日本共産党いわき市議団

日本共産党いわき市議団に所属する伊藤浩之・溝口民子・渡辺博之・坂本康一各議員の日々の活動や市政情報などをお知らせします。

問題山積 プレミアム付き商品券―消費税増税対策するなら増税中止を!

2019-03-27 13:20:14 | 議員だより
 2月議会追加提案として、消費税対策のプレミアム付き商品券を発行するための補正予算が提案され可決されました。
 その内容と課題を紹介し、消費税増税の問題を考えます。


消費税増税中止を訴えるチラシ

プレミアム付き商品券とは

 プレミアム付き商品券を発行する目的は、消費税増税が低所得者や子育て世代の消費に与える影響を緩和し、地域での消費を下支えすることです。国の財源を用いて市が実施するもので、商品券発行額は約20億円で、補正予算にはプレミアム分と事務費の合計額の約6億円が計上されました。
 本事業で対象者1人あたり、1冊5000円分の商品券を4000円で、最大5冊まで購入することができることになります。
 購入できるのは以下の市民です。
①来年度の市民税が非課税となる方のうち、課税されている方と生計を同じくする配偶者や扶養親族、または生活保護世帯を除く方。
②今年6月1日時点で2016年4月2日から今年6月1日までに生まれた子どもがいる世帯の世帯主。
 対象者は①と②の合計で8万800人と見込まれています。
 商品券は今年10月から来年3月までの間に取扱店で買い物などに利用することができます。

商品券の購入の課題

 商品券の販売方法は非課税者の場合、①市から案内が送付される、②申請書を市に提出する、③市から購入引換券が送付される、④購入引換券を持って指定された商品券販売所で商品券を購入する、と手続きが煩雑です。
 子育て世帯主の場合は、①市から購入引換券が送付される、②購入引換券を持って指定された商品券販売所で商品券を購入する、です。
 また、市外に自主避難している市民は、本市が発行した引換券を避難先自治体の引換券と交換し、避難先の商品券を購入することになります。本市に避難している双葉町村の住民についても同様の手続きとなります。
 このように非課税者や避難者は手続きが煩雑なため、利用したくても利用できなくなる可能性があると考えられます。 
 一方、市民への周知は、「広報いわき」や市ホームページなどで行い、さらに非課税者などに直接案内が出されますが、案内が届いても対象外の場合もあり、混乱が予想されます。
 さらに、商品券販売所は市が委託・指定しますが、中山間地で確保することも課題になります。

取扱店の課題

 前回行った2015年度には、市は商工会議所と実行委員会を設立し、商品券販売店は97店舗、商品券を使用することができた商店は1400店舗でした。
当時に比べ、スーパーやコンビニなどでは、セルフレジや店員が操作する場合でも自動釣銭レジが普及しており、商品券を扱う商店の負担やリスクも大きくなることが予想されます。
 
そもそも消費税増税が問題

 低所得者等への負担を減らすことを目的に行われるプレミア付き商品券発行事業ですが、住民や商店、自治体に煩雑な手続きを負わせながら実施することになります。
 消費税は、所得が少ないほど負担が重くなる逆進性があります。この影響を緩和し、低所得者の消費を下支えすることで、個人消費を維持し、景気に悪影響が及ばないようにするための施策の一つとして、本事業が実施されようとしています。
しかし、施策の期間が限られているという問題だけでなく、手続きが煩雑で必要な方が利用できなくなる問題、対応する商店の負担の問題などがあります。
 空前の利益を上げている大企業に中小企業並みの法人税をかければ、消費税増税分の5兆円の税収が生まれます。また、富裕層の大きな収入源となっている株式譲渡取得や配当所得については、経済同友会も税率を引き上げるよう提案しています。
 税収の確保の方法を改めて、消費税増税は中止すべきです。

事実上の公共料金の引き上げはすべきでないー消費税関連議案等に反対し討論

2019-03-20 10:18:25 | 議員だより
 2月21日に開会したいわき市議会2月定例会は3月14日閉会し、提案された118議案を可決、人権擁護委員の推薦に関する諮問1件に同意、議員提出の継続審査を含む意見書21件のうち6件を採択し、12件を廃案とし、閉会しました。市議団は、議案のうち71議案、諮問1件に賛成、消費税引き上げ関連など46議案に反対し、伊藤浩之議員が討論に立ちました。


討論する伊藤浩之議員

 反対した議案は、使用料に転嫁された消費税増税に関する条例改定43議案と、来年度の一般会計、国民健康保険事業特別会計、下水道事業特別会計の各当初予算案でした。

■消費税・公共料金転嫁の実態から賛否

 安倍政権は、本年10月から消費税を10%に引き上げるとしています。市議団は、所得が低い程負担が重くなる逆進性等の問題があるとして、消費税に反対する立場をとっています。
 しかし、市で考える場合、一律の反対ではなく、公共料金に転嫁された税の実態に応じた対応が必要です。具体的には、以下の通りです。
○病院・水道や下水道の企業会計等のように、納税の必要がある場合は、納税分の財源確保の観点から転嫁もやむを得ない。
○市から委託されている指定管理者等が、徴収した利用料から消費税を支払う必要がある場合は、経営に影響が生じるので転嫁はやむを得ない。
○市の一般会計に収納され、納税の必要がない使用料等の消費税は、事実上の公共料金の引き上げなので転嫁の必要がない。
 以上、同様の立場から今回の消費税増税関連議案を審査し、納税の必要がない使用料の条例改正43議案や、これらに基づく歳入を含む新年度の一般会計予算案に反対しました。

■低所得者に恩恵少ない経済対策

 討論では合わせて、増税に伴う経済対策について疑問点を指摘しました。
 一つは、食料品等の税率据え置きや、一度限りの措置となるプレミアム付商品券が消費の拡大につながると考えられないこと。
 二つ目に、クレジットカード利用等によるキャッシュレス決裁に対するポイント付与は、所得が低い程キャッシュレス決裁の利用が少なく恩恵に乏しい上、福島県民のクレジット契約率は全国でも下から10番目で、全国に比べて恩恵が少ない県の一つとなっていることを指摘しました。

■自衛隊と国民の関係に波風立てた安倍首相

 さらに一般会計新年度予算案には、自衛隊の新規入隊者の激励会開催の予算が含まれていました。
 自衛隊には、憲法違反の指摘がある一方、内閣府調査で92.2%が好意的であり、また、朝日新聞の昨年5月の調査で憲法違反でないと65%が答えるなど、国民に受け入れられている実態があります。
 政策総務常任委員会の審議では、今年度の新規入隊者等の歓迎会で参加者は、震災時の自衛隊の協力への感謝とともに、自らも市民や国のために役に立ちたいという思いが語られたと答弁されています。ここにも、世論調査の傾向が顕著に表れているとみられます。
 その時に安倍政権が強行した安保法制は、改憲の立場に立つ憲法専門家も含め安保法制は憲法違反と指摘する状況を作り出しました。こうした安倍政権の動向は、自衛隊と国民の間の溝を深めたといえるでしょう。
 討論では、「安保法制のもとの自衛隊に若者を送り出すことは、ある意味不幸なこと」としながら、「恒久平和の願いを引き継いだ本市非核平和都市宣言の上からも問題」と指摘しました。

■資格証等の発行前提は問題

 また、国民健康保険の新年度特別会計予算には、被保険者資格証明書の発行関連予算が含まれること、下水道事業会計の新年度予算には、昨年11月定例会の条例改定に伴い平均14.8%引き上げる歳入が含まれており、それぞれ問題があることを指摘しました。

震災から8年ーハードからソフトへ・暮らし再建へ支援厚く

2019-03-13 13:37:40 | 議員だより
 2019年3月11日、東日本大震災から9年目を迎えました。ハード的な復興はほぼ完了した今、これから何が必要か。考えてみます。


いわき市東日本大震災追悼式=アリオスで

 3月10日、スマートフォンの防災メールが届きました。
「明日3月11日(月)午後2時46分から1分間、東北地方太平洋沖地震の発生時刻に合わせ、各消防署等にてサイレンの吹鳴を行います」
 震災の犠牲者に哀悼の意を示し、震災の被害と教訓を風化させないために啓発を図る意味のサイレンなのでしょう。震災から8年が過ぎました。

■響かなかった式辞

 3月11日午後、いわきアリオスには、東日本大震災追悼式に出席する遺族をはじめ関係者が集まりました。
 午後2時35分、会場のスクリーンに、国主催追悼式の中継が映し出され、犠牲者への黙とうに続き、安倍首相が式辞、秋篠宮がお言葉をのべました。
 中継から会場にもどり、本市式典の主催者を代表して清水敏男市長が式辞、遺族と市議会議長が追悼の辞をささげ、遺族をはじめ出席者が献花で犠牲者を悼みました。
 この中で気にかかったことがありました。首相の言葉でも、市長の言葉でも、復興の今後への印象が薄かったのです。
 首相は、被災者が「長期にわたって不自由な生活を送られています」との現状認識を披歴し、一人ひとりの置かれた状況に寄り添い「生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行い、復興を加速」としました。
 清水市長は、ハード面の復興の取り組みを紹介しながら、「復興基盤の整備・拡充をはじめ、被災者のみな様の生活再建への支援や長期的視点に立った原子力災害への対応に、引き続き万全を期す」とし、「魅力あふれるいわきの創生に全力で邁進することを誓う」と、今後への決意を語りました。

■心にふれたお言葉

 それが心に残らないのです。一方、秋篠宮のお言葉は残りました。
 「今なお多くの被災者が、被災地で、また避難先で、以前として不自由な暮らしを続けている厳しい現実がある」とした秋篠宮(※)は、「いまだに放射線量が高い」などで自宅に帰ることができない人々が多かったり、被災地の児童・生徒数の減少や、風評被害による農林水産業への影響に懸念を示し、長期化する避難生活による心身の健康が「深く心にかかります」と、被災者に「末永く寄り添っていくことが大切」と語りかけたのです。
 被災者の困難に具体的にふれた言葉への共感が、印象を強くしたと言えるでしょう。
 ひるがえって、首相や市長の言葉では、被災者の現状に具体的に言及しませんでした。その結果、今後の対応策に、現実から切り離されたよそよそしさを覚え、心に響かなかったのでしょう。

■被災者個々に即した支援へ

 それだけに、ハード面での復興が完了した今、生活再建途上にある被災者に寄り添ったきめ細かい対応が求められています。
 2月定例会の政策総務常任委員会で、原子力災害避難者向けの「市内情報発信事業」について質疑しました。
 事業は、放射線の現状や広報いわき、議会報告、公営住宅の入居関係の情報など14種類を定期的に発送するもの。対象は、住民票移動を伴わない自主避難者662人、住民票を移動しながら市の情報を希望する特定避難者2249人で、前提はあくまで帰還です。
 現在も避難生活を解除できない最大の理由は、放射性物質に対する懸念と考えられます。その中、住宅の無償貸与が1県を除き終了するという現実を考えれば、帰還以外の生活再建にも、個々人の事情に即し丁寧な対応が求められると思われます。
 津波被災者の場合も、ハード面の整備完了は道半ばの復興にすぎません。被災者が避難生活の次の暮らしをスタートできた時、本当の意味での復興ができたと言えるでしょう。
 「震災を風化させない」、「原発事故を風化させない」と言います。それは、単に次の災害への備えという意味ばかりでなく、流れる月日とともに現実の生活の陰に隠れて見えにくくなる「復興」の課題を、常に明らかにしておくためにも必要なのだと思います。
 基盤整備というハード面から、今後は暮らしの再建というソフト面に復興の重点が移っていきます。
 被災者をはじめ市民の暮らしの現実に目を向けて、暮らしの再建の展望を明らかにする仕組みが大切になります。8年目の追悼式にあたって、その取り組みに、市議団として心新たに臨んでいきたいと思います。

※宮=皇后、皇子など皇族の尊称という意味があり、新聞等でつける「さま」も敬称であるため、本紙では「さま」はつけないことにします。

いわき市議会2月定例会 一般質問 -溝口民子議員・坂本康一議員-

2019-03-06 15:40:28 | 議員だより
 いわき市議会2月定例会では、28日に溝口民子議員、4日に坂本康一議員が一般質問を行いました。今号ではその内容をお知らせします。

◎溝口民子議員


本気で子どもの貧困対策を
さらなる特別養護老人ホームの整備を


■子どもの貧困対策に本気で取り組むべき
 
 本市の「いわき市子ども・子育て支援事業計画(いわき市こども未来プラン)」は平成27年度から31年度の5ヵ年間を計画期間として、教育・保育にかかわる地域の子ども・子育て支援の需給計画と子育て支援策全般を総合的に盛り込んだ計画を策定しています。
 現在次期計画を策定するため、昨年12月にアンケート等実施しました。
 このアンケート調査の他に、次期計画策定に向けて課題をどの様に把握するのか。
 現計画に位置づけた施策について評価・検証し課題を抽出すると共に、外部の学識経験者等で構成する市社会福祉審議会児童福祉専門分科会における審議を通して、課題の把握、精査に努め策定計画を進めます。
 国は、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的に、2013年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」を成立させ、翌年8月に「子どもの貧困対策に関する大綱」が制定された。大綱のサブタイトルは「全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指して」となっています。
 国の大綱を受けて、本市の貧困対策の取組みはどうか。
 2015年12月に「子どもの貧困対策庁内連絡会議」を設置。国・県、他市の取り組みに係る情報共有を図り、貧困対策の施策について協議検討し現行計画に位置付けました。また、本年2月に開催し、2019年度の新規事業の位置付けなどを協議・検討したところです。
 会派で秋田市の貧困対策について研修をしてきました。2016年秋田市は、「秋田市子どもの未来応援計画(子どもの貧困対策)」を策定。18歳以下の子どもの保護者3000人を対象にアンケートを実施し、さらに児童相談所や、生活に困難を抱えている子どもや家庭を支援している13の団体から面接によるヒアリングも実施。時間のかかるヒアリングに取り組んだことに秋田市の本気度が感じられた。その結果、国の貧困線である122万円を下回る水準の世帯で生活する子どもの割合は全体で6.4%。さらに、ひとり親世帯では32.4%で3人に1人が貧困という状況が明らかになった。
 これ等を受けて秋田市は、新規事業として「子ども食堂」や制服のお下がりを紹介する事業、子どもの居場所となるサロンスペース開設事業等を行っている。
 秋田市の担当課長は「実態把握無くして計画なし」と語った。本市の来年度新規のアンケート事業に貧困の判断基準になるような設問を入れ調査をすることが必要だが、貧困についての調査をする考えはあるか。
 近年児童虐待やいじめなど社会問題になっており、子どもの権利の観点から独自に調査をする必要があると考え、貧困も含めた実態調査を予定しています。
 貧困の連鎖を断つためにもっと力を入れるべき。市長の見解は。
市長 貧困対策は経済的のみならず、土台である家庭環境などの幅広い視点を持ち庁内連絡会議を通して貧困対策に取り組みます。

■計画に沿った特別養護老人ホーム整備と人財確保に市独自の支援を

 第8次高齢者保健福祉計画策定時点の施設入所希望者数は何人か。
 794人で1年以内入所必要と判断した方は231人です。
 特別養護老人ホームの整備目標ほどうか。
 入所定員30人以上が60床、29人以下の地域密着型が58床です。
 入所希望者と比べ施設整備目標が足りず、その原因の一つとして建設費用等の高騰がある。本市独自の建設補助の考えは。
 平成31年度から労務費等高騰を踏まえ補助単価の引き上げや、併設するショートステイ床が新たな補助対象に含まれる予定であり、在宅サービスの充実と併せて取り組む必要があると認識しています。
 人材確保のための本市独自の支援の必要があると考えるがどうか。
 全国的な問題であり、東北市長会などを介して国へ対策を要望しており、国・県及び事業者と連携を図りながら、介護人材確保に務めます。


◎坂本康一議員


無料低額診療事業の認知度を高め調剤費も無料に
高齢者が安心して運転免許証を返還できる環境づくりを


○無料低額診療事業について

■認知度をより高める周知の徹底を
 無料低額診療事業は、生計困難な方が経済的な理由によって、必要な医療を受ける機会が制限されることのないよう、無料または低額な料金で治療を受けることができる制度です。
 本市では2019年1月から、1法人が無料低額診療事業の提供を始めました。
 市民の健康を守る観点からも、この事業を利用できるようにしていくことが必要です。
 そこで大切なのは、無料低額診療を必要としている人に、情報が届くよう十分周知することだと思います。
 市民への無料低額診療事業の周知をどのように行っているか。
 市ホームページへの掲載と、保健福祉センター、生活・就労支援センター、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどの市民相談窓口に情報提供したほか、実施医療機関自らも、周知を行うよう指導しています。
 チラシやポスターなどの広報を行うべきでは。
 実施法人によって、無料低額あるいは半額とする基準がさまざまですので、こちらで誰に案内してよいかという課題があり、個別の周知は慎重に考えたいと思います。

■調剤費も無料低額に
 無料低額診療事業は、院外処方の調剤薬局では実施できないため、薬代が払えない患者さんが受診を中断してしまうケースもあり、制度として不十分な状況です。
 先進的な自治体では、薬代の窓口負担分を助成する事業を実施し、服薬と治療を一体的に受けられるようにしている事例があります。
 本市も、無料低額診療の薬代の補助をすべきでは。
 院外処方の調剤薬局の場合、無料低額診療事業の対象ではないため、一部の自治体では調剤処方費用の助成を行っていますが、本市では、実施医療機関が院内処方で事業開始から間もないため、今後の利用実績や需要を見極めていく考えです。
 改めて、市として薬代の補助の必要性について、どのような認識を持っているか。
 費用の心配なく受診していただくことが無料低額診療事業の目的ですが、薬代を負担できない方については、ケースワーカー等が公的支援につなげるという相談を充実させるという中から、支援できる方々を増やしていければと考えています。

○高齢者運転免許自主返納促進事業について

 逆走や操作の誤りなど、高齢者による危険運転が問題になってきました。
 全国的に見ますと、免許人口10万人当たりの死亡事故件数は、75歳未満の3.7件にたいして、75歳以上は7.7件と2倍以上になっています。
 高齢者の事故率は。
 本市の、交通死亡事故発生件数に占める高齢者の事故割合は、2016(平成28)年は20.2%、2017年は21.5%、2018年は23.9%と、年々増加しています。
 運転免許証の自主返納とは「運転に不安を感じている」「もう運転しないので運転免許証を返納したい」という方が自主的に返納できる制度です。
 本市も、今年度から高齢者運転免許証の自主返納事業を創設し、免許を自主的に返納した高齢者に5000円相当の公共交通の回数券や公共施設等の利用券等を交付しています。
 今年度の事業の見込み人数は。
 2016(平成28)年の運転免許証自主返納者数と、過去3年間の平均伸び率から980人と見込みました。
 実績は何人か。
 2019(平成31)年1月末現在で453人に利用券の交付を決定しています。

 公共交通が弱い本市では、車を利用しなければ移動手段の確保が困難だということや、比較的高齢な市民が農業を営むためには、車が不可欠で免許を手放せないという事情があります。
 事業に対する良い点・悪い点を含めた市民の声は。
 申請者を対象としたアンケートによると「事故の心配がなくなった」「家族が安心している」と約6割の方が満足している一方、「移動手段がなくなることへの不安」「利用したいものがない」といった声も寄せられています。
 
 返還を希望する方が安心して返還できるよう、自主返納を促進する環境づくりを進めていく必要があるのではないでしょうか。
 他の自治体では、自主返納促進のために、65歳以上で免許証のない方や返納者を対象に、タクシー料金の一部助成を行う事業を実施している例もあります。
 本市においても、高齢者の運転免許の自主返納者や免許証を持っていない方に対して、支援を充実していくことで、交通への不安を払拭し、安心して暮らしていけるまちへと前進していくことが期待されます。