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神戸のスパコン「富岳」世界一 計算性能で史上初の4冠

2020年07月16日 16時15分07秒 | 科学のはなし
神戸のスパコン「富岳」世界一 計算性能で史上初の4冠

理化学研究所(理研)は23日、神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、計算速度ランキング「トップ500」をはじめ、スパコンの計算性能を示す主要4部門で世界1位になったと発表した。トップ500で日本勢が1位となるのは、2011年に2期連続1位になった先代の「京(けい)」以来9年ぶり。初採用の1部門を加え、「4冠」を達成するのは世界のスパコンで初の快挙という。 【写真】スーパーコンピューター「富岳」の裏側  

富岳は富士山の異名で、「京」(19年8月に運用停止)の後継機。計算速度は毎秒41京5530兆回で前回王者の米国のスパコンを大きく引き離した。  

国費約1100億円が投じられ、理研と富士通が共同開発し、21年度の本格運用を目指す。理研計算科学研究センターによると、432台の計算機(1台は幅80センチ、奥行き140センチ、高さ220センチ)が並ぶ。既に新型コロナウイルス対策のため、試験運用が始まっている。 

 「トップ500」は4部門のうち最も古い1993年から年2回発表され、主要部である中央演算処理装置の能力を競う。今回は富岳が2位の「サミット」(米国)の約2・8倍となる性能を示した。  

さらに、産業利用などの処理能力の「HPCG」、ビッグデータを処理する性能の「グラフ500」、人工知能(AI)の性能を測る新指標「HPL-AI」でも1位だった。HPCGでは、2位サミット(米国)の約4・6倍となる性能。グラフ500は大規模なグラフの解析で、15~19年に9期連続1位だった「京」の2倍以上の処理能力となった。  

構想から10年、プロジェクト開始から6年の歳月を経てほぼ完成し、“世界一”を達成した。理研計算科学研究センターの松岡聡センター長は「各主要分野で、突出して世界最高性能であることを示せた。富岳のIT技術が世界をリードする形で広く普及し、新型コロナに代表される困難な社会問題を多く解決していくでしょう」とコメントした。(井川朋宏) 

     ◇     ◇ ■井戸敏三・兵庫県知事の話  

誠に喜ばしい限り。新型コロナ対策のため、さまざまな研究で活用が始まっており、安全安心の実現に早くも貢献している。  今後、わが国の基礎科学の発展や産業競争力の強化に、さらなる役割を担っていくことを期待する。      ◇     ◇ ■久元喜造・神戸市長の話  世界1位を獲得したことは、わが国の科学技術の高さを証明するもの。関係者、開発に尽力した皆さまに深く敬意を表する。  来年神戸で運用開始される富岳が、感染症への対応をはじめ、画期的なイノベーション(技術革新)を創り出すことを期待する。

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