沖縄の市場の歳末風景
沖縄の那覇市の牧志公設市場と周辺の市場は、年末年始の買い物客でとてもにぎわっています。写真点描でいくつか紹介します。
①年越しそばーー伝統ある公設市場に行くと、入り口に長い長い行列ができている。「なんのための行列なのか?」と先頭の所まで見に行くと、そこは手打ち沖縄そばの店でした。手打ち麺を家族分でしょうか、大盛で買っていました。沖縄では行列はできないのが普通だけれど、ここだけは100人近い人が順番待ちしていました。
②正月飾りの稲穂と米俵ーー小さな米俵は金ピカです。稲穂は束にしたものを売っています。
③炭と昆布ーー沖縄では「たんとこんぶ」は「たんとよろこぶ」に通じるので縁起が良いと、正月には台所の神様である「火の神」、仏壇に、鏡餅やミカンなどといっしょに並べます。丸い炭を7,8㌢に切り、湿った昆布で巻き、さらに「寿」の字のある赤紙で巻いています。
④鏡餅ーーといっても、「火の神」専用の鏡餅です。仏壇などに供える餅より少し小さいですが、「火の神」用のを別に売っているのが、沖縄ならではです。
⑤田芋(ターム)ーー田芋は一度茹でたものを店頭で売っています。茹でているのは、そのまま煮物にするのではなく、すりつぶして田楽や砂糖醤油で味付けしてから揚げにするなど料理します。正月の定番料理です。田芋は水田で作っています。
⑥かまぼこーー沖縄の蒲鉾は、鮮やかな赤と白で、とっても大きい。家族が多いし、親戚が回ってくるから、料理もたくさん作らなきゃいけないようです。
⑦豚肉ーー肉はスーパーでも買えるけれど、たくさん買うので、市場で肉をよく見て、指でつついて、品定めをして買う。三枚肉(ラフティにする)、ソーキ(アバラ肉)、テビチ(豚足)など山のように並べられています。
⑧中味汁ーー中味とは、牛、豚の内臓。これで中味汁をたくさん作る。だから大量に買うのは市場でなければ買えない。「イナムドゥチ」というお汁も正月によく食べる。豚三枚肉、カステラかまぼこ、コンニャク、干しシイタケなど入れ、甘味噌で味付けする。これ専用の味噌が売られている。とくにその写真はないです。
⑨テビチ煮付ーー長時間かけて自宅で煮る人が多いが、手間がかかるので、煮付がよく売られています。とても美味しい。
⑩お魚ーーマグロ、カジキを短冊状に切った身はてんぷら用。沖縄はてんぷらが大好きで、魚のてんぷらといえば、マグロ、カジキ、イカなど定番です。
⑪島大根ーー大きくて、柔らかい。でもいまはあまり作らないので、少なくなっています。
⑫セロリーーなぜ沖縄なのか、というとアメリカ占領の影響です。米兵家族はセロリをたくさん食べるので、戦後は農家がよく作ったのです。戦後まだ、野菜栽培にも人糞を肥料に使っていたけれど、米軍は不衛生だと決めつけ、化学肥料を使えと求めてきたそうです。いまもセロリはたくさん作り、大きな株ごと一株100円、150円とか安く売られています。正月関係ないけれど、寒くなった今がシーズンです。
歳末の市場の風景も、沖縄ならではの正月飾りや料理、食材がいろいろあります。
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