
スルポン=バンテン線の客車鈍行に約2時間半揺られてランカスビトゥンに到達し、客車溜まりをウロウロして所期の目的を達成した後は、午後3時30分過ぎのアンケ行鈍行の時間まで1時間半ほど余裕がありました。そこで、落花生。様とお会いした際にチラリと伺ったランカス駅西のラブアン線廃線跡にふと興味が湧きまして、普段は廃線跡趣味をカバーしていない私ではありますが、ランカスの街歩きを兼ねてブラついてみることにしました。
落花生。様によると、このラブアン線はランカス駅西の鉄橋を渡ったあたりから分岐していたとのことですので、まずはその鉄橋を目指すことにします。とはいえ、その場の思いつきによる廃線跡探訪ですので、当然手許に地図はなし! (^^;) どうせランカスから西の線路は本数少ないだろ?ということで、半ば沿線住民の生活通路と化した線路を歩くことに。カンカン照りの下、カメラをぶら下げて歩くキモヲタの姿に好奇の視線を注ぐ沿線住民の皆様に向け、テキトーに愛想笑いを振りまきつつ、右方向に大きくカーブを切りますと、何とそこには遮断機のない大踏切が! そしてその奥に、目指すチウジュン川の鉄橋が堂々展開しています! しかし、この鉄橋は歩行用の踏み板や側面の欄干が、眼下には茶色の濁流が渦巻いていますので、そのまま歩くのはパス。すぐ上流側に別の立派な道路橋がありますので、そちらを渡ることにしました。

その後は幸いにしてすぐに、再び線路に入る入口を発見。線路脇住民の皆様の「撮って♪」というリクエストに応えつつ(ジャカルタ中心部のようなツンとした大都会を除き、インドネシア人は総じてカメラに撮られてヒーローorヒロインになりたい症候群です。笑)、とりあえず分岐跡らしきものを探したのですが、コンクリート枕木でそこそこ重軌条な線路が右にカーブしたのち真っ直ぐ勾配を登って行くのが見えるのみ……。あちゃ~分けがわからん。やがて踏切が見えましたので、この先の廃線跡探訪は諦め、踏切の左側に入って緑に包まれた庶民の住宅街をぶらついてみることにしました。
すると……道路が不自然に急勾配で登るところが真正面に! これはかつて、鉄道の築堤上の踏切へ向かうアプローチだったに違いない♪と思い、小躍り気分で上に立ったところ、まさにビンゴ! ここからランカス側はデコボコ道を経て家屋の中に廃線跡が消えて行き、その家屋がちょうどメラク方面へ向かう本線とのあいだに立ち塞がっているかたちになっていることが判明~。後で帰り際に仔細に眺めてみたところ、かつてラブアン線との分岐点の線路脇礎石であったのではないか?と思われる遺物も発見しました。いっぽう、ラブアン方向に向かっては立派な舗石が敷き詰められ、日本のそれと同じように廃線跡生活道路or遊歩道として活用されています。そこで、そのまま道なりにズンズン進んで行きますと、確かにかつて線路であったことからして、実に起伏が緩やかで歩きやすい道が続いており、しかも線路脇は完全に庶民の世界となっており、実にディープで愉快な散歩道です。ヒマそうな一家が「やぁ」と声をかけてきましたので、テキトーなインドネシア語で「Jalan ini, kereta api?」と訊いてみたところ、「Ya, ya! Journalist? Cameraman?」という回答が返って来まして、ますますビンゴ! まぁ職業はどちらでもなく、ただのKereta api maniaなんですけどね~。
とまぁこんな感じで、どこまで行っても廃線跡が庶民の住宅街となっていましたので、テキトーなところで切り上げてもとのチウジュン川鉄橋前大踏切に戻って来たところ、ちょうどチレゴン方面からの石炭列車 (確かブカシの発電所に石炭を運ぶヤツでしたっけ?) が到着!! しばらく踏切手前で停車したのち、やがて踏切警手が交通整理を始め、完全に車とバイクの流れが止まったのを確認の上ゆっくりと横断していったのですが、その一部始終はまるで臨海鉄道的ノリ! (笑) そういえば最近は多忙のため臨海鉄道系を全然撮ってないなぁ~などと思いつつ、最新罐CC206が悠然と通過するのを激写したのでした。

ランカス駅から西へ。まずは北へ向かって大きくカーブ。

チウジュン川の鉄橋(メラク側から望む)。脇に道路橋があり一安心。

お茶目なグランドママ版・○KT48?

薄い板or葉を細工した壁材?を街に売りに行く兄ちゃん。

全然廃線跡らしきものが見当たらないため、メラク方向にこれ以上ズンズン進むのはやめ、手前の踏切を左に曲がりました。

独立記念日を控え、メラ・プティ(紅白のインドネシア国旗)の装飾に包まれた住宅街の奥が……あれれ?不自然な急坂に。

これは如何にもな廃線跡歩道♪

すっかり庶民街の路地と化しています (笑)。

風情ある道が続きます。女の子が好奇心たっぷりに私の方をチラチラ (^^;

まだまだ先があるわけですが、きりがなく時間の制約もあるため、ビミョーに真っ直ぐではない交差点で引き返すことにしました。

山羊さんこんにちは。いずれサテ・カンビンになる運命か……。

廃線跡をランカス駅に向かって真っ直ぐ戻ろうとすると、現存する本線の大カーブに合流する直前で、廃線後に立ち並んだ住宅に阻まれます。

というわけで、大人しく線路に戻りまして、かつての分岐点を望む。

分岐点にて、廃線跡方向にも線路の礎石らしき物体が辛うじて残っていました。