--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

ゆきどり小屋

2006-12-09 | 南極だより・施設備品
今日は、昨日書き損ねた長頭山の記事に嵌ってしまい、この記事はなんともあっさりしたものになってしまいました。
昨日は「しらせ」でオーロラが観測されたことが報道されていました。
まだ南緯51・2度だというのに、かなり見事なオーロラだったみたいです。
昭和基地は白夜に入っているので見ることはできないのでしょうけれど、空いっぱいに出ていたはずですよね。
それでは渡井さんからの南極だよりです。
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2006年12月8日(土) 晴れ ゆきどり小屋

ラングホブデの観測拠点はゆきどり小屋だ。
きざはし小屋と同様、湾の奥まったところに位置している。
少々高台にあるので、上陸後は100mほど緩い坂道を登らなくてはならない。

建てられたのはきざはし小屋より遥かに古い。
建物の内部も若干古めかしいし、なにより小屋内と周辺に置かれた物資の多さが、時間を積み重ねてきたことを表している。

内部はきざはし小屋と同様な配置である。
入口右側に調理場、真ん中にテーブル、そして奥に2段ベッド2つ。
幅は若干狭いだろうか?
テーブルを囲んで椅子に座ると、小屋内の移動も一時立ってもらわないとできないほどだ。

この小屋には前室がないのが残念だ。
正確にいえば、1m四方ほどのスペースが建物内に設えてあるが、長靴を置いてしまうとドアを開けるのも一苦労。
食糧も十分に置くスペースがない。

が、目の前に開ける氷海は雲海のようでもある。
後ろにはそのまま氷床へと続く露岩地帯の山肌が迫る。
きざはし小屋とは異なってアルペン的な雰囲気だ。


#小屋のところに雪鳥沢の保護地区を記した看板があります

#あれ?小屋は3つ?
一番右はトイレ?真ん中が母屋?左奥は離れ??


#正式名称は「シャレーラング」(フランス語)意味はラング小屋

#奥から入口を見る

#入り口から奥を見る

-----12月8日本日の作業など-----
・O3変動解析
・エアロゾルゾンデ連結飛揚
・CO2, CH4, CO, O3濃度分析システムチェック
・フロン濃度分析用大気採取*2

<日の出日の入>
日の出 なし  
日の入  なし  
<気象情報>
平均気温-0.3℃
最高気温2.8℃(1642) 最低気温-3.3℃(2358)
平均風速5.6m/s
最大平均風速15.2m/s風向ENE(0320) 最大瞬間風速19.0m/s風向ENE(0312)
日照時間 7.0時間

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ラングホブデ
ゆきどり小屋は雪鳥沢の保護地区の際にあるみたいですね。
外から見るとプレハブ工法の明るい小屋ですが、中は山小屋のようなたたずまい。
野外活動では雪上車で寝るのも経験してみたいことのひとつなのかもしれませんが、このように観測の拠点に小屋があるというのは、疲労やストレスを減らしてくれるものなのだと思います。
きざはし小屋よりも暗いようだけれど電気もつくみたいだし、横は狭くても雪上車みたいに腰をかがめて歩かなくてもいいみたいなので、特に長期滞在して観測したり作業したりする場合には、ありがたい小屋なのでしょうね。
長年使って物資が増えると、昔の観測隊の様子がかいま見られて楽しそう。
写真には書籍も写っていて、どんな興味深いものがあるのか、見てみたいです。

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