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上巻に引き続いて読んだのですが・・・・・・
ブックカバーには,
「いかなる場合でも脱出路を計算に入れた周到な計画のもとに単独行動する文太郎が初めてパーティを組んだのは昭和11年の厳冬であった。家庭をもって山行きをやめようとしていた彼は友人の願いを入れるが、無謀な計画にひきずられ、吹雪の北鎌尾根に消息を断つ。日本登山界に不滅の足跡を遺した文太郎の生涯を通じ“なぜ山に登るのか"の問いに鋭く迫った山岳小説屈指の力作である。」
と記載されているのですが,途中まで読み進んで,加藤文太郎という人に疑問を感じ始めました。
登山家が人間として優れているとは思っていませんけど,ボクは加藤文太郎に好感を持つことができませんでした。
他人に対しての横柄な態度,自己中心的な考え方,さらに優柔不断であるところが各所に見えてくるのです。
なぜ著者が彼のことを高く評価しているのか理解できませんでした。
ボクには登山家として並外れた体力を持ち,優れた造船技師であっただけの人としか思えず,小説の主人公にするほどの人とは思えませんでした。
結局,後輩の宮村を死なせてしまったし,妻の花子さんを未亡人にしてしまいました。
それは彼の優柔不断な性格によるものであり,正しい判断ができない人だったということであろう。