日本共産党いわき市議団

日本共産党いわき市議団に所属する伊藤浩之・溝口民子・渡辺博之・坂本康一各議員の日々の活動や市政情報などをお知らせします。

いわき市議会2月定例会 代表質問と一般質問

2018-02-21 14:35:06 | 議員だより
 いわき市議会2月定例会は22日に開会し、市長から「いわき市常磐湯本財産区管理会条例の制定について」など条例案29件、総額1354億3378万円の一般会計当初予算など71議案が提案されました。日本共産党市議団は伊藤浩之議員が代表質問、渡辺博之議員と溝口民子議員が一般質問に立ちます。質問内容を紹介します。

◎伊藤浩之議員
■公約と復興の取り組み
 市長の公約や発言に対する誠実な姿勢が、市民との協創のまちづくりの土台になると考えることから、公約等に対する考え等をただします。
 また、復興の取り組みの現状と今後の展望をただします。
■安倍政治のもと、暮らし支える取り組み
 社会保障抑制路線の市民の暮らしへの影響と、国民健康保険税の算定や引き上げが提案される介護保険制度改善への本市の活動などただします。
■年頭所感にもられた事業
 いわき駅並木通り地区第一種再開発事業、サッカースタジアム構想が持ち上がる中でのスポーツまちづくり可能性調査、また磐城平城・城跡公園の櫓(やぐら)整備等についてただします。
■学校現場における業務の適正化等
 業務や部活動の適正化の今後の取り組みをただします。
■エネルギーと非核平和都市宣言
 風力発電事業の集中立地と、本市独自の集中立地規制への認識をただします。
 また「核兵器はつまらないからよせ」という非核平和都市宣言の市内外へのアピール強化と、宣言にもとづく取り組みをただします。

◎渡辺博之議員
■災害公営住宅の家賃の引き下げを 
 津波被災者などが入居している災害公営住宅の家賃は、共働きなどで収入が基準を超えると退去を迫る割増家賃となり、最も高い久之浜の戸建て住宅では月18万円になります。
 市は、1月に引き上げ時期を1年先送りするなどの施策を出しましたが、不十分です。
 ある居住者は、「出ていかなければならなくなるが、近くに適当なアパートがなく、小学生の子どもは転校することになってしまう」と訴えます。
 住民の署名活動などと力を合わせながら、家賃の引き下げを求めます。
■生活を困難にさせる差押えをやめよ 
 日本共産党の倉林明子参議院議員の質問に安倍首相は「差し押さえによって生活が極めて困難にならないよう、各市町村に周知を図りたい」と答弁しました。
本市での事例を紹介しながら生活を困難にさせる差押えをやめるよう求めます。
■ほかに、情報公開の徹底も求めます。

◎溝口民子議員
■生活保護基準について
 厚労省は、生活保護費について「生活保護を受けていない一般の低所得世帯の消費支出より、生活保護の支給額が多い」との調査結果を踏まえて見直しをするとした。
 今年10月から3年かけて最大5%程度の削減が段階的に行われ、これに伴い47の低所得者向けの医療・福祉、年金などの施策で影響を受ける可能性が出てきます。本市において、就学援助制度や介護保険料などの影響と当局の認識をただします。
■放課後児童クラブについて
 共働き家庭など留守家庭の小学校6年生までの児童に対して、放課後等に適切な遊びや生活の場を与えてその健全育成を図ることが放課後児童クラブの役割です。市内の状況・運営・支援等についてただします。
■放課後等デイサービスについて
 障害のある子どもたちを預かるのが、放課後等デイサービスです。職員配置の規定や人手不足の対応、事業所・保護者の要望等をただします。

介護保険料の値上げなど提案ー市議会2月定例会

2018-02-16 16:40:59 | 議員だより
 22日開会予定のいわき市議会2月定例会に提案される議案が公表されました。条例の制定・改正案などが29件、総額約14億5135万円を減額する2017(平成29)年度の補正予算案、約1354億3378万円の18(平成30)年度の当初予算案はじめ71議案が提案される予定です。今号は主な議案を紹介します。なお予算額は1千円単位で切り捨てて表記しています。

■いわき市常磐湯本財産区管理会条例の制定
 湯本財産区の将来に向けた健全な財産管理ができるよう、これまで議会制を採っていたものを管理会に移行することにともない制定するもので、これにより会計が特別会計となり、市議会の議決事項となります。

■いわき市火葬場条例の改正
 勿来火葬場が改築されることにともない、名称を「いわき市いわき南清苑」と改め、新たに市民である大人の火葬料1万円など有償とするものです。いわき清苑が新築され、有料化された際、市議団は火葬が公衆衛生上の必要性等から行われていることから有償はなじまないと反対していました。その後、いわき清苑の有償利用について市民からの特段の苦情等はないと市は説明してきた経過があります。

■いわき市国民健康保険条例の改正
 今年4月から、国民健康保険事業の財政運営が県の責任となることにともない、必要な改正を行うものです。

■いわき市病院事業の設置等に関する条例の改正
 新病院への改築に合わせ名称を「いわき市医療センター」に改めるとともに、分娩介助料を1児につき21万円から24万円に、従来の差額ベットを見直し、特別室(個室)の加算料を特室で2万1600円、有料個室Bを8640円など、それぞれ引き上げるものです。

■いわき市いわきの里鬼ヶ城条例の改正
 これまでのグラウンドがドッグランに改修され、新たにその使用料を1頭1日500円と定めるとともに、バンガローを犬と一緒に利用できる8人用として改修したことにより、その1室の限度額を、宿泊料で1万480円、休憩料で2100円と定めるものです。なお犬同伴の利用の際には、それぞれの利用料金の限度額の10%に相当する額を加算する内容となっています。

■介護保険条例の改正
 市高齢者保健福祉計画を見直すことなどにともない介護保険料を引き上げる内容。標準となる第5段階では、現行6万9500円から7万2800円への引き上げとなっています。

■平成29年度一般会計補正予算
○廃校を活用した次世代技術実証フィールド整備事業費
 廃校となった旧永戸小校舎を活用して、次世代技術の開発・実証拠点や子どもたちの教育拠点などの機能を持たせ再整備するための事業。
補正額約7383万円。

■一般会計当初予算案
○スポーツを軸とした地域創生推進事業
 将来的なスタジアムを軸としたまちづくりを見据え、整備に向けた事業可能性調査を実施するための予算。
2229万円。

○共創型地域交通モデル事業
 中山間地における交通弱者の移動手段の確保を目的に、地元住民組織が主体となった交通システムを構築する。実施地域は田人地区と三和地区でボランティア輸送を実施する予算。1596万円。

〇みんなの居場所づくり事業
 ひきこもり、不登校、障がいが疑われる人などが、気軽につどい、社会や地域とのつながりのきっかけを作る居場所を提供する事業。350万円。

〇放課後児童健全育成事業
 就労等で、昼間、保護者が家庭にいない小学生に対し、整備や学習の場を提供する事業。放課後児童クラブ数の増加にともない、前年より運営等にかかわる経費が1億5995万円増となる。
7億1334万円。

議員が会派を超えて協力

2018-02-09 16:17:15 | 議員だより
 災害公営住宅の家賃が値上がりする問題で、いわき市議会12月定例会では「市独自の災害公営住宅の家賃減免制度の充実を求める請願書」が、共産党、志帥会、創世会が紹介議員となって出されました。その協力関係をさらに発展させて、居住者から意見を聞く集会を1月28日に開催しましたので報告します。
               渡辺博之

高い住民の関心 
 「災害市営住宅の家賃などについて考える議員と住民の意見交換会」は市議会議員有志が主催し、災害公営住宅内郷砂子田団地の集会所を会場に、8団地から約70人の居住者の参加で開かれ、問題への関心の高さが伺われました。また、10人の議員が参加しました。

議員からのあいさつと報告
 志帥会の大峯議員が進行役と主催者挨拶を行い、「出された意見は市に伝えるとともに住民に知らせます」とあいさつしました。
 また、私からは「収入が基準を超えると住宅の明け渡しを求められ、従わないと高いペナルティー家賃(豊間団地の場合には月11万5千円)が課せられること、また基準以下でも市の軽減措置が無くなり値上がりすること、さらに他市では永久にペナルティー家賃にせず減免期間を20年にしている事例もあること」を報告しました。

高木准教授の調査結果報告
 いわき明星大学の高木竜輔准教授は、災害公営住宅6団地の居住者に対して2015年に生活実態と意識調査を行った結果について以下の報告をしました。
高齢者は震災前には持家の割合が高く、また高齢なほど年収が少ない傾向がある。収入が少ない高齢者はローンを完済した持家に住んでいたから生活できていたのであり、災害公営住宅での家賃や共益費の発生で生活が圧迫されている。
高所得層はコミュニティ形成の維持に大きな役割を果たしており、この層が移転すれば団地コミュニティの活力低下が危惧される。
 また、住宅再建を断念した高所得層が、所得制限で団地を出ていかざるを得なくなると、被災地外のアパートなどへ流出する可能性があり、被災地のコミュニティが低下する危惧がある。
そもそも被災者にとって住宅自体が高価な買い物であるので、入居者一人ひとりの生活状況を調査し、合理的配慮がなされるべきである。

住民の意見
 住民からは次のような意見が出されました。
団地のコミュニティ形成に大変苦労している。その中心を担ってきたのが共働きの働き盛りの世代であるため、この層が団地を追い出されるとコミュニティ全体に影響を及ぼす。
小学生の子どもがいるが、収入が基準を超えており出ていかなければならないと言われた。アパートは近くに適当なものがなく、転校することになってしまう。また、父の介護で月15万円かかり経済的にも大変だ。
津波被災者でも力がある人は既に他の土地を買って建てている。自分は流された家のローンを払っている。被災地の土地は抵当になっているので売りたくても売れない。
久之浜は放射能を気にして子ども夫婦が帰ってこない。老夫婦だけで住宅再建はできないので、収入が基準を超えても災害公営住宅に住み続けたい。

不十分な市の対策 
 集会の2日後に市は施策を発表し、収入が基準を超える世帯の家賃の大幅値上げを1年間延期し、段階的に行うとしました。
 しかし、被災者の退去を求める姿勢に変わりはありません。さらなる改善を求めて頑張ります。


視察報告

2018-02-09 15:52:04 | 議員だより
 いわき市議会は1月、各常任員会が行政視察を実施しました。内容の一部を、それぞれ参加した議員から紹介します。

◎教育福祉常任委員会  坂本康一
 教育福祉常任委員会の視察で1月15日~17日の3日間、岐阜県の家庭教育支援条例と、岡山県高梁市の移動図書館による買い物支援について学んできました。

家庭教育支援条例
 岐阜県では、2014年(平成26年)12月に議員提案で岐阜県家庭教育支援条例が制定されました。
 条例の定義として、子どもの教育を学校任せにせず、家庭でできることはやろうという目的を、祖父母や地域住民、事業者などが支えていく必要があるとしています。
 取り組みのひとつは、毎月8のつく日と第三日曜日を「家庭教育を実践する日」と決め、「話そう!語ろう!わが家の約束」運動を推進するというものです。
 例えば、「スマホの使用は夜9時まで」などわが家の約束を話し合うことで、家庭のコミュニケーションが深まったとの声もあるようですが、親が選ぶべき教育の中身に自治体がどこまで介入するのか、という懸念も感じられました。
■移動図書館による買い物支援・高梁市 
2004年に5市町が合併して発足した岡山県高梁市で、昨年4月から移動図書館車に販売用のパンや日用品を乗せた運用が行われています。
 高梁市立図書館は、佐賀県武雄市を参考に㈱カルチュア・コンビニエンス・クラブ(蔦屋書店)を指定管理者に委託して去年3月にオープンしました。
 移動図書館車の積載は2000冊で、高梁市図書館から抜き出し1カ月ごとに総入れ替えしています。市内30か所を2週間サイクルで巡回しており、販売は学校を除いた14ケ所で行っています。
 販売のきっかけは、山間部や過疎地で移動図書館を利用する高齢者から要望でした。本を借りたりスタッフとのおしゃべりが中心で、ついでに買い物も楽しんでいるようです。
 本市では、2台の移動図書館車で120ケ所を巡回していますが、コースがほぼ小学校や幼稚園ということもあって商品を積み込んでの販売は難しいようです。
 改めて交通弱者への移動手段が求められていると強く感じました。

◎産業建設常任委員会  伊藤浩之
 産業建設常任委員会は1月25日と26日まで、香川県善通寺市で交通弱者対策について、兵庫県西宮市で空家活用についての行政視察を実施しました。このうち善通寺市では、市民バス「空海号」の取り組みを聞きました。

 同市は総面積が約40平方㎞で、本市の常磐地区(44平方㎞)よりも狭い。市域を通過する路線バスはあるものの、市内の移動手段は、自家用車やタクシーとなっていました。
 その中、市民から公共交通の確保を求める声があがり、お年寄りの外出支援等を目的に、無料の福祉バスを運行することにしたそうです。同市の一般会計規模は約130億円で、毎年の運営には、運行管理のバス会社への委託費など2600万円程がかかります。この他、バスの購入費は市が負担しています。
 空海号は誰でも利用でき、停留所以外でも、運行経路内で安全ならば、どこでも乗降可能です。現在は、小型のノンステップバスなど3台で6コース30便を運行し、乗車目標を上回る1日平均約170人が利用しています。 市民には、有料にして便数等を増やしてほしいという意見もあるそうですが、現実の利用者数等から見ると課題が多いとみているそうです。
 そこで、有料になった場合の影響を質問しました。説明者は「例えば100円でも利用者数はダウンするだろう」と答えました。
 本市では、「生活交通ビジョン」に基づき、公共交通のあり方の検討が続けられています。
田人、三和地区では、住民の自家用車を利用したボランティア輸送を試行する準備がすすめられています。
 本市は、基本的に、独立採算の仕組みの構築をめざしています。しかし、空海号のように福祉という観点からの取り組みも検討の余地はあるでしょう。
 一方、広域、新常磐交通との共存などという条件などが、福祉バス導入の制約になるという事情もあります。公共交通確保の市民の要望にどう応えるかは、議会としても引き続き探求が必要と思います。

◎政策総務常任委員会  渡辺博之
 サッカークラブ「いわきFC」を応援する「スポーツによる人・まちづくり推進協議会」が昨年設立されました。そして市長は、「いわきFCのスタジアムタウン構想と連携しながら、スポーツの振興、市民の健康増進及びスポーツビジネスの振興等を図ります」としています。Jリーグ1部(J1)に入るためにはスタジアムが必要で、その建設に市がどのようにかかわるかは未定ですが、今後大きな問題になると思われます。
 そこで、「Jリーグ・サガン鳥栖」の本拠地の鳥栖市のスタジアムを視察してきました。
 スタジアムは、平成8年度に、国や県の補助金なしに市が約100億円をかけて作りました。当時の鳥栖市の年間予算額約140億円に対してあまりにも大きく、当時の市長が推進しても賛成者は少なかったそうです。
 スタジアムの維持管理は、当初は外部委託でしたが、現在は市の直営で行われています。
 一方、「サガン鳥栖」は平成23年にJ1に昇格しましたが、それまでは経営危機、存続の危機が続きました。
J1に入る前のサポーターは少なく、2万5千人収容可能なスタジアムには3千人ほどしか観客は集まりませんでした。現在では、観客は1万人以上集まるようになりましたが、さらに集客する必要があり、市職員が率先してチームを支援するようにしているだけでなく、周辺他自治体と連携して支援を強めています。
 スタジアム運営での市の収支を見ると、使用料収入は年間約1億1千万円、支出は9千万円から1億円で人件費を含めると支出超過です。建設費の借金の返済は平成28年度に終わりましたが、現在大規模な維持補修が必要となっています。
 人口7万人で特筆する産業がない鳥栖市は、「サガン鳥栖」に賭けたのでしょうが、もしチームの経営立て直しが失敗し、J1昇格が実現していなかったならば、などと考えるとぞっとします。
 本市では慎重に考えなければならないと改めて感じました。

◎市民生活常任委員会  溝口民子
 私達の委員会は、高知市の「移住・定住促進計画」と熊本市の「下水汚泥固形燃料化システム」について学んできましたが、熊本市について報告します。

 人口約73万人の熊本市は、下水道普及率が89・1%。全国平均90・4%に近い普及率となっています。
いわき市は人口約33万人。普及率は86・8%(いずれも平成28年度)です。
 熊本市には5つの浄化センターがあり、平成20年以前は、下水汚泥等すべて埋め立て処分とし、リサイクル率ゼロでしたが、国交省の「下水道ビジョン2100」が示される中で、下水汚泥の有効利用(資源供給)と温室効果ガス削減に取り組むことになりました。
 平成25年度以降における汚泥の処理処分は、適正かつ安定した処理方法を採用し、全量有効利用、リサイクル率100%を目指し、 平成28年度の汚泥処理状況は、5浄化センター発生量(日量約78・8トン)の54・5%は固形燃料化に、29・9%はセメント原料に、15・7%はコンポスト化と100%のリサイクル率です。このリサイクル施設は熊本市南部浄化センターの敷地内にあり、設計施工費21億円、20年間の管理運営費40億円の総額61億円です。
 契約については、BO方式を採用。この方式は、設計・建設と運営・維持管理を民間業者に一括発注するもので、公設民営のひとつの方式です。
 メリットは、民間事業者の専門知識とノウハウを最大限活用でき、事業コストを下げることができます。20年間の燃料化物売買・利用の確約書と受入先自治体からの燃料化物利用の承諾書も入札条件でした。できた固形物は1センチほどの大きさで無臭・石炭代替燃料として九州電力や火力発電所で利用されているそうです。売買単価は「その他の収入」に該当する程度との事。 本市では、4浄化センターの汚泥を焼却し、その焼却灰を日立セメント原料として100%再利用されていましたが、原発事故で3割程度になっています。