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子ども1人を大学に行かせる費用はいくらかかるのか?

2024年07月02日 10時06分16秒 | 教育のこと

新型コロナウイルスの影響で今後の経済に不透明感が漂っています。そんな中でも、親としては子どもが望む教育をしたいもの。では、大学に進学させるためにはどのくらいの教育費がかかるのでしょうか。奨学金と教育ローンの違いについても見ていきます。


大学進学にかかる費用はどのくらい?

日本政策金融公庫が今年3月に公表した「教育費負担の実態調査結果(令和元年度)※1」には、大学入業から卒業までにかかる「入在学費用」が示されています。同調査によると、大学4年間の総費用は子ども1人当たり690万円という結果でした。


6/11/2020


その内訳は以下の通りです。 

※1 64歳以下の男女で高校生以上の子どもを持つ保護者4700人(各都道府県100人)へのアンケート調査

 ■各学年における1年間の費用

 大学1年:234万7000円 
大学2年:151万9000円 
大学3年:151万9000円 
大学4年:151万9000円 

合計:690万4000円

 大学1年時は入学費用の82万8000円が在学費用151万9000円のほかにかかるので、他学年より金額が大きくなっています。 また、入学費用と在学費用に含まれるのは以下のようなものです。  

・入学費用:学校納付金、受験費用、入学しなかった学校への納付金の合計)

 ・在学費用:学校教育費(授業料、通学費、教科書・教材費、学用品代、施設利用料等)、家庭教育費(参考書等購入費など)

 次に、進学先別の入在学費用を見てみます。 

■進学先別の入学費用 

私立短大:66万9000円 
国公立大学:71万4000円 
私立大学文系:86万6000円 
私立大学理系:84万5000円 

■進学先別の在学費用(短大は2年間、その他は4年間)

 私立短大:295万6000円 
国公立大学:428万円 

私立大学文系:630万4000円 
私立大学理系:737万2000円 

■進学先別の入在学費用合計(短大は2年間、その他は4年間) 

私立短大:362万5000円 
国公立大学:499万4000円 
私立大学文系:717万円 
私立大学理系:821万7000円 

このように、子ども1人でも4年制の大学では約500万円以上の入在学費用がかかることになります。

また、親元から離れた地域の大学に進学するとしたら、これ以外にも家賃や食費などが必要になります。 これら全額を親が用意するというのは、そうたやすいことではありません。そのため、奨学金を利用したり、学生本人がアルバイトをして賄うという方法を取ることになります。


約半数の大学生が奨学金を利用

それでは、奨学金の利用率はどの程度なのでしょうか。 

日本学生支援機構の「平成28年度 学生生活調査結果※2」で奨学金の受給状況を見ると、日本学生支援機構の奨学金またはそれ以外の何らかの奨学金を受給している学生の割合は、

短大(昼間部)で52.2%、
大学(昼間部)で48.9%となっています。 

また、アルバイト従事者は、

短大(昼間部)で82.9%、
大学(昼間部)83.6%。

そのうち「家庭からの給付のみでは修学不自由・困難及び給付無し」の割合は、それぞれ37.0%、36.0%となっています。

 ※2 大学学部、短期大学本科及び大学院の学生が対象、有効回答数44,169人


奨学金と教育ローンの違いは?
奨学金とよく比較されるものとして教育ローンがあります。奨学金と教育ローンの違いはどんなところにあるのでしょうか? 

 奨学金には給付型と貸与型がありますが、ここではより一般的な貸与型の説明をします。まず、貸与型の奨学金には、無利息で借入ができる第一種と利息の支払いが必要となる第二種があります(第一種は「特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人」という条件が定められています)。 奨学金は学生本人の借金となり、毎月一定額が銀行口座に振り込まれます。第二種の場合も在学中は無利息で、返済は卒業後に始まり、利息は年(365日あたり)3%を上限とするとされています(日本学生支援機構「奨学金 第二種(利息が付くタイプ)」参照)。 


一方、教育ローンを借りるのは保護者で、翌月・翌々月から返済が始まります(元金据え置きができる場合もある)。国で借りる場合は固定年利1.70%ですが、民間の金融機関から借りる場合は3~10%ほどと奨学金より高めの設定となっています(銀行系・信販系などで各社貸与利率が異なる)。 国の教育ローンについては他にも所得制限や返済期限などの細かいルールがありますので、詳細については日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」をご確認ください。


おわりに
奨学金や教育ローンは、子どもの「学びたい」という気持ちをかなえるための有用な手段です。ただし、あくまでも借金であるということを心にとめておく必要があるでしょう。将来の経済状況が不透明な今、後々返済に苦しむことがないよう、利用にあたっては家族でよく話し合う必要があると言えそうです。




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