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昼酒が楽しい小さな台湾料理店>東京・荻窪の南口仲通り

2024年07月29日 12時06分43秒 | 食のこと
昼酒が楽しい小さな台湾料理店――ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳


食いしん坊編集者・ツレヅレハナコさんのもとには、類は友を呼ぶで、老若男女、有名無名を問わず、胃袋でつながった仲間たちから、旨いもの情報が集まってくる。



2021年01月30日 



東京・荻窪の南口仲通り商店街にある。この外観にひと目惚れ。ドアと窓にびっしり貼られた写真メニューも、店名の書体も、ショーケースの蛍光灯の光も、そして紹興酒の甕が室外機の横に無造作に置かれているところも、何もかもがツボ 


ハナコさんは、それらを書き留めた秘密の手帳を”閻魔帳”と名づけ、それを片手に東へ、西へ。仲間たち(=諜報員)のおススメの店を訪ねてきたハナコさんが、彼ら彼女らへの感謝の気持ちを込めて、自身が愛するお店の中から、それぞれにぴったりのお店を返礼として紹介するこの企画。


『東京ウォーカー』(KADOKAWA)で好評だった連載が『日刊SPA!』にお引っ越しして、今回は第2回目となりました。 

家族経営のアットホームなアジア料理を共有したいから

東京・荻窪の南口仲通り商店街にある。この外観にひと目惚れ。ドアと窓にびっしり貼られた写真メニューも、店名の書体も、ショーケースの蛍光灯の光も、そして紹興酒の甕が室外機の横に無造作に置かれているところも、何もかもがツボ

 今回のお店はコチラ。亞細亞(五反田/中華)を教えてくれた諜報員016(40代女性/アーティスト)にハナコがお返しに教えたい店は、荻窪の瑞鳳 南口仲通店さん。


壁一面の料理写真が一斉に私に手招き。一気にテンションが上がります。

壁一面に貼られた写真メニュー。どれも本当においしそうで、赤文字と黒文字のバランスも絶妙。デザイン性を狙っていないからこそ、かえってそそられる
 中央線LOVE。中央線沿線で生まれ育ったせいか、中央線に乗ると心が躍るし、沿線に好きな店も多い。なかでも4年ほど住んでいた荻窪は、西荻窪ほどしゃれていなくて、地に足のついた店が多いところがいい。引っ越して荻窪を離れてからも、買い出しや飲みにと、実はちょこちょこやって来ては、馴染みの店に顔を出す。南口仲通り商店街にある台湾料理店、瑞鳳もそのひとつ。




「妹が作るシジミの正油漬けは日本一美味しいよ」とお母さん。シジミ正油漬け¥600。豚耳、豚ハツ、チャーシュー、豚ガツ、鶏砂肝、茶玉子、昆布、押し豆腐から好きなものを3品選べる三品セット¥580。酒飲みにはたまらない。卵好きの私としては茶玉子はマストで、今日は豚ハツとチャーシューで。烏龍ハイ¥450

 荻窪に住み始めた頃、たまたま店の前を通りかかったら、料理の写真がベタベタ貼ってある外観があまりに気になりすぎて、どうにも素通りできない。いざ中に入ってみると、カウンターだけの小さな店内の壁一面にも料理の写真が隙間なくびっしり!

 ずらりと並んだ酒のつまみが一斉に私に手招きしているようで、一気にテンションが上がったっけ。  どのメニューもおいしそうだけど、まずは台湾料理店で決まって頼むシジミの醤油漬けと茶玉子を頼んだら、それがもう素晴らしいのなんの、正真正銘本場の味。

台湾人のお母さんの話が面白すぎて、それをつまみに昼から飲むのが楽しい。

そもそも台湾は、父が単身赴任をしていたこともあって、子どもの頃からよく遊びに行っていた慣れ親しんだ場所。台湾の人は子どもに優しいから、いい思い出がたくさんあって、だから台湾大好き! 

安くておいしいものの天国だし、ゆで卵文化がすごいところも卵好きの私にはテンションが上がる。そうそう、この店の牡蠣オムレツも甘辛味のタレが独特で、絶品なんだよねー。


台湾屋台でお馴染みの牡蠣オムレツ¥700。台湾産のタピオカ粉と日本の小麦粉2種類をブレンドした生地はもっちもち。そのわりには重くないので、意外にペロリと食べられる


 台湾人のお母さんのキャラクターも最高で、あまりに話が面白すぎて、それをつまみにメニューを眺めているだけでも十分飲める。なので、お客さんが少ない午後2時とか3時くらいに行って、お母さんの話を聞きながら、ちょこちょこつまんでウーロンハイをダラダラ飲んでいるのが常。


名物のおこわをはじめ、すべてが本場の味

テイクアウトや通販でも人気のおこわ¥500。具は豚肉としいたけのみで、干し海老と台湾醤油、秘伝のスパイスを加えたタレが味の決め手。油を使っていないのでさっぱり軽い。台湾では結婚披露宴や宴会、出産祝いなど、おめでたい席には欠かせないものだそう

 あるとき、「うちの名物はおこわなのよ」とお母さんに言われてテイクアウトして帰ったら、香ばしくてコクがあるのにさっぱりとして軽い! 聞けば、お母さんが生まれ育った台湾の龍山寺界隈で、1926年からリヤカーでおこわを売っていた“おこわばあちゃん”から受け継いだ味なんだとか。


妹さんと共に作り上げる味


ひとりのときは麺までは辿り着けないけど、友だちと一緒のときは〆にオーダーする芝麻醤麺¥650。最初に見たとき、具が香菜だけというあまりのシンプルさに痺れた。散々飲んで食べた後だから、精進の麺がありがたい。台湾では「麻醤麺」と言うそうで、麺を食べ終わったら、ここにスープを注いで飲むのが本来の食べ方だそう

 そもそも私が勝手に“お母さん”と呼んでいる徐瑞鳳さんが、1984年に店を開いたのは荻窪の北口だったそう。南口仲通店は、その5年後、1989年に妹の徐瑞真さんが夫と共にオープン。一時期、荻窪には2店の瑞鳳があった。それが4年前、建物の老朽化で北口の店を閉じることになり、お母さんが昼間だけ南口仲通店を間借りしているのだとか。「妹夫婦は夕方5時から。昼と夜のメニューは基本的には同じだけど、シジミの正油漬けと大根餅は妹、おこわと腸詰めは私が作って交換してる」とお母さん。



アットホームな雰囲気がたまらない
  それぞれの得意分野を尊重し、お互いの領域を侵すことなく姉妹仲良く助け合う。家族経営ならではのアットホームな雰囲気がいいんだな。


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