--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

「極光」

2006-03-02 | 夏隊のしらせ便り
高野さんからの「しらせ」情報によると、今日の未明にまたオーロラが出現したのだそうです。
快晴で夜空に天の川とオーロラがいっぱいに広がっていたとのこと。
海の上で見るオーロラも素敵だろうなぁ。

福井さんからも「しらせ便り」が届いています。
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オーロラで思い出したのですが、さだまさしの「極光」という歌をご存知でしょうか?
若い世代にはあまり馴染みのない歌手かもしれませんが、47次越冬隊員に是非聴かせたい歌です。
オーロラに魅せられたカメラマンの鎮魂歌(?)とも言える曲ではないでしょうか?

本日3月1日、南緯61.5度、東経80度の地点でセジメントトラップの回収を行いました。
1年前の観測隊が海水中に係留設置したものを今次隊でひき引き上げました。
海洋で生産された有機物等は分解しながら海底に沈降堆積いたします。
一般的にセジメントトラップは有機物に種類や堆積速度等を推定するために用いられます。
今日回収されたトラップには仕掛けが隠されていました。
1年前の「しらせ」に乗船していた観測隊員の46次越冬隊と47次夏隊員へのメッセージが隠されていたのです。

私へのメッセージがあることを46次通信隊員の濱本さんから知らされていました。
越冬明けの45次隊員伊村さんからのものです。
「生きて帰ってね!」と。

さだまさしの歌「極光」と伊村さんの言葉が重なり合う一日となりました。

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「極光」はアルバム「夢の轍」に入っている一曲ですが、思いがけず福井さんからこの曲の話題が出て驚きました。
渡井さんからオーロラの便りをもらってから、この曲が聴きたくなって最近聴いていたからです。
「地球も夢を見るんだ、こいつがそうだ、と目を輝かせてた」(オーロラを撮りに行ったときに事故でなくなったカメラマンの妻との出会いから生まれた歌だそうです)という歌詞があり、初めてこの歌を聴いた中学生の頃にオーロラを見てみたいと思ったのを思い出します。
私のささやかな夢は夢のままですが、この歌が「夢の轍」というアルバムに入っているのは今昭和基地にいる47次越冬隊員の皆さんと重なるように思えました。
隊員さんが夢を叶えるために歩いてきた軌跡が見えるような気がします。
45次の伊村さんが福井さんあてにセジメントトラップに託したメッセージは、きっと隊員さんのご家族や身近な方たちの毎日の祈りだと思います。

どうか、今日も無事に。

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