小・中学校施設の修繕費の大幅増を
小・中学校の修繕が間に合わない
渡辺 前議会の溝口議員の質問で、平成27年度は、小・中学校での修繕要望数およそ1700件に対して、修繕した件数は1129件で、6割ほどしかないということが明らかになりました。市長は前年に比べ予算を10%増やしたと答弁しましたが、とても間に合うとは思えません。
そこで、大規模な修繕が必要とされる校舎の雨漏りに注目して質問を進めます。平成27年度に、小・中学校での校舎の屋上防水の改修工事の状況はいかがですか。
教育部長 工事が必要な件数は小学校9件、中学校5件の計14件ですが、工事を行ったのは1件でした。
渡辺 防水工事の保証期間の10年間は大丈夫ですが、2、30年に1回は大規模な屋上防水工事が必要になるそうです。一方、本市には公立小・中学校が100あまりあります。ですから、単純に計算しても少なくても年に4、5件は工事をしなければなりません。
年1件しか工事しなければ、工事を必要とする学校は増え続けることになります。
市の財政は良くなってきた
渡辺 そこで、財源があるのか、財政について質問します。
本市の貯金の平成27年度末残高はいくらですか。
財政部長 143億円です。このうち、復興交付金事業などで一時的に大きくなっている額は50億円です。
渡辺 一時的に大きくなった分を除いても貯金は93億円あります。本市の目標は「30億円以上」なので、貯金は十分にあると言えます。
では、借金返済額はどのように推移していますか。
財政部長 平成23年度は167億円、平成26年度は147億円、平成27年度は114億円です。
渡辺 本市の貯金には取り崩して使える金額が数十億円あります。この他に、借金返済額は、ピークの平成23年度に比べ、53億円も減少し、義務的経費も減少しています。
このお金を何に優先的に使うのかが問われています。
「予算要求しても通らない」 教育部長
渡辺 小・中学校での維持補修費の今年度予算額はいくらですか。
教育部長 3億1600万円です。
渡辺 市長は10%増やしたと言いますので、3千万円ほど増えたのだと思います。しかし、市の財政状況を考えると、あまりにも少ないと思います。2月議会の文教経済常任委員会で、教育部長は、「毎年、なるべく多く予算をとってほしいという要求は行っていますが、予算が通らない状況です」と答弁しました。
今年は市政50周年であり、様々なイベントなどがなされ、予算措置されています。
例えば、いわきサンシャイン博支援事業では1億200万円、花火大会への補助金は例年の900万円から7000万円に増額されています。他にも様々なイベントに予算が付いています。これらの金額に対して、小中学校の維持修繕費が増えたのは3千万円と、なんと少ないことかと思います。
中学校での校舎の屋上防水工事も含む維持補修費などの予算額が不十分なことについて、市長はどのように考えていますか。
市長 今後は、市全体のバランスに配慮しながら可能な限り予算の配分に努めていきます。
渡辺 「市全体のバランスに配慮しながら」と市長は言いますが、そのバランスが問題です。なぜ教育環境の改善を最優先されないのでしょうか。本市は、教育先進都市を目指すとしていますが、来年度には大幅に増額し、教育先進都市にふさわしい予算にすることを求めます。
雇用促進住宅の廃止方針の撤回を国に求めよ
渡辺 国は、雇用促進住宅を平成33年度までに譲渡・廃止する方針を出しました。
いわき市内の雇用促進住宅の居住世帯はいくつですか。
産業振興部長 459世帯です。
渡辺 雇用促進住宅の譲渡・廃止の方針は第一次安倍内閣の時に、三菱総合研究所が、「収益を最大化するためには、17年かけて雇用促進住宅を売却していくことが適当」と記した報告書を受けて作られたものです。居住している人たちよりも、収益を最優先に考え、期限を切って譲渡・廃止の方針を出しているというところに最大の問題があります。
市営住宅を廃止する場合には、入居者に配慮がなされていますが、雇用促進住宅では、それが欠けています。
今後、市内の雇用促進住宅で民間譲渡の見通しはあるでしょうか。
産業振興部長 平成29年度末を期限に、民間への売却に向けた事務を進めているところであると伺っています。
渡辺 昨年2月、国会で厚労大臣は、「現在、入居者の退去を促進することは実施しておりません。現時点で退去促進を行う予定はございません」と答弁していますが、居住者は、「来年3月までに退去してくれと言われた」と話します。
管理会社に確認すると、「民間にも譲渡できない場合には、平成33年度までに建物を取り壊して更地にしなければならない。そのために、平成31年度までに退去していただくことになる。移転補償はしない」と話していました。
厚労大臣の説明と現場での説明が異なり、居住者も混乱しています。今、居住者にとって、どのような問題が発生していると認識していますか。
産業振興部長 雇用促進住宅を管理する支援機構には特段の苦情はまだ来ていないと聞いています。
渡辺 全国で大きな問題になっているにも関わらず、「苦情は来てない」と問題がないかのように振舞っていること自体が大問題です。支援機構の姿勢が疑われます。
私は、下神白の雇用促進住宅で懇談会を行いました。一人暮らしの84才の女性は「引っ越したくない。引っ越すお金もない」と話し、別な女性は「いわき市では住宅が不足していて家賃が高い。県営住宅や市営住宅には入れないでしょうか」と言います。一方で、「柱と壁に隙間ができても修理してもらえない」と話す人もいました。
平成33年度までに雇用促進住宅の譲渡・廃止する方針を、撤回するよう国に求めるべきではないですか。
産業振興部長 機構が入居者に真摯に対応するよう働きかけていきたいと考えます。
渡辺 居住者の状況、地域の状況を無視して、収益を最優先に期限を切って廃止を決定したこと自体が大きな間違いです。まして、本市は震災・原発事故で貸家・アパートが不足している状況です。国に方針を改めるよう求めていただきたいと思います。
石炭火力発電所建設計画の中止を
渡辺 異常気象という言葉を、頻繁に耳にするようになっています。
国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議が昨年11月30日から12月11日までフランスのパリで開催されました。協定の内容はどのようなものですか。
生活環境部長 地球の気温上昇を産業革命以前に比べ、2度未満に抑えることなどです。
渡辺 EUは平成2年に対して40%削減、中国は平成17年に対して60から65%削減することを目標にしていますが、日本の削減目標は低く、先進国の中で最低レベルでした。
イギリスは、国内の石炭火力発電所の利用を平成35年までに停止し、平成37年までにすべて廃止することとしました。ヨーロッパ先進国では、二酸化炭素を発生させない再生可能エネルギー、もしくは排出の少ない天然ガス火力発電所に向かっています。
石炭火力発電における二酸化炭素排出量は、天然ガス火力発電に比べてどの程度でしょうか。
生活環境部長 2倍程度です。
渡辺 今年4月、本市でも「石炭火力発電所建設をやめさせる会」が発足しました。
私たちの交渉では、環境省の森本官房長は石炭火力発電所が増えることは問題だと考えていると発言しました。
石炭火力発電所は二酸化炭素をたくさん排出するだけでなく、重金属なども100%除去しきれないという問題もあります。そして今、株式会社エイブルが、好間工業団地にいわきエネルギーパークとして石炭火力発電所を建設しようとしていますが、環境の視点から問題があると考えていますか。
生活環境部長 石炭火発は温室効果ガスの排出が多く、課題があると認識しており、エイブルに対して温室効果ガスを抑制するよう要請しています。
渡辺 環境審議会における「有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値」では、ヒ素及びヒ素化合物は、大気1立方メートルあたり、6ナノグラム以下、とされています。これに対して、国立環境研究所の地理情報システムによると、平成26年度の平均は、小名浜中原局で31ナノグラム、小名浜大原局で26ナノグラムと指針値を大きく上回っています。平の揚土局では5・9ナノグラムで、かろうじて指針値を下回った状態です。たとえ微量であっても、さらに大気を汚染するような石炭火発には問題があると考えます。
本市は、石炭ガス化複合発電のクリーンエネルギーとして位置づけをやめて、環境上、問題があると明言し、環境負荷の少ない低炭素循環型社会へ転換を図るべきです。
小・中学校の修繕が間に合わない
渡辺 前議会の溝口議員の質問で、平成27年度は、小・中学校での修繕要望数およそ1700件に対して、修繕した件数は1129件で、6割ほどしかないということが明らかになりました。市長は前年に比べ予算を10%増やしたと答弁しましたが、とても間に合うとは思えません。
そこで、大規模な修繕が必要とされる校舎の雨漏りに注目して質問を進めます。平成27年度に、小・中学校での校舎の屋上防水の改修工事の状況はいかがですか。
教育部長 工事が必要な件数は小学校9件、中学校5件の計14件ですが、工事を行ったのは1件でした。
渡辺 防水工事の保証期間の10年間は大丈夫ですが、2、30年に1回は大規模な屋上防水工事が必要になるそうです。一方、本市には公立小・中学校が100あまりあります。ですから、単純に計算しても少なくても年に4、5件は工事をしなければなりません。
年1件しか工事しなければ、工事を必要とする学校は増え続けることになります。
市の財政は良くなってきた
渡辺 そこで、財源があるのか、財政について質問します。
本市の貯金の平成27年度末残高はいくらですか。
財政部長 143億円です。このうち、復興交付金事業などで一時的に大きくなっている額は50億円です。
渡辺 一時的に大きくなった分を除いても貯金は93億円あります。本市の目標は「30億円以上」なので、貯金は十分にあると言えます。
では、借金返済額はどのように推移していますか。
財政部長 平成23年度は167億円、平成26年度は147億円、平成27年度は114億円です。
渡辺 本市の貯金には取り崩して使える金額が数十億円あります。この他に、借金返済額は、ピークの平成23年度に比べ、53億円も減少し、義務的経費も減少しています。
このお金を何に優先的に使うのかが問われています。
「予算要求しても通らない」 教育部長
渡辺 小・中学校での維持補修費の今年度予算額はいくらですか。
教育部長 3億1600万円です。
渡辺 市長は10%増やしたと言いますので、3千万円ほど増えたのだと思います。しかし、市の財政状況を考えると、あまりにも少ないと思います。2月議会の文教経済常任委員会で、教育部長は、「毎年、なるべく多く予算をとってほしいという要求は行っていますが、予算が通らない状況です」と答弁しました。
今年は市政50周年であり、様々なイベントなどがなされ、予算措置されています。
例えば、いわきサンシャイン博支援事業では1億200万円、花火大会への補助金は例年の900万円から7000万円に増額されています。他にも様々なイベントに予算が付いています。これらの金額に対して、小中学校の維持修繕費が増えたのは3千万円と、なんと少ないことかと思います。
中学校での校舎の屋上防水工事も含む維持補修費などの予算額が不十分なことについて、市長はどのように考えていますか。
市長 今後は、市全体のバランスに配慮しながら可能な限り予算の配分に努めていきます。
渡辺 「市全体のバランスに配慮しながら」と市長は言いますが、そのバランスが問題です。なぜ教育環境の改善を最優先されないのでしょうか。本市は、教育先進都市を目指すとしていますが、来年度には大幅に増額し、教育先進都市にふさわしい予算にすることを求めます。
雇用促進住宅の廃止方針の撤回を国に求めよ
渡辺 国は、雇用促進住宅を平成33年度までに譲渡・廃止する方針を出しました。
いわき市内の雇用促進住宅の居住世帯はいくつですか。
産業振興部長 459世帯です。
渡辺 雇用促進住宅の譲渡・廃止の方針は第一次安倍内閣の時に、三菱総合研究所が、「収益を最大化するためには、17年かけて雇用促進住宅を売却していくことが適当」と記した報告書を受けて作られたものです。居住している人たちよりも、収益を最優先に考え、期限を切って譲渡・廃止の方針を出しているというところに最大の問題があります。
市営住宅を廃止する場合には、入居者に配慮がなされていますが、雇用促進住宅では、それが欠けています。
今後、市内の雇用促進住宅で民間譲渡の見通しはあるでしょうか。
産業振興部長 平成29年度末を期限に、民間への売却に向けた事務を進めているところであると伺っています。
渡辺 昨年2月、国会で厚労大臣は、「現在、入居者の退去を促進することは実施しておりません。現時点で退去促進を行う予定はございません」と答弁していますが、居住者は、「来年3月までに退去してくれと言われた」と話します。
管理会社に確認すると、「民間にも譲渡できない場合には、平成33年度までに建物を取り壊して更地にしなければならない。そのために、平成31年度までに退去していただくことになる。移転補償はしない」と話していました。
厚労大臣の説明と現場での説明が異なり、居住者も混乱しています。今、居住者にとって、どのような問題が発生していると認識していますか。
産業振興部長 雇用促進住宅を管理する支援機構には特段の苦情はまだ来ていないと聞いています。
渡辺 全国で大きな問題になっているにも関わらず、「苦情は来てない」と問題がないかのように振舞っていること自体が大問題です。支援機構の姿勢が疑われます。
私は、下神白の雇用促進住宅で懇談会を行いました。一人暮らしの84才の女性は「引っ越したくない。引っ越すお金もない」と話し、別な女性は「いわき市では住宅が不足していて家賃が高い。県営住宅や市営住宅には入れないでしょうか」と言います。一方で、「柱と壁に隙間ができても修理してもらえない」と話す人もいました。
平成33年度までに雇用促進住宅の譲渡・廃止する方針を、撤回するよう国に求めるべきではないですか。
産業振興部長 機構が入居者に真摯に対応するよう働きかけていきたいと考えます。
渡辺 居住者の状況、地域の状況を無視して、収益を最優先に期限を切って廃止を決定したこと自体が大きな間違いです。まして、本市は震災・原発事故で貸家・アパートが不足している状況です。国に方針を改めるよう求めていただきたいと思います。
石炭火力発電所建設計画の中止を
渡辺 異常気象という言葉を、頻繁に耳にするようになっています。
国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議が昨年11月30日から12月11日までフランスのパリで開催されました。協定の内容はどのようなものですか。
生活環境部長 地球の気温上昇を産業革命以前に比べ、2度未満に抑えることなどです。
渡辺 EUは平成2年に対して40%削減、中国は平成17年に対して60から65%削減することを目標にしていますが、日本の削減目標は低く、先進国の中で最低レベルでした。
イギリスは、国内の石炭火力発電所の利用を平成35年までに停止し、平成37年までにすべて廃止することとしました。ヨーロッパ先進国では、二酸化炭素を発生させない再生可能エネルギー、もしくは排出の少ない天然ガス火力発電所に向かっています。
石炭火力発電における二酸化炭素排出量は、天然ガス火力発電に比べてどの程度でしょうか。
生活環境部長 2倍程度です。
渡辺 今年4月、本市でも「石炭火力発電所建設をやめさせる会」が発足しました。
私たちの交渉では、環境省の森本官房長は石炭火力発電所が増えることは問題だと考えていると発言しました。
石炭火力発電所は二酸化炭素をたくさん排出するだけでなく、重金属なども100%除去しきれないという問題もあります。そして今、株式会社エイブルが、好間工業団地にいわきエネルギーパークとして石炭火力発電所を建設しようとしていますが、環境の視点から問題があると考えていますか。
生活環境部長 石炭火発は温室効果ガスの排出が多く、課題があると認識しており、エイブルに対して温室効果ガスを抑制するよう要請しています。
渡辺 環境審議会における「有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値」では、ヒ素及びヒ素化合物は、大気1立方メートルあたり、6ナノグラム以下、とされています。これに対して、国立環境研究所の地理情報システムによると、平成26年度の平均は、小名浜中原局で31ナノグラム、小名浜大原局で26ナノグラムと指針値を大きく上回っています。平の揚土局では5・9ナノグラムで、かろうじて指針値を下回った状態です。たとえ微量であっても、さらに大気を汚染するような石炭火発には問題があると考えます。
本市は、石炭ガス化複合発電のクリーンエネルギーとして位置づけをやめて、環境上、問題があると明言し、環境負荷の少ない低炭素循環型社会へ転換を図るべきです。