グランドホテルの駐車場に誘導されそうになりながら・・・。

 愛宕山は標高196.3m。中央公民館の裏手に当たります。また、北山散策路の東の起点になっています。
 愛宕山展望台は皇太子ご成婚記念に作られました。なんだか不思議なシルエット。大鳥居みたいです。雪の広場に残るのは、雪だるま?


 展望台の上から、東側、つまり岩山の方角を見ています。岩山の展望台が見えていますが、岩山の方がずっと高いのがわかります。


 弧を描くバルコニーに2つの階段で上って行く、というデザイン。ローマの競技場をほうふつとさせる、と言ったら大げさでしょうか。何となく葛西臨海水族園を思い出しながら上りました。

 
 実はこの碑を見るために行ったようなものなのです。立原道造の詩碑です。写真は真っ黒でなんだかよくわかりませんが・・・。寒くて寒くて「とりあえず写真撮って帰ろう」という気分だったもので、いつにも増してひどい写真です。

  アダジオ

 光あれと ねがふとき光はここにあった!
 鳥はすべてふたたび私の空にかへり
 花はふたたび野にみちる
 私はなほこの気層にとどまることを好む
 空は澄み 雲は白く 風は聖らかだ


  詩人・立原道造は昭和13年(1938)友人深沢紅子の父の山荘であった「生々洞」に1ヶ月ほど滞在します。生々洞は愛宕山のふもとにあり、立原は愛宕山中をよく散策していました。
 立原道造「盛岡ノート」は内容も装丁も美しい、小さな本です。昭和53年にかわとく壱番館から出版されその後絶版となっていたものが、昨年(平成19年)1月に東山堂書店から再刊となりました。
 もっといい季節になったら(いつもこればかり書いている気がしますが)「盛岡ノート」を持ってもう一度愛宕山に行き、散策路も歩いてみたいです。