日本共産党いわき市議団

日本共産党いわき市議団に所属する伊藤浩之・溝口民子・渡辺博之・坂本康一各議員の日々の活動や市政情報などをお知らせします。

いわき市議会9月定例会 討論

2018-12-20 10:20:45 | 議員だより
 いわき市議会11月定例会は13日、市長提案の議案73件を可決、人権擁護委員の推薦に対する諮問案1件に同意、また市議会提出の議案1件と意見書6件、市民提出の動物愛護センターに関する請願を採択、災害公営住宅の家賃に関する請願を継続審議として閉会しました。日本共産党市議団はこのうち、下水道使用料値上げに関する議案に反対し渡辺博之議員が、本庁舎耐震改修に関する一般会計補正予算案に賛成し伊藤浩之議員が討論にたちました。それぞれの概要等をお知らせします。

◎伊藤浩之議員  賛成討論
  本庁舎耐震改修の追加予算
    ―執行部の説明は理解できる


賛成討論する伊藤浩之議員

 11月定例会に提案された一般会計補正予算第3号には、市役所本庁舎の耐震化改修が進むにともなって必要となった、新たな追加工事等の費用として1億5789万9千円の補正予算が提案されました。
 この補正予算案には創世会が、①追加工事は事前の調査等から予測可能であったはず、②工事費用の負担を市と請負業者で明確にするリスク分担に疑問が残る、③元受けと下請けに関する適正化要綱の遵守が不明確、として反対しました。
 賛成討論では、事前に予測可能であったかについて、過去の本市発注の工事でも、工事が進んでから新たに必要となった追加工事にともない補正予算が編成された経過があることをあげ、「工事着工後に配管が撤去され、より詳細な調査が可能となり、工事の進捗で直接躯体等の確認ができるようになったことから、追加工事が必要となったという補正予算提案に至る市の対応はおおむね理解ができる」と指摘しました。
 また、リスク分担については、あらかじめ市と請負業者の間でリスク分担表を作成しています。今回、補正予算には6件の工事が含まれ、4件は「自然条件における湧水・地下水」などの理由で市の負担となりました。残りの2件は話し合いの結果、一部のみを本市の負担とするなどとしています。その結果、請負業者が提示した合計約4億9千万円の工事費のうち、本市の負担は約2億6千万円まで圧縮されており、「本市がリスク分担を適正化させ市民の利益を守る観点から一定努力してきた足跡を見ることができる」と指摘しました。
 しかし一方、今度の補正予算案で、約58億3千万円の総事業費が、約61億2千万円に膨らんでおり、今後の事業の進捗により、さらに事業費が膨らむ懸念も委員会審議等で示されています。市には、「厳格なリスク分担を図りながら事業をすすめ、負担が公正なものとなるよう、市及び請負業者が互いに一層努力することを期待する」と要望して、本案に対する賛同を呼びかけました。

◎渡辺博之議員  反対討論
  下水道使用料大幅値上げに反対
   ―市民生活・営業圧迫


反対討論する渡辺博之議員

■市の値上げ提案

 今後施設の更新や建設改良費の金額が増えていきますが、市は経費回収率(汚水処理経費を下水道使用料で賄っている割合)100%を目指し、まずは全国平均値と類似都市平均値の中間値である80.4%の水準にするとして、使用料を14.8%引上げる議案を提出しました。

■経費回収率の平均値の算出方法が問題

 平均値は現状を客観的に示すためのものなので、企業会計に移行した後の2年間の平均値76.0%を用いるべきですが、市は機械的に5年間の平均値69.4%を用い、値上げを大きくしてしまいました。

■前回改定時の約束が守られていない

 2014年度の改定時に市は「経費回収率を、全国平均の76.2%と同水準とすることを目標とし、約20%の改定が必要と見積もった。しかし、使用者の急激な負担増は避けるべきであるとの認識に立ち、2段階に分けて改定することとした」と議会で答弁しています。
 企業会計に移行してからの経費回収率の平均値は76.0%で、前回改定時の全国平均と同水準で、2段階目の目標をすでに達成しています。それにもかかわらず、さらに高い目標を設定しての値上げです。

■「かなり高額になる」ことを前提に値上げ

 市は「経費回収率を100%にした場合、水道使用料は、かなり高額になる」という認識を議会で示しました。それにもかかわらず、100%を目指すこと自体が問題です。

■値上げの影響

 下水道使用料の値上げは、市民生活を圧迫し、旅館などの営業をさらに厳しくします。また、各家庭の下水道への接続を阻害することになりかねません。
 そもそも下水道の汚水処理は、生活環境を改善し、公共用水の水質保全につながります。一般会計からのさらなる繰り入れなどで引き上げをやめるべきです。

いわき市議会11月定例会 渡辺・溝口議員の一般質問の主な内容

2018-12-12 13:58:06 | 議員だより
 いわき市議会11月定例会は13日、閉会しました。議会の結果については、後日、報告いたします。今号では、渡辺博之、溝口民子両議員の一般質問をお知らせします。

◎渡辺博之議員

一般質問をする渡辺博之議員

■今後のいわき市

 市総合計画は2020年度で期間満了のため、新たに策定されます。
 今後は、少子高齢化を伴う急激な人口減少、老朽化した施設改修の財源確保の2つの大きな課題があります。
 一方、財政が健全化しているという利点もあり、これらの課題と特徴を念頭に計画を策定することが必要です。

■人口の展望

 いわき創生総合戦略では「人口減少は地域社会全般にインパクトをもたらす極めて深刻な問題」と記載しており、このままではいわき市の存続も危ぶまれます。
 前議会では、出生数などの目標・展望を達成させるために、「教育にあまりお金がかからないようにすること」などの若い世代の希望を実現することに更に重点を置くことを求めました。
 そもそも人口の展望は、市の施設整備の計画など、あらゆる計画の基になるもので、展望どおりにならなければ、施設整備などは過大になり、税金が無駄に使われることになります。
 子育て支援などを強めることは必要不可欠ですが、それでも目標を達成させるのは相当難しいと思われます。人口の将来展望を見直すべきでは。
市長 人口の推移を的確に見極め、将来展望なども、市民の意見を伺いながら鋭意検討したいと考えています。

■健全な財政運営を

 人口減少により、将来縮小していく財政規模を示すべきでは。
 財政規模の将来推計は必要不可欠であると認識しており、国の制度改正の動向などを見極めながら検討したいと考えています。
 これまでは、整備・改修した公共施設は、将来の市民が利用するので、将来の市民が負担すべきという考えの下で、借入を行い長期間返済してきました。
 今後は、人口減少で財政規模が縮小していくので、借金返済の負担を重くしないために、基金を積立てて、借入を抑制していくべきでは。
 将来世代の負担を抑制するため、基金などの計画的な積立てや取崩しのほか、地方財政措置の活用を図りたいと考えます。

■一般市営住宅で低所得者への家賃減免の制度を
 
 他の中核市のほとんどが低所得者に対して独自に市営住宅の家賃を安くしていますが、いわき市では実施していません。
 昨年12月議会で、市は「本市と他の中核市との減免方法の違いや、その効果について調査を行いたい」と答弁しました。
 調査の結果は。
 本市では年度途中で入居者の世帯収入が減少した場合には、最大第一階層まで減額する措置をとっています。
 一方、他の中核市では第一階層の家賃をさらに減免するなどの措置を講じています。
 それを実施すれば、低所得者の生活の安定が図られるなどの効果が見込まれると考えます。
 いわき市も低所得者への家賃減免を実施すべきでは。
 今後は、総合的な視点から家賃減免制度の見直しの是非について判断したいと考えます。

◎溝口民子議員

一般質問をする溝口民子議員

 11月21日現在の全国風しん患者数は2032人で昨年の93人の約21倍以上の広がりとなっています。
 県内での感染が確認された方は、全て30代から50代の男性です。特に成人で発症した場合は、小児より重症化すると言われます。
 風しんとはどの様な疾病でしょうか。
 風しんウイルスによって発症し、主に咳やくしゃみを介し感染します。14~21日間の潜伏期間ののち、発熱、発疹、リンパ節の腫れといった症状がでます。
 妊娠初期に妊婦が感染すると、胎児に心臓病や難聴が生じる恐れがあります。

■風しん予防対策について

 風しんは予防接種で予防可能な感染症と言われています。
 現在の定期接種は、1歳と小学校入学前1年間の合計2回受けるようになっています。しかし、1977年(昭和52年)から1995年(平成7年)は、女子中学生のみ学校で予防接種が行われ、男子中学生は1995年からは対象になりましたが、医療機関での個別接種だったために摂取率は低いものでした。
厚労省が2017年(平成29年)に調査をした男性の風しん抗体保有率は、30代後半が84%、40代は77~82%、また、50代前半が76%と女性と比べても低い数値となっていました。
 本市で風しん抗体検査の助成事業を行っておりますが、どの様な内容ですか。
 助成対象者は、妊娠を希望する女性、及び風しん抗体価が低い妊婦の配偶者や同居者となっており、検査費用を全額補助しております。
 年齢制限はありません。来年度も同様の対応とします。
 日本産婦人科委員会からは、「妊婦さんへ、風しんからの緊急避難行動のお願い」という緊急通報が何度か出されています。その内容は、「妊娠の診断を受けた女性は、風しん抗体検査を受けること。もし、抗体価が低い場合は感染予防対策をとって下さい。」とあります。
 本市で親子健康手帳の交付を受けた妊婦の方で、風しん抗体検査を受検した方はどの様になっていますか。
 親子健康手帳交付者数と妊婦の風しん抗体検査受験者は、平成29年度は、交付者数が2254人、受検者数が2223人となっております。

■職場の風しん対策も重要

 「風しんをなくそうの会」の可児佳代子共同代表は、職場で妊娠中に風しんに感染してしまい、子どもさんを目や耳や心臓に障害が出る先天性風しん症候群で18歳で亡くしました。
 可児さんは、「企業検診に抗体検査やワクチン接種を組み入れて欲しい。抗体価が低い場合は、ワクチン接種の証明を会社に提出する事を義務付ける対策をとって欲しい」と訴えています。
 全国の風しん感染者の7割は30代から50代の働き盛りと言える世代の男性で、ワクチンを接種していないか、不十分な接種となっている世代です。職場における風しん対策をどの様に把握していますか。
 厚労省労働基準局から職域における風しん対策の実施協力依頼が都道府県労働局あてに通知され、それを受けて県労働局ホームページにて注意喚起がなされております。本市はこれまで地域保健と職域保健の協議部会において情報提供したところです。今後も、関係機関との連携を図りながら情報発信に努めます。
 助成対象を拡大して、希望する方全てがワクチン接種進むよう政策的に誘導することについてのご所見は。
 国において抗体検査の対象者拡大や予防接種対象者拡大・定期化の検討が開始されたとありますので、国の動向を注視して参ります。

■イノシシ被害対策を積極的に

 イノシシの捕獲頭数は県の計画で1000頭、本市の計画で2200頭。合わせて3200頭となっておりますが、実績はどうですか。
 平成28年度は4529頭・29年度は3218頭・30年度10月末で1888頭となっております。
 市内猟友会員のうち、捕獲従事者はどのような推移ですか。
 平成28年度は321人・29年度は362人・30年度は372人となっており、銃ではなくワナ猟が増えてきています。
 地域では、住宅近辺への出現が目立ち身体的な危険を感じています。これまで以上の積極的な捕獲が求められていると思いますがご所見は。
 県ではイノシシ管理計画を1年前倒しし、今年度中に新たな計画を策定しているところです。本市も、県や猟友会等と連携を図り、県の新たな管理計画の内容を踏まえ、市の捕獲計画見直しを行うなど適正な生息数の管理に努めて参ります。



風力発電・地元要望に前向きな取り組みー市が答弁

2018-12-12 13:44:55 | 議員だより
 いわき市議会11月定例会3日から6日までの本会議で一般質問が行われました。日本共産党市議団からは3日に伊藤浩之、5日に渡辺博之、6日に溝口民子の各議員が登壇し質問に立ちました。また、6日には伊藤議員が質疑を行いました。今号は、伊藤議員が一般質問を報告します。

一般質問をする伊藤議員

 私が一般質問で取り上げたテーマは、①職員の働き方改革、②風力発電事業に関する安全確保に向けた本市の取り組み、③いわき駅北側地区の整備関連事業、④教員の働き方改革の4点でした。

過労死基準を超える超過勤務の実態

 9月定例会の答弁で、2017年度の最長の超過勤務が1253時間とされていました。その内訳を問うと、同年、この職員が100時間を超えて超過勤務をした月数は7ヶ月、最長で244時間で、過酷な実態にあることが分かります。
 また、過労死の認定基準とされる80時間以上2か月連続した超過勤務をした職員も、2017年度が59人で、横ばいの状況にあることが分かりました。
 この状況と今年度の実績を踏まえた場合に、改善がみられたと評価できるかとただすと、80時間以上2カ月間連続した超過勤務を4月から10月の期間で行った職員数で比較すると、2015年度が14人、16年度27人、17年度16人、30年度13人となっていることから、「一定程度、職員の負担の軽減が図られている」としました。
 しかし、数字を見ても現時点では横ばいとしか見えません。
 もともと市長は、9月定例会の他会派議員の質問に「超過勤務の縮減に努める」と答弁していました。この認識にこそ大きな問題があります。
 法律では、労働時間を、原則1日8時間、週40時間を超えて労働させてはいけないとしています。このことから私は、「縮減」という考えではなく「超過勤務のない職場」をめざすべきと求めました。
 執行部は、「繁忙時期など業務量が変動するため一定程度の超過勤務はやむを得ないと考えているが、縮減を図ることは重要」としながら、さらなる取り組みを検討しながら、超過勤務の縮減に努めたいとしました。

風力発電事業への中山間4地区の要望

 市内に大規模な風力発電事業は7ヵ所計画され、このうち遠野町に2ヵ所、田人町に2ヵ所の計画があります。
 11月21日に、両地区の外、川前、三和の4地区の区長会が市長に対し、風力発電事業にかかわる件も含め要望を提出しています。
 答弁では、①事業者、地元自治会、市による運用・管理等に関する三者協定の締結を含む「住民の安全・安心の確保」、②立地にともない増が見込まれる財源を活用した「中間地域の地域振興策の構築」が風力発電にかかる内容とされました。
 市は、三者による協定の締結などに向けて、事業者に働きかけていき、地域振興策に関しても「地域のみな様と意見交換をさせていただき、地域課題の解決につながる施策を共に創り上げていきたい」としました。
 また、遠野町に事業が計画される、アカシア・リニューアブルズの仮称・遠野風力発電事業の環境影響評価方法書に対する市と県の意見内容についてただしました。
 執行部は、市の意見としては「周辺住民の理解の醸成を図り、適切な環境保全措置を実施」することなどを意見したとしました。
 一方、県の意見には、「住民からの意見や要望に対して誠意をもって対応すること」「固定価格買い取り制度における位置づけを含め健全に事業展開が実行可能であることを準備書で明らかにすること」などが盛り込まれてます。
 この意見に関する認識を質しながら、県の意見書が「事業計画の中止を含めた抜本的な見直しの検討」と踏み込んだ意見をしたことについて、本市の受け止めをただしました。
 市は、「環境影響審査会で、災害を未然に防止する観点などから、周辺の環境への影響を最大限回避することが必要」という観点から意見されたものと考えているとしました。
 残りの質問内容は、ブログに掲載しますのでご覧ください。