猫好き司会者日記


16歳の息子、公園猫ロコとの日々の暮らしを綴っています。

結婚式について思う事。

2020-05-05 08:43:44 | Weblog

結婚式の司会者という立場で、今感じていることを書きます。

コロナの一件で、人の心が疲弊して

まるで「蜘蛛の糸」を実写版で見ているような毎日です。

「結婚式は無駄だ」という意見や、「高いご祝儀を払って参加するような風習は、もともとなくなればよい」とか、「費用が高すぎる」とか、「つぶれろ」とかブライダルは惨憺たる言われようです。

でも思うのです。

私がこれまで披露宴で立ち会ってきた、新郎新婦の感動の涙や、友人たちの祝福、親族の喜び、結婚式というきっかけがなければ伝えることができなかった「ありがとう」の気持ちは、決して嘘ではなかったと思うのです。

時代とともに、そのスタイルは大きく変わり、今は選択肢も随分増えに増えました。

披露宴の規模は様々で、中には「盛大にお金を払いたい人」もいます。「親族だけの食事会で良い」という方もいます。

本来なら、それの一方を責めることなどできないのです。

無料で配られるアベノマスクが機能的ではない、と感じる人は、あらゆる機能性を重視した高価なマスクを使用するでしょう。

例えば、ヴィトンのマスクだって、そこに価値を感じる方は買うでしょう。

人の価値観はそれぞれ自由で、ヴィトンのマスクを買うために必死で働く人もいるでしょう。

億万長者でもマスクは無料で充分と思う人もいるのです。

ブライダル業界に務める人は、自身の時は「結婚式が質素」とよく言われますが

ヴィトンのマスクを作っている人がそれを買って使用したいと思うかどうかは別なのです。

 

今朝のニュースで

日本の子供の出生数が過去最低、全国でも一番少ないと聞き、

あー、この先「日本人」がいなくなるかもしれないと

絶滅した「トキ」のように、いつかその血は絶えてしまうんだと、「日本人」である自分を抱きしめたくなりました。

全てを「時の流れ」としていいのでしょうか。

「結婚式なんてなくなればよい」という言葉がそのまま「日本人がいなくなる」というニュースにリンクして、とてつもない寂しさを感じる反面、

いや違う!

今回の事で、延期を余儀なくされた方々の披露宴が、年内にも来春にもびっしり入っています。

「幼い頃から夢にみた」なんて言ったら笑われそうですが

大好きな人と、結婚式を挙げる日を

心待ちにしている方たちの声や、それを祝福している方たちの声も、どうか表に出してほしい。

人を祝える心の余裕が、一刻も早く訪れて

一司会者として、コロナの時代の新しい披露宴の形を作り、安心して参加できるニュースタイル

「シン・ブライダル!」

みんなで知恵を絞り、その日を迎えたいと思います。

だって地球は丸いんだもん。