JAHPON LAND( Pucci )

スケートファニチャーやステンドグラス作品などJAHPON.comとして活躍する作家 土屋隆亮(プチ)のメッセージ!

ステッキング病

2007年09月18日 | Weblog
ノイローゼの様に何かにはまる事をおれは~~病と呼んでいますが 判り易く みうらじゅんが言うマイブームの事です。似ている変態ぶりに勝手にライバル視してるのか?ジェラシーなのか?結局は好きなんだけど!色々なマイブームが燃え上がり いつか完全に消える訳では無いのですが鎮火される瞬間が おれにはあります。時間が経つと自分を笑ってしまう、否定はしないけど少し冷静な自分も住んでいる様なのです。その鎮火の瞬間のドラマはいつも愉快な思い出として残りますが、本気な本人の挫折の瞬間の切なさったら無いのです。4年程前、ふと傘をささずに地面を突いている感覚が楽しくなって、愛用の傘の柄と同じウサギの柄をアンティークの木製ゴルフクラブと合体させて 素敵なステッキを完成させたのです。珍しい先細りの木はゴルフクラブだっただけの事はある硬くて真っ直ぐで軽くかわいいカッコ良さで 浅草のステッキ屋のじいさんにも褒められた程です。落ち着きが無く手持ち無沙汰に何かを手でいじり回す自分の癖がステッキに集中して、精神が安定する感覚が最高にしっくり来たのです。「ステッキを持ちながら、なぜこれを持っているのか?を考え続けました」ステッキの先にはゴムを付けてあり何かをピッと指した時 目標物をキュッと捕えます!レンガの様なカラフルな歩道を特定の色の石だけを突いて歩いたり、はらはらと舞う枯葉をピシッと突いて捕えたり出来ます!いつもは届かない場所や素手で触るのはおっくうな物をツンツン出来ます!コンビニ袋の荷物を柄にかけて肩に背負ってネズミやスヌーピーの引っ越し風な愉快に便利な事も出来ます!ステッキを突くリズムや棒を回転させる技など、限りない使い方は「考え過ぎてしまう頭の中を白くクリアーにして、感覚的にさせてくれる」気がするのです!だから「考え続けたフリなだけで わけがわからない事が持つ理由」という結論でした。さてご機嫌で電車に乗ったある日、親切なおばさまに真剣に席を譲られてしまったのです!若いのに杖が必要なのが不憫に思ったのか熱心で「いえ大丈夫です、本当に大丈夫です!本当にごめんなさい!」と三度目には謝っていました!?おばさまは謝られた意味が解らなかっただろうけど、この事件におれは顔が真っ赤になってしまい 半ベソぎみでした。善良で優しいおばさまを騙してしまった様な罪悪感や本当に杖が必要な人を侮辱してしまった様な罪悪感です。この先何十年も気長に自分のキャラクターのランドマーク的なファッションになったら斬新で目立つかなと言う いやらしいとも言える衝動も正直あったので、この現実にすごい葛藤をしました。英国紳士じゃないから日本じゃ無理なのかな?と ステッキ=杖=身体障害者 という観念的な発想をする社会を責めてみたり、やましい事なんてしていない!おれはおれの自由を生きるんだ!と熱くなったり、汗をダラダラかいて、そして最後に そっと部屋の隅に立てかけて「おれは自由だけどTPOも解らないサムい奴は御免だぜ」と鎮火したのです。今自分のランドマークはモヒカンドレッドだし手にはハワイで組んだ大事なスケートボードを常に持ち歩いているので、ウサギステッキは眠らせています。テリー伊藤さんがステッキマニアだとか、深夜TVでみうらじゅんが持ち歩いているのを見ると甘酸っぱい気分になります。ステッキ遊びのあの感覚 快感は持たなきゃ伝わらないな!スケートを持たない日に復活させようと思います。勿論電車に乗る時はリュックにぶら下げて。誤解は二度と受けない様に!まだ炎は消えていないんだぜ!