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揺らぐ政権、与党も憂慮 「安倍首相の責任」野党追及 河井前法相夫妻逮捕

2020年07月11日 17時45分51秒 | 事件と事故
安倍晋三首相(自民党総裁)が重用した河井克行前法相とその妻、案里参院議員が公職選挙法違反(買収)容疑で、そろって逮捕された。 
 
 党に所属した現職国会議員の夫婦が「政治とカネ」で同時に立件される前代未聞の事態に、ただでさえ逆風にあえぐ安倍政権は基盤が大きく揺らぎ始めた。与党幹部は憂慮の声を上げ、勢いづく野党は首相の政治責任を徹底追及する構えだ。  
 
河井夫妻逮捕を受けて、自民党の二階俊博幹事長は「大変残念なことだ。厳粛に受け止めたい。現在、捜査中であり、捜査の推移を見守りたい」とのコメントを発表した。  
 
新型コロナウイルス対応など首相の政権運営に国民の批判や不満が集中、報道各社の世論調査で内閣支持率は急落しており、求心力のさらなる低下は避けられない。自民党の石破茂元幹事長は記者団に「票をカネで買うという民主主義の否定に等しい行為をなした。政権に対して非常に大きな影響がある」と指摘した。  公明党の斉藤鉄夫幹事長も取材に対し、
 
「国民の政治不信を招いた。誠に甚だ遺憾に感じる。容疑が真実であれば議員辞職に値する」と夫妻を批判。「政権にとって大きな打撃になっている」と認めた。  野党は攻勢を強めている。
 
立憲民主党など野党は国対委員長会談で、(1)衆参法務委員会理事会などで法務省が逮捕事実を説明(2)衆参予算委で首相が出席して集中審議を開催―するよう政府・与党に求める方針を確認した。衆院予算委の与野党筆頭理事が国会内で協議。野党は要求事項を伝えたが、自民党は持ち帰った。  立憲の枝野幸男代表は、買収行為が疑われる昨年7月の参院選から2カ月後の内閣改造で河井氏が入閣したことを踏まえ、
 
「直前に逮捕されるような行動を取っていた方を法相に任命した首相の見識が問われる」と非難し、退陣を要求。国民民主党の玉木雄一郎代表は「夫婦そろって現職議員が同時に逮捕されるのは憲政史上に残る汚点だ」と断じ、
 
「速やかに議員辞職すべきだ」と迫った。野党は議員辞職勧告決議案の提出も目指す。 
 
 検察当局は、予定された首相記者会見の3時間前に逮捕に踏み切った。検察トップの検事総長人事をめぐり首相官邸と法務省・検察当局が暗闘を繰り広げてきただけに、自民党内では「(政権への)当て付けだ」(中堅)との声も漏れた。
 
 
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