地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

上毛電鉄イベント「もう一つの混結」

2006-05-30 21:02:10 | 地方民鉄 (関東北東部)


 旧型車を中心にご紹介してきた上毛電鉄創立80周年イベントですが、せっかくですので最後に現在の主力である元井の頭線・710+720形の画像をアップしてみましょう。
 とは言っても、単に載せるだけでは面白くありませんので (^^;)、ちょっと一ひねり……。初日の撮影会で展示された713+723編成が、デハ104と連結された状態で側線に留置されているシーンです。これもイベント初日・27日の朝9時過ぎに撮影しました。言うまでもなく、車庫の一番奥に留置された無動のデハ104を展示位置まで引っ張り出してくるために連結されているのですが、見ようによってはこの「混結編成」もこれからイベント走行に出動しそうなリアリティがありました (と申しますか、走って欲しいですね~^_^;)。横にある木造の作業所、それに奥の緑の木立と合わせて、如何にも地方私鉄車庫の隅っこという雰囲気が漂ってくるお気に入りのカットです (^^)。



 そしてこちらは撮影会の本番。残念ながら、デハ101と104の並びは2日目までお預けとなってしまいましたが (T_T)、まあ赤ガエルを間に挟んだ構図も「上毛電鉄の過去と未来」という感じで悪くはなかったです (^^;)。そして、特に真ん中のデハ713の行先表示幕はしばしばクルクルと回され、訪問者がいろいろなバリエーションを楽しめるよう配慮がなされていました。個人的には、ふだん設定がない「粕川」表示に思わず「うひょ~」(^^;)。
 この3両の撮り方としては、もちろん正面から並べて撮るのも欠かせない記録でしたが、個人的には車庫北側のやや高い位置にある道路から↑のようなアングルで撮影するのが一番まとまりがあるかな~という気がしています。
 さて上毛710+720形は、この713+723編成を皮切りに、正面を編成ごとに別の色にするという「井の頭線化計画」がスタートしているわけですが、クラの中を見学している際に小耳に挟んだところによりますと、現在全般検査中の編成が出場するあかつきにはクリーム色になるとか。でも、側面の帯色と正面の色が全く一致しないというのは美観的にどうか?という気もしますので、側面の赤帯もクリーム帯に貼り変われば良いな~と思っています。
 以上、4回にわたって上毛電鉄イベントネタをお送りしてきましたが、マイカー王国上州にあって奮闘を続ける上毛電鉄が地元とファンの両者に愛される鉄道としてさらに発展することを願って締めることにします (^^

上毛電鉄デハ101・前パン姿プチ祭り

2006-05-29 21:48:24 | 地方民鉄 (関東北東部)


 上毛電鉄のイベント走行は、これまで訪れた経験から言っていつも午前10時・大胡発中央前橋行きから始まりますが、だいたい開始1時間前にあたる9時頃に大胡を訪れますと、既にパンタを上げたデハ101が出番直前の表情を見せてくれるという美味しいひとときが待っています。前に訪れたときは、駅舎と西桐生側踏切の間にある側線でデハ101がパンタを上げた状態で停車しており、踏切周辺から形式写真を撮り放題でした (^^)。そして今回も……まだイベントが正式に始まっているというわけではないのに、上毛電鉄側の粋な計らいによって訪問者はさっそく車庫の中に入ることが出来ました。そこで、連結運転時は隠れてしまった前パン側 (with貫通路) を中心に、あれこれと角度を変えて撮影を大いに楽しんでしまいました (^o^)。
 この時点での訪問客は、何と上泉駅でご一緒していたKaz-Tさんを含めて僅か10数人ほど! 十分に余裕のあるスペースを生かして、何とも贅沢極まりないプチ撮影会となったのでした……!



 その後、9時20~30分頃だったでしょうか、いよいよ710+720形編成と連結するための入換作業が始まり、ゆっくりと庫内を動く姿をうまくとらえることが出来ました (*^^*)。そして、数人の係員の方々が見守る中で連結作業が完了! 奇跡の連結の本番が始まる瞬間を見届けたのでした (^^)。
 なお、先日の記事では「総括制御」と記しましたが、その後あれこれネット散歩してみたところ、やはり大幅な改造を加えない限りこれだけ違いがある車両どうしの総括制御は不可能のようで (琴電はカルダン駆動車を含む全車が旧型車のHL制御とブレーキ方式に合わせてあるようです)、何と昔の総括制御不可ディーゼルカーよろしく協調運転によって走らせたとのこと! しまった……デハ710側に運転士が乗っているかどうかチェックするのを忘れていました (^^;

上毛電鉄デハ104の鮮やかな「復活」

2006-05-28 12:28:00 | 地方民鉄 (関東北東部)


 上毛電鉄創立80周年記念イベント訪問ネタの第2弾は、1980年頃までの黄色一色旧塗装を身にまとってファンの前に美しい姿を見せたデハ104の話題です~。
 上毛の古豪・デハ100形は、1928年の上毛電鉄開業時に4両が導入されたもので、昭和初期の電車らしくお椀型通風器を屋根に載せているあたりも含めて如何にも地方私鉄らしい電車として長年活躍してきました。しかし80年に元西武車の入線により2両が廃車となり、残った2両は区間運転用として活躍を続けたものの、90年代後半になるとその用途も廃止となった結果、101がバラストホキ牽引車&イベント用車として残り、104は廃車……という経緯をたどって来ました。
 ただ、101・104は揃って群馬県産業遺産の指定を受けているとかで、104もすぐに解体されることはなく、長らく物置代わりとして使われてきました。車庫の片隅でボロボロな姿をさらしていたのはかなり痛々しかったですが……。
 そんなデハ104が、このたび上毛電鉄創立80年に合わせて美しく整備され、しかもかつての黄色一色カラーを身にまとったということですからもう大変! いろいろな私鉄関連書籍を読むにつけ、黄色一色時代の上毛旧型車百花繚乱ぶりに、いつも「もっと早く生まれていれば……」という思いを抱いていただけに、1両が当時の姿を再現しただけでも本当に満足です (^^)。



 しかも、何がとりわけ感動的だったかと申しますと……車体だけでなく、床下の台車・機器類までもグレーで丁寧に塗装され、とても廃車済みの車両とは思えない (と申しますか、まさに全検上がりの車両としか思えない) ほどピカピカなことです! 
 これだけでもファンサービスとして十分過ぎるほどだと思いますが……さらには何とパンタグラフまで上がっており、今にも釣掛サウンドを奏でながら動き出しそうな雰囲気に、「訪れて良かったぁっっ!!」という喜びは絶頂に達したのでした v(^o^)v。
 特に、この2カットを撮影したのは、記念列車が大胡から中央前橋へ出発した直後で、ちょうどそれと前後して、車庫の一番奥に留置してあったデハ104が713+714編成によってこの位置まで引っ張り出されて来たのですが、その頃、上毛電鉄を訪問したほとんどのファンは、乗るか沿線で撮るかのどちらかでしたので、大胡の車庫周辺には私を含めて2~3人しかいませんでした。というわけで、美しい姿をほとんど独り占め……!
 何はともあれ、ここまで徹底したレストアぶりを実現してファンに披露して下さった上毛電鉄には、とにかく感謝!感謝!です。これからも丁寧に保存して頂き、今度は開通80周年=デハ100形登場80周年の際に改めて美しい姿を披露して欲しいものです。その際には、もっとサイドから写真を撮りやすいようにして頂けるとありがたいですね~。

上毛電鉄創立80周年スペシャル編成!

2006-05-27 21:16:35 | 地方民鉄 (関東北東部)


 折角の5月だというのに雨模様の週末となってしまいましたが、今日27日は上毛電鉄の会社創立80周年 (開通は1928年ですので78年目) を祝うイベントが開かれ、特に開業以来一貫して現役・車齢78年の超オールドタイマーであるデハ101と、井の頭線からやって来た現在の主力・デハ710+クハ720が手を携えて走るという、まさに奇跡に近い列車が走りました! そこで、元々小中学生の頃からローカル私鉄と戦前派電車が大好きで、さらに井の頭線3000系も数年間毎日のように利用したことがある私としては、まるで琴電のような衝撃的な組み合わせにいてもたってもいられず、朝3時起きして行って参りました (^^)。
 まあ、基本的にイベントは人が多くて苦手なのですが、これまでの経験から言って上毛電鉄のイベントは本当にローカル私鉄電車が好きな人だけが静かにまったりと集う雰囲気がありますので、今回は気楽な気分で参加し、実際にのんびりと楽しんできました。
 朝9時過ぎに大胡に着きますと、昼間の撮影会が開催される庫内は早くも撮影者に開放されており、本番を控えたデハ101が1両だけで留置されているシーンを、まだわずかな数だった同業者の皆様と堪能しました (^^)。その後、いよいよデハ101が動き出し、デハ710+クハ720と連結! 本当に総括制御できるのだろうか……と固唾を飲んで見守っていたところ、見事に3両で動き出し、思わず内心で拍手喝采です! (^o^) いや~、お椀型通風器の古豪が、今でも渋谷駅に出入りしている車両と同じ形式のステンレスカーと手を取り合っているというギャップがたまりません (*^^*)。
 その後、まずは大胡駅を発車するシーンを後追い撮影しましたが、京王3000系のカルダン駆動音が鳴り響いた直後に「グォォォォォ~!!」という猛烈な釣掛サウンドが耳元をかすめて行ったときの新鮮な音のミックスに改めて感動が走りました!



 後続の中央前橋行で追いかけたあと、今度は島式ホームの上泉駅にて、中央前橋から折り返してきたスペシャル編成を撮影しました。このアングルは踏切保安機器の関係で定員1名ゆえ、先客がいないかとやきもきしましたが、無事にキープできて一安心。そして、確実に決めた後はそのままデハ101に乗って大胡へ戻りました。上泉から大胡までは上り勾配の連続で、デハ101の雄叫びがひときわ大きくなるたびごとに「あぁ……来て良かった!」としみじみ (^^;)。3両編成のうち、客は圧倒的にデハ101に固まっており (笑)、立ち客も出る盛況ぶりでしたが (途中から乗った身ゆえ、私も立っていました)、一部の「鉄」な方はすぐ後ろのデハ710形に乗って、後ろからデハ101の奮闘ぶりを眺めていたようです。考えてもみれば、カルダン駆動音と釣掛駆動音を同時に聴くことが出来るという妙味を味わえることから、そちらに乗ってみても良かったかも、と思います (^^;;)。
 こんな感じでなかなか味わい深い新旧車両のデコボコ混結、明日28日は大胡~西桐生間で運行されますが、果たして天気はどうなることやら……。撮影名所の粕川~膳間を走ることから、撮り鉄の方は明日の方が多いのかも知れません。
 そして今回の上電訪問のもう一つの目的は……美しいイエロー旧塗装を復活させたデハ104 (廃車済みながら現存) を激写することでしたが、こちらについては現在制作中ですのでしばらくお待ち下さい (^^;

東関東新緑DC紀行 (6) 茨城交通のスカ色

2006-05-25 18:10:32 | 地方民鉄 (関東北東部)


 他の話題が間に挟まったり、多忙でなかなか更新する時間がなかったりで、もう訪問時から数えて20日以上経ってしまいましたが (汗) 黄金週間の茨交訪問の続きです。
 今回の訪問では、あっと驚く国鉄準急色の復活を見てみたかったのもさることながら、昨年夏に訪問した際には那珂湊の車庫で昼寝をしているだけだったスカ色のキハ222が実際に快走しているシーンを眺められるかどうか……も気になるところでした。一応、茨交側のアナウンスでは「国鉄色単行」とありましたが、そうなればタラコ色以前のキハ20系標準塗装を身にまとったキハ205の出番も当然あり得ました。ただ、これについては既に走行シーンやキハ112 (→鉄道博物館に保存のためJR郡山工場へ) との混結シーンを撮ったことがあるため、やはり出来ればスカ色と準急色が稼働していて欲しいと思いつつ、一路勝田へ……。
 勝田に到着し、JRのホームから入線シーンを撮るべく待ちかまえていたところ……青とクリーム色が見えた瞬間「よしゃー!」と思わず小躍り (^^;)。そして、早速DMH17の鼓動や木製の床にしびれたあとは、中根周辺を3時間近くウロウロし、様々なアングルから撮影を楽しみました (^^)。



 その後、阿字ヶ浦・磯崎付近で撮影し、さらに平磯駅すぐそばの切り通しへ移動。緑のスロープに囲まれた中を行くスカ色にちょうど斜光線が当たり、これまた何とも非電化ローカル車両の奥深い味わいを感じさせるカットになりました (^_^)。
 最後の締めは那珂湊駅。如何にもローカル線の車庫駅らしく複数の側線が広がる中をのんびりと出入りする列車を撮ったり、徐々に風化の道をたどりつつあるキハ200形×2 (国鉄→鹿島臨海を経て入線したグループ) を撮ったり、さらには日通支店のシブい佇まいや茨交バスがたむろする車庫を眺めたりしていますと、あっという間に時間が過ぎて行きます。昭和の香りがそのまま漂う待合室で、何種類か売られている硬券の記念切符やグッズを品定めするのも楽しいものです。
 そして夕方5時半、再び勝田行きに乗り込んだ後、約半日にわたって眺め続けた田園の暮れなずむ風景をキハ222のボックスシートの中から眺めるという贅沢を味わいながら帰路についたのでした。
 いや~茨交で国鉄色DCに浸りきる一日……最高でしたね (*^^*)。

 そんな茨交、車庫の奥ではキハ223が台車を外されて全般検査 (?) を受けていました。じっくり時間をかけながら再びピカピカな姿を見せてくれるのでしょうが、果たしてどのような塗装になるのか、今から非常に楽しみです。
 一応、茨交の旧型DCの中ではキハ223とキハ2005が標準塗装を身にまとっていたわけですが、キハ2005は軽快DC・キハ3710と同じく、車体中央部のラインが割と窓に近い位置に引かれており、キハ223は「標準塗装の旧バージョン」(何とも分かりにくい表現で恐縮です ^^;) のまま現役で活躍してきた最後の車両でした。趣味的にはお世辞にも似合うとは言えないため (^^;)、多分再び茨交標準塗装になることはないものと思われますが……。
 個人的には、余り国鉄色ばかりでも何なので、白ベースに水色帯の茨交旧塗装を期待していますが、キハ55系風の塗装や「タラコ色」も悪くないかな……と (^^;)。あれこれ予想している間が一番楽しいのかも知れません。