--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

秋の訪れ

2007-02-11 | 南極だより・自然
東京では初雪が最も遅い記録というのを更新したのだそうです。
(私の住んでいるところでは降ったのですけれどね)
春のどか雪はあるかもしれないけれど、今から冬らしい雪が降るとはとても思えません。
あじさいの葉が芽吹き、沈丁花の花がふくらみ、ぽかぽかと暖かいのです。
昨年、人の背よりも高く雪がつもった地方も、ほとんど雪がないようです。
雪国出身の隊員さんたちは、雪下ろしの心配をしなくてもいいのでは?と思うほどです。
それでは、渡井さんからの南極だよりです。
---------------------------------------------------------------
2007年2月10日(土)曇り 秋の訪れ

夏の間は晴れが多かった空であるが最近曇りがちだ。
海氷を渡る風も身にしみるようになってきた。
どんよりした空を飛ぶトウカモもなんとなく寂しい。
アデリーをみかける機会もめっきり減った。
氷上輸送中に次第に発達したパドルも再び凍りだしている。
もうこれ以上溶けることはないかもしれない。

#再び凍り始める秋の氷海

しらせには47次隊では今日さらに2名が移り、昭和基地に残るのはわずか8名となった。
このくらいの人数だと寂しさもひとしおだろう。
越冬交代以降の残留隊員のことを秋隊と呼ぶこともあるらしい。
さしづめ残留隊員の責任者は秋隊長である。

また48次隊の夏隊員も順次しらせに戻り始めている。
同行者の方や、海洋、生物関係の隊員だ。
今次隊では夏隊員は最終便で全員が昭和基地を離れるということはなく、順次戻る予定になっている。
14日には観測系の隊員、15日には設営系の隊員が離れる予定だ。

いよいよ昭和基地離岸は近い。


-----本日の作業など-----
・メール設定
・事務作業
・ヘリ調整により砕氷航行延期
・読書

<日の出日の入>
日の出   03:31
日の入    21:37
<気象情報>
平均気温-4.9℃
最高気温-3.6℃ 最低気温-5.8℃
平均風速5.0m/s
最大平均風速9.7m/s風向NE 最大瞬間風速12.7m/s風向NE
日照時間 2.5時間

※ しらせが昭和基地から一時的に離岸したため、気象情報は気象庁webより取得しています。
--------------------------------------------------------------
久しぶりに平均気温が-5℃近くまで下がり、秋の気配なのですね。
気象情報を見返してみると、48次隊が到着してからは、最高気温がマイナス気温だったのは数回しかなく、逆にこの夏は、最低気温が0℃を下回らなかった日がありました(1/23平均気温3.0℃ 最高気温6.7℃ 最低気温0.3℃)。
昨年を思い出しても、この後は日もどんどん短くなり気温もぐっと低くなっていくことでしょう。

支援で昭和基地を訪れていたしらせ乗組員も引き上げてしまい、47次隊の8名の隊員さんは48次隊が主になった管理棟で食事をとるようになったそうです。
先月まで我が家だった管理棟も、今や人の家。
実は「しらせ」に戻るよりも寂しい思いをしているのは、残留組の隊員さんたちかもしれません。

昭和基地の早朝(7:00頃)「しらせ」は離岸したようです。
無線LANのつながらなくなった「しらせ」は常時接続でなくなり、インターネットも使えないので、隊員さんのブログの更新が止まってしまうのが残念です。
渡井さんからのメールも、タイムラグがあってちょっと変な感じ。
先ほども「おはよう」って、今日本は22時なんだけれども。
今「おやすみ」と送ったら、明日の朝に着きそうな予感。
6時間の時差に輪をかけている感じです。
離岸といってもシドニーに向かったわけではなく、「航路啓開」(たぶん明日の南極だよりになると思われます)というのをするためらしいです。
再接岸後、47次越冬隊と48次夏隊を乗せて15日にシドニーに向けて出航する予定だそうです。

昨年は、夏隊の引き上げは離岸当日で、そのまま「しらせ」が出港してしまったので、本当にあっという間に去っていった感じがしました。
47次夏隊、46次越冬隊を乗せ「しらせ」出航(ウェブカメラで見た離岸)
しらせ離岸(渡井さんからの南極だより)
今年の出港はウェブカメラで見ることができるでしょうか?
当日「しらせ」にカメラが合わせてあることを祈っています。

最新の画像もっと見る