整備費は5000億円を超えるそうだ。
ホームに転落する視覚障害者のことが社会問題となって取り組みが始まったのだけど,それをホームドアの設置で解決してしまおうというのはちょっと違うのではないか。
ホームに転落する人は毎年3000人程度いるそうです。
ちなみに平成15年は3518人が転落したそうです。
その内訳は,酔客が断トツで1979人,体調不良が169人,視覚障害者が94人,歩きスマホが42人,旅客トラブルが12人,不明が1222人。
不明とは何かというと,うっかり落ちてしまって,恥ずかしさのあまりそのまま逃げ去ってしまった人なんだって。
そのうち6割が酔客と歩きスマホだとするデータもあるそうだ。
酔客で一番多いのが,ベンチで寝込んだ人が目を覚まして歩き出したものの,体がふらついてそのまま転落するというケース。
このデータを見る限り,ホームドアは酔客のために設置すると言って過言ではない。
問題は94人の視覚障害者という弱者の救済だ。
もっとも安易な対策がホームドアです。
しかし,全国の駅にホームドアを設置するには天文学的な予算が必要です。
単純に計算してもホーム一本に着き10億円かかると言われています。
山手線だけで550億円。
都心では複数の路線が入り込んでいるため,技術的に困難な場所もある。
それでも冒頭に記載したようにホームドアにこだわっているのが現状だ。
物理的な解決法としては最善の策かもしれない。
しかし,果たしてそれでいいのかと疑問が残る。
ボクは,視覚障害者に限った対策を講じることだけを考えればよいのではないかと考える。
そう思えば解決策は見えてくる。
「共助」という言葉をご存知だろうか。
駅構内を歩いている視覚障害者に気づいたら,声をかけて誘導してあげる。
こういう当たり前のことを誰でもが行える世の中にする。
これは駅だけのことではありません。
ボクは電車にはほとんど乗らないので,道路上でのことになりますが,横断歩道で信号待ちの時に視覚障害者がいらっしゃれば声をかけるようにしています。
「手伝えることがありますか?」そのように声をかけています。
勇気をもって声をかけてみてください。
ボクが信号待ちの視覚障碍者に初めて声をかけた時に,「信号が青になったら教えてください」と答えてくれたことを今でも覚えています。
相手とのコミュニケーションが取れたら,「一緒に渡りましょう」ということもできます。
はじめの一歩として声掛けを実行してみませんか?
駅のホームでも同じことです。
みんなが心がければ視覚障害者は安心して電車に乗ることが出来る。
そんな世の中にしていきたいと思います。
決して理想論やきれいごとではないと思います。
では,視覚障害者以外でホームから転落するする人についての対策はどうするのか。
転落者の4~6割といわれる酔客についてはベンチで寝ることが出来ないようにする。
椅子の真ん中に肘置きを付けるとかね。
さらに,ベンチを線路と反対に向けて設置する。
そうした対策が有効だという指摘もあるようです。
必要最低限の駅に設置して,残った予算をもっと有効に使いませんか。
歩きスマホで落ちるなんて言うのは論外ですね。
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