ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

ワクチンの順番待ちをしない金持ちが殺到!「病院に寄付するから先に打たせてくれ」

2022年05月29日 03時30分07秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス

ワクチンでも「特別待遇」を求める

Photo: Kobi Wolf / Bloomberg / Getty Images

新型コロナウイルスの猛威が衰えないアメリカでは、ファイザーとモデルナのワクチンの緊急使用が相次いで承認され、医療従事者から接種が始まっている。 接種を受ける順番は、まず医療従事者と介護施設入居者が優先され、次にエッセンシャルワーカーや教師、消防士/救命救急士、その次に持病がある人と65歳以上の高齢者となっている。 


12・22・2020


ところが、この「ワクチンの列」に割り込んで抜け駆けを狙う人たちがいる。カネと権力を手にし、いつも特別待遇を受けている富裕層だ。 

「ロサンゼルス・タイムズ」紙によると、ハリウッド関係者やIT長者が集まるカリフォルニア州ではすでに医師のところへ問い合わせが押し寄せているという。


「毎日、数百件の電話があります」──そう語るのは、会員制の病院「ビバリーヒルズ・コンシェルジュ・ドクター」のイーシャン・アリ院長だ。 同病院の利用者にはアリアナ・グランデやジャスティン・ビーバーなどのセレブが名を連ね、彼らは個人的な医療サービスを受けるために年間2000~1万ドルを支払っている。 同じくロサンゼルスにある「シダーズ・シナイ・メディカル・センター」の医師ジェフ・トールも、「病院に2万5000ドルを寄付するから何とか先に打たせてもらえないか」と懇願されたという。

同センターはカリフォルニア州で最初にワクチンが供給された病院の一つだ。 アリもトールもそうした富裕層からの問い合わせに「無理だ」と答えたというが、特権階級を列に割り込ませるのはまったくもって不可能というわけではないようだ。

 「一部の富裕層は一般の人たちよりも早くワクチンを接種できるかもしれない。というのも、彼らは大半のアメリカ人には手が届かない特別な医療ケアを普段から受けている人たちだからだ」とロサンゼルス・タイムズは指摘する。
庶民は手の届かない「コンシェルジュ医療」

庶民は受けられない、金持ちだけに許される医療とは何なのか? 「ワシントン・ポスト」紙によれば、それは「コンシェルジュ医療」と呼ばれ、必要なときにいつでも優先的に最高の治療が受けられるサービスだ。病院あるいは医師からもらった番号に電話をかければ、往診に駆けつけてくれるので、待合室で調子の悪い人たちと一緒に待つ必要もない。 このコンシェルジュ医療はとくにコロナ禍が始まって以降、病院や医師らが声高に宣伝しているという。

費用は月額5万ドルを優に上回る場合もある。 新型コロナウイルスのワクチンに関しても、これをマーケテイングの機会とみて、「うちは最初に供給される病院の一つ」であり、コンシェルジュ医療のクライアントを優先すると謳っているところもあるという。

 一方、特別待遇を期待する富裕層側も割り込みを「正当化」するために、自分は感染したら「重症化のリスクが高い」グループに分類されるべきだ、と担当医を説得する可能性が高いとポスト紙は指摘している。医師はそうした上客の訴えに黙従しがちだし、病院としても巨額の寄付をしてくれる富裕層には例外を認めやすいという。 

例外は今に始まったことではない。たとえば、裕福な親は我が子に学習障害があると診断してくれる医師を見つけやすい。そう診断されれば、テストや受験時間の延長が認められ、より良い成績が収められるからだ。「金持ちが集まる学区の子供は、貧しい学区に比べて学習障害に分類される確率が12倍高いというデータもある」(ワシントン・ポスト)。

すでに富裕層の順番待ちリストが
ロサンゼルス・タイムズによると、いわゆるコンシェルジュ・ドクターのところにはワクチンを求める富裕層の順番待ちリストがすでに出来上がっているという。

資金が潤沢にある病院は、ファイザーのワクチンをマイナス70度で保管できる超高級冷凍庫を購入する余裕もある。 今のところ、アメリカ政府がワクチンの各州への供給をコントロールしており、病院や医師がファイザーまたはモデルナから直接ワクチンを購入するのは不可能だ。とはいえ、富裕層はそんなことで諦めたりしない。

 「数万ドル払うのをいとわない人たちですから」と、コンシェルジュ医療を提供する前出のトールは言う。 ニューヨーク大学で医療倫理を教えるアリソン・ベイトマン・ハウス助教はタイムズ紙にこう語っている。

 「どんなシステムにもウィークリンク(つけ入る隙)がどこかに必ずあります。誰かがそれを見つけて利用するのは間違いないでしょう。問題は、そのウィークリンクがどこにあるか、どれだけ早く特定して止めることができるかです


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紅梅の赤い色 | トップ | あの日以来、姿を見せた「K... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

感染症のこと 新型コロナウイルス」カテゴリの最新記事