岩風呂

ラーメンを中心に食べ歩きとかレシピを乗せてます。そして時々猫が登場するブログです。

浅草 寿司清

2008-08-11 22:03:55 | 外食レポ

こんちは・・・浅草にやってきております。
寿司を食べるためにやってきました。

もう一度言います。

寿司を食べるためにやってきました。

当然回転しないやつです。

なぜこのようなことになったかというと・・・時はさかのぼり、今年の3月、次男ぱるの出産という大イベントがあり、ミミコ嫁の誕生日、結婚記念日などが全部パスされた状態が続いておりまして、それに先日私の誕生日などもあり、もうこの際思い切って贅沢してしまおうと・・・・。
長男ちゅん、次男ぱるは共にミミコ嫁の実家のお義父さん、お義母さんに預けてきました。
感謝しております。

というわけで、やってきたのは、浅草の寿司 清(せい)さん。
某食道楽系の漫画に乗っていたお店で、それを頼りに以前来店しましたが、江戸前のしっかりした技術、しかし程よく抑えられた価格でたまにしか寿司屋に行けない自分でも気楽に楽しめる良いお店です。


握ってもらう前に軽く一品。
鯨さえずりのベーコン。
酢醤油と辛子をつけていただきます。
口に含んでゆっくりかみ締めると、脂がじんわりと染みてきて、これをビールで洗い流します。

(  ̄∀ ̄)ウメ~~~
と舌鼓を打っていると、なにやら板さんが「良かったらどうぞ」

三陸沖で上がった生の鯨の脂身を海水ほどの塩水に漬けてから、スモークしたものだそうで、板さんの自家製だそうです。
これが、鯨のきめの細かい繊維のような歯ざわり、程よい塩味と燻製独特の香りが鼻に抜けて・・・ん~も~~
(;゜∀゜)ウマイ!!

さて気の利いた板さんのお陰でテンションが上がってまいりました。
そろそろ握ってもらいましょう。
寿司屋にきていつまでも刺身を切ってもらってグダグダやっているのは野暮です。


はじめは新子。
新子→小肌→このしろと出世する出世魚、小肌は割と年中ありますが、新子は入梅からこの時期くらいまでしか食べられない、時期のものです。
板さん曰く、「この時期は新子もずいぶん大きくなっている」らしいのですが、自分はこんなに小さい新子を食べたことが無いので・・・これまで自分が新子と思っていたのはこの世界ではもう小肌なのですな。
しかし、この新子、小肌が持っている僅かなクセが無くなって、しかし、なぜか脂の乗りを感じる不思議なネタです。
来年はもっと早く走りの新子を、三枚付け、四枚付けでいただきたいものですな。


続いて青柳。
青柳といっても、恐ろしい大きさ。
これは千葉の木更津とかで取れる普通のバカガイ(青柳の一般名称)ではなくて、もっと大粒の北海道で取れたエソバカガイですね。
コリッとした歯ざわりと青柳独特の風味が口に広がります。


光物、貝と続いて、白身は真子鰈。
この時期ひらめもありますが、鰈の旨い時期です。
ひらめよりもさっぱりとして、こっちの方が好きだという人も少なくないんですよね。
自分もそんなひとりだったりします。


そして、小柱・・・・っていうか大柱・・・。
小柱は、例の青柳の貝柱を集めたものですが、この小柱は先ほどのエゾバカガイの貝柱をつかったもの。
これは大星といって、小柱の最高峰だそうです。


さっぱりネタが続いておりますが、こちらはいか。
白いかを細く切って、口当たりをよくしているのですが、ネタを切りつけてから崩さないよう、縦方向に包丁を入れる技術というか、包丁の切れ味というか、すばらしいものがありますな。


そして煮いか。
小さめのやりいかを煮付けて、甘いつめを塗ったのがこちらで。
これは江戸前の仕事ですな。


その仕事もので一番ポピュラーなのが、このづけでしょう。
鮪の赤身の表面を湯通しして、醤油を中心としたタレに漬け込んだもの。
湯通しはごく軽く、漬けも必要以上に濃い味にはしていないそうで、なるほど~。
さらにごく薄く塗ってあるつめといいコンビネーションです。
ちなみに本日は大間の天然物~。

そうそう、ここまで食べてて言うのもナンなのですが、ここまで来た寿司はすべて醤油を軽く煮詰めた「つめ」が塗ってあり、醤油の小皿を使っておりません。


お店が混んできて、ちょっと注文が滞ったのか、橋休めにと出てきた鮫軟骨の梅肉和え。
叩いた梅肉の中に、コリッとした軟骨が不意打ちのように入っています。
この鮫軟骨はひれのところでしょうかね。フカヒレを硬くした感じです。
まあ細かいことはいいとして・・・いくらでもお酒が呑めます。


江戸前の寿司屋では反則なのですが、岩牡蠣。
そういえばこの夏は岩牡蠣も食べてなかったなあ。
初岩牡蠣であります。
磯の香りを一気に凝縮したような味がたまりませんなあ。


というわけでハーフタイムも終わって寿司を再開!
そしてここは夏の味覚で鯵。
丁寧な皮引きや隠し包丁と、これまた技のある寿司でありまして、やはり回転寿司とは一線を期す物があります。
身は硬くないのに、柔らかすぎない。絶妙のタイミングです。


そして江戸前寿司の王道だと勝手に思っているのが、この鉄火巻き。
お寿司屋さんで、巻物が手巻きのあの三角のやつや、下手な巻きで出てきたりして悲しくなることがありますが、本日はネタとシャリのバランス、そして口の中でのばらけ具合ともに最高。
ちなみに、本日初めて醤油の小皿を使いました。


ピンボケでごめんなさいなのは鯛の昆布締め。
摩り下ろした青い柚子の皮が散らしてあり、このままいただきます。
天然の鯛なので、脂が少なく、鯛の身の風味がしっかり感じられ、その上に昆布の旨みが乗っかっていますねえ。


そろそろラストスパートでこれが中とろ!
もう「おなかいっぱい」と言っていたミミコ嫁でしたが、
さすが大間の中とろ・・・うま死ぬ・・・。


これが鰤のブランド物、天上鰤の刺身。
自分もさすがにおなかがきつくなったので、切ってもらいました。
板さん曰く、「思ったよりも脂の乗りが悪く・・・」ということでしたが、こういったさっぱりした鰤も良いものです。
普段は辛味大根の下ろしたものでいただくそうですが、さっぱりしすぎているので、大根おろしにわさびを混ぜたもの、そしてごまだれのいずれかでいただいてくださいとのことでした。
個人的には大根下ろし&わさびに軍配かな?
ちなみに天上鰤とは北海道の積丹半島あたりで取れる鰤で、日本で一番早く食べることが出来る寒鰤だそうです。

そして最後はうに・・・を頼んだら・・・。

三陸産のむらさきうに
利尻産のばふんうに
そして瀬戸内海で取れるという赤うにの三種を並べられまして・・・。
「どれがいいですか?」

そんな・・・ああ・・・並べられても・・・うわ~~選べません!!
と言いながら利尻産のばふんうにを夫婦で選択。


食べて
( ゜o゜)・・・・
さすが利尻昆布を食べて育ったうにであります。
完敗でありました。

この後お茶をずず~~ぅといただいてごちそうさま。
それにしても、このラインナップでお酒も結構飲んだのに1万5千円程度で収まるとは・・・かなりお得感がありますな。

そうそう、築地にも寿司清というお店がありまして、別に暖簾分けとかではなく、別の店だそうですが、そちらの方が有名らしく、何かと比較されているようですが、今度はそちらのお店も行ってみたいなあ。
ごちそうさまでした。

【地図】東京都台東区浅草1-9-8


■寿司問答江戸前の真髄


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