
四半世紀以上にわたり秩父路に君臨した国鉄101系あらため秩父1000系。その最終営業運転(貸切)が行われてから1週間が経ちました。その詳しい模様は、いつもお世話になっております「きえふにいさん」様のブログで熱くレポートされているほか、ネット上で既に数多く語られているところです。
では、80年代から秩父1000系に乗って撮っていた私はどうかと申しますと、結局オレンジ1003Fの1本のみとなってから一度も訪れる機会がありませんでした。これもひとえに、ミャンマー・タイ訪問を挟んで仕事が余りにもタイトだったからであります。最終貸切ツアーの申込日には、朝から晩までハードな仕事過ぎたため、気が付いてみれば申込終了~。そして去る連休も、終日ひたすらPCと睨めっこしながらの仕事となりました。おかげで仕事は大いにはかどりましたが、やはり明確に区切りを付けることが出来なかったのは遺憾なところです。最後をナマで見届けなかったことで脳内でフェイドアウトと格好を付けてみても、3日連続で天候に恵まれているのをネットで眺めておりますと、仕事のシワヨセを覚悟してでもやはり申し込んで撮影会に参加したかったという心残りがあります。

しかしまぁ、個人的に申しまして80年代の1000系といえば、「マジで仏恥義理に命!」だった100系・800系を駆逐する「ク○1000」でした (汗)。そこで、中央・青梅線を前面に押し出したさよならイベントは、熱狂的な国鉄101系マニアの皆様にお譲りする運命にあったのかも知れません。
いっぽう、個人的に正当に1000系の魅力と価値を理解出来るようになったのは、2000年前後に鉄活動に復帰してからでしょうか。以来、散々標準塗装を撮り、ガラ空きなデハ1100の車端部でMT46サウンドに酔いしれまくりましたので、それで良いではないか……と思っております。「秩父に転じ、秩父線内の行先を表示した1000系」の記憶に浸れば良いのだという達観のようなものでしょうか。
そこで、誰が何と言おうと、個人的に1000系の究極の思い出として大事にしたいシーンがこちら、2010年3月の降雪直後に影森で撮影した標準1010Fと小豆1002Fの並びです……! 影森は、以前当ブログの100万アクセス記念で熱く語らせて頂いた通り、個人的な鉄道趣味における至高の聖地のひとつであります。そこに、シンプルで美しい標準塗装をまとった1010F (しかもラスト2本のうちの1本) と、地味で素朴な魅力にあふれ心酔せずにはいられない、1000系塗装史上の最高傑作である小豆塗装の1002Fが佇み、辺り一面は白い静寂の世界……。そんな、個人的秩父通い史上究極の風景を、たった一人で独占し味わい尽くすことの喜びと言ったら! そう、実は、4年前の時点で至高の個人撮影会を楽しむことが出来たのです!! このとき、とにかく内心で高校生時代の無礼を懺悔し、秩父1000系が最も秩父1000系らしい姿でいることを心の底から礼賛したのですから、これ以上の贅沢を望むべきではないでしょうし、今後もこの想い出こそ個人的な「秩父1000系と静かに戯れた幸せ」として、永く内心で暖め続けるべきなのだろう……と思うものです。
何はともあれ改めて1000系には、かつての罵りを心から反省しております。長年の力強い活躍、どうもお疲れ様でした! さようなら! そして、昭和30年代前半の技術による電車を長年にわたり良好に保って来た秩父鉄道の経営・技術陣の皆様に敬意を表したく存じます。