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「北海道有事」は目の前に迫っている スターリンから〝占領〟防いだ樋口季一郎中将 プーチン氏の中に生きている「命令」

2023年04月02日 22時03分05秒 | 歴史的なできごと


【突破する日本】 もはや遠い国での話ではなくなった。日本もまたロシアの侵攻の対象になろうとしている。


 【写真】占守島の戦車隊を視察する樋口季一郎中将 


4/21/2022

ロシア通信は14日、ロシア太平洋艦隊の潜水艦2隻が、日本海で巡航ミサイル「カリブル」の発射演習を行ったと伝えた。ミサイルは敵の船を模した海上の標的に命中したとしている。 ロシアの左派政党「公正ロシア」のセルゲイ・ミロノフ党首(ロシア下院副議長)は1日、同党のサイトで「一部の専門家によると、ロシアは北海道にすべての権利を有している」との見解を発表した。同党は政権に従順な「体制内野党」とされる。


 いずれも単なる脅しとは思えない。

 ウラジーミル・プーチン大統領は昨年7月、「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」と題する論文を発表した。ロシア人とウクライナ人は、ベラルーシ人とともに、歴史的に三位一体のロシア民族として知られている民族の1つであると主張し、ウクライナの現代の国境の正当性に公然と疑問を投げかけた。 

専門家は誰も、西側に近づくウクライナへの脅しであり、軍事侵攻はあり得ないとした。だが、プーチン氏は論文の内容を実行した。

 第2次世界大戦の末期、ソ連(現ロシア)は日本との中立条約を一方的に破棄して、まずは満州に侵攻した。次いで南樺太でも日本領への攻撃を始めた。当時のソ連の最高指導者スターリンは英米ソによるヤルタ会談で秘密協定を結び、日本参戦への見返りに南樺太と千島列島全島を得るとの了承を得ていた。「回復すべき失地」と考えていた。 

そればかりか、スターリンは「サハリン(樺太)南部、クリル(千島)列島の解放だけでなく、北海道の北半分を占領せよ」と、極東軍最高司令官に命じていた(読売新聞1990年12月25日夕刊)。

米国のハリー・トルーマン大統領にも、留萌―釧路以北の北海道を占領させろと要求していた。拒否されたが、その後も南樺太にいた第87歩兵軍団に北海道上陸のための船舶の用意を指示している。

 その意図を見抜いて挫(くじ)いたのが、第5方面司令官の樋口季一郎中将だった。千島列島北端の占守島に上陸したソ連軍に抵抗して大損害を与え、北海道占領を断念させた。ただ、1000人近い日本兵が死傷し、生き残った者は全員、シベリアに抑留された。断念した北海道の代わりに不法占領されたのが北方四島だった。 戦わなければ北海道は確実にロシア領となっていた。 スターリンの命令は、プーチン氏の中に生きている可能性が高い。ミロノフ氏の発言が物語っている。「北海道有事」は今ここにある危機となりつつある。ウクライナの姿は人ごとではなくなった。


 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修了、政治学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専攻は憲法学。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学国際学部教授。山本七平賞選考委員など。法務省・法制審議会民法(相続関係)部会委員、内閣官房・教育再生実行会議有識者委員、フジテレビジョン番組審議委員を務めた。著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『日本国憲法とは何か』『明治憲法の思想』(PHP新書)など多数。


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