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名門女子校・桜蔭学園がタワマン建設で法廷闘争 “高層階からの盗撮”や“工事によって校舎が崩壊”への危険性が争点に

2024年12月17日 21時03分57秒 | 教育のこと






名門女子校・桜蔭学園が隣接地のタワマン建設計画をめぐって能の名門「宝生会」と法廷闘争 “高層階からの盗撮”や“工事によって校舎が崩壊”への危険性が争点に
12/8(日) 7:00配信




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女性セブンプラス
桜蔭学園と宝生会のタワマン建設をめぐる争いが裁判に発展した(宝生会のHPより)


創立100周年を迎えた「日本一賢い女子校」。そして、観阿弥・世阿弥の時代から数えて600年の伝統をいまに繋ぐ「由緒正しき能舞台」。隣り合った土地に建つ2つの“名門”の「タワマン建設をめぐる争い」が、ついに裁判に発展した──。


【写真】桜蔭学園の卒業生である人気女優や元衆院議員の女性など


校長が法廷で憤りをあらわに
「突然降ってきた建築計画。本校にとって、まさに青天の霹靂でした。生徒・教職員の心身の健康、安全が脅かされています」


11月20日、東京地裁で開かれた裁判の口頭弁論にて、日本の女子校で随一の東大合格者数を誇る中高一貫校「桜蔭学園」の校長は、憤りをあらわにこう語った。


国内の大学入試において最難関とされる東大「理科III類」。その合格者のうち、実に10人に1人を占めるのが東京・文京区にある桜蔭学園の学生だ。東京ドーム近くの閑静な一角にたたずみ、女優・菊川怜(46才)や元衆院議員・豊田真由子氏(50才)など、多彩な人材を輩出してきた。だが、そんな名門女子校が、予期せぬ事態に直面し、ついに法廷闘争を決意したのだ。


冒頭の「突然の建築計画」とは、能の名門「宝生会(ほうしょうかい)」が運営する「宝生能楽堂」と、同じ建物内にあるマンションスペース「宝生ハイツ」の建て替え計画のこと。


桜蔭学園の西側、崖を挟んですぐ下にあるその建物を取り壊し、代わりに地上20階建て、高さ約69mに及ぶ高層ビルを建築する計画が進んでいるのだ。宝生能楽堂やマンション居室もその中に入る高層複合施設である。


盗撮などの懸念が生じる
学校関係者はこう懸念点を指摘する。


「桜蔭学園から見て南西方向にタワーマンションが建つことで、正午以降、ほぼ陽が差さなくなり、校舎内が常に薄暗くなってしまいます。


また、タワマンから敷地内を見下ろされる位置関係になることで、生徒たちに盗撮などの危険が及ぶことも大きな問題です。実際に、桜蔭学園では以前、周囲の建物から学内にカメラを向けられる被害が発生しています。


さらにマンション建設により、校舎が建つ土地が崩落する危険性もあると考えています」


桜蔭学園がある地域には本来、高さ46mを超える建物を建ててはいけないという制限があるが、《敷地内に歩行者が自由に通行または利用できる空間を設けることで、(例外的に)高さ制限を緩和できる》という「総合設計制度」によって、全高約69mのタワマン建設が可能になるという。すでに総合設計の許可申請を東京都が受理しており、今後、建築審査会の同意を経て許可処分がなされる見込みだ。


建て替え計画の見直しを求め、桜蔭学園や地域住民は3年前から署名活動を実施。これまでに約2万通の署名を東京都に提出した。


「駅前の商業施設ならまだしも、この落ち着いた裏通りに突如として高層ビルを建てるのは、周辺環境への配慮が足りないと批判されても当然ではないでしょうか」(署名活動の関係者)


さらに、桜蔭学園側が憤慨する理由として、約50年前の「覚書」の存在がある。


「1977年、宝生ハイツ管理組合の母体となった『宝生会』と桜蔭学園の間で、『宝生ハイツの高さを超えては、将来とも一切構築物を設置しない』という覚書を取り交わしており、今回のタワマン建設はそれを反故にした形となるのです」(前出・学校関係者)


能楽事業の赤字を不動産賃貸事業が補う構図
それでも宝生会が強行にタワマンの建設を推し進めているのには、経済的な理由もあるようだ。


「もともと現在の土地には宝生能楽堂だけが建てられていましたが、宝生会の運営費を補う目的で増築され、1979年に完成したのがいまの宝生ハイツなんです」(宝生会関係者)


経済的な事情は、宝生会が公表している収支報告にも表れている。


「近年も、能楽事業の赤字を不動産賃貸事業が補う格好になっており、それでもなお、正味財産が毎年平均約2000万円ずつ減少している状態です。固定資産を売却した2021年度は、例外的に1億7000万円の黒字となっていますが、経営状況は依然として厳しいことがうかがえます。


タワマン建設で不動産収益を最大化したいという思惑があるのです」(前出・宝生会関係者)


一方で、宝生能楽堂の南に位置する東京都立工芸高等学校が校舎を建て替えた際には“逆の立場”のトラブルがあったという。


「1997年に建て替えられた工芸高校の校舎は、それまで宝生能楽堂のすぐ隣にありました。ですが、地上9階建ての新校舎が建つにあたって、宝生ハイツ側から工芸高校側に“陽が当たらなくなってしまう”と申し入れがあり、建物の位置を敷地の南端にずらすことで解決したという経緯があるんです。その結果、工芸高校の校庭は、陽の当たらない北側になりました。


それなのに、自分たちが建て替えるときには周囲への配慮なしという、恩を仇で返すような姿勢も、この計画が地域で不評である要因のひとつでしょう」(前出・署名活動の関係者)


争点には“工事によって校舎が倒壊する危険性”も
桜蔭学園側に詳細な建て替え計画が提示されてから約3年。建築計画を担う不動産業者を交えた話し合いを経て、《校舎と同じ高さの部屋にはベランダをつけず、窓を磨りガラスにする》といった改善策は提示されたものの、高層階や共有スペースから盗撮される危険性は依然として残ったままだ。


桜蔭学園は今年8月、「総合設計制度」の許可処分権限をもつ東京都を相手取り、東京地裁に提訴。許可を差し止めるよう求めており、冒頭の通り、11月20日に第1回口頭弁論が行われた。


建築トラブルに詳しいアディーレ法律事務所の長井健一弁護士が解説する。


「この裁判では、“教育環境悪化の有無及び程度”に加え、“傾斜地における工事によって校舎が倒壊する危険性”も争点になっています。


裁判の結果、桜蔭学園側の要求が認められなかった場合でも、桜蔭学園側の懸念を解消するため、マンション建築計画の一部を見直す方向での話し合いになる可能性があります」


類似のケースとして、2013年に日本テレビの番町スタジオが名門女子校「女子学院」の横に建てられるという計画が発表された際も、保護者から大きな反発があり、都議会への陳情、日本テレビへの嘆願書提出などが行われた。だが、結果として当初の予定と同じ地上11階建てのビルが2018年に建てられた。現在も、さらなる商業施設の建設をめぐって、女子学院の保護者と日本テレビとの間で争いが続いている。


今回のタワマン建築計画について経緯を尋ねたところ、桜蔭学園は「お答えできません」と回答。宝生会は「覚書については、既存建物に増築しないことを合意したものに過ぎず、建替えについては適用されない」と答えた。


100年近く「お隣同士」という、縁の深い両者のすれ違いが生んだ今回のトラブル。将来の日本を担う女子学生たちが落ち着いて学べるような妥協点は見つかるのか。


※女性セブン2024年12月19日号











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不登校の小中学生、34万人で過去最多 3割超「やる気出ない」

2024年12月14日 15時03分29秒 | 教育のこと



不登校の小中学生、34万人で過去最多 3割超「やる気出ない」文科省 




2023年度に全国の国公私立小中学校で「不登校」と判断された児童生徒は前年度から15・9%(4万7434人)増の34万6482人となり、過去最多を更新した。文部科学省が31日に公表した「問題行動・不登校調査」の結果で判明した。不登校児について教員が把握した相談などの内容は「やる気が出ない」が最多だった。専門家らの十分な支援を受けていないケースも多く、文科省は居場所の確保などを進める。


 不登校は病気や経済的理由ではない要因で年間30日以上登校しない状況を指す。増加は11年連続。要因について文科省の担当者は「不登校が休養や自分を見つめ直す機会になるとの認識が保護者間で広がった」と分析している。



 23年度の不登校は小学生で13万370人(前年度比2万5258人増)、中学生が21万6112人(同2万2176人増)。小中とも高学年ほど多いが、増加率は小学校低学年ほど高い傾向がある。文科省は幼稚園や保育園と小学校の接続に課題があるとみている。


 前回調査までは教員が主観的に不登校の要因を回答していたが、「実態を正確に把握できていない」として今回は客観性を重視して教員が把握した事実を選択肢から複数選ぶ形式とした。結果は「学校生活に対してやる気が出ないなどの相談」が32・2%で最多、「不安・抑うつの相談」が23・1%と続いた。前回は「無気力・不安」を要因とする回答が最も多く、形式を変更しても前回と同様の傾向となった。


 不登校のうち、学内外でカウンセラーや民間団体などによる専門的な指導や相談を受けていない小中学生は13万4368人(同2万151人増)だった。文科省は「担任らとは連絡がとれており、放置されているわけではない」とするが、およそ2・5人に1人が専門家による十分な支援を受けていない計算になる。


 一方、いじめの認知件数は73万2568件(同5万620件増)、生命や心身などに重大な被害が生じた疑いがあったり、長期欠席を余儀なくされたりするいじめの「重大事態」は1306件(同387件増)で、いずれも過去最多を更新した。文科省は「いじめに対する積極的な認知が進んだ」ことが要因とみている。【斎藤文太郎】











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京都大学大学院生女子>奨学金返済残り450万円…37歳女性、結婚したいが「無理かもしれない」文学の博士課程中退、先生になるも5年前転職

2024年12月14日 03時03分43秒 | 教育のこと



2022/11/08(火) 21:08:48



奨学金返済残り450万円…37歳女性、結婚したいが「無理かもしれない」
11/7(月) 10:29配信

 「結婚を考えている相手がいます。でも奨学金の返済が450万円も残っているなんて彼に言い出せなくて…」。長崎県出身の女性(37)はため息をつく。

 源氏物語が大好きだった。あこがれの街、京都の大学で源氏物語を学ぶのが夢だった。一方で実家は、父親がギャンブルにおぼれ、多額の借金を抱えていた。

 京都の私大に合格。貸与型奨学金と教育ローンを頼りに進学した。アルバイトに励み、学費と生活費に当てた。勉強も一生懸命やり、京大の大学院で博士課程へ進んだ。

 その2年目、借り入れ総額は約1千万円に達した。「普通に働けばいずれ返せるだろう」と思っていた。だが現実は、想像を超えることが次々に起きた。リーマン・ショック、東日本大震災…。このまま研究を続けていいのだろうか。将来の返済への不安が重くのしかかる。うつ症状にも襲われるようになった。悩んだ末、博士課程を中退して帰郷。高校の先生になった。だが教職になじめず、5年前に転職した。

  今の仕事は好きだが、月収は手取りで20万円ほど。賞与はない。奨学金の返済は年間56万円。生活費はいつもぎりぎりで、貯金は100万円足らず。「奨学金の返済を理由に相手の親に結婚を反対された」。そんな話も耳に入る。結婚もしたいし、子どももほしい。でも「無理かもしれない」。全てを、諦めつつある。 


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文理融合「データサイエンス学部」が急増、入試動向と課題

2024年12月12日 21時03分50秒 | 教育のこと




文理融合「データサイエンス学部」が急増、入試動向と課題

11/7(月) 6:00配信2022




一橋大学にとって、理系の要素が強い学部と研究科ができるのは初めてのことだ(写真:PIXTA)



全国の大学でここ数年新設が相次いでいるのが、データサイエンス系の学部や学科だ。令和5(2023)年4月には国公立の一橋大学と名古屋市立大学のほか、私立大学を含めると約10の大学で新設される。

 【関連画像】日本で最初にデータサイエンス学部を設置したのは国立大学の滋賀大学だった(写真:PIXTA) データサイエンス系は「文理融合」の学問。

大学によって配点や受験科目は異なるものの、入試は文系と理系の受験生がどちらでも受けられるケースが多い。一方で、他の学部に比べて募集人員が少ないなど、現状では「狭き門」ととらえている受験生も多いのではないだろうか。 新設の学部と学科を中心に、データサイエンス系の入試動向について取材した。 

●一橋大学で72年ぶりの新設学部 

 難関国立大学の一橋大学が、令和5年4月に開設するのがソーシャル・データサイエンス学部。昭和26(1951)年に商学部、経済学部、法学部、社会学部の4学部体制になって以来、72年ぶりに新設される学部として注目されている。併せて、大学院である研究科も新設される。「社会科学の総合大学」を掲げてきた一橋大学にとって、理系の要素が強い学部と研究科ができるのは初めてのことだ。 

 一橋大学ではソーシャル・データサイエンス学部と研究科に迎えたい学生像を、「一橋大学HQウェブマガジン」で次のように明らかにしている。

 「まず問われるのは、基礎力としての数学の素養です。データサイエンスには統計や計算が不可欠であり、数学を避けて通ることはできません。得意ではなくても、アレルギーがない、嫌いではないことは最低条件でしょう」(一橋大学HQウェブマガジン「求める学生像と、入試の特徴」10月3日掲載)  

この考えは入試に反映されている。ソーシャル・データサイエンス学部の一般選抜は、前期日程と後期日程で実施される。 

 前期日程の募集人数は30人。配点は大学入学共通テストが240点で、第2次試験は760点。第2次試験では数学が330点と最も配点が高く、英語が230点、国語が100点、それに配点100点の総合問題がある。総合問題は「社会において数理的なものの考え方を応用する力、情報技術の活用について自ら試行する姿勢を確認するための科目」と説明され、ホームページでサンプル問題が公開されている。 

一方、後期日程の募集人数は25人。大学入学共通テストが200点なのに対し、第2次試験が800点で、第2次試験は数学が500点、英語が300点となっている。数学は配点が高いだけではなく、理系を選択した受験生が学ぶ「数学III」の範囲からも選択科目として出題される。つまり、理系の受験生が受けやすいということだ。 

 一橋大学では経済学部の後期日程でも「数III」の問題を選択できる入試方式をとっている。入試課は「いわゆる文系、理系と区別した募集はしていません。数IIIを入れることで、文系、理系関係なく、科目選択がしやすくなっていると考えています」と話している。 

 大学入試などについて独自の調査・分析を行っている「大学通信」情報調査・編集部の井沢秀部長は、一橋大学

 「前期日程は総合問題があるために、理系を選択している受験生は対策が難しく、受けづらいかもしれません。一方で、後期日程には理系の受験生が多く出願するのではないでしょうか。

  国立の難関大学は後期日程を実施している大学が少ないことに加えて、前期日程で東京工業大学などを受験した理系の学生の受け皿になる可能性があります。いずれにしても募集人員も少ないので、入試の難易度が高くなるのは間違いないでしょう」



多様なデータサイエンス系の学部・学科


 一橋大学以外にも、令和5年4月には多くの大学でデータサイエンス系の学部・学科が新設される。データサイエンス学部の名前では、名古屋市立大学、京都女子大学、大阪成蹊大学で新設されるほか、亜細亜大学では経営学部データサイエンス学科、東北学院大では情報学部データサイエンス学科が新設される。 

 大学がすでに持っている専門性を生かして、データサイエンス系の新学部を設置する大学もある。順天堂大学が新設するのは健康データサイエンス学部。医学部をはじめとする医療系の学部やスポーツ健康科学部を擁する順天堂大学では、医療やスポーツの現場に蓄積された膨大なデータを活用して、健康とデータサイエンスを掛け合わせた教育を目指すとしている。 

 やはり医学部や薬学部など医療系の学部を多く抱える北里大学が新設するのは、未来工学部データサイエンス学科。未来工学というユニークな名称については『「未来」を脅かす課題を見極めて、先回りして人や社会のために動き出す学問』と説明。「環境問題、生物多様性の問題、食料問題、医療問題、感染症のリスクなど複雑で広範な社会課題を解決できる人を育てる」ことを目指している。 

 順天堂大学と北里大学の両学部は、名称からは理系の学部のように受け取れるが、一般選抜の受験科目を見るとそうはなっていない。個別試験に数学はあるものの、その範囲は「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学A」「数学B」であり、いわゆる文系の受験生でも受験が可能だ。 

 順天堂大学の一般選抜A日程では、数学、英語に加え、国語と理科3科目の中から1科目を選択する。北里大学は、数学と英語、それに調査書で合格者を判定する。このように文系、理系どちらの受験生でも受けやすくしているのが、データサイエンス系学部の特徴といえる。

 ●データサイエンスを学べる大学は急増 

 日本で最初にデータサイエンス学部を設置したのは国立大学の滋賀大学だった。それが平成29(2017)年で、翌年に横浜市立大学、翌々年に武蔵野大学が設置するなど、年々増えている。 

 さらに、データサイエンスを学べるのは、データサイエンス学部に限らない。「情報」関係の名称を持つ学部や、工学系の学部を中心に、全国の大学でデータサイエンスを学べる学科は急増中だ。

  大学でデータサイエンスへの注目が高まった要因には、日本でデジタル人材が不足している現状や、それに対する国の方針がある。内閣府の総合イノベーション戦略推進会議が令和元(2019)年6月に決定した「AI戦略2019」では、数理・データサイエンス・AI(人工知能)に関する知識や技能をデジタル社会の基礎知識、いわゆる読み・書き・そろばん的な素養として位置付けている。その上で、人材の育成が緊急的課題として、教育改革の必要性を訴えた。

  2025年の目標として、「データサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を育成(約25万人/年)」「データサイエンス・AIを駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できるレベルの人材の発掘・育成(約2000人/年、そのうちトップクラス約100人/年)」といった数字も掲げている。

  具体的な取り組みとして導入されているのが、高校では「情報Ⅰ」の必修化であり、大学では文理を問わず初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得できるカリキュラムの創設だ。さらに高いレベルで学ぶ場として、データサインエス系の学部や学科があるといえる。



国公立のデータサイエンス系は「狭き門」


 受験生もデータサイエンス系に対する関心は高い。ただ、現状では、国立大学の一般選抜での募集人員は少なく、狭き門だ。前述した一橋大学は前期日程と後期日程を合わせてもわずか55人。滋賀大学は70人となっている。公立大学では、横浜市立大学が前期・後期合わせて45人、名古屋市立大学は50人とやはり少ない。 

 国公立・私立にかかわらず、データサイエンス系の学部や学科が新設されると、最初の年は志願倍率が高くなる傾向がある。一方で、数年で倍率が落ち着いていく傾向も見られる。滋賀大学は一般選抜合計で最初の年が2.5倍だったのに対し、令和3(2021)年は2.3倍、4年は2.1倍となだらかに低くなっている。

 また、武蔵野大学は、新設した平成31(2019)年には全学部統一選抜で6.6倍、一般選抜A日程で11.1倍、B日程で13.4倍、C日程で13.2倍だった。翌年、翌々年も高い倍率だったが、令和4(2022)年は全学部統一選抜で7.2倍、A日程(文系)で7.1倍、A日程(理系)で8.4倍、B日程で4.1倍、C日程で4.9倍と比較的高い水準ではあるものの、下がっている。 

 この傾向は、データサイエンス系の募集人員が全体としてまだ少ないことに加えて、高い倍率が続いたことに対して受験生が警戒したことの表れかもしれない。また、学部や学科まで作らなくてもデータサイエンスを学べる体制を整えている大学は多い。最初の年に関しては読めない部分があるが、その後は倍率が落ち着いていく流れは今後も変わらないのではないだろうか。

 ●課題は教員の確保か  

データサイエンス系の学部や学科を設置している大学は、企業で実績があるデータサイエンティストを教授に招くなどして教育体制を整えている。学生数は少ないものの、教員数は多い体制を組んでスタートしている大学もある。 

 ただ、日本全体で見れば、データサイエンスを教えることができる専門性の高い人材は多いとはいえない。学部や学科を新設するには、人材確保が課題となっている。  

文部科学省は10月から大学設置基準を改正して、専任教員の規定を廃止した。これまで専任教員は原則として1大学限定としていたが、教育カリキュラムの編成など学部運営を担う教員を「基幹教員」と新たに位置付け、他大学との兼任を認めた。  

また、年間8単位以上の授業を担当すれば、非常勤でも基幹教員として雇用できるルールもできている。この改正の狙いは、民間人材や専門性の高い基幹教員が、複数の大学で教育できることで、データサイエンスなど先進分野の学部や学科の新設をしやすくすることだろう。しかし、非常勤教員の増員や、複数大学での兼務が、専門人材不足の根本的な解決につながるのかは疑問だ。

 https://business.nikkei.com/atcl/plus/00050/103100002/p3.jpg 学部や学科を新設するには、人材確保が課題となっている(イメージ写真:PIXTA)

  データサイエンス系の進路を希望する受験生にとっては、どんなことが学べて、どのような教員の授業を受けられるのかが、志望大学を決める上で重要な要素になる。今後大学がどれだけ専門性の高い研究者を育成できるのかも、「狭き門」を広くするためには重要といえそうだ。


田中 圭太郎






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「入学したら勉強どころじゃなかった」現役開成ボーイぎん太さん×元校長先生対談

2024年12月11日 09時03分01秒 | 教育のこと
現役開成ボーイぎん太さん×元校長先生対談「入学したら勉強どころじゃなかった」|VERY

12/9(金) 6:30配信2022



1コメント1件
引用元:VERY
──偏差値40台から、ほとんど塾に行かず、独自の「おうち勉強法」で開成中学に合格!

現在開成高校在学中の現役高校生ぎん太さんが、家庭学習や中学受験の方法を紹介する『偏差値40台から開成合格! 自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法』が9月26日に発売。ぎん太さんの恩師である開成学園元校長の柳沢幸雄先生と素顔の「開成」について話していただきました。


もはや勉強どころじゃない……開成生の生活


──開成高校はどんな学校ですか? 柳沢幸雄先生(以下柳沢)

 「今年で41年連続で東大合格者数トップの進学校」というと、「生徒はガリ勉ばかりなのでは」「入学すれば毎日厳しく勉強させてくれるだろう」と思われることもまだまだ多いんです。通学中も歩きスマホならぬ単語帳から目を離さない生徒ばかりだから人とぶつかっちゃう。多くの人にとっては、そんなイメージかもしれない。


でも実際の中身は全く違います。いざ入学してから「こんなはずじゃなかった」「想像していた学校生活と違っていた」と思うことのないように、私は著書や講演で、開成の実際の姿を繰り返し話してきました ぎん太さん(以下ぎん太)

 開成は行事が多い学校です。毎年4月には、長い伝統を持つ筑波大付属高校とのボートレースがあります。中1の入学直後から先輩の指導のもと、応援の練習がはじまるんです。担任の先生から突然「これから先輩が来るから頑張ってね!」と言われ、体育館に連れていかれました。そこには大きくて何だか怖そうな高校生の先輩たちがズラッと並んでいて、

「明日までに校歌と応援歌を覚えてこい!」と。当時は「この学校に通うと先輩のようになってしまうのか」と震えていたことを覚えています。ボートレースが終わると今度は5月の運動会の練習で、また教室に先輩たちがあらわれて……。


「こりゃ、勉強どころじゃないな」と(笑)。

 ──このあたりがイメージとのギャップでしょうか?


柳沢「東大合格を目指して、毎日何時間も勉強しろ」なんてことは先生も先輩たちもいっさい言いません。新入生は今まで必死に勉強するのが当たり前だったでしょう。開成での生活は勉強以外にもやることがたくさんあります。入学後は、中学受験の勉強のやり方を一度断ち切ってもらうことになる。まずはそのギャップを埋めることが非常に大切です。

とはいえ、開成は進学校なので入学してくるのは、小学校時代に学校や塾でトップクラスの成績だった生徒ばかりです。でも、上には上がいるから1学期の中間試験で己の真の実力を知ることになる。開成は一学年300人ほどの大所帯です。成績上位層だけが優秀という評価をしてしまったら残りはつぶれてしまいます。そういったやり方はとても教育とはいえません。学校の勉強で一番が取れなくてもいい。好きなこと、得意なことを見つけてその分野で活躍してほしい。入学してすぐの頃から色々な行事を体験するのはそんな思いもあってのことなのです。


以下はリンクで


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